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「Catalyst」の異方性フィルタリング設定変更は「最適化」か「チート」か。実際のゲームで確かめてみる
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印刷2010/12/27 00:00

テストレポート

「Catalyst」の異方性フィルタリング設定変更は「最適化」か「チート」か。実際のゲームで確かめてみる

Radeon HD 6970リファレンスカード
Radeon Software
 Radeon HD 6900シリーズのレビュー記事において,筆者は2つの宿題を残した。1つは電力制御機能「PowerTune Technology」の詳細で,これはすでに検証結果をお伝え済み。そしてもう1つが,「『Catalyst 10.10』以降で,AMDは品質を落としてパフォーマンスを高めている」とNVIDIAから指摘されていた,異方性フィルタリング(Anisotropic Filtering,以下 AF)の最適化に関するテストである。
 ポイントは,NVIDIAのNick Stam(ニック・スタム)氏が述べるように,CatalystのAF設定が,画質を落としてまでパフォーマンスを優先しているかどうか。今回は,Radeon HD 6900シリーズに最適化されている公式Hotfix版グラフィックスドライバ「Catalyst 10.12a Hotfix」と,「Radeon HD 6970」(以下,HD 6970)のリファレンスカードを用いて,検証してみたい。


真っ向からぶつかったNVIDIAとAMDの主張

「AFの品質低下がどの程度か」がカギに


 「そもそもAFって何?」という人には,西川善司氏よる解説記事に目を通してもらうことを勧めつつ,状況を整理してみよう。
 発端は,AMDが,Catalyst 10.10以降のグラフィックスドライバにおいて,AFの設定内容を変更したことにまで遡る。それを,欧州のPC系情報サイトが「AFの最適化による画質の影響と,パフォーマンスの相関」といったテーマで検証し,その結果を基に前出のStam氏が,「AMDはAFの品質を落としてパフォーマンスを高める最適化を行った。そして,それをユーザーに伝えないまま行うことを,チートという」NVIDIA公式blogで述べ,“火が付いた”格好である。
 実際,NVIDIAは世界中のレビュワーに対し,「RadeonシリーズとCatalyst 10.10以降のドライバを組み合わせてテストする場合,『Catalyst Control Center』から『Catalyst A.I.』を無効化するように」と公式に注意を促していたりもしている。

Catalyst Control Centerに用意されたCatalyst A.I.の「テクスチャフィルタリング品質」スライダー。Catalyst 10.12a Hotfixだと,デフォルトでは「画質」が選択されており,「パフォーマンス」「高画質」も選択できる
Radeon Software
 一方のAMDも,“チート呼ばわり”されては黙っていない。同社はRadeon HD 6900シリーズのレビュワーに向けた参考資料のなかで,「NVIDIA製品との比較にあたっては,AF設定を揃えるのが望ましいが,NVIDIAのドライバにはAFの角度依存の設定が用意されていない」「(Catalyst A.I.の『テクスチャフィルタリング品質』では)目に見て分からない範囲でしか『最適化』を行っていない」反論している
 同時にAMDは,Radeon HD 6900シリーズ用のレビュワー向けドライバ「8.79.6.2-101206a-109984E」以降,「Catalyst 10.12」でも,Catalyst Control Centerの「テクスチャフィルタリング品質」スライダーから「高画質」に設定することで「最適化」をユーザー側で無効化できるように戻した。どちらかといえば,NVIDIAの主張に,AMDが歩み寄ったとも受け取れるだろう。

 ただ,肝心要のAF品質に関しては,NVIDIAが画質の劣化を主張しているのに対し,AMDは目で見て分からない範囲だと反論しており,その点では依然として両者の言い分が真っ向から対立している。つまり,テストで確認すべきはそのポイントということになるわけだ。


Catalyst 10.12a Hotfixを用い

AFのみを適用して実ゲーム中心に検証


 テスト環境はのとおり。これはRadeon HD 6900シリーズのレビュー時とほぼ同じだが,冒頭で紹介したとおり,今回はドライバをCatalyst 10.12a Hotfixへ変更している。レビュワー向けドライバよりも,エンドユーザーが実際に入手できるドライバを使ったほうが,実際の使用環境に近いという理由からである。


