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「Razer BlackWidow X Chroma」英語配列モデルを試す。「X」付きのBlackWidowは,従来モデルと何が違うのか
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印刷2016/06/11 00:00

レビュー

「X」付きのBlackWidowは,従来モデルと何が違うのか。英語配列モデルを試す

Razer BlackWidow X Chroma

Text by 米田 聡


Razer BlackWidow X Chroma
メーカー:Razer
問い合わせ先:MSYサポートセンター
電話:048-934-5003
実勢価格:2万2000〜2万4000円程度(※2016年6月11日現在)
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 2016年5月27日,Razerの新作となるゲーマー向けキーボード「Razer BlackWidow X Chroma」(レイザー ブラックウィドウ エックス クローマ,以下 BlackWidow X Chroma)英語配列版の国内販売が始まった。Razerの販売代理店であるMSYは,日本語109キー配列版も6月17日に国内発売すると予告済みだが(関連記事),4Gamerでは,先に登場した英語版配列モデルを入手できたので,今回はその評価を行ってみたい。

 Razer BlackWidowシリーズといえば,メカニカルキースイッチを採用するゲーマー向けキーボードの定番として押しも押されもせぬ選択肢だが,シリーズに追加された「X」付きモデルを,ゲーマーはどう理解すべきだろうか。


案の定? キートップがやや高めのBlackWidow X Chroma。パームレストの利用はほぼ必須か


 4GamerではRazerの担当者インタビューをお届け済みだが,その記事でも明らかになっているとおり,Razer BlackWidow Xシリーズは,Razer BlackWidowシリーズの新しいバリエーションとして,樹脂製の外装パネルと,USBおよびサウンド入出力のパススルー機能を省き,従来よりもシンプルかつ低価格に仕上げてきたモデルという位置付けになっている。

Razer専用ラインで製造された新世代Razer Greenスイッチを採用するBlackWidow X Chroma
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 今回の主役であるBlackWidow X Chromaは,キーごとに約1677万色から選んで色や光り方を設定できる「Chroma」機能を搭載する,Razer BlackWidow Xシリーズの最上位モデルだ。BlackWidow X Chromaのキースイッチとしては,大きめのクリック感を伴う「Razer Green switch」と,メカニカルにしてはストレートな押し心地の「Razer Orange switch」の2種類あるが,今回筆者が入手したのは,標準仕様にして,現状,国内における唯一の選択肢でもあるRazer Green switch搭載機のほうである。

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 さてそんなBlackWidow X Chroma。英語104キー配列に準拠し,19mmキーピッチを採用するという意味では,これまでのRazer BlackWidowシリーズと変わらないと言っていい。
 「Xなし」の「Razer BlackWidow Chroma」(以下,BlackWidow)の場合,メインキーボードの左に追加の[m1]〜[m5]キーを備えるのに対し,BlackWidow X Chromaにはそれがないため,全体として,より標準的な印象を受ける。

BlackWidow X Chromaで,LEDの光をRazerのコーポレートカラーである緑にした状態。Razerっぽいかなと思って緑で光らせて撮影したのだが,緑色LEDバックライトを搭載する国内未発売モデル「Razer BlackWidow X Ultimate」と同じ見た目になってしまうことに後から気づいた
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 実際,BlackWidow X Chromaの机上を占めるサイズは実測460(W)×155(D)mm。Chromaモデル同士の比較ではないが,筐体はChromaモデルと同じはずの「Razer BlackWidow Ultimate」(国内製品名:Razer BlackWidow Ultimate 2014-JP,以下 BlackWidow Ultimate)だと同470(W)×185(D)mmなので,横幅も奥行きも,「Xなし」モデルと比べると小さくなっている。とくに奥行きの30mmというのはなかなかインパクトが大きい。

