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印刷2008/10/31 12:32

連載

レギュレーショントップへ

Version 6.0

Text by Jo_Kubota

ベンチマーク一覧

開発元:Futuremark
発売元:Futuremark
価格:19.95ドル(Advanced Edition,ダウンロード版)
発売日:2006/01/18

 「Gamers’Benchmark」を謳う3DMarkシリーズの最新版,「3DMark Vantage」が登場して久しい。一般のPC系レビューサイトでは,すでに定番の座についているところも多いが,4Gamerではレギュレーション6世代においても,引き続き「3DMark06」を採用する。

 その最大の理由は二つ。一つは,2008年秋をもってなお,市場はプログラマブルシェーダ3.0(Shader Model 3.0≒DirectX 9.0c)ベースのタイトルが主流であるため。もう一つは,少なくとも2008年秋の時点において,国内流通する採用タイトルが数えるほどしかない物理エンジン「NVIDIA PhysX」を3DMark Vantageが採用しており,ゲームにおけるGPUやCPUのスコアを公平にテストするのに,適しているとは言い難いためだ。
 DirectX 10環境におけるパフォーマンスは,実際のDirectX 10ゲームアプリケーションで行うので,3DMark Vantageを利用しないことのデメリットは,とくにないと考えている。

 テストに用いる3DMark06のバージョンは,2007年12月時点の最新版となるBuild 1.1.0(including October07 hotfix)。これはレギュレーション5世代から変わっていないため,レギュレーション6世代のスコアは過去の記事と比較可能だ。

 テスト方法は下記のとおり。まあ,もはや説明不要だろう。

実行手順

  • (1)3DMark06を起動
  • (2)テスト時のディスプレイ解像度を3DMark06側で変更
  • (3)ベンチマーク実行

※(2)の解像度変更時に,アプリケーションの再起動などは行っていない。そのまま連続して計測している。

 なお,新型GPUの検証時には,3DMark06のデフォルト設定である「1280×1024ドット,標準設定」というコンフィグレーションで,「Feature Test」の一部を実施することがある。この点はあらかじめご承知置きを。


開発元:Crytek
発売元:エレクトロニック・アーツ
価格:オープン
発売日:2008年9月25日

 2007年に発売された重量級FPS,「Crysis」。「Crysis Warhead」(邦題 クライシス ウォーヘッド 完全日本語版)は,そのアナザーストーリーを描いた最新タイトルとなる。製品パッケージには,シングルプレイモードを収録した,製品名と同じ名称のディスクと,マルチプレイモードを収録したディスク「Crysis Wars」が用意されているが,レギュレーション6.0で用いるのは前者だ。
 ゲームエンジンは(レギュレーション5世代で用いていた)Crysisと同じ「CryENGINE 2.0」。2008年秋を迎えても,「マルチGPUの効果が比較的出にくい重量級ゲームエンジン」という位置付けに変化はなく,負荷の高いゲームタイトルにおける挙動を見るための,格好のサンプルとなる。


HardwareOC Crysis Warhead Benchmark

 ところで,Crysisにはベンチマークテストを行うためのバッチファイルが用意されていたのを記憶している人も多いと思う。この点Crysis Warheadではどうかというと,それに類するものが用意されていない。そのため,レギュレーション6.0ではHardwareOC(Zoltan Nemeth - Roadside)製の外部ベンチマークツール「HardwareOC Crysis Warhead Benchmark」(Version 1.1.1,以下Crysis Warhead Benchmark)を用いることにした。

HardwareOC Crysis Warhead Benchmark Version 1.1.1のダウンロード

 Crysis Warhead Benchmarkを実行するに当たって,Crysis Warheadを別途実行しておく必要はない(※もちろん言うまでもなく,インストールは必要だが)。下記は基本的に,Crysis Warhead Benchmarkの設定項目となるので,その点に注意しながらチェックしてもらえれば幸いだ。

Crysis Warhead Benchmark設定

Crysis Warheadのバージョン:1.1.1.686

Crysis Warhead Benchmarkのバージョン:1.1.1

セーブ&リプレイデータ:不要

設定「Benchmark−Path & information」

  • Crysis Warhead path:Crysis Warheadをインストールしたフォルダを指定
  • Results folder:任意

Resolution & screenメニュー

Customizationメニュー

設定「Benchmark−Resolution & screen」

  • Resolution:テストによる(※基本的には1024×768/1280×1024/1680×1050/1920×1200ドットの4パターン)
  • MultiGPU:テストによる
  • Screenshot:チェックを外す
  • Quality:テストによる(※基本的には「High」)

設定「Benchmark−Filters & demos」

  • Filters:テストによる
  • Choose a demo:「Airfield」にチェックを入れる
  • Renderer driver:テストによる(※Windows XP環境では「DirectX 9」で固定)

