インタビュー
「大航海時代 Online 〜Cruz del Sur〜」インタビュー,次期アップデート「Chapter2」について聞いてみた
これらについて,4Gamer読者にはもはやおなじみの,本作の運営プロデューサー渥美貴史氏と,開発ディレクター竹田智一氏に,“Cruz del Sur”の導入後の2か月を振りかえってもらうと共に,次期アップデートについて話を聞いた。
大規模アップデート“Cruz del Sur”の反応は?
4Gamer:
8月22日に“Cruz del Sur”Chapter1「Circumnavigation」(以下,Chapter1)が実装され,2か月が経過しましたが,プレイヤーの反応などはどうだったでしょうか。
ご存知のように,Chapter1で,いよいよ世界一周ができるようになったのですが,世界一周の航海にチャレンジしてくれたプレイヤーが多かったことが嬉しかったです。また,導入した要素のうち,航海者養成学校によって新規プレイヤーが非常に増えました。この航海者養成学校に入学すると,学校の生徒同士のチャットルーム,スクールチャットに参加できるのですが,当初は参加したいのに人数制限で入れなくなるくらいに大盛況でした。
4Gamer:
なるほど,やはり初心者が入りやすいようになったことが好影響に繋がったわけですね。ところで,そのスクールチャットですが,当初既存のプレイヤーを含めて,誰でも自由に参加できたので,やや混乱していたようですが。
渥美氏:
そうですね。実装当初は初心者/熟練者を問わず,興味を持ったさまざまなレベルのプレイヤーが殺到し,確かに混乱していました。しかし徐々にプレイヤーによる自治といいますか,本来の初心者向けという意図が伝わっていき,今は落ち着いています。さらに,その後のアップデートでスクールチャットへの入室制限を設けたことで,初心者がチャットに入りやすくなり,いまは良い雰囲気になっています。
竹田智一氏(以下,竹田氏):
初心者を優先するため,レベル30以上になると(参加人数が多いときは)スクールチャットに入れなくなったんですよ。でも,チャットが空いていれば,教官に話しかけてチャットに入ることはできます。そういうわけで,今チャットにいるレベル30以上のプレイヤーは,初心者へ色々とアドバイスしてくれるプレイヤーということになります。
渥美氏:
手間をかけてチャットに入って,初心者のフォローをしてくれる人がいるわけです。そしてスクールチャットで「初心者です」と初心者が話すと,「これで君も俺達の仲間だな」と答えるといった,暖かいやりとりも見られました。
4Gamer:
スクールチャットが既存のプレイヤーと,初心者が触れ合える良い場所になっているわけですね。
竹田氏:
そうです。「大航海時代 Online」(以下,大航海時代)は,ほかのタイトルに比べて世界観が独特だからということもあるのか,オンラインゲーム自体が初めてだというプレイヤーが多いのです。
渥美氏:
実は,Chapter1の導入後にプレイヤー人口も増えたのですが,同時に,体験版を遊んだ後にそのまま課金する人も増えました。これは,スクールチャットや航海者養成学校の実装で,初心者支援が充実したことで,大航海時代の遊び方が分かりやすくなったことも一因になっていると思います。
4Gamer:
なるほど。既存プレイヤーとの触れ合いが初心者の不安を取り除き,学校で遊び方を学ぶことで,引き続きプレイしようという動機付けになったわけですね。
渥美氏:
ええ,またスクールチャットによって,コミュニケーションが全般的に活性化しました。Chapter1のときもお話しましたが,熟練プレイヤーといっても,それまで軍人一辺倒で遊んできたプレイヤーもいるわけです。そのようなプレイヤーが航海者養成学校をきっかけとして生産に触れ,「ああ,生産ってこういうものなのか」と実感できたり,交易での名産品のコンボのような,若干難しいシステムの勉強になったりと,カリキュラムによって,プレイの幅が広がるきっかけになっているようです。
4Gamer:
たしかに,冒険や戦闘をメインにしていると,交易のシステムはちょっと難しいですね。よく分からないから,とりあえず利益の高い交易品をたくさん売ればいいのかみたいに。
渥美氏:
そうです。そういったプレイヤーにも,分かりやすく遊び方を提示することができたかなと思います。ほかにも,例えば沈没船では,冒険者が協力して何かを成し遂げるという部分の強化に成功したと思います。
4Gamer:
沈没船については,サルベージと曳航,この二つのスキルが必要になりますが,なかなかスキルの最大数に余裕がなくて一人でどうにかするのは大変ですね。
渥美氏:
ええ,実はそこは,まさに狙っていた部分です。簡単にスキル枠を増やしてしまうと,一人のキャラクターでなんでもできるようになってしまい,よりソロ傾向が強くなってしまいます。なので,まずはポンとスキルを二つ追加して,プレイヤー同士で協力してもらおうという意図がありました。
4Gamer:
なるほど,ソロ傾向の強い冒険者にもプレイヤー同士での協力やコミュニケーションを楽しんで欲しいということですね。さて,話は変わりますが,ついに世界一周が可能になったわけですが,それについてプレイヤーからの反応はどうでしたか?