キースイッチをマウントした鉄板が外装になっている。鉄板につや消しブラックの塗装を施してあるとのことで,塗装面は丈夫な印象だ。個人的には,それでも傷をつけてしまうと鉄板がむき出しになりそうな危うさも感じなくはないが……
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 一方で気になるのが高さだろう。外装パネルを省略し,ベースプレートに基板を取り付けた仕様だけに,ベースプレートまでの高さは最も手前で実測約16mm,最も奥で同25mmと低いのだが,そこからキースイッチの軸が立ち上がって,さらにその上にキーキャップが乗る構造となっているため,キートップまでの高さは相応にある。机上から最も手前の列にあるキートップまでの高さは実測約34mm,最奥の列にあるキートップだと同41.5mmあった。
 同じようにBlackWidow Ultimateを測ってみると,キートップの高さは順に30mm,41.5mm。つまり,奥側はともかくとして,手前側は「Xなし」モデルと比べて4mmも高くなっているわけだ。

この写真は,BlackWidow X Chroma(左)とBlackWidow Chroma(右)で高さを比較したもの(※筐体サイズはBlackWidow Chroma=BlackWidow Ultimateという理解でいい)。手前側(=写真右側)に注目すると,BlackWidow X Chromaのほうがかなり高いと分かるだろう
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 先のインタビューで,キーボード製品のグローバルマーケティングマネージャーを務めるKushal Tandon (クシャル・タンドン) 氏は,キートップの高さはほとんど変わらないとしていたが,はっきり言って,手前側の4mmという高さのギャップは,実際に指を置いてみると露骨に違いを感じるレベルである。

 インタビューでTandon氏は続けて「専用のパームレストを用意する計画があります」と述べていたが,確かにこの違いを前にすると納得といったところでもある。結局,短くなった奥行きのメリットは失われてしまうのだが,純正のパームレストが登場するのを待ってられないという人は,市販のパームレストを用意するのも手だと思う。

ベースプレートとなる鉄板の上にキースイッチが載るような構造なので,キートップはどうしてもやや高くなってしまう(左)。チルトスタンドを立てると奥側のキートップの高さが机上から50mmになる。傾斜はきつすぎずゆるすぎずという感じで,ほどよい調節幅だ
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[Space]キーなど,横もしくは縦方向に長いキーでは,金属バーを入れることで,キートップの沈み込みを安定化させている。そのため,沈み込み時の安定感はまずまずだ。筐体からキートップが浮いているため,隙間から金属のバーまで見えてしまうのは少し格好悪いが……
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本体底面にはケーブルを3方向に引き出す溝が設けられた。よくある工夫だが,なかなか便利である。ケーブルが「Xなし」モデルの直径6.2mm仕様より細くなったことで可能になった新仕様ということなのだろう
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 本体重量はケーブル込みで実測約1400g,参考までにケーブルを重量計からどかせると1350g前後だった。
 本体重量は十分にあり,金属を使ったがっちり感もあるので,手荒なゲームの利用でもガタついてしまうような心配は無用である。

 また,BlackWidow X ChromaはUSBやサウンド入力パススルー機能を省略したことで,布巻ケーブルは直径約4.5mmと細身になり,取り回しやすくなっている。機能が減った分だけ使いやすくなった面もあるわけだ。

USB,そしてサウンド入出力のパススルー端子は持たないが,個人的には,それが大きなマイナスだとは感じない。むしろケーブルが取り回しやすくなったことのほうをプラスに感じる
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 なお,本段落の序盤でも触れた新世代“緑軸”スイッチだが,正直,KailhとRazerのダブルブランドになっていた既存世代のスイッチと並べて比較しても,違いは分からなかった。まあ,「5000万回の打鍵に耐えられる従来モデルから,新モデルでは8000万回の打鍵に耐えられるようになった」というのを数十回,数百回程度の打鍵で体感できるわけないので,これは致し方なかろう。
 Razer専用の製造ラインから生まれた新しい“緑軸”スイッチが持つフィーリング自体に違いは生じていないという理解でいい。

