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AMD,2007年以降の施策概要を説明,「Radeonは引き続き重要」
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現在は消費電力対性能比が重視され,マルチコアCPUに切り替わるフェーズにある。そして,現在採用されているのは同種の(ホモジニアスな)CPUコアを複数持つマルチコア,あるいはマルチプロセッサだが,近い将来,具体的には2010年前後に,それぞれ異なる機能を持つ(ヘテロジニアスな)プロセッサ=アクセラレータが利用されるようになると,リチャード氏は述べる。そして,特化した機能を持つさまざまなアクセラレータが,CPUとともにやってくるというビジョンを「Accelerated Computing」として紹介した。
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GPUとCPUは機能が異なるアクセラレータだから,それらを組み合われば,一種のヘテロジニアスなマルチプロセッサを構築できる,というわけである。
やや余談気味だが,クロック周波数の伸びはいずれ頭打ちになり,その先に来るのはマルチプロセッサ,あるいはマルチコアだろうと,IT業界に関わる人間は誰もが予測していた。にもかかわらず,IntelがNetBurstアーキテクチャにこだわったため,マルチコアへの移行でAMDに後れを取る結果になったのは,読者の多くが知るところだろう。
巨大な資金力と技術力を誇るIntelは方針転換後,「Coreマイクロアーキテクチャ」で一気に巻き返しを図ったが,AMDにはインテルほどの余力はない。だからこそAMDは,将来のトレンドを読み,早めに手を打っていく必要がある――リチャード氏のプレゼンテーションは,そのことを強く感じさせるものだった。
■グラフィックスカードは「止めない」
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質疑応答で挙がった,「利益の上がりにくいハイエンドGPUを,利益の上がるものにするため,どのようなビジネスモデルを作っていくのか?」という問いに対する明確な回答はなかったが,ご存じのとおり,ハイエンドのGPUには,次世代のメインストリームグラフィックスに向けた先行投資的な意味合いもある。したがって,利益がそれほど上がらないからといって,すぐに止めてしまうということは考えにくい。
もちろん10年先は分からないが,当面,ATIブランドのグラフィックス製品はハイエンドを含めて継続されると見ていいだろう。
なお発表会では,非常に守備範囲の広いプロセッサメーカーとなった新生AMD各部門の現状と見通しが語られた。「引き続きトッププライオリティはサーバー市場にある」(リチャード氏)としながらも,PCはもちろん,堅調な家電や携帯電話市場においても,引き続き高い成長が期待できるとした。
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全体として,ATIを買収した意味や意義を明確に示す説明内容発表だったといえる。Torrenzaに代表されるAccelerated Computingを目指す方針が(改めて)強調され,そのなかでATIが持っていた技術の役割や位置づけがはっきりと分かった。また,旧ATIがカバーしていたデジタル家電分野が加わり,AMDのビジネスが広がったことも明確になった。
Torrenza構想に基づく最初の製品は,早ければ2007年にも登場してくるだろう。AMDが考えるAccelerated Computingがどのように結実するのか,PCゲーマーとしては興味深く見守っていきたいところだ。(米田 聡)
- 関連タイトル:
Athlon 64
- 関連タイトル:
ATI Radeon HD 2900
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