渥美氏:
前提として,世界一周は名のある優れた航海者が成し遂げる,そんなステータス的なものだと位置づけています。世界一周を成し遂げることによって,一人前の名提督だと認められるわけです。
そこでChapter1にあわせて一緒に入れた,“サーカムライナー”という称号があります。これは世界周航を果たした航海者に贈られる称号なのですが,とても評判が良くて,世界一周達成者の称号を見た人たちが,サーカムライナーを目指して世界一周を成し遂げようと考えるきっかけになり,良いモチベーションになったかなと思います。
竹田氏:
世界一周はやはり,達成するのは容易ではないので,チャットで「まだ陸が見えないよ!」と繰り返している航海者を見受けました(笑)。
4Gamer:
私も“ウシュアイア”(南米最南端の補給港)からオーストラリアを目指したときに,40分くらい海しか見えない……と不安になりました(笑)。
渥美氏:
かなりの距離がありますから(笑)。その後,今日(10月31日)まで世界一周のレースイベントを行いましたが,腕に自信のある多くのプレイヤーに挑戦してもらえました。
4Gamer:
今回のイベントはわりと熟練者向きだと感じましたが。
竹田氏:
ええ。これまでのイベントは,プレイヤー全体を対象にしたものがほとんどだったのに対し,世界一周といえば凄い航海者の証だということで,今回は熟練者が挑戦するイベントにしました。ですので,それを見た人達がその結果を話題にするという形で盛りあがるかな,と思っていたのですが,我々の予想以上にレース参加者は多かったです。
4Gamer:
なるほど。たしかに実際に世界一周ともなれば相当の力量が必要でしょうね。ところで,Chapter1で導入された中から,バトルキャンペーンの反応はどうでしたか?