Razer Green switchで,キーがオンになるアクチュエーションポイントは1.9mm,オフになるリセットポイントは0.4mmという仕様だ。アクチュエーションポイントの深さは一般的なメカニカルキースイッチとあまり変わらないのだが,リセットポイントは0.3〜0.5mm程度短いため,表現しづらいのだがキーの押下が確実にできるような感覚がある。キーを撫でるように操作する人に向いているように思う。なお,写真は右がアクチュエーションポイントまで押し込んだところで,中央は標準位置との深さの違いを見るべく半透明で重ねたもの
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 以上を踏まえつつ,実際に文字のタイピングやゲームで使ってみたが,結論から言うと,パームレストを別途用意しない場合,机上に置いた手の角度がかなり急になって,その体勢を維持しようとすることで負荷が高まり,手首の疲労感が高まる。また,日本人の成人男性としては手の小さい筆者の場合,パームレストなしでは,ファンクションキーの列まで指を伸ばすのにも難儀することにもなった。

 実際に打鍵している様子は下にムービーでまとめたが,ムービーの前半はパームレストなし,後半はパームレストありで,手首の曲がり具合に注目してもらえればと思う。せっかくの短い奥行きを台無しにしてしまううえに,持っていなければ追加コストもかかるのだが,それでも,BlackWidow X Chromaを快適に利用したいなら,パームレストは用意したほうがいいというのが筆者の見解だ。


 また,ムービーで音を聞いてもらうと分かるのだが,Razer Green switchは音がうるさいのが,人によっては大きな問題となり得る。とくにゲームだとキーを連打することが多いため,非常にやかましい。同居人がいる場合,夜間に使うのは気が引けるレベルの騒音だ。
 ゲーム中にヘッドフォンやヘッドセットを装着していれば,プレイヤー自体は問題を感じないうえ,そもそも「“Chrrery青軸”風の,この軽さとこの音がよい」という人もいるはずなので,好みの問題ではあるのだが,気には留めておいたほうがいいと思う。


盛大に光り輝くLEDイルミネーション


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LEDの取り付け位置は従来のRazerオリジナルスイッチと変わらない
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光は主に上方向へ伸びる。ベースプレートにおける光の反射量も多い
 本稿の序盤でも触れたとおり,BlackWidow X Chromaは,いわゆるフルカラーLEDバックライトを搭載する。スイッチのプランジャー(plunger,筒。ここでは軸を周辺から支える部分)部で,本体手前から向かって奥側という,メカニカルキースイッチで定番のところが配置場所だ。

 キーキャップがベースプレートから浮いている構造上,LEDの光は盛大に漏れる。Razerとしては,キートップを浮かび上がらせるLEDイルミネーションが欲しければ「Xなし」,全体を華やかに照らせるものが欲しければ「X」付きを選ぶといいというメッセージを出しているが,確かに,「X」なしモデルとの派手さの違いは明らかである。とくに,輝度を最大にしたうえで暗い部屋に置いた場合などは,ちょっと眩しすぎるくらいの自己主張をBlackWidow X Chromaはしてくる。

BlackWidow X ChromaのLEDバックライトがきらびやかなのは間違いない。とにかく派手なのが好きなのであれば,これはこれでアリだろう
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[F9]〜[F12]キーには追加のアイコンがあり,[Fn]キーとの組み合わせで呼び出せる内容を確認できるようになっている
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 バックライトは,統合ソフトウェアである「Razer Synapse 2.0」――最近のRazerは「2.0」表記を省略する方向に舵を切っている――に統合される「Chroma Configurator」(CHROMAコンフィグレーター)からカスタマイズ可能だ。一種のプラグイン的な存在である「Chroma Apps」(CHROMAアプリ)を使うと,対応ゲームタイトル専用のバックライト点灯パターンをダウンロードして適用できる。
 また[Fn]+[F11]キー/[Fn]+[F12]キーにより,消灯を含めて20段階で明るさを切り替えることができた。手元で素早く明るさを変えたいなら,ショートカットを使ったほうが楽だろう。

