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「魔球オープン戦」の開始を明日に控えたオンライン野球ゲーム「魔球魔球」の魅力とは?
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印刷2008/09/08 13:13

インタビュー

「魔球オープン戦」の開始を明日に控えたオンライン野球ゲーム「魔球魔球」の魅力とは?

画像集#001のサムネイル/「魔球オープン戦」の開始を明日に控えたオンライン野球ゲーム「魔球魔球」の魅力とは?
 ゲームポットが日本サービスを担当する「オンラインプロ野球 魔球魔球」の,オープンβテスト「魔球オープン戦」が,いよいよ明日(9月9日)スタートする。4Gamerでは先日,本作のプロデューサーであるゲームポットの増山亮介氏と,運営スタッフの国安秀隆氏に,本作の魅力や今後の展開,そして意気込みなどを聞いてきた。

 魔球魔球は,トレーディングカードゲームの要素を取り入れた,オンライン野球ゲームだ。購入,またはトレードで選手カードを集め,デッキを組む感覚で自分だけのチームを編成する。
 ゲームシステム自体は非常にオーソドックスで,基本的には直感的なキー操作だけで十分にプレイ可能。その一方で,投球では球種/球威の強弱/コースの決定,守備ではダッシュやダイビングキャッチなどに若干のアクション要素が入っており,単にキーを押しているだけではプレイを突き詰めるのは不可能という部分も存在し,なかなか奥が深い。
 タイトルになっていることからも分かるとおり,最大のポイントは「魔球」の存在である。ただし魔球には,ジャンケンの三すくみのように長所と短所があり,魔球を使えば絶対有利になるというわけではない。また攻撃側にも「魔打」があるため,それぞれどのような局面で使うかの駆け引きが必要となるだろう。なお,魔球も魔打も,発動するには「ミラクルカード」が必要。これを対戦前にデッキに組み込んでおくことで,試合中に使えるようになる。

 加えて,実況にフリーアナウンサーの桐山 隆氏,解説に東北楽天ゴールデンイーグルスの初代監督で野球解説者の田尾安志氏が起用されており,プレイヤーの行動とその結果如何では,テレビやラジオのプロ野球中継以上に痛烈なコメントが飛び交うのも,プロ野球ファンにとって大きな魅力といえるだろう。

画像集#009のサムネイル/「魔球オープン戦」の開始を明日に控えたオンライン野球ゲーム「魔球魔球」の魅力とは? 画像集#010のサムネイル/「魔球オープン戦」の開始を明日に控えたオンライン野球ゲーム「魔球魔球」の魅力とは?

魔球だけではない! 心理的な駆け引きが勝敗の分かれ目に


画像集#005のサムネイル/「魔球オープン戦」の開始を明日に控えたオンライン野球ゲーム「魔球魔球」の魅力とは?
 魔球魔球は,社団法人日本野球機構承認,およびNPB BIS プロ野球公式記録使用のライセンスを取得している。そのため,日本のプロ野球12球団および所属選手が実名で登場するのである。もちろん,自分の好きな選手だけを集めたドリームチームを作ることだって可能だ。
 とはいえ,日本では同種のタイトルとして「プロ野球 ファミスタ オンライン」というビッグネームが存在し,すでにサービス開始から2年近くが経過しようとしている。無論,魔球の存在は大きなポイントとなるだろうが,それ以外で魔球魔球は,どのように違いを出していくのだろうか?

 これについて増山氏は,「魔球魔球は実際の野球にあるような『読み合い』,つまり心理戦をうまく表現できていると思います。投手が投げるのはストレートなのか変化球なのか,カウント2-1のときにストライクゾーンに入れてくるのかどうか。対するバッターは,振るか振らないかを適宜判断する必要があります」と答えてくれた。

 本作の場合,打者は相手投手がボールを投げる前の段階で,コースを予測し,九つに分割された打撃ゾーンから一つを選択する。つまり,投手がボールを投げる前から,相手が何を考えているのかを予測しなければならないのである。投手側に立っても同様。打者がどのコースに山を張っているかを予想しつつ,その裏をかいていかなければならない。
 ただ,プレイをしていると気づくのだが,このような心理戦を意識して内角高めで様子を見つつ……といったような手順を踏もうとすると,投手が早々にバテてしまい,肩で息をし始める。実はこういった部分も,リアルな野球の要素を取り込んでいるのだそうだ。

