連載
2007年10月31日,オンラインRPG「Hellgate: London」(以下,Hellgate)が北米地域で発売された。Hellgateは,2005年春にその存在が明らかになってから,4Gamerでは情報を追い続けてきたのだが,このまま永遠に発売されないんじゃないかと思うくらい発売延期が繰り返され,数多くのファンをやきもきさせてきたタイトルだ。
Hellgateのデベロッパは,かつて日本でも大ヒットしたDiabloシリーズの生みの親であるBill Roper氏らが,Blizzard Entertainmentから独立して興したFlagship Studios。普段はあまり欧米のPCゲームに興味がなくとも,“Diablo”の名前を聞いたことがあるという人は多いだろう。
Hellgateは,輸入ゲームを取り扱っているお店であれば,日本でも北米版を入手することが可能だ。メッセージは当然英語になるが,ゲーム自体は日本語OSでも問題なくプレイできる。「少しでも早くプレイしたいけど,英語が苦手なので手を出しづらい」という人のために,本連載ではプレイのガイドをしつつ,その魅力をお伝えしていきたい。
一応確認しておくが,Hellgateはパッケージを購入すれば,シングルプレイモードとマルチプレイモード(オンラインモード)をプレイできる。マルチプレイモードでは,「Normal」「Elite」およびそれぞれのNightmareモードを基本無料で楽しめる(シングルプレイとマルチプレイのキャラデータは共有できない)。加えて月額料金を別途支払うことで「Hardcore」モードや特別イベントのプレイと専用アイテムの入手などが可能となり,よりHellgateを楽しめるといった感じだ。
したがって,まずはシングルプレイのゲームと考えてパッケージを入手してもいい。一通りプレイし内容を確認したあと,それ以上のものを求めるなら,そこではじめて月額料金の支払いを検討すればいいわけだ。海外版オンラインゲームでは,アカウント登録手続きが苦手/抵抗がある人も多いかもしれないが,本作ではそのような煩雑な作業なしに,いきなりプレイできるのである。
また,HellgateはオンラインRPGということで,ほかのプレイヤーと英語でコミュニケーションを取らないと十分楽しめないのではないか? という意見もあるかもしれないが心配ご無用。本作は,パーティを組まずとも先に進めるゲームバランスになっている。筆者はこの連載を始めるにあたり,マルチプレイのソロプレイに挑戦してみたが,Normalモードであれば一人でクリアできたほどだ。もちろん,コミュニケーションが取れたほうがより面白いことは間違いないのだが,パーティを組まないと先に進めないとか,コミュニケーションを強制されるようなことはないので安心(?)してほしい。
なお,英語に苦手意識を持っている人であっても,クエストログから以下のような内容を読み取れる英語力があれば,Hellgateを十分にプレイできるはずだ。
- 「speak with “A”」=“A”(NPC)と話す
- 「find “A”」=“A”(オブジェクトやNPC)を探す
- 「explore(travel to)“A”」=“A”(エリア)へ行く
- 「kill “A” in “B”」=“B”(エリア)にいる“A”(モンスター)を殺す
- 「take “A” from “B”」=“B”(モンスター)から“A”(アイテム)を入手する
英語とはいってもMMORPGのクエストなどでお馴染みの内容がほとんどだ。もちろん例外もあるのだが,特に留意すべきものは本連載で可能な限りフォローしていくのでご心配なく。
Hellgateの舞台は2038年のロンドン。さかのぼること18年前の2020年,無数のヘルゲート(地獄の門)から侵入した悪魔によって世界は蹂躙された。人類が培ってきた各種の兵器や科学技術,そして戦略/戦術は,悪魔の邪悪な力の前ではまったく役に立たず,ロンドンも瞬く間に廃墟と化した。
しかし,そんな絶望的な状況の中でも誇りを捨てず,悪魔に立ち向かおうとする者達もいた。それは,科学に否定され忘れ去られていた古の秘術の伝承者達である。彼らが先達から受け継いだ武器と魔力は,悪魔を地獄へ追い返す唯一の手段となった。伝承者達は,悪魔の到来を予見した先達が聖域として設計していたロンドン各所の地下鉄駅を拠点に,2038年の今も悪魔との死闘を続けているのだ。
プレイヤーに与えられた役割は,地下鉄の路線を辿ってロンドン各地に赴き,悪魔と戦いながら最終的にヘルゲートを閉ざすことにある。
と,ストーリーは以上のような感じで,シングルプレイもマルチプレイも共通。しかし,一度プレイしてみれば分かるのだが,最大の魅力はストーリーを追ったりパーティプレイを楽しんだりすることではなく,むしろ装備アイテムの収集にある,と筆者は考えている。
Hellgateにおけるアイテムは,入手が容易な順から「Normal(無印)」「Enhanced」「Rare」「Legendary」「Unique」の5種類に分類され,後者になるほど入手確率が低いレアなものとなる。一般的には,ドロップ率が低い半面,最も強力なのがUniqueアイテムなのだが,付加された属性効果や強化アイテム「Mod」の組み合わせによってはNormalアイテムのほうが使い勝手がよくなる場合もある。この試行錯誤がたまらなく楽しいのである。このあたりは,ストーリーの中盤〜後半になるので,次回以降取り上げる予定だ。
プレイヤーキャラクターとして選択できるクラスは以下の6種類。
- Blademaster
- Guardian
- Marksman
- Engineer
- Evoker
- Summoner
