2年越しのハウジング構想が実現！　「AngelLoveOnline」大型アップデート「忘却の都」先行レポート

　2月26日，キューエンタテインメントがサービスを提供しているMMORPG「AngelLoveOnline」（以下，ALO）にて，大型アップデート「Season7〜忘却の都〜」が実施される。約8か月ぶりとなる今回の大型アップデートで目玉となるのは，プレイの幅を大きく広げる「ハウジングシステム」の登場だ。
　またメインストーリーに「第5話」が追加され，それに伴って関連するマップ，クエスト，インスタンスダンジョンも実装される。今回，実装に先駆けてこれらの具体的な内容を確認できたので，さっそくレポートしよう。

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便利機能のみならず生産を
大いに盛り上げる「ハウジングシステム」

　最大の目玉となるハウジングシステムは，プレイヤーがエデン大陸上にマイハウス，すなわち自分の“家”を持てるという機能だ。
　ALOのハウスは，各種家具を設置して，自分好みにカスタマイズできるだけでなく，レベルを上げることにより生産やペット飼育などの便利機能を利用できるようになる。


　このハウスは，街エリアのオープンスペースなら基本的にどこにでも設置可能（NPC周辺などの一部制限区域有り）で，かつどこでも撤収可能という仕様。例えば，とある街でハウスを設置したままモンスター狩りに出向き，そのまま別の街にたどり着いた場合でも，即座に既存のハウスを撤収し，新たな場所に設置し直せるのだ。

ミニハウス

ビューティハウス

ゴージャスハウス

　ハウスのサイズは3種類あり，単純な広さの違いだけでなく，設置できる家具数の上限が異なる。小さい順から「ミニハウス」「ビューティハウス」「ゴージャスハウス」となり，設置可能家具数はそれぞれ「35」「60」「100」。家具の数は後述するハウスのレベルに関係しているため，設置上限は多いに越したことはない。

　なお，ハウスは特定のアイテムを購入し，抽選に当たらないと所有できない（いわゆるガチャ形式）。ミニハウスの抽選アイテムはゲーム内通貨で購入でき，おおむねレベル30以上のプレイヤーが購入し始めることが想定されている。またビューティハウスとゴージャスハウスは，有料ガチャを介しての入手となる。

　ハウスには10段階のレベルが存在し，レベルが高いほど便利な特殊機能を使えるようになる。レベルは，ハウス内に設置された家具一つ一つが持つ「魔力値」の合計に依存するため，家具をたくさん置いた家ほどレベルが高くなる。そのため上記のとおり，設置上限数の高いハウスほど高レベルにしやすいわけだ。
　また，家具の組み合わせによってはボーナスが発生する場合がある。同じ魔力値の家具を設置するにしても，例えば机を二つ並べるより，机とカーペットというように異なるジャンルを組み合わせたほうがボーナスを得られるのである。


　ハウス内に設置可能な家具は「テーブル」「椅子」「壁飾り」「壁紙」「壁枠」など，14ジャンルに及ぶ。今回，実装されるのは全ジャンル合計140種類以上で，このうち40種類程度が有料アイテムとして提供される。残りは生産アイテムとなり，ゲーム内の素材のみで生産できるのが85種類程度で，15種類程度が一部の有料アイテムと組み合わせて生産可能。またすでに600種類ほどの家具が用意されており，順次実装される予定だ。


　生産した家具はトレード可能で，一度ハウスに設置した家具は基本的に30日で消失するため，プレイヤー間の流通が非常に盛んになるだろう。また上記の魔力値が高い家具や，あるいは消失するまでの期間が長くなるレア家具は，とくに人気が高くなることが予想され，生産大好きというプレイヤーは腕の振るいがいがありそうだ。なお，家具生産はレベル31以上のプレイヤーが対象となる。

　ハウスの特殊機能には，個人倉庫/ギルド倉庫機能のほか，以下のようなものがある。いずれもハウスレベルに応じて利用できる範囲が広がっていく。

【ハウスでできること】

●ダンスパーティ
　ほかのプレイヤーをハウスに招待して，ダンスパーティを開催できる（有料アイテムが必要）。ダンスパーティの参加人数に応じて，開催者はボーナス経験値を獲得する。また参加者には，一定時間，特定ステータスを上昇させるバフアイテムがプレゼントされる。
　エンブレムウォーやインスタンスダンジョン攻略などの前に，ギルドメンバーを招いてダンスパーティを開催すると効果的だろう。なお，参加人数はハウスのレベルに応じて最大20人。さらに，一人のプレイヤーがダンスパーティを開催できるのは3〜3.5日おきとなっているが，これはボーナス経験値のみのレベリングを防ぐためとのこと。

●生産と納品
　ハウス内の生産/ペットハウスエリアで，各種の生産台とソフットポストを利用できる。素材の採集もできるので，街の各所に配置されたNPC間を行き来することなく，このエリア内で生産活動のほとんどを行えるのだ。ただし一部の素材アイテムは，従来どおりNPCから購入する必要がある。ハウス内でほぼ揃うとはいえ，ずっと引き篭もっていられるわけではない模様。