 テスト方法は基本的に4Gamerのベンチマークレギュレーション10.2準拠。解像度はレビュー記事と同じ1920×1200/2560×1600ドットの2つとしたが,AFの最適化がパフォーマンスにどのような影響を及ぼすかを確認するため,アンチエイリアシングは適用せず,AFだけを16xに設定した,「0x AA+16x AF」でのテストとなる。この状態で,Catalyst Control CenterのCatalyst A.I.の設定から,テクスチャフィルタリング品質を「パフォーマンス」「画質」「高画質」に切り替えて,フレームレートと画質の比較を行うことにしている。
 ちなみに「高画質」はAFの最適化を行わない設定,「画質」は「見て分からない程度」とされる最適化を行う設定,「パフォーマンス」では外観にも影響のあるレベルで最適化を行い,フレームレート引き上げを図る設定だ。

 なお,CPUには「Core i7-975 Extreme Edition/3.33GHz」を用い,「Intel Hyper-Threading Technology」「Enhanced Intel SpeedStep」を有効化する一方で「Intel Turbo Boost Technology」は無効化している点はレビュー記事と同じである。


STALKER CoPとDiRT 2で「画質」と

「高画質」にフレームレートの違いを確認


 まずはCatalyst A.I.の設定によって,フレームレートにどの程度の違いが生じるかを見てみよう。とくに,デフォルトと設定された「画質」と,AFの最適化が無効になる「高画質設定」との違いに注目したい。

 というわけで,グラフ画像を下記のとおり8つ並べてみた。順に,「3DMark06」(Build 1.2.0)の総合スコア,「S.T.A.L.K.E.R.: Call of Pripyat」(以下,STALKER CoP)の「Day」および「SunShafts」シークエンス,「Battlefield: Bad Company 2」(以下,BFBC2),「Call of Duty 4: Modern Warfare」(以下,Call of Duty 4),「Just Cause 2」,「バイオハザード5」,「Colin McRae: DiRT 2」(以下,DiRT 2)といった並びになる。

 基本的には,AFの最適化が行われている「画質」と,そうでない「高画質」の間に,フレームレートの差はあまりないが,STALKER CoPとDiRT 2では,話が違ってきているのも分かるだろう。いずれも,グラフ画像をクリックすると,別ウインドウで「『高画質』を100%としたときのスコア向上率」のグラフを示すようにしてあるが,STALKER CoPのDayシークエンスだと約9%,SunShaftsシークエンスとDiRT 2でも4〜5%という差が生じているのだ。

Radeon Software
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「AF最適化」による“手抜き”は確かにある

ただ,プレイ中に体感できるレベルでもない


 以上,タイトルによっては誤差の一言で片付けられないフレームレートの違いが出ていると分かったが,実際の画質にも違いが生じているのか。まずは,3つの設定でAFテストツールを実行してみよう。
 下に示したのは,「FilterTest」(Version 1.3)実行結果。MIPMAPテクスチャにAFを適用しているが,ご覧のとおり,いずれもキレイな同心円状になっている。

FilterTest実行結果。異方性フィルタリングの最適化設定による違いは生じていない
GIFアニメーションで確認する
Radeon Software Radeon Software Radeon Software

 これは「3Dcenter Filter Tester」(Version 1.1)でも同様だ。このようにテストツールでは,AF最適化の影響は現れない。

3DCenter Filter Tester実行結果。本テストツールでも,最適化設定は見栄えに影響を与えていない
GIFアニメーションで確認する
Radeon Software Radeon Software Radeon Software

 ただ実のところ,以上の結果は,すでにNVIDIAのStam氏が指摘しているとおりのものだ。前出の公式blogによれば,「AMDのドライバは,ウインドウのサイズをチェックしており,(今回テストに用いたテストツールなどといった)小さなウインドウで動作するアプリケーションを検知すると,AFの最適化を自動で無効化する」とのことで,2つのテストツールでは,それを確認できたというわけである。