渥美氏:
これまで,軍人といえば大海戦と日々の軍事活動が二本柱になっていましたが,それに加えて新たな変化を付けることができたかなと考えています。実際に,バトルキャンペーンの開催中は誰かがセッションを作成すると,すぐに埋まっていくという感じで大盛況でした。
4Gamer:
なかなか好評だったわけですね。先ほどの世界周航レースもそうですが,Chapter1は,初心者向けの養成学校,そして遠洋航海が必要な熟練者向けのアップデートが主だったように感じています。その意味で,ちょうど初心者を抜け出して,まだ熟練者には満たないような中間層のプレイヤーや,ヨーロッパ周辺だけで遊んでいるプレイヤーなどにはメリットが少なかったという印象を受けました。そのせいなのか,ボリュームについても不満が出ていたように思えるのですが。
渥美氏:
そうですね。なので“Chapter2”では,中間層やボリュームといった部分が強化のポイントになっています。大航海時代というタイトルは,ゲーム内での生き方が多様じゃないですか。
4Gamer:
はい,スキルの取り方によって,いろいろな遊び方ができますね。
渥美氏:
そこで何かアップデートを行うときに全体に対してアップデートを入れようとすると,もの凄いボリュームになってしまいます。そのために,このChapterではこの層を,次のChapterではこの層を……と,各Chapterである程度のメリハリを付けるようにしてきました。
4Gamer:
そうするとChapter1は,意図的に初心者層と,熟練者層向けにアップデートされたわけですね。
渥美氏:
そうなりますが,中級層のプレイヤーには,“La Frontera”で入れた要素を,まだやり込めていない方も多いと思います。つまり,まだまだ楽しめる部分が多く残っている。ですので,まずはLa Fronteraまでの要素を遊びつくして,そろそろやることがなくなったなと感じている熟練層のプレイヤーと,チュートリアル的な要素を追加するという初心者への強化がChapter1のポイントになりました。そして,その中間にあたる層はChapter2で重点的にやろうということが,当初から思い描いていたスケジュールです。
Chapter2:
「Special Ornaments」(スペシャルオーナメント)
冒険者の腕の見せ所,発見物オーナメント
4Gamer:
そうなると気になるのが,やはりChapter2のお話ですね。どのようなものになるのか聞かせてください。
Chapter2「Special Ornaments」は,大きく分けて三つのコンセプトがあります。一点目は見た目が楽しい――視覚的に訴えること,二点目はChapter1で入れたものを強化すること,三点目はプレイヤーからの要望への返答や改良,これらが大きなテーマになっています。この中から視覚的なものとして,まずは“発見物オーナメント”を紹介しましょう。
4Gamer:
オーナメントというと,飾りですか?
渥美氏:
そうです。冒険者が発見できるものは数多くありますが,装備品以外は発見物カードという形でしか残りませんでした。ですから,記念品としてこれらをアパルタメント(自宅)に飾りつけられると面白いなと考えたのです。
4Gamer:
だから“発見物”オーナメントなんですね。どのようなものが飾れるのでしょうか。
竹田氏:
まず,芸術作品や歴史的,宗教的な像などがあります。ほかには,テーブルの上に財宝や植物を飾るという感じのオーナメントもあります。これらをアパルタメントの大きさに従っていくつか置くことができます。
4Gamer:
ところで,私は釣りスキルランク20という一釣り師なのですが,このオーナメントに発見した魚を泳がせる水槽みたいなものはないでしょうか?
渥美氏:
なるほど! そういうものも今後は可能ではありますね。
竹田氏:
面白いですね,それはアリかもしれません(笑)。
4Gamer:
なんだか良い反応が返ってきましたので,期待しています(笑)。では,これらオーナメントの入手方法についてですが,もう一度発見が必要になるのでしょうか?
そこはやはり気になりますよね。これらの入手については,発見物カードを工房の職人に渡して,製作を依頼するという形になります。あれ? いま話していて気が付きましたが,それってレプリカということだよね(竹田氏を見つつ)?
竹田氏:
そうです,レプリカです。遺跡から持って帰るとほかのプレイヤーが発見できなくなってしまいますから(笑)。それに貴重なものを勝手に持ち帰っては困りますし。発掘しては持って帰る,そんな時代もありましたが。
4Gamer:
そんな理由ですか(笑)。ということは,発見物カードを消費するということですね。
渥美氏:
そうですね,発見物カードと引き換えに工房職人に作ってもらう形になります。
4Gamer:
なるほど。つまり発見物カードをすでに持っていれば良いわけですね。ところで,実装時には何種類のオーナメントが用意されていますか?
渥美氏:
Chapter2で入るのは30種類以上です。もちろん,今後のアップデートで種類は増やしていきます。
4Gamer:
先ほどアパルタメントの広さで置ける数が変わると聞きましたが,実際にはどれくらいの数が置けるのでしょうか?
