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[GC 2005#29]国産RPGと多くの共通点を持つ「The Witcher」
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印刷2005/08/20 13:04

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[GC 2005#29]国産RPGと多くの共通点を持つ「The Witcher」

 ポーランドのゲームメーカーであるCD Projektは,GC 2005のメインの展示場となる"Halle 3"や"Halle 5"には何も出しておらず,各社が商談を行うためのブースを並べるビジネスセンターの一画にのみ出展していた。展示するタイトルは,もちろん現在開発中のシングルプレイ専用RPG「The Witcher」である。
 展示は,訪れたメディア関係者数人ずつに対して,まずクローズドなブースの中でオーバービューを解説,その後あらかじめ用意された別のPCを使って実際のゲーム内容をピックアップして解説,という手順で行われた。

 クローズドブースの中では,The Witcher開発のテーマと開発に対する姿勢についての説明が行われた。クリエイティブディレクターMichal Kiciński氏によれば,本作のテーマは「RPG REDEFINED」(RPG再評価の試み)だそうだ。
 一口にRPGといっても,現在では多様化してきている。そのため今回自分達でゲームを制作するにあたって,RPGを構成する"戦闘" "ストーリー" "音楽" "サウンド" "モーション"といった各エレメントを分解して,それぞれについて研究を進めてみた。その結果得られた答えは以下のようなものだったという。

・ストーリーはRPGにおいて最も重要である
・戦闘システムはその次に重要である
・そのまた次に重要なのは自由度の高さである
・他方,キャラクターの成長とアイテムも重要である
・そしてユーザーフレンドリであることも忘れてはならない


 このような研究成果を生かして作られているのが,The Witcherだというわけだ。興味深いポイントは2点。説明を受けてまず初めに感じたのは,「この人達はホントにマジメだなぁ」ということ。いまどき,自分達の作品を見てもらうために,まずその研究発表から行う純粋さというか,まっすぐな攻め方はかなり珍しい。その素直な姿勢は微笑ましくも頼もしくも感じられた。
 もう一つ興味深いのは,この箇条書きにされた,彼らの考える"よいRPGの条件"そのものだ。彼らがサンプルとしているのはバルダーズゲート関連作品やMorrowindシリーズのような作品群だろう。そしてそれらを研究した結果,ポーランド人の彼らは最も大切なのは"ストーリー"だと結論づけた。「ストーリーを語ることが最も大切」。この方向性はまさに,日本のコンシューマ系シングルRPGが保持しているものと同じである。
 アジアの片隅に住む我々と,ヨーロッパの東に住む彼らが,ともにアメリカ&西欧のゲームを研究して得る結論が,これほど似通っているとは本当に面白い。筆者はこれまで「アメリカ人とヨーロッパ人は全員,決められた筋道のないゲームが好き」と信じ込んでいたのだが,どうやら思い違いだったようである。



Michal Kiciński氏
 さて,そのような方針で作られていることを踏まえたうえでこのThe Witcherを眺めてみると,確かに日本産のRPGとの共通点が目に付く。主人公は白い髪と闇の中で光る目を持つ長身痩躯の男性だ。彼は,もちろん暗い過去を持っていそうだが,現在はその記憶がない。武器を振ったりジャンプをしたりといったモーションは,(アメリカ人の考える)中世ファンタジー風の無骨な動きではなく,あくまでスマートであるように作られている。こまかなクエストをたくさんこなすことで,一つの大きな原作ストーリーが語られていくという構成。クエストには何通りかの解法が用意されているほうがベター。物語の要所では映画的な視覚にこだわった格好いいイベントシーンが挿入される。……こう見ると,本作は日本人のフィーリングにもマッチするゲームであるようだ。

 むろん,本作ならではの要素も用意されており,その一つは箇条書きの2番目……戦闘に関することだ。「戦闘をできるだけ単純な作業にせず,プレイヤーのモチベーションを保ち続ける」ことが念頭に置かれており,連続してクリックするだけではない,タクティカルなコンバットを実現するための工夫がなされている。具体的には,プレイヤーキャラクターが使う剣技には,Strong Style,Fast Style,Group Styleという三つの"スタイル"が用意されており,好きなときに切り替えられるようになっている。
 主人公はSIGNSと呼ばれる魔法の使用にも長けており,魔法には何種類かの"系統"が存在する。これらスタイルや魔法の系統の下には,さまざまな技やスキルがツリー上に連なっており,どのように成長させるかによってキャラクターに個性を持たせていけるようだ。



 日本人とは全然違う立脚点を持ちながら,日本人のセンスに近い方向性を打ち出したポーランド人の手によるThe Witcher。この作品が世界で,そして日本でどのような評価を得るのか,その結果を知る日がとても楽しみである。(ライター:星原昭典)

  • 関連タイトル:

    The Witcher

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