 ならば,実際にフレームレートの差が小さくなかったSTALKER CoPとDiRT 2だとどうなのだろうか。NVIDIAの指摘する解像度問題を回避すべく,2560×1600ドット解像度で違いを見てみたい。
 ベンチマークレギュレーション10.2だと,両タイトルはいずれも公式ベンチマークツールを用いているが,同一のシーンで比較する必要があるため,今回はゲームアプリケーションを実行して比較してみる。

 先にSTALKER CoPから,まずは比較シーンその1。ここでは橋のようにかかっている床の金網に注目してほしいが,見比べると,金網の格子模様そのものに違いがあり,さらに,格子の隙間の表現にも違いが見られた。“止め絵”でようやく違いが分かるレベル,ではあるが,しかし違いが生じているのも確かである。

STALKER CoPより,金属の格子表現。格子そのもののディテールが異なるうえ,格子によって生じる隙間の表現にも違いが生じている
GIFアニメーションで確認する
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 STALKER CoPの比較シーンその2。こちらはシンプルな金属のテクスチャが貼られた床だが,ここでは「高画質」と「画質」どころか,「パフォーマンス」との間にも違いが見られなかった。

同じくSTALKER CoPより,模様のある床の表現。シンプルなテクスチャだということもあるのだろうか,最適化設定による違いは生じていない
GIFアニメーションで確認する
Radeon Software Radeon Software Radeon Software

 続いてはDiRT 2から,まずは比較シーンその1。「BAJA」(Baja California)として設定されたオフロードトラックのスタート地点だが,ここではクルマに載っているスペアタイヤを見比べている。「パフォーマンス」と「画質」の違いは一目瞭然だが,「画質」と「高画質」は,静止画で,ようやく陰影に違いがあると分かるレベルだ。

DiRT 2より,タイヤのテクスチャ表現。縮小画像左端,角度のついたところを中心に,陰影のディテールに注目してほしい。「パフォーマンス」と「画質」は明らかに異なり,「画質」と「高画質」にも,陰影の付き方で若干の違いが見られる
GIFアニメーションで確認する
Radeon Software Radeon Software Radeon Software

 DiRT 2の比較シーンその2。こちらは「CROATIA」のSS(スペシャルステージ)で,グラベルの路面を比較したものだ。DiRT 2は,スタートごとにカメラの角度が微妙に異なるため,若干のズレが生じているのだが,それでも,「画質」では,バイリニア型AF的というか,「パフォーマンス」設定で顕著な「MIPMAPの切り替えポイント」がうっすらと見えてしまっているのに対し,「高画質」ではきちんとしたトライリニア型のようななめらかさが適用されているのを把握できる。

DiRT 2より,グラベル(砂利)テクスチャの表現。「パフォーマンス」から「画質」「高画質」に向かって,「砂利の粒状感がきちんと表現されている面積」が広がっている。「画質」と「高画質」の違いがけっこう大きい
GIFアニメーションで確認する
Radeon Software Radeon Software Radeon Software


AMDとNVIDIA,どちらの言い分にも一理あり

4Gamerではデフォルトの画質設定を選択


 以上を踏まえるに,AMDの主張する「AFの最適化(による手抜き)は目で見て分からないレベル」というのはおおむね正しい。一方,静止画で比較したときに画質の劣化があることは間違いなく,それを指摘したNVIDIAの主張にも筋は通っている。むしろ問題は,NVIDIAが糾弾するように,AFの最適化について,外部から指摘されるまで公表せず,しかもテストツールではバレないようにしたAMDの姿勢のほうにあり,AFの最適化に関する主張それ自体は,双方どちらも間違っていない印象だ。
 2社のGPUを比較するなら同じ画質設定であるべきだとするNVIDIAと,ゲームプレイ中に分からない程度の手抜きなら問題ないというAMD。あとは,ユーザーがどちらの言い分を選ぶか,という点だけになる。

 で,4Gamerとしてどうするのかという話だが,ドライバの設定をカスタマイズすると,一方に有利,一方に不利になりやすいという過去の経験,そして,実際のゲームプレイを重視する立場から,当面の間,Catalyst A.I.の設定はデフォルトの「画質」とする。今後,デフォルト設定の手抜き具合が目に余るようになれば検討し直さねばならないが,そうならない限りは,AFの最適化を許容してテストを実施していく予定だ。
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