インタビュー
シミュレーションゲーム「大航海時代」への原点回帰?「大航海時代 Online 〜Tierra Americana〜」発表会後に出てきたいろいろな疑問を聞いてみた
内陸の街へは簡単に移動可能
トレンドが発生すれば文化貢献度を貯めるチャンスに
4Gamer:
“Tierra Americana”では,パリの“博物館”,フィレンツェの“メディチ家の工房”が登場します。前回のインタビューでその概要を簡単に教えてもらいましたが,まだまだ疑問点は多いと思います。
渥美氏:
プレイヤーのみなさんから一番多かった疑問は,そもそも内陸の街にどうやって行くの? という部分です。結論から言えば,既存の街から“案内役”の馬車に乗って,内陸の街まで移動できるというものになります。
4Gamer:
途中に街道があるわけではなく,簡単に移動できるんですね。案内人から内陸の街に移動するためには,何らかの資格や条件は必要になりますか?
竹田氏:
いえ,そこは何のハードルも設けていません。
4Gamer:
では,これらの街には,どの街から行けるのでしょうか。
渥美氏:
まず,フィレンツェはお隣の街“ピサ”から行けます。一方のパリですが,ここはちょっと議論が分かれるところではあったのですが,“マルセイユ”から行けます。ボルドーじゃないのかという声もあるとは思うのですが。
4Gamer:
フィレンツェがピサということで,ゲームとしては,フランスの西側,もしくは北側になるのかな? と思ったので,ちょっと意外でした。
竹田氏:
マルセイユと言えば,フランスの本拠地ですし,そこからの利便性をということで決まりました。
渥美氏:
そうすると,(フィレンツェに)ヴェネツィアから行けても良いのではないかという議論もありそうです。ただ,ご存じのように,ヴェネツィアは風向きの関係があるので……。
4Gamer:
ああ,たしかに通うとすると,ちょっと大変かもしれませんね。
もちろん,機能を利用するうえで,国籍の制限はとくにありませんので,どの国家のプレイヤーでも自由に移動してもらえます。ただ,その街に出入り禁止になっている方は,行けませんね(笑)。
4Gamer:
それは……もう早めに敵対度を落としておくしかないですね(笑)。ところで,これらの内陸の街で気になるのは,パリやフィレンツェで交易品が買えるのかというところです。
竹田氏:
内陸では交易品は買えません。やはり交易品を扱うとなると,パリで買えるものと,マルセイユで買えるものは,当然同じものではありません。ですので,移動がほぼゼロで交易ができてしまうと恐ろしいことになりますので(笑)。
4Gamer:
これから内陸の街が追加されていくときも,基本的には,交易品は売っていないという形になるわけですね。
竹田氏:
そうですね。大航海時代の船に交易品を積んで運ぶという原則は守っています。
4Gamer:
では,各内陸の街に登場するコンテンツの内容については,プレイヤーからどのような疑問がありましたか?
渥美氏:
まず博物館では,トレンドが起こるとどうなるのかという部分に疑問が集まっていました。
4Gamer:
つまり,トレンドによるメリットの部分ですね。
竹田氏:
そもそも博物館は,文化貢献度を上げることで,クエストが複数請け負えるというメリットを享受するための施設になります。クエストを複数受けるための手段として,博物館に発見物を展示して文化貢献度を上げていきましょうというのが,博物館という機能のエンジンです。
この機能に関係するほかの部分は演出と割り切るとわかりやすいですね。トレンドについても,トレンドを起こすことで,文化貢献度を貯めやすい状況になります。
4Gamer:
トレンドによる酒場の変化が面白かったので,そちらに注目してしまいましたね。発表会では,発見物オーナメントを博物館に陳列することで文化貢献度を上げると紹介されていましたが,博物館以外でも上げられるというわけですか?