設定「Benchmark−Customization」

  • Benchmark notes:任意(※基本的には何も入れなくてOK)
  • Boost renderer settings:チェックを外す
  • Number of times to run the demo:2
  • Skip first score:チェックを外す

設定「Other−Registration」

  • Email:自分のE-mailアドレスを登録する

 注意すべきポイントは何か所かあるが,まず重要なのは,Crysis Warhead Benchmarkでは詳細なグラフィックスオプションの設定は行えないため,「Benchmark−Resolution & screen」の「Quality」から,一括指定することになる点。Windows XP環境,もしくはWindows XP/Vista混在でのテストでは「High」,Windows Vista環境でDirectX 10固有モードでのテストを行う場合には「Very High」を選択して行う必要がある。
 DirectX 10でテストを行うときは,これに加えて「Benchmark−Filters & demos」の「Renderer driver」から「DirectX 10」を選択しなければならないので,この点も注意しておいてほしい。


Registrationメニュー。メールアドレスを登録しないと,レギュレーション6.0準拠のテストは行えないのでご注意を。なお,登録先は4Gamerとはなんの関係もないため,登録によって何か問題が発生しても,筆者,4Gamerとも責任は取れないことを,あらかじめお断りしておきたい

 また,「Benchmark−Filters & demos」の「Filters」は,メールアドレスを登録しないと変更できないこと,レギュレーション6.0で初採用となったディスプレイ解像度である1680×1050ドットは,「Benchmark−Resolution & screen」の「Possibilities」から選択する必要があることも,憶えておいたほうがいいだろう。

 ここまで設定できれば,あとは簡単。Crysis Warhead Benchmarkのウインドウ左下に用意された[RUN>>]ボタンを押すだけだ。途中で解像度設定などを切り替える必要はなく,自動的にテストが進んでいく。
 なお,もし何らかの事情でテスト中に異常終了した場合は,Crysis Warhead Benchmarkの設定から,当該解像度だけを選択してやり直せば大丈夫だ。

実行手順

Crysis Warhead Benchmarkを起動するたび,DVD-ROMで購入したかSteamから手に入れたかを選ぶことになる

  • (1)Crysis Warhead Benchmarkを起動
  • (2)「My game type is:」という画面が表示されるので,パッケージ版を持っている人は「normal DVD version」,Steamで購入した人は「Steam version」を選択する
  • (3)各種設定を行った後,[RUN>>]ボタンをクリック
  • (4)デモが始まるのでしばらく待つ
  • (5)デモが終了し,結果が表示されたら,平均フレームレートをスコアとする

 計測は2回だが,これは1回だと,取得できるスコアが低めに出るため。「1回×2」でも変わらず,2回以上連続実行すると安定したスコアを取得できるので,レギュレーション6.0では2回とした次第だ。
 htmlファイルに出力されるスコアの傾向は,レギュレーション5世代におけるCrysisと変わらないので,指標も同じ。つまり,プレイアブルかどうかの基準は平均25fpsで,ストレスを感じなくなるのは平均40fpsを越えてから,ということになる。

Call of Duty 4: Modern Warfare

開発元:Infinity Ward
発売元:アクティビジョン
価格:オープン
発売日:2008年8月8日

 「Call of Duty 4: Modern Warfare」(邦題 コール オブ デューティ4 モダン・ウォーフェア,以下CoD4)は,PCとXbox 360,プレイステーション3で1000万本を超えるヒットとなっているFPSだ。
 ゲームエンジンはInfinity Wardオリジナルで,DirectX 9世代のプログラマブルシェーダ3.0(SM3.0)ベース。ゲームエンジンとしては旧世代に属するが,2008年秋を迎えてもプレイヤー数は多い。“軽いFPS”の代表として,これ以上ふさわしいものはないだろう。

 テスト方法だが,2008年におけるCoD4の状況を踏まえ,今回はマップ「Crash」における5対5のチームデスマッチを“録画”し,これを再生させ,Frapsから平均フレームレートを求めることにした。

 リプレイデータの作成に当たって留意したのは,キャラクターの足を止めないということ。それを実現すべく,今回は4Gamerスタッフの個人的な知り合いを募ってリプレイデータを作成した。そのため,リプレイデータの公開ができない点はご容赦いただきたい。

 このほか,テストに当たってのゲーム設定は下記のとおり。パッチは,レギュレーション6.0事前検証開始時点での最新版となるVersion 1.7を用いている。グラフィックス設定の詳細については,西川善司氏による解説記事も用意してあるので,興味のある人は併せて参照してもらえれば幸いだ。

ゲーム設定

バージョン:1.7(1.7.568)

リプレイデータ:4Gamerオリジナル(※非公開)

