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[E3 2006#038]Windows Vista対応でゲームはどう変わるのか? 「Microsoft Flight Simulator X」
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印刷2006/05/12 13:45

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[E3 2006#038]Windows Vista対応でゲームはどう変わるのか? 「Microsoft Flight Simulator X」

 2006年1月にラスベガスで開催されたInternational CES 2006で,Windows Vistaと共に大々的に発表が行われた「Flight Simulator X」(以下,FSX)。FSXは,DirectX 10に最初に対応するゲームタイトルの一つだ。
 元々Windows Vista(≒DirectX 10)に向けて開発が進められてきたと言われるFSXだが,Windows Vistaの発売延期に合わせる格好で,Windows XP(DirectX 9)のサポートも正式に表明している。E3 2006で展示されているのは,DirectX 9モードで動作させたものだった。

Rafael Cintron氏
 となると気になるのは発売時期だが,Microsoftのブースで解説をしてくれたRafael Cintron氏いわく「2006年のホリデーシーズンあたり」とのことで,予定どおりなら2007年1月に発売されるWindows Vistaよりも早くなるわけだ。発売当初はWindows XPのDirectX 9モードで動作するようにして出荷し,Windows Vistaが発売され次第,DirectX 10対応のパッチをすぐさまリリースする予定という。

 とはいうものの,FSXのグラフィックス自体はやはりDirectX 10向けにチューニングされており,プログラマブルシェーダ4.0(Shader Model 4.0)に対応。DirectX 10世代のリファレンスゲームとして,DirectX 10で新たに実装される機能が惜しげもなく盛り込まれるとの話だった。



■ミッションモードを実装してゲーム性が高く

 また本作には,グラフィックス以外でも注目すべき要素が少なくない。なかでも特筆したいのは,よりゲーム性を意識した,ミッションベースのゲームシステムの実装だろう。
 これまでのMicrosoft Flight Simulatorシリーズでは,文字どおりシミュレータとしての存在意義に重きを置くがゆえに,自由度こそ無限大に高い半面,真の意味で楽しむには,プレイヤー側で遊び方を工夫する必要が多分にあったのは否めない。

 そんなMicrosoft Flight Simulatorシリーズの問題(?)を修正するかのように,FSXでは,よりライトな層にも楽しんでもらえるよう,音声や矢印で目的が逐一指示される「ミッションモード」の実装に力が入れられている。
 ミッションモードで用意されるのは,ヘリで火災が発生した山に向かって救助活動を行ったり,指定のウェイポイント(=チェックポイント)を通りながら目的地へ向かったり,あるいは飛行機レースに出場して優勝を狙ったりなどさまざま。標準で50ほどのミッションが用意されるほか,ユーザーが自由にミッションを作成できる「ミッションエディタ」も同梱しているという。これはもちろん,Microsoft Flight Simulatorシリーズ初の試みだ。



 ミッションエディタでは,ウェイポイントをなぞるだけのものはもちろん,ゴーストの飛行機の後を追わせるようなチュートリアル的なものも簡単に作成できるという。ただ漠然と飛行機を飛ばすだけではなく,ユーザーがインターネット上(あるいはLive Anywareシステム上?)にアップロードしたさまざまなミッションをダウンロードして遊べるようになるなら,FSXの“寿命”は間違いなく延びるだろう。純粋に面白そうな試みである。
 ミッションエディタの具体的な操作法は明らかになっていないが,基本的には,開発元のレベルデザイナーが用いるものとほぼ同じになるようだ。FPSや一部のRTSではすでに当たり前の機能だが,Microsoft Flight Simulatorシリーズでこのような機能が実装されるのは面白い。もともと同シリーズは,新しい飛行機のモデルが作られたりするなど,ユーザー間のコミュニティ活動が比較的活発なので,エディタ同梱の効果は推して知るべし。



 このほか特徴としては,2万4000を超える世界各国の空港を収録している点や,“Xbox 360用ジョイスティック”などの各種ゲームデバイスに対応している点が挙げられる。FSXでXbox 360用のジョイスティックを使ったときに,デフォルトの状態でフライトしやすいように,一定のキーが割り振られているのだという。

 また,まだ仕様は固まっていない,としながらも,マルチプレイヤーモードはもちろん実装されるとCintron氏は話してくれた。
 マルチプレイで面白そうなのは,一つのコックピットを複数人で共有するモードがあり,機長と副長に分かれた「ごっこ遊び」(?)などもできるという部分だろう。一般にマルチプレイといえば,二人がそれぞれ別の飛行機に乗り込んで……というものを想像しがちだが,そうではない遊び方も可能だということである。友人を自分の飛行機に“乗せて”,遊覧飛行をしゃれ込む……なんて楽しみ方も悪くないかもしれない。

 前述したとおり,北米版の発売は2006年末あたりが予定されており,あともう半年ほど。日本での発売は現時点で未定だが,それなりに伝統あるタイトルだけに,日本語版の発売は十分あり得るだろう。ローカライズされるなら,北米版となるべく時間差なく発売されるのを期待したいところだ。(TAITAI)

  • 関連タイトル:

    マイクロソフト フライト シミュレータ X

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