レビュー
「Level-R」オープンβテスト直前,最新版先行プレイレポート
■スピード感の増加&愛車の性格を変える新システム
クローズドβテスト(CBT)までの時点でテスターから挙げられていた不満点の一つが,レースゲームとしては非常に大きな問題である,「スピード感のなさ」だった。筆者としては,問題とまでは感じなかったが,「良い」とは言えないレベルだったのは確かだ。
しかし最新バージョンでは,カメラアングルによっては視点を下げるなど,さまざまな方法でこの問題に対処。筆者は,ほぼノーマルのクルマで運転したのだが,CBTまでと比べて,表示されている速度と画面のスピード感が異なっており,性能のいいクルマで走っているものと思ってしまったほど。CBTで不満を感じていた人は,ぜひOBTでもう一度確かめてみてほしい(もちろん,体感スピードはマシンスペックによっても変わるので,絶対とはいえないのだが)。
なお,スピード感に関しては,開発サイドでも非常に重視しているとのことで,OBT以降も改良が重ねられていくと思われる。
クルマのチューニング部分を見ると,まず新要素として,“アクセルバランス”が追加されている。これは加速と最高速のどちらを重視するか,4段階から選べるというもの。加速を重視するか,最高速を重視するか。自分のドライビングスタイルに合わせてもいいし,コースごとに選択してもいい。実際に4種類すべてのバランスで走ってみて,どれが走りやすいか,タイムが出やすいかといったことを確認してみよう。
また,クルマ自体のバランスに関する要素では,グリップ,ブレーキ,エアロの設定が追加された。それぞれ,前輪/後輪の間で,どちらにウエイトを置くか4段階から選べる。
セッティング次第で走りが変わる要素が導入されたことで,よりレースゲームらしくなったといえる。これは大いに歓迎すべきだろう。
そのほか,ドライバービューにアナログ式のスピードメーターやタコメーターが追加されたのも,大きな変更点といえるだろう。視覚的にも,より臨場感が増したのではないだろうか。
■新アイテムや新カラーリングが追加に
続いて,見た目に関係のあるアップデートを見ていこう。
今回,4車種それぞれのカテゴリごとに1〜2種類ずつ新しいパーツが追加された。追加されたパーツは,どれも装着すると大幅にイメージが変わるようなデザインばかりで,自分好みにアレンジしやすくなった。
また,ビュー画面で,愛車をマウスのホイール操作でクローズアップできるようになったのも,地味ながらも嬉しいポイント。これまではパーツを変更しても,変わったことこそ分かるものの,そのパーツの細部までは見られなかったわけだが,もうそんな不満も感じずに済むというわけだ。
ちなみに愛車の外見だが,シェーダが変更されたことで,表面の光沢感が増している。洗車して念入りにワックスがけしたようにうつり映えがするようになったので,見ていて気持ちがいい。また,そんな愛車をレースでボコボコにしたときは,より痛みが増すというわけである(すぐに直せるけど)。
そのほか,ボディカラーのバリエーションが増え,全14色に。また,ボディペイントのデザインも種類が増えていた。
なお,OBT開始後に,プレイヤーからデザインを募集するイベントを行う予定とのこと。自信のある人は,今からデザインを練っておくことをオススメする。SUPER GTなどのハコ車のレースマシンを参考にしてもいいし,まったく違った分野からヒントを得てもいいだろう。ふるって応募してもらいたい。詳細はOBT後に発表されるので,しばしお待ちを。
■レースでのラフな運転は評価に響く!