竹田氏:
そうです。トレンドが起こった街で,トレンドになっている文化圏の発見物を報告したり,交易品を持ち込んで売ったりすれば,文化貢献度が上がるので,貯めやすくなるという仕組みになっています。そして,文化貢献度を多く貯めることで,高難度のクエストを並行して進められるようになります。
4Gamer:
2個目に受けられるクエストのランクは,文化貢献度によって変わるんですか?
竹田氏:
ええ,文化貢献度が高い人であれば,難しいクエストも並行して進められるというイメージです。文化貢献度を消費してクエストを複数受けると考えてもらうと分かりやすいと思います。
4Gamer:
なるほど。そうすると,クエストのランクによって,文化貢献度の消費量が変わるというわけですね。
竹田氏:
そういうことです。博物館には大展示室と小展示室がありますが,小展示室は,誰でも発見物オーナメントを置けますが文化貢献度の上昇は少なく,こまめに置かなくてはいけません。一方の大展示室は,お金を払って置かせてもらえば,文化貢献度が一気に上がるというものを想像してもらえれば,流れが分かると思います。そしてトレンドが発生すれば,その街に行って,さらに文化貢献度を上げようとなるわけです。
4Gamer:
ちなみに,同時に受けられるクエストは,冒険クエストだけですか?
竹田氏:
そういうわけではなく,例えば冒険クエストをやりながら,交易のクエストもできます。
4Gamer:
行き先が同じなら,ついでに交易品を積んでいくというのも良いですね。では,一方のフィレンツェのコンテンツである,メディチ家の工房についてはどうでしょうか?
渥美氏:
これは分かりやすいこともあって,あまり疑問点はありませんでしたね。
竹田氏:
ただ,いろいろな条件を満たさないと出てこないレシピもあります。例えば自分の商会の開拓地がある程度発展していないと出てこないような,隠し要素的なレシピも用意しています。先ほど,開拓地について商会に入っていなくても基本的なメリットが受けられると言いましたが,そうはいってもやはり商会で行動している人には,少しですがそれとはまた別のメリットを用意しています。
4Gamer:
レシピ出現の条件は,メディチ家にただ材料を届けるだけではないんですね。導入後にその条件をめぐってプレイヤー間で情報交換が行われると思いますが,良いヒントになりそうです。
竹田氏:
このように,ほかにも内陸の街とコンテンツについては,いろいろとアイデアがあるので順次追加していきます。大航海時代は主に港町のゲームですが,この世界に登場させたい街は,内陸にもあるので,それらの街の文化であったり,特徴であったりをゲームの中に反映していきたいと思っています。
大海戦は王立艦隊だけではなく
すべてのプレイヤーの行動が影響するように
プレイヤーの関心が高いと思われる王立艦隊についても聞かせてください。王立艦隊の登場によって大海戦の流れがどう変わるのかは,まだ良く分かっていません。
渥美氏:
前回のインタビューでは,国威を高めていくと大海戦が発生すること,国威を上げることができるのは王立艦隊に所属しているプレイヤーであることを紹介しました。実は,もう一つ発表していないパラメータが存在します。内部では敵対度と呼んでいます。
4Gamer:
ここで言う敵対度は,個人単位のものではなくて,国家単位ですよね?
渥美氏:
そうです。イメージとしては,投資戦で他国の同盟港に投資を行うと,その港の同盟国に対して敵対度が上がっていくというものです。ほかにも,プレイヤー海賊が,他国のプレイヤーを攻撃したときも,その国とのあいだで敵対度が上昇します。
4Gamer:
それは,例えば多国籍でパーティを組んでいる無差別PK(海賊)のような場合はどうなりますか?