確かに心理戦を踏まえると投球数が増えるので,投手はバテ易くなります。ですから実際の野球と同じく,外すときにはあえてゆるい球を投げるなど,スタミナ配分を工夫する必要があるでしょう。例えば内角に速球のストレートを投げたら,次はゆるいカーブでスタミナを温存しながらタイミングを外すといったような具合です。ここには,まさしく野球の駆け引きが表現されていると思います」(増山氏)


操作の難度は少し高め。でも徐々にうまくなっている実感を味わえる


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 本格的な野球ゲームとしての作り込みは,ゲーム性としての駆け引きや画面上の演出に留まらない。

 国安氏は,「ゲームとしてみた場合,使用するキーが多いこともあって比較的難しい部類に入ると思いますし,実際にプレイヤーの皆さんからもそういう意見をいただいています。しかしこれは,本格派の野球ゲームを体験していただくために必要なものでもあるんです。確かに最初は難しいですけれども,慣れれば慣れるほど,自分の腕が上がっているのを実感できますから」と語る。

 なるほど,確かにスポーツというものは才能や素質の差こそあれ,誰もが最初から上手なわけではない。練習を重ねていくうちに上達していくものであり,そこが魅力の一つでもある。しかし,ゲームにまでそうした鍛錬や努力などを求められるとなると,拒否反応を示す人も出てきそうだ。
 ただ,そういった人を完全に無視するか……というと,決してそういうわけではない。本作に実装されている初心者用の「ストライクモード」では,一つのキーでほぼすべての操作が行える。つまり,「まずは,このモードで守備や走塁に慣れていただいて,ゆくゆくは変化球を投げたり打ったりできるように……と,段階を追ってプレイしていただきたいんです」(国安氏)というわけである。

 このほかにも,対戦型のオンラインゲームとしてはごく普通のことではあるが,プレイヤーの「ランク」に応じたチャンネルを用意することで,プレイヤーそれぞれが自分の腕前に見合った対戦相手との試合を楽しめるようにもなっている。また,ランクが異なる友達同士とプレイするときに便利な,フリーチャンネルも用意されているそうだ。


最大6人(3人対3人)でプレイできるのも,オンラインならでは


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 さらに魔球魔球は,最大3人までのチームプレイにも対応している。すなわち1チーム3人,1試合で最大3人対3人の対戦ができるのだ。このモードの魅力について,増山氏と国安氏は,以下のように語っていた。

従来の野球ゲームと違い,協力プレイを楽しめます。例えば,最初のバッターが出塁したときに,次のバッターに『エンドランを狙おう』みたいな指示ができます。こうやって,プレイ中にチャットできるというのが重要な点です。野球というのは本来チームでやるスポーツですから,3人とはいえ,やはり多人数が協力したほうが面白さを表現できると思うんです。まだアイデア段階ですが,将来的にはよりチームプレイを活かすために,いわゆるギルドシステムの実装も考えています」(増山氏)

1対1でプレイしていると,試合中はどうしてもチャットができません。試合開始の挨拶をしている途中に球を投げられちゃったり(笑)。ところが多人数ですと『頑張れ〜』なんて応援もできますし,「チームチャット」で作戦会議をすることも可能です。従来の野球ゲームと比べて,オンラインゲームならではの魅力がここにあると自負しています」(国安氏)

 チームプレイのマッチングは,「クイックスタート」を用いた,ランダムの組み合わせが基本となる。ただし,ランダムとはいえ事前に対戦人数を選択し,そのうえでチャンネルを選ぶ必要がある。そのため,1対1で対戦しようとしている人達のところに乱入するようなことはできないし,いきなりランクに隔たりのある対戦相手やチームが待ち構えているところに飛び込んでしまうことはないそうだ。
 ただ,チームプレイを行ったからといって,何かしらの特典を受けられるようなシステムは,現時点では用意されていないらしい。そこで当面は,チームプレイを促進するようなイベントを,運営側が主催していくとのこと。具体的には,「累計何人以上のプレイヤーとチームプレイをしてみよう」といった形で,「野球ゲームなのにコミュニケーションも楽しめる」という点を,より多くの人に体験してもらいたいそうだ。


2008年末に向け,さまざまな新要素を次々と実装予定


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 チームプレイに関しては前述のとおりだが,プレイヤー間のコミュニケーションを促進するためのシステムが,魔球魔球に組み込まれていない……というわけでは,もちろんない。