CBTまでをプレイしていて気になったのが,レース中の他車との接触/追突という問題。中には,わざとコーナリング中に前走車を突いてスピンさせてどかすという,悪質な走りをしている人もいたようだが,今回そういった行為への対策が取られていた。
まず,腕前に自信がなくて,わざとではないけどぶつけてしまうことがあるという人のために,ゴーストモードを用意。このモードで作られたルームでは,他車とは当たり判定がなく,すり抜けるのだ。これで,追突したり接触したりする心配がなく,純粋に自分のラインで走れて,公正に競争できるというわけ。このモードは,ルーム作成のときに,オーナーが選択できる。初心者はまず,この設定のルームを選ぶといいだろう。
もっとも,追突するかしないかのギリギリの緊張感の中で走りたい,という人もいるだろう。そういった人のためには,ドライビング評価メーター(仮)が用意された。他車に接触/追突する(クルマのフロント部分を当てた側が,ぶつけたと判断される)と,そのバーが緑から赤になっていき,真っ赤になってしまうとそのプレイヤーの「評価」に影響するという仕組みだ。
プレイヤーの評価は,新たに用意された要素で,プレイヤーのステータス内に★印で表される。OBT開始時点では,とくにペナルティなどは用意されていないが,今後,ルーム作成時に,評価の低い人を入室不可にする設定が可能になるという。また,評価が低いと,自分でルームが作成できないといったペナルティが課される可能性もあるとのこと。
なお,OBT開始時点で実装されてないからといって,悪質な走りをして★印を減らしてしまうと,ペナルティが実装されたとき,いきなり不便になるので注意。実装されたときからカウントが始まるのではなく,OBT開始時から評価自体は行われ,リセットは行われないとのこと。「ぶつけようがはじき飛ばそうが何でもあり」で遊びたい人は,このあとで紹介する,「FUNモード」で楽しんでほしい。
また,誤って追突してしまったときなどに,「ごめん」を言いにくいという問題も多数のテスターから寄せられていたが,それにも対応されている。あいさつや,謝罪,挑発といったボイスがあらかじめ用意されており,キーボードの1〜4を押すことで,簡単にメッセージと音声を送れるようになった。音声は男女2種類ずつ。とくお勧め(?)なのが女性2で,いわゆるお姉様系でかなり高ビーな感じとなっており,初めて聞いたときは,怒っているセリフにもかかわらず,思わず笑ってしまったくらいである。
なお,キーボードの5〜8には,好きなメッセージを登録可能だ(こちらはテキストのみで,ボイスはない)。
■マッドマックスか暴走族か!? 旗の取り合いFUNモード
この旗がまた巨大で,どこかの応援団旗か昔の暴走族のチームフラッグかというほど。保持している間はクルマにその旗がズドンと突き立って,なびかせつつ,勇ましく走ることになる。それに対し,ほかのプレイヤーはカーバイオレンスアクション映画よろしく,クルマごとつっこんでいく。ただし,強くぶつかる必要はなく,並走していて軽く“ぶつける”くらいでも,旗を奪えるようだ。
今回の取材では2台で戦ったのだが,それでも十分楽しめた。クルマが増えれば,その分楽しさも増すだろう。ちなみに,旗を持っている間に黄色いスモーク2本でできたゲートを抜けると,PPのボーナスが入る。基本的に,PPを稼ぎやすいモードとなっており,急いで購入したいパーツがある,なんてときはこのモードを楽しむといいかもしれない。
■新しいアイテムも登場
今回は特別に,正式サービスで登場する予定の課金アイテムも見せてもらったので,紹介しよう。具体的には,ノーダメージやクイックリペア,ノーロールオーバー,XP×2を確認できた。それぞれの内容は,以下のとおり。
・ノーダメージ……ぶつけたり追突したりしても,愛車がダメージを負わないというアイテム。結果,マシン性能が落ちないし,リペアするために停止する必要もないので,その分タイムが落ちないというわけだ
・クイックリペア……走りながらリペアができるアイテム。通常,リペアを行うには停止する必要があるが,このアイテムを使うことでタイムロスすることなく走り続けられる
・ノーロールオーバー……Englandマップなど,未舗装路を走るときに便利なアイテム。不安定な状態で凹凸を超えてジャンプすると,転倒する場合があるのだが,このアイテムはそれを防げる。不整地タイプのコースで良いタイムを出したいときは,これが有効