竹田氏:
敵対度の上昇は,提督同士の国籍で判定しています。また,王立艦隊は自分の国のプレイヤーと戦うことはできません。ただ,どちらかといえば,PvPよりも投資のほうが大きな要因になっています。
渥美氏:
大海戦の発生については王立艦隊による国威と敵対度の二つが影響します。敵対度は,どの国と大海戦が発生するのかが決まるもので,国威は国として戦いの意思,気持ちがどこまで高まっているのかを表しています。この両方の条件が満たされて初めて,大海戦が始まります。なお,敵対度については今後バランスを見ながら王立艦隊以外のプレイヤーによっても変動することを検討していきます。
4Gamer:
大海戦の発生そのものは,プレイヤー全体の行動によって決まっていくという方向性ですね。
渥美氏:
はい。あと大海戦は一大イベントなので,その準備が大変です。ですので,その開催頻度もプレイヤーのみなさんは気になっていると思います。投票によって攻める都市を選択するのは今までと同じ流れで,その期間を含めて,最短で4週間から1か月に1回になります。
4Gamer:
それは,プレイヤーの動きを考えて,そのくらいの期間に発生するだろうという目安でしょうか。それとも,システム的に期間が設けられているのでしょうか。
竹田氏:
システム的に,大海戦終了から次の投票発生まで15日は空くようになっています。
渥美氏:
さらに日程についてですが,自由に発生するということは,平日に発生するのかという疑問があると思いますが,どのタイミングであれ,大海戦が行われるのは週末になり,時間もこれまでの大海戦と同じです。
竹田氏:
平日や昼間でないと参加できないというご要望もいただくのですが,人数が揃わないとできないので,ピークの人数が多い時間帯にしています。
4Gamer:
つまり,大海戦の開戦トリガーが引かれた時点で,その週からこれまでの大海戦と同じようなスケジュールで動いていくわけですね。
竹田氏:
そうなります。攻撃国については,高まっていた国威がいったん落ち着くので,次回は別の国が攻撃国になるという具合に,同じ国ばかりが攻撃対象にならないようになっています。
4Gamer:
大海戦の流れについてはイメージできましたが,一方で王立艦隊の大海戦での動きがまだよく分かりません。海から要塞を攻撃しているスクリーンショットは分かりやすいですが,冒険者の工作や,すんなり街に入れるかどうか,商人はどうやって要塞の防御を固めればいいかといった部分はまだ明らかになっていません。
王立艦隊での各職業については,大海戦が起こるまでは普段とは変わらず,起こってからという感じですね。
大海戦全体の流れを説明すると,まず大海戦が始まる前に,これまでどおり大海戦のクエストが受けられます。その時点から目標となる海域にある,攻撃国の同盟港,防衛国の同盟港,連盟国の同盟港で,物資を使って要塞が構築できます。物資は,例えば街から敵を攻撃するための大砲だったり,街の守りを固めるための装甲板だったり,戦う人のための食料だったりです。
この要塞の構築ですが,王立艦隊の海上輸送司令部に入っていなくても参加できますが,司令部に入っていたほうが,より効率的に構築できたり,王立艦隊の功績になるので,当然,海上輸送司令部に入っているプレイヤーが中心になって行うと思います。
4Gamer:
なるほど。要塞の構築はそもそも王立艦隊でなくても良いんですね。
竹田氏:
大海戦が始まったあとは,要塞に対して攻撃ができるようになるので,そこで軍人の出番です。
4Gamer:
要塞を攻撃することになるわけですが,普通に考えれば街を選択すると,街に入ってしまいますよね。具体的にはどのように攻撃するのでしょうか?