Chroma Configurator。日本語表記は最後の音引き(ー)がダッシュ(―)になっているが,ともあれ,光り方は「呼吸音」「反応性」「波紋効果」「スペクトラム サイクリング」「ストレート」「静的」「ウェーブ」の7パターンから選択できる。これはBlackWidow Chromaと共通の仕様だ
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バックライトはキー単位や,ユーザー側で選択した任意のブロック単位でもカスタマイズできる。写真は,いったん全体を赤く設定したうえで,水色で「4G!」と設定してみた例
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こちらがChroma Apps。ゲームとLEDの挙動をリンクさせられるが,テスト機に入っているゲームタイトルに対応のものはないと言われてしまった。「TOMB RAIDER」は対応のはずなのだが,なぜか認識されず

Chroma Configuratorがからテンプレートを選択可能
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 対応ゲームがないとき,光り方をゼロから1キーずつカスタマイズするのはけっこう面倒と思うかもしれないが,Chroma Configuratorのプルダウンメニュー「キーテンプレート」から,FPS,MMO,MOBA,RTSという4つのテンプレートを選択して,それっぽく光らせることもできる。最初は,これらテンプレートのカスタマイズから始めてみるのが正解ではなかろうか。

FPS(左上),MMO(右上),MOBA(左下),RTS(右)のテンプレートを選択して,それっぽく色分けしてみた状態。それぞれのゲームでよく使うキーが点灯する設定になっているので,これをもとにカスタマイズすると楽だ
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ちなみにこちらは,[W]キーのみ,色を変えながら光らせてみた例。左から順に赤,橙,黄,緑,水,青,紫,桃,白。ちょっと緑が強い嫌いもあるが,総じてきれいに出ていると述べていいように思う。白はとくに優秀だ
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オンザフライのマクロ登録などキーカスタマイズの基本機能は健在


 前述のとおり,BlackWidow X Chromaではマクロ専用キーがなくなっているが,キーカスタマイズに関する機能そのものは,Razer BlackWidowシリーズで共通のものを,BlackWidow X Chromaでもそのまま採用している。具体的には,Razer Synapse 2.0から全キーの割り当てが可能で,割り当てられる内容はキーマクロも含む仕様だ。

Razer Synapse 2.0から全キーのカスタマイズが可能
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 カスタマイズの結果はプロファイルに記録できる。最大10個のプロファイルを[Fn]+[0]キー〜[Fn]+[9]キーに割り付けて切り換えられるうえ,実行ファイルと関連付ければ,アプリケーションの起動に合わせた自動切り替えも可能と,このあたりも従来のRazer BlackWidowシリーズと変わらない。

Gaming Modeで無効化できるキー一覧。[Windows]キーのところにあるチェックボックスはグレーアウトしているため,Gaming Modeを有効化すると,[Windows]キー(と[コンテキストメニュー]キー)は必ず無効になる
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 また,[Fn]+[F10]キーの同時押しで「Gaming Mode」(ゲーミングモード)の有効/無効を切り換えることができる点も,これまでと同じではあるが,押さえておきたい。

 Gaming Modeでは[Windows]キーと[コンテキストメニュー]キーが無効になるが,ユーザーが望めば追加で[Alt]+[Tab]キーと[Alt]+[F4]キーも無効化できる。
 今回入手した製品は英語配列なので,もちろん[半角/全角]キーはここに出てこないが,日本語配列版のBlackWidow Ultimateで[半角/全角]キーがリストアップされないので,日本語配列版のBlackWidow X Chromaでも[半角/全角]キーの無効化はできないだろう。
 ただ,[半角/全角]キーを含む個別キーの無効化はキーカスタマイズのほうでもできるので,仮にGaming Modeで実装されていなくても,使い勝手の面で大きな痛手にはならないだろう。