・XP×2……XP(経験値)を2倍もらえるというアイテム
また,アイテムの一種として,ライセンス申込用紙も実装された。本作は,プレイヤーの腕前を表すものとして,大きく分けて10段階のランクが用意されている。ビギナーからスタートして,F,E,D,C,B,A,AA(ダブルエー),AAA(トリプルエー)となり,最高がRだ。これらランクは,さらに5段階のレベルに分かれている。レベルは,XPを溜めるだけで上がっていくが,ランクアップするには,ライセンステストを受けて合格する必要があるのだ。そのときに必要になるのが,ライセンス申込用紙である。
このライセンス申込用紙は課金アイテムではなく,PPを消費するアイテムとなっている。テストに失敗すると,また用紙を購入して受け直さないといけないあたりは,現実同様にシビアである。
ちなみに一番簡単なテストは,コース上に描かれたラインに沿って時間内に走るというもの。加速するラインはグリーンで,ブレーキングは赤で示されており,走行ラインだけでなく,クルマを速く走らせる際に最も難しいブレーキングポイントも分かるようになっている。つまり,受けるだけでも勉強になり,得るものがあるのだ。ブレーキングがどうにもうまくいかないという人は,OBT開始後にぜひともトライしてみてほしい。
■新マップは二つがお目見え
OBTから新たに登場するのが,「Tokyo Night」だ。コースレイアウトは「Broadways #4」と同じだが,背景のテクスチャがまったく異なり,文字どおり東京の夜(宵の口)となっている。街灯やネオンなどが明るい場所では,路面にずいぶんと光が反射しており,テラテラとしたアスファルトが美しい。ヘッドライトで照らされる画面中央は明るくて見やすいのだが,画面周辺は街灯やネオンが頼りで,かなり暗くなることもあり,場所によっては度胸が必要となるだろう。明るいために日中と大差ない箇所も多いが,全体的に,「Broadways #4」よりも難度はやや上という感じである。
そのほか,グラベル系のコースとなっているEnglandマップに,ターマックのみのコースの追加があった。なお,以前取材したときに,マップ関連では「峠道」を制作中という話だったが,今回の取材ではまだお目にかかれず。現在鋭意開発中とのことなので,追加される日が来るのを待とう。
今回のOBT向けの最新バージョンをプレイして,実に多くの要素が追加/改良されたことが分かった。一言で言えば,「よりゲームらしくなった」という感じだ。早いところ,自宅でたっぷりと走りたいものである。
ちなみに,今回試しにゲームパッドを使ってみたのだが,これが結構スンナリと走れた。キツイコーナーを回る際に,ステアリングだけでは厳しいが,あらかじめサイドブレーキを設定し,ガッと引けば(操作としては押すことになるわけだが),綺麗に回れるようだった。
ステアリングコントローラと比較した場合,どうしてもパッドでは雰囲気で劣ってしまうが,それでもキーボードと比較するとかなり走りやすい。設置場所などの理由で,ステアリングコントローラを買うのはちょっと……という人は,ゲームパッドでのプレイを検討してみてはいかがだろうか。
プレイステーション2用のロジクール製ステアリングコントローラ「GT FORCE Pro」をお持ちの人は,,前回のCBTでのレポート記事に,(メーカーサポート外だが)PCで動かす方法を掲載したので,ぜひ参考にしてほしい。
なお,本作のOBT実施は,明日27日の7:00PMから(以前の発表では8:00PMからだったが,1時間早められた)。それに先立ち,本日4月26日7:00PMから10:00PMまでの3時間,先行プレイが行われている。参加するには,本日の10:00PMまでに公式サイトで登録する必要があり,登録するとプレゼントとして5000PPをもらえる。5000PPあると,新しい車を買えたり,一通りパーツを強化できたりと,ずいぶんといろいろとできるので,まだ間に合うならば,ぜひ大急ぎで登録しよう。(ライター:デイビー日高)
- 関連タイトル:
Level-R
- この記事のURL:
キーワード
(C)2006 Invictus Games Ltd. All Rights Reserved. Exclusive License (C)Gamepot Inc., All Rights Reserved.