竹田氏:
街が見えるところから一定の距離内であれば,要塞を攻撃することができます。そこにイカリを下ろして船を停泊させ,クリックすれば砲撃できるという仕組みです。
4Gamer:
相手国からすれば,要塞の前に陣取っている敵艦隊に対して,要塞を守るために攻めにきますよね。
渥美氏:
そうですね。そこで戦闘を仕掛けることで,要塞攻撃が解除されます。要塞が陥落してしまい,その港に投資されるのは,守り側にとって大きなダメージになりますので,ちゃんと要塞を守るという行動が重要になると思います。
竹田氏:
なお,要塞への砲撃は無制限ではなく,1要塞につき5艦隊(25プレイヤー)までと決まっているので,全員で攻め込んで一斉射撃というものではありません。そのため,戦力をどう割り振っていくかが重要になります。
逆に,攻め側が5艦隊しかいないというのは,攻撃側にとっては不利です。ですので,守り側にプレイヤーがちゃんと配備されていれば,守りきれると思います。しかし,そこに戦力が分散してしまうというデメリットはあるので,どのように艦隊を割り振るかは,大きな意思決定になると思います。
4Gamer:
なんとなく掴めてきました。こうなると攻撃側も,要塞を攻撃する5艦隊に加えて,この5艦隊を守る艦隊という構成もありえそうですね。
竹田氏:
ええ,ありえますね。
渥美氏:
攻撃側は5艦隊という制限があるので,1個の艦隊が攻撃できなくなった時点で,いかにすばやく次の艦隊を要塞攻撃に送って,最大の力で要塞攻撃を持続できるようにするか,といったことも重要になると思います。
もう一つ効果的なのが,工作によって要塞の耐久度を落とすことです。そのまま正攻法で戦うと,城攻めと同じで攻める側の損害は大きくなりがちです。
竹田氏:
敵の要塞には,大海戦のクエストを受けている状態じゃないと入れません。クエストを受けて,その街に着くまでに敵のプレイヤーに撃破されるとその命令がクリアされます。これは要塞攻撃も,工作も,要塞構築も同じなのですが,その海域に命令する指揮官がいます。その指揮官から命令を受けて,要塞に行くことになります。ですので,到着までに撃破されないように,妨害をくぐり抜けて街に到達しなければなりません。
4Gamer:
どのルートで行くかが重要になりますね。ちなみに命令は海域を越えても維持されますか?
竹田氏:
ええ,維持されます。
4Gamer:
そうして,敵の包囲網をかいくぐり,無事に街に到達して,工作を行うと。その工作はどのように行うのでしょうか。
竹田氏:
港に入って,工作用のさまざまなアイテムを使います。このアイテムの種類は,ある程度固定されているので,事前準備はできると思います。
4Gamer:
例えば,洋上で使う火炎壺や仕込み爆薬などのアイテムでしょうか。
竹田氏:
洋上というよりは,陸上で使う物ですね。
4Gamer:
えーと……,ノコギリや金鎚とかですか?(笑)
渥美氏:
イメージとしてはそんな感じで大丈夫だと思います(笑)。なお,要塞の構築と同様に,冒険者が作戦司令部に入っていれば,1回の工作で要塞の耐久度を削れる量が増えます。これは要塞攻撃でも同じで,艦隊総司令部に入れば攻撃が効果的です。
その一方で,要塞を守る側からすれば,物資を輸送して要塞の耐久度を高めるという行動になりますが,大海戦が始まったあとは,削られた部分を補修して新品同様に構築しなおせるというバランスではなくて,攻撃や工作のほうが強くなっています。
竹田氏:
つまり,洋上で敵の砲撃や工作に向かうプレイヤーを,いかに阻止するかが,防御側には重要になります。あと大海戦が始まってすぐは,命令を受けるための指揮官を見つけるのが大変かもしれません。
4Gamer:
というと,指揮官は海の上だったりするわけですか?
竹田氏:
ええ,海の上です。ですので,見つけるのが大変で,最初は指揮官を捜すプレイヤーが必要になるかもしれませんね(笑)。この指揮官の位置は重要になってくると思います。指揮官から近い街なら,攻めやすいですから。
4Gamer:
敵国からは,その指揮官は確認できるんですか?
竹田氏:
はい,確認できます。
4Gamer:
単純に考えれば,敵国の司令官の周辺に対して,艦隊を送り込もうとしますよね。
竹田氏:
ですので,司令官周囲での攻防も,重要な戦略になってくると思います。
王立艦隊への任命 |
王立艦隊制服 |
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