アパルタメントのランクに従って,1個,2個,3個と置けるようになります。今度,アパルタメントにランク4が入りますが,このランク4はかなり広いので,オーナメントを一気に5個置けます。また,オーナメントはトレードできるようになっているので,プレイヤー同士で交換できたりもします。
竹田氏:
ほかにもランク4とは直接的には関係ないのですが,アパルタメントに関連した重要な追加要素があります。
4Gamer:
重要な追加要素ですか。それはどういったものでしょうか。
ついに大航海時代に“ペット”が実装
渥美氏:
視覚的に訴えるもう一つのウリになるもので“ペット”が入ります。
4Gamer:
おお,ペットですか。
渥美氏:
例えば,猫とかアルマジロ,ペンギンなどなど。
竹田氏:
こういった動物を,アパルタメントの中で飼えるようになり,これに伴って生産でペットの餌が作れます。
4Gamer:
餌のレシピが登場するということですね。ペットといえば育成要素が気になりますが,餌があるということはなんらかの要素があるわけですね?
渥美氏:
ええ,餌をあげると親密度が上がり,なついてくれます。
ほかにも餌を使うとどこでもペットを呼び出せる仕組みになっています。例えば,街中で友達に自分のペットを見せたりできるわけです。ペットを抱いて歩いている感覚です。
4Gamer:
なるほど。ペットに名前は付けられますか?
竹田氏:
もちろん付けられます。また,ペットによって好きな餌,嫌いな餌があるので,好きな餌をあげれば徐々になついてくれるようになるんです。
渥美氏:
餌の種類も面白いですよ。生餌とか肉団子とか。
竹田氏:
コオロギとかを捕まえて,それで餌を作るというものもあります。魚とか鳥から,肉団子を作るというものも。調理師の人は,人間のための調理だけではなく,ペットの餌も調理できるようになるわけです(笑)。
渥美氏:
これは開発スタッフのこだわりなのですが,ペットも実はトレードが可能だけど,トレードすると親密度が下がってしまうという仕掛けがあるのです。ちなみに,トレードするときは,まだ正式名称が決まっていませんが“権利書”のようなものをトレードすることになります。
竹田氏:
船の権利書と同じような感じです。
4Gamer:
ペットが好きな餌を調べるのも楽しみの一つになりそうですね。ペットを入手する方法が気になりますが。
竹田氏:
ペットを入手するためのクエストが追加されます。ペットごとにクエストがあり,それを達成すると入手できます。猫などのように,どこでも見かけるような動物は簡単にクエストを受けられますし,またランクの低いアパルタメントでも飼えます。しかし,発見物が関わるような動物になると,その発見がクエストの前提になっており,さらに,種類によってはペットを飼うための広さが必要で,高いランクのアパルタメントでなければ飼えません。
4Gamer:
そこでアパルタメントのランク4が関わってくるペットがいるわけですね。ペットの登場によって生物関係のスキルは人気がでるかもしれませんね。
渥美氏:
そうなるかもしれません。ほかにも,親密度が高くなるとかわいいモーションをするようになったりします。あと,オマケ的な要素になりますが,親密度が高いとたまにアイテムを見つけてくれたりするようになるのです。
竹田氏:
たまーにですけどね。主人の役に立とうと頑張る姿が見られたりもします。ペットがアイテムを見つけてきてくれるというのは,本当にオマケ的な要素ですが(笑)。
渥美氏:
ちょっとしたことですけど,プレイする上で楽しい要素だと思います。
4Gamer:
機能的なものではなく,あくまでペットを楽しむものだということですね。「うちのペットが,こんなの拾ってきたよ!」と,ブログなどでのネタになりそうです。気になるところとして,飼えるペットの数や種類などは?
竹田氏:
アパルタメントに飼えるのは一匹(一羽)です。しかし,ペットはアイテムとしてキープできますし,クエストを達成した履歴は残っていて,飼育人に預けているという状態になります。そこからいつでも引き出せるわけです。
渥美氏:
発見物オーナメントにしてもペットにしても,初心者や中級者の人でも楽しめるものが多く導入されると思います。
竹田氏:
オーナメントにできる発見物として,ヨーロッパ周辺の遺物も多いですしね。このように,これらは成長に必要だとか,強くなるためとかの追加ではないんです。Chapter1が航海者としての活躍の場や生きるための糧といった内容だったのに対して,Chapter2ではお遊び要素だけど,見た目にこだわった(世界観を補うような)ものになっています。
4Gamer:
Chapter1では少なかった,“遊びの部分”が多く導入されると。では,先ほどから話に出ているアパルタメントのランク4については,ほかに何かありますか?
