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[WinHEC 2006#01]ビル・ゲイツ基調講演でWindows Vista β2のリリースがアナウンスされる
初日の基調講演は,Microsoftのチェアマン&チーフ・ソフトウェア・アーキテクトを務めるBill Gates(ビル・ゲイツ)氏の挨拶から始まった。
Gates氏いわく,2007年のコンシューマ向けWindows Vistaの発売を控える2006年だが,年内に全世界で2億5000万台のPCが出荷される予定とのこと。これは前年比で10%の増加率であり,PCというプラットフォームの成長が順調である見通しなのだそうだ。コンシューマ向けWindows Vistaの発売が事実上延期されたことが,市場へ与える影響は少ないのだ,といったところだろうか。
続いてGates氏は,32bitから64bitプラットフォームへの移行が,これまでのPCアーキテクチャにおけるメモリアドレッシング拡張の歴史の中では最もスムースに行われていることを指摘。この流れの後押しを受けて,2007年以降,サーバー関連製品群を中心に「64bitオンリー」の製品展開が行われるロードマップを示した。64bit化はメインフレームクラスの巨大データの取り扱いを身近にするもので,より高度なデータマイニング(データ解析)を可能にし,地味ながらコンピューティングを1段階上のものに昇華するパワーを持っていると説明する。
Gates氏は,「現在のマルチスレッドOSを使うだけでも“それなり”に恩恵が得られますが,今後4→8→16→32とコア数が増えていくに連れて,マルチコアを積極的に活用するためのソフトウェアパラダイムの変革も求められてきます」と指摘。また,2009年までにはサーバーだけでなく,ノートPCも含めたすべてのPCでマルチコアが当たり前になるだろう,という見通しも述べた。
■Windows Vistaの発売に向けて
また,2006年5月18日からは,手持ちのPCがWindows Vista環境へアップグレード可能かどうかを診断してくれる「Windows Vista Upgrade Advisor Beta」の提供がスタート。さらに,現在使用しているアプリケーションソフトウェアがWindows Vista環境で使えるかどうかの診断を行う「Application Compatibility Toolkit v5.0 Beta」も,近々提供が始まるという。
■“プリペイドPC”はユニークな試みだが
■学生向けソリューションは今のところなし
さて,Windows Vistaの話に続けて,Gates氏は「すべての人の机の上に,PC環境を提供したい」という想いでMicrosoftを起業し,ここまで発展させてきたと語る。
「しかし,世界にはPCを所有することが難しい国々の人々がいます」と続けた同氏は,彼らの境遇を何とかしたいし,それはビジネスチャンスでもあるはずと考え,途上国地域の人々向けにPC環境を提供する「Microsoft FlexGo」(以下FlexGo)と呼ばれるソリューションを開発したと発表した。
CPUやグラフィックスチップなど,進化の激しいハードウェアを組み合わせたハイエンドスペックなPCでも,このような導入スタイルが実現できれば,懐具合の豊かでない学生ゲーマーにもかなりうれしいソリューションとなりそう。だがしかし,現時点ではあくまで,途上国を中心とした新規市場(Emerging Markets)向け専用のソリューションとのことであった。
WinHECはハードウェア開発者向けのカンファレンスであるため,基調講演はこんな感じだったが,米国時間5月25日以降は,DirectX 10など,ゲーマーにも関係深い話題が出てくる予定だ。また,ゲーマーにとって注目すべきWidows Vistaの機能に関してのセッションもフォローしていくので,期待していただきたい。
■WinHEC EXPOも開幕
WinHEC 2006では非常に規模が小さいながら展示会も開かれている。
エンタープライズ系やサーバー関連などの展示が多いのだが,いくつかホビーユースに近い展示もあったので,抜粋してお届けしたい。
画素密度は83.9dpi,最大輝度は500cd/m2と明るく,その甲斐あって最大コントラストも1000:1を誇る。液晶方式は垂直配向型液晶を同社が独自に拡張したS-PVA方式で,ディザリングなしの,リアルRGB各8ビットで駆動され,NTSC色域カバー率は92%とのこと。応答速度は公称6msとかなり高速で,ゲームユースにも対応できそうだ。
Samsung Electronicsによれば,23〜24V型のワイド液晶ディスプレイはこれまでにも製品化されてきたが,画素密度が高すぎるため「1920×1200ドット表示させた場合にメニューや文字が小さくて扱いにくい」という指摘があったそうで,これに応える,1920×1200ドットをより現実的な大きさで使える27V型の投入と相成ったそうだ。
FlexGoプラットフォームをMicrosoftと共同開発したTransmetaは,ブースでそのデモ機を展示していた。
パッケージは592ピンOBGA(0.8mmピッチ)だが,マザーボードには直づけで装着される。これはFlexGoプラットフォームの運用形態から想定される,CPUの盗難を避けるためだという。ちなみに,グラフィックスチップとしてはRadeon 9200を搭載していた。
接続端子群はアナログRGB(D-Sub),サウンド入出力,LAN,USB 2.0×4というシンプルな仕様である。(トライゼット 西川善司)
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(C)2007 Microsoft Corporation.