リプレイデータ保存先:C:\Program Files\Activision\Call of Duty4 - Modern Warfare\main\demos

コンフィグファイルの変更:C:\Program Files\Activision\Call of Duty4 - Modern Warfare\players\profiles\【ユーザー名】\config_mp.cfgを開き,「com_maxfps」の値「85」を「0」に書き換える

ゲーム設定:「Options−Graphics...」

  • Video Mode:テストによる
  • Screen Refresh Rate:60Hz
  • Ascpect Ratio:Auto
  • Anti-Aliasing:テストによる
  • Brightness:任意
  • Sync Every Frame:No
  • Dual Video Cards:テストによる
  • Shadows:Yes
  • Specular Map:Yes
  • Depth of Field:Yes
  • Glow:Yes
  • Number of Dynamic Lights:Normal
  • Soften Smoke Edges:Yes
  • Ragdoll:Yes
  • Bullet Impacts:Yes
  • Model Detail:Normal
  • Water Detail:Normal

ゲーム設定:「Options−Texture Settings...」

  • Texture Filtering:Automatic
  • Anisotropic Filtering:スライダを左端に
  • Texture Quality:Manual
  • Texture Resolution:Extra
  • Normal Map Resolution:Extra
  • Specular Map Resolution:Extra

ゲーム設定:「Options−Sound...」

  • Master Volume:任意
  • Sound EQ Filter:On
  • Sound Quality:44KHz
  • Speaker Config:Windows Default

ゲーム設定:「Options−Game Options...」

  • Show Blood:Yes
  • SEnable Console:任意(※デフォルトは「No」)

 ずらずらと並べてみたが,要するに「最も高い設定」になっていると理解しておけばOKだ。
 このとき注意すべきは,デフォルトだと最大フレームレートが85fpsに固定されていること。上で示したとおり,コンフィグファイル「config_mp.cfg」の「com_maxfps」を「85」から「0」に書き換えることで,この上限を取り払う必要があるので,くれぐれもご注意を。


CoD4 player(上)。これを使っても,場合によってはクラッシュすることがある。その後,テストを再実行しようとすると,セーフモードで起動するかどうかを尋ねるダイアログが表示されるのだが(下),ベンチマークを続行する場合は[いいえ]が正解だ

 さて,リプレイデータの読み出しはゲーム内のコンソールメニューからも行えるのだが,この方法ではときおり失敗することがあるので,レギュレーション6.0ではCyboPat.net製の「Call of Duty 4 player」(以下,CoD4 player)を利用する。これはその名のとおり,CoD4のリプレイデータを安定して“再生”するための外部ソフトだ。

CoD4 playerのダウンロード

 確実を期した結果,テスト手順は多少面倒なものになった。とはいえ,基本的にはFrapsを利用したベンチマーク方法準拠なので,慣れてしまえば問題ないだろう。具体的には下に示したとおりとなる。

実行手順

(6)で,ローディング画面は2度表示される

  • (1)Frapsにてベンチマーク時間を60秒に設定
  • (2)CoD4をMultiPlayerモードで起動する
  • (3)グラフィックスや解像度の設定などを行う
  • (4)CoD4を終了してデスクトップに戻る
  • (5)COD4 playerを起動。「OPEN DEMO」でリプレイデータを選ぶ
  • (6)ローディングが終わってプレイ画面が表示されたらFrapsでの計測をスタート
  • (7)60秒経過するのを待つ
  • (8)10キーの[/]キーを押してリプレイの再生を終了する
  • (9)(4)〜(8)の手順をもう一度実行し,2回の平均をスコアとする
  • (10)(2)以降を,設定を変更しながら繰り返す

 ここで重要なのは,設定一つにつき,テストを2回実行すること。


 (2)で,ハードウェア構成の変更直後に,「Set Optimal Settings?」というダイアログが表示される点も憶えておきたい。これはゲーム設定を自動的に設定するものだが,ひとまず[はい]を押したあと,あらためてゲーム設定を手動で行うのが安全だ。

 次に,同じく(2)で,PunkBusterに登録あるいは接続していない場合,「Error」というメッセージが表示される。CoD4をプレイしている人の環境ではまず出ないが,ベンチマーク用に構成したPCでは表示される可能性があるので,遭遇したときは素直に[Exit]を押してエラー画面をスキップしよう。


Windows Vista環境では,CoD4インストールフォルダにあるマルチプレイヤーモードの実行ファイル(※デフォルトのパスは「C:\Program Files\Activision\Call of Duty4 - Modern Warfare\main\iw3mp.exe」を,管理者権限で実行しないと,正しいスコアが得られない

 スコアの傾向だが,このテストで60fpsを超えていれば,普通にゲーム本体をプレイするには十分。ハイエンド環境の合格ラインは100fps以上となる。
 CoD4はマルチスレッドに対応しているため,CPUのコア数によってある程度はスコアが伸びるが,違いが出てくるのは一定以上のグラフィックス処理能力を持つGPUと組み合わせたときだけだ。CoD4を使ってCPUパフォーマンスを比較する場合には,ハイエンドGPUを利用する必要があるだろう。