渥美氏:
もちろん,見た目や各収納数はパワーアップします。
竹田氏:
見た目は相当大きくなると思います。
先ほどの発見物オーナメントの設置数がいきなり5個になるくらいですからね。副官のスペースについてはどうですか?
竹田氏:
副官はむやみに増やせないのですが,マネキンが一体増えるので,装備品の収容力がぐっと増えますね。
4Gamer:
たしかに,副官はバランスに影響する大きな要素ですからね。しかしマネキンの追加は素直に嬉しいですね。では,Chapter1で入った要素の強化について聞かせてください。
レアな沈没船の登場。レア沈没船にはギミックが満載?
既存の高性能船に,さらなる強化船が登場
渥美氏:
まずは,沈没船に関して。曳航がやりやすくなるオプションスキルが入ります。
竹田氏:
曳航用ジーベックという船があるんですが,その船のオプションスキルに“曳航補助”という専用のオプションがつきます。これは曳航ロープがずっと切れることなく曳航していける,まさに曳航用の船にすることができます。
渥美氏:
それと,“シップレッグハンター”という専用の称号が用意されます。それから,レアな沈没船が追加されます。
4Gamer:
レアですか。
竹田氏:
これまでとは一味違う沈没船です。
渥美氏:
曳航している段階もそうですし,中を探索する段階も,今までの沈没船とは違ったギミックが満載です。
4Gamer:
どのようなギミックが満載なのですか?
渥美氏:
その内容はまだ言えませんが,満載といって良いと思います。
4Gamer:
それはとても気になりますね。内容は実際にサルベージしてのお楽しみということで。
遠距離からの曳航が楽になりそうだ。 |
どれほどサルベージすれば“シップレックハンター”に? |
レア沈没船とはいったい? 画像は既存の沈没船の中 |
渥美氏:
次に,バトルキャンペーンの強化です。もともとバトルキャンペーンには二つの狙いがありました。第一に,大海戦のような一つの街を争うもの以外に,制海権を争って複数の街を奪い合うようなものを入れたかったこと。第二に,誰もが参加できるものにしたかったことです。そのうちの後者,誰でも参加できるという部分については,最初に実装したあとでプレイヤーから寄せられた意見を10月のアップデートで多く反映させ,より参加しやすくしました。例えば,船の最大耐久度の消耗を気にせずに何回も戦える仕様の導入などです。そして,もう一つのコンセプト,制海権を争うという部分にまだ調整すべきことがあると思っていまして,それをChapter2に入れたいと思っています。
竹田氏:
もっと納得できるものにしたいなと。あとは,個人報酬などを調整しようと思っています。
渥美氏:
こんな風にバトルキャンペーンのことを話していると,今回はどんな船が追加されるのだろう? と気になると思いますので,そこを紹介しましょう。
まず,商人向けの商用大型ガレオンに“強化倉庫”が付けられるバージョンが追加されます。また,冒険者向けには大型ガレオンに“急加速”が追加されます。
竹田氏:
わりと性能の良い船は強化レベル2のオプションまでしかないのですが,強化レベル3のオプションスキルなどを付加することで,多岐にわたって船が選択できるようになります。
渥美氏:
戦闘用ピンネースに“特殊機雷”が追加されたり,ヴェネチアンガレアスに“仕込み爆弾”が追加されたりとか。こういった強化された船の追加は,先ほどお話した曳航用ジーベックの専用オプションを含めて,小型から大型まで,20隻はあります。
4Gamer:
それは楽しみな数ですね。お気に入りの船の強化版が入っているか気になるところです。
既存要素の強化
ついにアレを発見できる!?