●ペット飼育
　生産/ペットハウスにある「ペットスタンド」で，ペットを育成できる。従来のペット育成では，モンスターと戦闘させる必要があったが，ここでは飼育方針を設定するだけで自動的に成長していく。局面に応じて複数のペットを使い分けたいというプレイヤーには嬉しい機能だ。



●傭兵の召喚
　8時間のあいだ，強力な傭兵モンスターを召喚可能なアイテム「傭兵の石版」を入手できる。傭兵モンスターは戦闘の手助けをしてくれる頼もしい存在で，従来のペットと併用可能。なお傭兵モンスターは25種類以上存在し，ハウスのレベルに応じて召喚可能なものが変わる。制限時間内なら何度でも召喚できるが，一度召喚すると次の召喚までに3分間のクールタイムが必要だ。


●ラッキーアップ / ラッキー製作
　一定時間，ハウス内での「強化カナヅチ」および「星槌」使用時の成功確率を上昇させる。また，ラッキー製作はアイテム生産時のレアアイテム製作確率が上昇する。

　各プレイヤーは，他人のハウスを訪問することも可能（パスワードがかかっていない場合のみ）。その際，気に入ったハウスに1日5件まで投票することができ，その結果，ランキングで200位以上になったハウスには順位に応じたボーナス魔力値が与えられる。さらに街の中に設置された「ハウス掲示板」では，ワールド内に現在設置されている各ハウスの情報を確認できる。掲示板を介して離れた街のハウスを訪問することも可能だ。
　また，ハウスには「清潔度」のパラメータもあり，一定以上に保っているとボーナス魔力値が与えられる。逆にゼロになってしまうとすべての機能が利用不可となってしまうので，ゲーム内アイテムなどで定期的に清掃する必要がある。

最上位コンテンツでこそないが
相当に手強い新エリア「砂漠」

　今回のアップデートにおける，もう一つの大きな柱がメインストーリー第5話の追加だ。舞台となるのは，サボテン高原の東にある廃墟。かつてこの土地には，黄金のように輝く美しい都市が存在したが，天使と悪魔の争いの余波を受けて廃墟となり，さらに地割れによって孤立化してしまったのだ。
　やがて時が流れ，機甲レース開催のためにサボテン高原で工事をしていた鉄機塞の人々が廃墟を発見する。しかし，そこは悪魔達の拠点となっており……というのが大まかな流れで，この設定を踏まえた大小46個のクエストが登場する。またプレイヤーのレベルキャップも，従来の120から130に引き上げられる。

　併せて，新エリア「砂漠」も実装される。砂漠は，街の機能を一部有する「サンドサーキット」をはじめ，悪魔の本拠地と化した「幻影の砂都」「千夜魔宮」など7フィールドに分かれている。主にレベル80以上のプレイヤーを対象としたエリアだが，全域を攻略するにはレベル100以上のパーティでないと難しいそうだ。

「砂漠」全体マップ

鬼影村

月牙峡谷	サンドサーキット
古の戦地	人馬哨
幻影の砂都	千夜魔宮

　また最深部には，インスタンスダンジョン「蛇神の閨」が登場。これはパーティ必須のダンジョンで，内部にはさまざまな仕掛けが施されている。ボスモンスターの中には魔法のランプをイメージした「究極の三択」を迫るものもいて，選択を誤ったパーティは非常に厳しい状態に陥るそうだ。

　しかし危険が多い半面，見返りも大きい。ボスモンスターからは，レベルキャップ引き上げに見合った最上級の武器と防具，乗り物や機甲などのドロップが期待できるとのことで，挑戦しがいのあるコンテンツとなっている。なお，このダンジョンはレベル115以上のパーティ推奨とのこと。

「ハウジング」実装にまつわるエトセトラ

　さて，これまで約6か月間隔で大型アップデートを行ってきたAngelLoveOnlineだが，今回は8か月と少々長めのインターバルとなった。その原因は，ハウジングとそれに伴う生産システムの導入にあるのだが，これはそもそも日本で本作を展開するにあたってキューエンタテインメントが企画したもの。
　ところが開発元である台湾User Joyとの認識の相違，およびオンラインゲーム市場の流れの違いから，台湾では当初キューエンタテインメントが思い描いていたものとは若干異なるシステムとして実装されてしまったのだ。それを本来の日本向け仕様に戻すために，長い時間をかけて交渉していたのである。
　交渉成立のあとも，決して事がスムースに進んだわけではない。改めて生産レシピを起こし，素材のバランスを調整するなどキューエンタテインメントのスタッフが日々尽力を重ねた結果，日本のハウジングシステムは当初思い描いていたとおり，生産の比重が非常に高く，またトレードなどでプレイヤー間のコミュニケーションをより盛んに促進する内容になったというわけだ。

　プロデューサーを務めるキューエンタテインメントの森 健志氏曰く，サービス開始前からの計画が2年越しにようやく実現したとのことである。森氏は「やっと念願が叶いました」とコメントをしていたが，これを機にAngelLoveOnlineは日本独自要素を強めていく予定とのこと。
　また従来は主婦層など女性人気の高かった本作だが，PLAYSTATION 3版のサービス開始から男性プレイヤーの割合も一気に増えたそうで，その様子は今回のアップデートに伴う新ワールド（サーバー）追加からも窺い知ることができる。ともあれ，2008年末から勢いに乗っているAngelLoveOnlineに，今後とも期待したい。

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