 例えば,「大会チャンネル」だ。これは,プレイヤーがカードなどを賞品として提供し,それを賭けてほかのプレイヤーと対戦できるというもの。プレイヤー自身が,ちょっとしたイベントの主催者になれるのである。また,運営側が特別なアイテムを用意し,こういったイベントをサポートする予定もあるそうだ。

 これ以外にも魔球魔球では,2008年末に向けてさまざまなコンテンツの実装が予定されている。
 まず9〜10月には,シングルプレイモードがお目見えする模様だ。詳細は未定らしいが,例えば6チームで勝ち抜き戦を行うといったものや,トーナメントを戦うものなど,ランクに応じたさまざまなシナリオが用意され,プレイヤーは入門用の簡単なものから,徐々に難しいものへと挑戦できるという。
 野球ゲームで遊ぶときには,実際のプロ野球のペナントレースと同様に144試合をシングルプレイで黙々とこなしたい! という人もいるだろうが,さすがにこれは「オンラインゲームなので……」(増山氏)難しいようだ。

 また,どのイニングもカウント2-3から始まり,魔球や魔打を使うためのミラクルカード抜きで,ピッチャーとバッターの純粋な一球勝負を楽しめる「フルカウントモード」も,魔球オープン戦で実装されるとのこと。
 さらに,現在実装されている選手データは,ベーシックカード(2008年度)と2006年度,2007年度の3種類だが,魔球オープン戦の段階で2005年度分も追加され,2008年内には過去10年分のデータがすべて使えるようになるという。
 これは現在日本のプロ野球で活躍している現役選手に限ったものではあるが,今シーズンの選手カードとは別に過去10年間の各年度のデータカードがあり,「過去10年で最も成績が良かった2002年の●●選手」を,自球団の選手として使用できるのだ。ただし,一つのチームに年度の異なる同じ選手を入れることはできない。
 ただ,「2005年の巨人」といった形でカードを揃えると,チーム全体の能力がアップする「セットデッキシステム」があるそうで,このあたりは,プロ野球が好きな人ほど,のめり込み度が高くなりそうな仕組といえるだろう。


有料アイテムはごく一部。無料でも十分にプレイ可能


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 さて,当然のことながら,魔球魔球でもβテストが終われば正式サービスに突入し,有料アイテムの販売がスタートするのだが,そうなると気になるのは,どういったタイプの有料アイテムが用意されるのか,である。それこそ,魔球を使えるミラクルカードが販売されるとなると,ゲームバランスの調整と維持が難しくなりそうなところだが,どうやらそうではないらしい。

 魔球魔球で販売される有料アイテムは,ステータスを向上させる機能を持ったピアスやゴーグルといったアクセサリなどが中心になるようだ。ただし,ステータスアップといってもその効果は,装備中ずっと維持されるというわけではなく,一定の確率で一時的に発動するというものらしい。そのため,有料アイテムを購入したプレイヤーほど,強いチームを作れる……というわけではないようだ。
 なお,ミラクルカードや選手カード,グローブやバットといった基本的な装備アイテムは,ほぼすべてをゲーム内ポイントだけで入手可能とのこと。
 ゲーム内ポイントは,試合をすることで入手できるのみならず,一部の有料アイテムとセットになっているのだそうだ。逆に言うと,ゲーム内ポイントのみでの有料販売は行われない。

 前述したとおり,魔球魔球は,球種をリアルタイムで判断するアクションタイプではなく,むしろ相手がどういった行動を取るのかを先読みしながら戦術を組み立て,勝利に繋げていくゲームである。先行してサービスを開始している韓国や台湾ではグラフィックスの傾向から低年齢向けという位置付けにあるようだが,一度プレイしてみれば心理戦の奥深さに驚く人も多いことだろう。
 また今回紹介した要素以外にも,選手カードの育成や不要なカード3枚以上を別のカード1枚に合成するシステム,あるいはゲーム中に実在の選手のフォームを取り入れるなど,ゲームとしての深みを増すような機能も随時実装していく予定とのことである。

 ちなみに日本でサービスするにあたっては,日本のプロ野球に合わせたオープン戦やオールスター戦などのイベントも考えているという。大規模なトーナメントイベントで日本一を決め,可能ならその後の韓国や台湾との交流戦なども実現したいとのことで,今後の盛り上がりも期待できそうだ。さらに,リアルのプロ野球と絡めたキャンペーン企画も進行しているそうで,さまざまな面での展開にも注目したい。

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「オンラインプロ野球 魔球魔球」

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