渥美氏:
あと,Chapter1の強化……というわけではないのですが,今までなぜなかったのか? という発見物が追加されます。
4Gamer:
ないことが不思議だったということですか?
渥美氏:
ええ,あまりにネタバレなので,特別に4Gamerさんだけにこっそりと(笑)。
4Gamer:
ああ,たしかに! 記念撮影をしたことはありますが,発見したという記憶がなかった。あれですか。
本当に,なぜあの発見クエストがなかったのだろうと(笑)。
渥美氏:
さらに奥にある巨大な建造物に目を奪われて,きっと今まで見えていなかったのですよ(笑)。
4Gamer:
ちょっとした衝撃の事実ですね(笑)。
渥美氏:
ほかにも地中海を含めた発見物の追加がいくつか予定されています。
竹田氏:
東京ゲームショウでのイベントのためにいただいた質問に,地中海あたりのクエスト追加はないのか,というのがありましたし,この機会にChapter2に反映しました。今後も既存海域への発見物追加は行っていきたいと考えています。
渥美氏:
つまりこれは,先ほどお話した三つ目のテーマ,プレイヤーからの要望による,既存要素の強化/改良になります。
4Gamer:
初心者から中級者は,やはり地中海/ヨーロッパ周辺のクエストが欲しくなりますね。
渥美氏:
そうです。ほかにも,最近は操作性の改善について力を入れています。例えば,以前から多かった要望で,生産のログが多すぎてチャットが流れてしまうというのがあり,10月のアップデートではそこに手をいれました。
4Gamer:
生産や戦闘のログを非表示にできるやつですね。
渥美氏:
はい。それだけではなくて,操作上の問題になっている部分を改善することで,プレイヤーのストレスを下げることが重要だと考えています。例えばChapter2では,一定時間操作がない場合,自動的に離席中になる機能を追加します。現状は,プレイヤーがマニュアルで設定しないと駄目なのですが,思わず忘れたまま席を立たれることも多いため,自動で離席状態になる機能を追加することとなりました。
次に,これは多くのプレイヤーが喜んでくれると思うのですが,生産に変更を入れます。今の生産は,クリックをたくさん要求する仕様になっていますが,ここにワンクリックで連続生産する機能を追加します。
4Gamer:
それは,材料と行動力が続く限り,連続で生産してくれるわけですか?
竹田氏:
そのとおりです。
渥美氏:
今までもマイスターの自動生産などがありましたが,あれもマイスターになる必要があったので,普通の生産でも可能にしようと考えました。
4Gamer:
では,マイスターの自動生産との違いは?
竹田氏:
マイスターのものは,ほかのことをしながら自動生産できますが,今回のものは生産画面を開いた状態である必要があります。
4Gamer:
個数の指定などはできるのでしょうか?
竹田氏:
作れる分だけ作り続けます。もちろん途中で中止することもできます。
4Gamer:
なるほど,そういったユーザーインタフェースの変更を行っていくわけですね。
アイテム枠の問題を解決する要素の導入
渥美氏:
ほかにプレイヤーからの要望で多いものに,各種の枠の問題があります。先ほどスキルの枠の話をしましたが,そのほかにもアイテムの枠の問題があります。今回その要望に応えるということで“マイレシピ帳”という新要素を追加します。
4Gamer:
マイレシピ帳ですか。どういったものなのでしょう?
渥美氏:
これはレシピのバインダーのようなもので,こちらにレシピを移すことでその分のアイテム枠に余裕がでるのではないかなと思い,追加することにしました。
4Gamer:
それは,今のバインダーとは別にレシピ用のバインダーが追加されるということでしょうか?
竹田氏:
正確には,レシピ本の中からこのレシピだけ必要なんだというものを抜き出して,登録するものです。例えば,小麦を小麦粉にするレシピだけ必要なんだという人は,小麦粉のレシピをマイレシピ帳に登録することで,その本は必要なくなるわけです。さらに,マイレシピ帳自体も所持品には入らないので,アイテム枠を占有しません。
4Gamer:
なるほど,そのレシピ本を持っていなくても登録したレシピだけは作れるようになるのですね。
竹田氏:
ちなみに,登録するときレシピ本から必要なレシピを切り取ったということで,その本はスクラップ,つまり無くなってしまいます。
4Gamer:
本がぼろぼろになって廃棄されると(笑)。レシピはいくつぐらい登録できますか?