それぞれの特徴はこちらのプレイレポートに挙げられているので参照してほしい。いずれも一長一短あり,また今後の調整で大きな変更が加えられる可能性もあるので,一概にどれがお勧めとはいえない。これは筆者の感想なのだが,初めてのプレイであればMarksmanを選ぶといいかもしれない。
Marksmanは強力なパッシブスキルに加え,敵の射程外からの狙撃や死角に潜む敵を誘い出したり爆殺したりするハンドグレネード,そして一定時間姿を消すといったスキルを持ち,これらを上手く組み合わせれば,ソロプレイでもダメージを負うことなくゲームを進められるからだ。また,Hellgateは銃器のバリエーションがほかの武器に比べて豊富なため,Marksmanならそのほとんどを楽しめるという利点もある。
とはいえ,もちろんほかのクラスを選んでもいい。シングルプレイモードではキャラクターを複数作成できるので,いくつかのクラスをプレイしてみて,自分に合うスタイルを選ぶといいだろう。
それでは,ゲームの進行に関わるメインクエストと攻略ポイントを簡単に紹介していこう。いわゆるストーリー上のネタバレもかなり含まれてしまうので,純粋にプレイを楽しみたいという人は要注意。
なお本稿では省略しているが,地下鉄駅構内などでNPCからサブクエストを受けられる。Normalモードでは,それらを消化しながらマップ上の敵を一匹残らず倒していけば,先に進むのに必要かつ十分な経験値が手に入るはずだ。敵が強くてつらいと感じたら,サブクエストを受けてみよう。
ゲーム開始直後,Russel Squareにいるプレイヤーのもとに,Murmurと名乗る男から通信が入る。どうやら行動をともにしていたTemplar Seraphの一団がHolborn Station周辺で悪魔に襲撃されたらしい。Murmurはギリギリ逃げのびたようだ。Murmurと合流し,Holborn Stationに向かう途中で一人のTemplar Seraphを発見。瀕死の彼は悪魔に拉致されたDr. Fawkesの伝言をプレイヤー達に託し,Covent Garden StationにいるLannという男に届けるよう頼むのだった。
さてHolborn Stationに着いてみると,Covent Garden Stationへ通じる扉が故障している。扉近辺に佇むTechsmith 101によれば,Holborn Access Shaftsをウロウロしている悪魔を倒してCapacitorを集めてくれば修理可能らしい。
無事にCovent Garden StationにいるBrandon Lannのもとへたどり着き,Templar Seraphの一件とDr. Fawkesの伝言を伝えたプレイヤー。Lannはプレイヤーの功績を称え,Dr. Fawkesの捜索に協力するよう要請する。体よく利用されているだけのような気もするが,断ってしまうと話が進まない。言われたとおりにCovent Garden Marketを探索を始めると,悪魔がDr. FawkesをHellriftに連れ込んだとの情報が入った! 急いでHellriftに侵入し,悪魔を殲滅するのだ。
Brandon Lannの手により,二つの技術が抽出された。一つは悪魔の侵入口であるHellriftの活動を感知する「Far Sight」。もう一つは,ただ「Device」と名付けられているだけで,効果はよく分からない。そこでLannは,現在British Museumで活性化しているHellriftでDeviceの効果を確認するようプレイヤーに要請する。えーと,名誉ある重要な任務といえば聞こえはいいけど,訳の分からない危険そうな仕事ばかり押し付けられてないか? とプレイヤーが思うかどうかは不明だが,それはともかく一路British Museumへ。
British MuseumのHellrift内では,おそらく多くのプレイヤーにとって最初の難関となるボスモンスター,Sekwormが待ち受けている。Sekwormは体力が4分の1以下になった状態で一定時間が経過すると,Regeneratingスキルを使って体力を全快してしまう。チマチマ攻撃していては絶対に倒せないので,Regeneratingが発動する前に圧倒的な攻撃力で倒してしまうのがいい。
例えば,Stun属性の攻撃でRegeneratingの予備動作をリセットする,あるいはPoison属性の攻撃でToxic状態にして体力回復を無効にするなどが効果的だが,いずれもゲームを始めたばかりのプレイヤーにとっては,難度が高いかもしれない。
実は最も簡単な選択は“無視”することだ。Sekwormを倒さずとも,Hellrift中央のPower Coreにたどり着くことさえできればゲームは進行する。
さて気になるDeviceの効果は,Power Coreに作用してHellriftを破壊するというものだった。やっぱり危険な任務だったかー! とプレイヤーが叫んだかどうかは知らないが,生き残るためには制限時間内に脱出しなければならない。
さらにHellrift破壊後のBritish Museumには,ボスモンスターのEmperor Gulkarが出現する。Emperor Gulkar自体が強力なうえに,さまざまな状態異常攻撃を放つFiend Masterを召喚してくる。なかなか厄介だが,こちらは正攻法で倒さないと先に進めないので頑張ってほしい。
首尾よくEmperor Gulkarを倒すと,The Sageとの会見が待っている。The Sageの言葉は抽象的で分かりにくいが,世界を救うにはどうやら彼女以外の賢者達のもとを訪れる必要があるようだ。さて賢者達はどこにいるのか……と,謎が謎を呼んだところでAct 1は終了だ。
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