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複数の新要素が追加となった「GeForce 397.31 Driver」公開。32bit版OSは予告どおり,Fermi世代のGPUは予告より狭い範囲がサポート終了に
新しいWHQL(Windows Hardware Quality Labs,ウィクル)通過版では,GDC 2018で発表になった「RTX Technology」(以下,RTX)や2018年3月リリースのVulkan 1.1」,新しい「NVDECODE」APIの新規サポート追加や,ドライバインストーラがインストール完了後に「インストールに使ったファイル」を自動的に削除する機能の追加など,多くの新要素を追加したものになっている。
NVIDIAは32bit版OSサポート終了とFermi世代のGPUサポート終了を立て続けに予告していたが,Release 396世代の登場をもって,それが正式に発動した点もトピックと言えるだろう。ただしFermi世代のGPUの場合,予告されていたのは全GPUのサポート終了だが,397.31ドライバの時点だと,モデルナンバーが800〜600のものに対しては引き続きサポートが続いていたので,その点は事前予告と異なる点としてお伝えしておきたい。
というわけで,すぐに入手したい人は下に示したリンク,もしくはGeForce Experienceを利用してほしい。
→64bit版Windows 10用GeForce 397.31 Driver(471MB)
→64bit版Windows 8.x・7用GeForce 397.31 Driver(415MB)
→ノートPC向けの64bit版Windows 10用GeForce 397.31 Driver(471MB)
→ノートPC向けの64bit版Windows 8.x・7用GeForce 397.31 Driver(415MB)
→4Gamerの最新ドライバリンクページ
GeForce.comと英文リリースノートの内容はいつものように和訳を試みて本稿の最後にまとめたが,GeForce.comによると,今回のリリースは「BattleTech」および「Frostpunk」に向けた最適化版という位置づけにもなっている。また,GeForce GTX 1060シリーズ搭載環境で「Far Cry 5」を実行するとすぐにクラッシュする問題など,気になるバグ修正も少なくない。
というわけで,全体としてはもりだくさんの内容と言っていいだろう。最近のGeForceドライバはこういう大型アップデートほど問題が生じやすかったりもするので,筆者個人としては1〜2日様子を見たほうがいいのではないかとおも思うが,基本的に,対応GPUと対応OSのユーザーは導入を検討すべきだろう。
ドライバのインストール作業は自己責任となるので,その点はくれぐれもご注意を。
## 以下,GeForce.comの関連記事および英文リリースノートまとめ ##
●GeForce 397.31 Driverの対応製品
- NVIDIA TITAN V
- NVIDIA TITAN Xシリーズ
- デスクトップPC向けGeForce GTX 10シリーズ
- デスクトップPC向けGeForce GTX TITANシリーズ
- デスクトップPC向けGeForce GTX 900〜600シリーズ
- ノートPC向けGeForce GTX 10シリーズ
- ノートPC向けGeForce 900M〜600Mシリーズ
※GeForce 500〜400シリーズとGeForce 500M〜400Mシリーズはサポート終了
●GeForce 397.31 Driverが統合するソフトウェアモジュール
(※比較対象はGeForce 391.35 Driver)
- GeForce Experience:3.13.1.30
- HD Audio Driver:1.3.37.1(←1.3.36.6)
- PhysX System Software:9.17.0524
- Vulkan RT:記載なし
- CUDA:9.2(←9.1)
- NView:148.92
●GeForce 397.31 Driverにおける最適化
- 「BattleTech」「FrostPunk」に向けた最適化
●GeForce 397.31 Driverの新要素
・RTX開発者プレビュー
- DirectX 12環境に向けたRTX開発者プレビューを提供。Volta世代のGPUを搭載する環境でMicrosoftのDirectX Raytracingをサポートする。利用にはそのほかWindows 10のRS4と,DirectX Raytracing有効化済みのDirect3Dランタイム,HLSLコンパイラおよびヘッダを含んだDirectX Raytracing開発者向けパッケージが必要
・Vulkan 1.1新規対応
- Vulkan 1.1 APIに完全対応
- Vulkan Conformance Test Suite(CTS)バージョン1.1.0.3を通過済み
・HD Audioの拡張
- 対応するすべてのGPUでHDMI出力時のサンプリングレート32kHz,88.2kHz,176.4kHz設定に対応
・グラフィックスドライバインストーラの拡張
- ドライバのインストール完了後,インストールのために解凍されたファイルを自動的に削除する仕様へ変更。NVIDIAはこれを「Display Driver Standalone Installer」化と呼んでいる
・グラフィックスドライバライブラリの拡張
- OptimusおよびMSHybrid対応ノートPCに向け,新しいグラフィックスドライバライブラリ「nvdlist.dll」「nvdlistx.dll」を追加
・NVDECODE APIの新規追加
- ディスプレイ解像度変更やクロップ,デコードしたフレームのアスペクト比といったポストプロセスパラメータやデコード解像度といった設定を,デコーダーのインスタンスの破壊と再生成なしにクライアントソフトウェア側で処理できるようにする新しいAPI「NVDECODE」を追加
- NVDECODEは,デコーダーのインスタンス初期化に要する時間が全体のデコード実行時間においてかなりの割合を占めるケースにおいて有効。一例として解像度の異なる短い映像を次々とデコードするケースが挙げられる
- NVDECODEは2018年第2四半期のリリース予定となっている「Video Codec SDK 8.2」に統合される予定
・SLIの拡張
- 「Descenders」「Frostpunk」「Warhammer: Vermintide 2」「Far Cry 5」用SLIプロファイルの追加まだは更新
・3D Visionの拡張
- 「Descenders(Good)」「EVE Valkyrie - Warzone(Good)」用3D Visionプロファイルの追加または更新
※タイトル名の後ろにある( )書きはレーティング
●GeForce 397.31 Driverで解決した問題
- 「GeForce GTX 1080 Ti」搭載環境でHDR表示が有効な場合,(新版)「DOOM」を実行すると,ドライバがOpenGL 1.1へ巻き戻ってしまい,ゲームアプリケーションがクラッシュする問題(※丸括弧内は筆者推測。原文は「[GeForce GTX 1080 Ti][Doom]: The game crashes due to the driver reverting to OpenGL 1.1 when HDR is enabled.」)
- GeForce GTX 1060シリーズ搭載環境で「Far Cry 5」を実行すると,ゲーム開始後数分でゲームアプリケーションがクラッシュする問題
- Steamベースのゲームアプリケーションを実行したあとでWindowsのシャットダウンを試みると,「NvfbcPluginWindow」が一時的にシャットダウンの邪魔をする問題
- 「Mozilla Firefox」Webブラウザを使っているとTDR(Timeout Detection and Recovery)が発生することのある問題
- GeForce GTX 1060シリーズ搭載環境で「Rise of Tomb Raider」を実行し,インゲームのオプションメニューを開くと,画面がちらついたり画面表示がおかしくなったりする問題
- SLI構成時にVsyncを有効化すると,「Diablo III」の実行中,[Alt]+[Tab]キーによるタスク切り換えを何度か実施するとゲームアプリケーションがクラッシュする問題
- 関連タイトル:
GeForce Driver
- 関連タイトル:
BattleTech
- 関連タイトル:
Frostpunk
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