竹田氏:
最初は3枠と少ないのですが,だんだんと増やせ,最大で10枠になります。これは,国家から生産を専門にやっていいという許可をもらうことで,このマイレシピ帳を使うことができます。許可をもらうことは簡単な条件ではないかもしれません。
4Gamer:
国家の許可に,簡単ではない条件ですか。ふと,頭に専用艦建造許可証がよぎったのですが……。
竹田氏:
鋭いですね(笑)。でも,あんなに枚数は要らないですよ。
4Gamer:
少なくとも3枠を入手するのにあれほどの苦労は必要ないと。つまり,国家貢献勲記を交換することになるわけですか?(編注:国家貢献勲記は,勅命などで国に貢献した場合に報酬としてもらえる。ちなみに「専用艦建造許可証」をもらうためには、200枚の国家貢献勲記が必要)
そうなります。マイレシピ帳という名前なので,パッと見て個人的な意味合いが強い要素に思えてしまうのですが,マイレシピ帳が持てること自体をステータスにしたいので,国家貢献勲記を必要な枚数を集めなければならないという背景にしています。
4Gamer:
これまで専用艦のためだけの国家貢献勲記という感じでしたが,今後,広い意味が見えてきそうですね。
竹田氏:
そうですね。順次こうした“交換できる要素”を加えていこうと考えています。
以上のように,アパルタメントのランク4と,このマイレシピ帳によってアイテム枠の問題は大きく改善されるだろうと思っています。
4Gamer:
なるほど,どのような要素が出てくるかも楽しみですね。では,ほかに何か今後の大航海時代について,予定している要素はありますか?
渥美氏:
そうですね……まだ内容は発表できないのですが,Chapter2に伴って,大航海時代に関わるサービス上で,大きな隠し玉の発表を用意しています。
4Gamer:
むむ,気になりますね。
渥美氏:
これが入ると,プレイヤーの皆さんにとってますます便利になるのは間違いないと思います。
4Gamer:
どのようなサービスになるのか,期待しています。では,今後行われるイベントなどはどうでしょう?
渥美氏:
11月は航海者応援月間ということで,冒険,交易,戦闘のそれぞれ職業についている人を一週間ずつ応援していこうというイベントを実施します。これは,該当する職業から一部のスキルランクが1ランク(+1)スキル補正された状態になるもので,これによってまだ作れないモノを作れたりしますので,お試し的に次のランクを体験していただければと思います。仕組みとしてはシンプルなキャンペーンイベントですが,プレイヤーの皆さんには喜んでいただけるかなと考えています。
4Gamer:
キャラクターを育成している人にはありがたいイベントですね。
渥美氏:
そうですね。次に12月には恒例のクリスマスイベント,そして年末年始に向けてニューイヤーイベントをやります。大航海時代では,節目ごとにイベントを行ってきましたが,現在はバトルキャンペーンを含め,大海戦,アカデミーなど,さまざまな定例イベントが起こるようになっているので,どこに季節イベントを入れるかという判断が大変になってきました。
4Gamer:
とくに12月からは,行事が続くのでちょっと大変そうですね。内容などは決まっていますか?
渥美氏:
内容についてはまだ流動的ですので,どのようなストーリーになるかは,ご期待ください。
4Gamer:
楽しみにしています。さて,“Cruz del Sur”で太平洋を南回りして,世界一周ができるようになりました。となれば,次は太平洋を北周りで世界一周ができる日を心待ちしたいところなのですが。
プレイヤーから課せられた,三つの宿題
Chapter3の発表は近い!?