10キーの上にあるインジケーターは左からCaps Lockオン,Num Lockオン,Scroll Lockオン,on-the-flyマクロ登録受け付け中,Gaming Modeのそれぞれインジケータとなる。マクロ登録受け付け中のインジケータのみ赤色LEDで,ほかは白色だ
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 いわゆるon-the-fly(オンザフライ)のマクロ登録/登録完了は[Fn]+[F12]キーから行える。登録は簡単で,[Fn]+[F12]キーを押すとマクロ登録モードになり,右上の「M」という印のあるインジケーターが点灯する。この状態でマクロ登録したいキーを順に押し,登録が終わったら再度[Fn]+[F12]キーを押すと,「M」インジケーターが点滅状態になる。ここで,マクロを登録したいキーを押せば,そのキーに登録されるという流れだ。

 on-the-flyで登録したマクロは,即座にRazer Synapse 2.0のキーカスタマイズにも反映される。他社製のキーボードだとオンザフライで登録したマクロがドライバソフトウェアに反映されなかったりといったことがよくあるのだが,その点は,さすがRazerで抜かりない。
 ただし,このRazer Synapse 2.0に登録されるところからも想像できるとおり,キー割り当てやマクロ割り当ては,これまで同様,すべてソフトウェアベースだ。利用できる環境ではクラウドから簡単にダウンロードして適用でき,ゲーム大会など,Razer Synapse 2.0を利用できない環境ではキーボードを“素”のまま使うことになるという仕様もこれまでどおりである。

 ロールオーバー/同時押しでは,Nキーロールオーバーかつ最大14キーの同時押しに対応することを確認した。15キーを超えると一度には認識されない仕様だが,両手指の数を超えているので何の問題もないだろう。

Microsoftが公開しているWebアプリ「Keyboard Ghosting Demonstration」で確認したところ,最大14キーの同時押しが可能だった
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 ところで,現行のRazer Synapse 2.0にはやや問題があったことも報告しておきたい。試用したモデルが英語キー配列だからかもしれないが,Razer Synapse 2.0を起動するたびに,Windowsの入力言語設定が日本語から英語に切り替わってしまう現象が起きたのだ。
 従来のRazer Synapse 2.0ではこうした動作は確認していないので,いずれかのバージョンの時点で挙動が変わってしまったようだ。割と困るので,早めの修正をお願いしたい。


使い勝手を左右する違いはキートップの高さのみ。価格がこなれれば選択肢になる


製品ボックス
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 というわけで,やや駆け足気味ながら,特徴と,使ってみて気付いた点をまとめてみたが,使い勝手を左右する違いは,キートップの高さ,とくに手前側で「Xなし」Razer BlackWidowシリーズより4mm高い点だけということになりそうだ。ユーザー側でパームレストを用意する必要が生じる可能性が高いため,Razerの主張する「若干安価」という部分はパームレストの追加コストで相殺されてしまい,トータルコストとしては大して変わらないか,下手をするとむしろ高くついて,しかも設置面積は余計にかかるという予感がある。

 しかも,そもそもの話として,BlackWidow Chromaの実勢価格は1万8200〜2万1000円程度(※2016年6月11日現在)と,同2万2000〜2万4000円程度のBlackWidow X Chromaより安価になってしまっているのだ。「10ドル安価な廉価モデルのはずなのに国内ではむしろ高く,しかも追加投資が必要になる可能性が高い」わけで,スタートとしては相当に厳しいと言わざるを得ない。

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 一方,BlackWidow X Chromaの魅力として挙げられるのは,人によっては余計と思える機能やキーが削られていることに加えて,外装を省いたことによるソリッドなデザインや,細身になって見やすくなったキートップの新フォントが挙げられるだろう。とくに既存のRazer BlackWidowシリーズが採用するキートップのフォントは太く野暮ったかったので,フォントが変わったことで見た目にかなりスマートになったのはグッドだ。

 また,テストする前は下品になってしまうのではないかと危惧していた「盛大に漏れるLED」も,「これはそういうものだ」というフラットな立場から見ると,別に悪くないのではないか,という気がしている。
 「そもそも光るキーボードなんていらない」と言うなら話は別だが,派手に光るのが好みだということであれば,これはこれで魅力的な要素とまとめることができそうである。

 追加のマクロキーがなく,横方向が短いデザインも含め,BlackWidow X Chromaに可能性は感じる。価格がこなれ,Razer純正オプションとしてのパームレストが流通するようになると,検討に値する製品となってくるのではなかろうか。

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Razer日本語公式Webページ

MSYのRazer製品サポートページ「Razerzone.jp」

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