渥美氏:
それは,暗に“日本”の実装は? という質問とほぼイコールというように受け止めました(笑)。実は“Cruz del Sur”の発表会のときに募集したプレイヤーからの質問で多かったものに,日本導入,国籍をオスマントルコとしてのプレイ,Non-PVPサーバーの実装という三つがあり,これを宿題とさせていただいています。
竹田氏:
実はですね,(いつもの地図を開いて)世界はまだまだ広くて,実装した部分はこれだけしかないのです。
4Gamer:
アメリカの西海岸もそうですし,北極圏,南極圏などもありますね。
渥美氏:
(アメリカ南西岸を指差して)このあたりとか,不自然に空白になっていますよね(笑)。
4Gamer:
そこには,あの文明があったような(笑)。
渥美氏:
なにかありましたね(笑)。まあ,そんな感じでまだやれることは多いので,次は何に手をつけようかと考えている段階です。実は,Chapter3も内容的には固まりつつあります。では,その後はどうするのかというと,プレイヤーの皆さんからの三つの宿題もそうですし,残った海域など,どこをどの順番で追加していくのか,開発と運営で検討しているところです。とくに海域を広げるときには,これまでのように定期船や船の速度上昇など,移動に対する答も必要と考えています。
4Gamer:
ということは,Chapter3は案外早く?
竹田氏:
ええ,「Chapter3がもう出るんだ?」というタイミングで実装できると思います。
4Gamer:
では,Chapter2の実装時期はいつごろを予定しているのですか?
渥美氏:
12月上旬です。そして,年が明けてしばらくしたら,もうChapter3の話題? みたいな感じになるかもしれません。
4Gamer:
Chapter2がいよいよ発表と思っていたらもうChapter3なんですね。では,次のインタビューの準備をしなくてはいけませんね(笑)。
渥美氏:
そうですね(笑)。よろしくお願いいたします。
竹田氏:
そこでは,先ほどの枠がないという話を解決するシステムの一つが,入る予感が……。
4Gamer:
おお,どこまで聞けるかはわかりませんが,どのようなシステムに?
竹田氏:
具体的には船……です。もう船が持てないよということをなんとかするシステムを入れたいと考えています。
4Gamer:
なるほど。残念ながらここでストップが掛かりましたので,最後に読者に向けてメッセージをお願いします。
竹田氏:
Chapter2はもちろん,Chapter3でもいろいろな追加要素に期待してほしいです。Chapterごとにこんなものが! と,毎回驚きを感じていただきたいと思っています。
渥美氏:
Chapter2は,大型アップデートの名に恥じないものだと思っています。とくに見た目に分かりやすいペットや発見物オーナメントなど,初心者の方から熟練者まで幅広く楽しめるアップデートですので,みなさんご期待ください。
4Gamer:
本日はありがとうございました。
“Cruz del Sur”が実装されたけど,レベル帯によっては今ひとつボリュームが……そう感じるプレイヤーもいたかもしれない。しかし,インタビューではChapter1,Chapter2とそれぞれのアップデートが独立しているのではなく,そのChapterの一つ一つが次のアップデートへのステップになっていると渥美氏は話してくれた。いま自分には関係のないアップデートだと思っている場合であっても,次,そのまた次のアップデートでどのように自分に関わってくるのか,日々進化するオンラインゲームだからこその楽しみと言えるだろう。
そして「大航海時代 Online」の世界もまた,世界周航が可能になったとはいえ,まだまだ海域,さらに歴史など,残されたものは広く深いのである。Chapter2では,そんな世界観を広げる要素となる,家(アパルタメント)を飾る“発見物オーナメント”,プレイヤーの癒し要素になる(?)“ペット”という,MMOにおいて大きな二大要素が追加される。この注目のアップデート「Chapter2 Special Ornaments」の実装は12月上旬。アパルタメントに飾りたい発見物や,ペットにしたい動物の発見,そして国家貢献勲記を準備して実装のときを待ちたい。
――10月31日 収録
- 関連タイトル:
大航海時代 Online
- 関連タイトル:
大航海時代 Online 〜Cruz del Sur〜
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