Unreal Tournament 3

開発元:Epic Games
発売元:Midway Home Entertainment
価格:49.95ドル
発売日:2007年11月19日

 スポーツ系マルチプレイFPSの巨頭シリーズ最新作が,この「Unreal Tournament 3」だ。Epic Games製のゲームエンジン「Unreal Engine 3.0」を採用したFPSとして,発売前から高い注目を集めていたタイトルである。

 4Gamer読者にはあらためて説明するまでもないと思うが,Unreal Engine 3.0は,PCと最新世代ゲーム機とのマルチプラットフォーム対応ゲームエンジンで,「BioShock」「Gears of War」「Tom Clancy's Rainbow Six Vegas」など,採用例は少なくない。最新世代の3Dゲームとしてだけでなく,「Unreal Engine 3.0採用タイトルにおける傾向を見る」うえでも,Unreal Tournament 3には大いに価値があるのだ。

 これは特徴というより仕様上の制限だが,Unreal Tournament 3――というか,Unreal Engine 3.0採用タイトル全般――は2008年10月時点でアンチエイリアシングを標準サポートしていない。AMD,NVIDIAとも,ドライバレベルで独自対応を行っているが,現時点ではドライバのバージョンによって効いたり効かなかったりすることがあり,いささか信頼性に欠ける状況だ。そのため,公正を期す目的もあり,アンチエイリアシングを適用した高負荷設定の検証は行わない。

 レギュレーション6.0で用いるゲームのバージョンは1.2。ベンチマークに用いるのは従来同様,「SUSPENSE」マップで行われた12人による「Vehicle CTF」のリプレイデータだ。これを再生し,Frapsから計測を行う。
 なお,従来同様,今回のバージョン1.2でもゲームの標準設定ではフレームレートに60fpsのキャップが設けられている。そのため,事前に設定ファイル「UTEngine.ini」を書き換える作業が必要だ。以下に示したのがその方法である。

UTEngine.iniを書き換える

  • (1)C:\Documents and Settings\ユーザー名\My Documents\My Games\Unreal Tournament 3\UTGame\Config\UTEngine.ini を開く
  • (2)[Engine.GameEngine] を検索し,直下の内容を以下のとおり書き換える(書き換えた部分は赤く示した)
     bSmoothFrameRate=TRUE
     MinSmoothedFrameRate=1.000000
     MaxSmoothedFrameRate=250.000000
  • (3)UTEngine.iniを上書き保存する

 ゲームの設定は以下のとおり。「Settings」の「Video」以下をいくつか変更するという理解でOKだ。

ゲーム設定

バージョン:1.2

リプレイデータ:4Gamerオリジナル(1.23MB / zipファイルは1.02MB)

リプレイデータ保存先:C:\Documents and Settings\ユーザー名\My Documents\My Games\Unreal Tournament 3\UTGame\Demos

ゲーム設定「Settings−Video」

  • Screen Resolution:テストによる
  • Screen Mode:Fullscreen
  • Brightness:中間
  • Post Processiong:Default
  • Reduced Gore:チェックなし
  • Subtitiles:チェックあり
  • Hardware Physics:チェックなし

Advanced設定にはVideo設定から入れる

ゲーム設定「Settings−Video−Advanced」

  • Screen Percentage:100
  • Texture Detail:5
  • World Detail:5
  • Enable V-Sync:チェックなし
  • Smooth Framerate:チェックあり
  • Player's FOV:80(一番左)

 グラフィックスオプションは,基本的に設定できる最高にするという理解でOK。テストの実行方法は下に示したとおりだ。

実行手順

リプレイの模様

  • (1)Frapsを起動し,測定時間を60秒に設定する
  • (2)Unreal Tournament 3を起動して「Play Offline」を選ぶ
  • (3)「Settings−Video」で画面解像度を変更する
  • (4)「Community」を選び,「Demo Playback」を選ぶ
  • (5)ベンチマーク用デモファイルを選択して,「Play Demo」を選択する
  • (6)リプレイが始まったらFrapsのフレームレート計測ホットキーを押す
  • (7)60秒経過したら[ESC]キーを押してリプレイを終了させる
  • (8)(7)を計3回繰り返す
  • (9)解像度を変えつつ,(3)以降を繰り返す

リプレイはメインメニューの「Community−Demo Playback」から行える

 テストは3回計測し,最もフレームレートの高かったものをスコアとする。Unreal Tournament 3の場合,60fpsが絶対的な基準。これが最低レベルだ。レギュレーション5世代と同様,レギュレーション6.0でも,「最高の描画設定でプレイする前提で合格ラインを超えるか,超えるとしてどれくらい上回るか」をチェックすることになる。
 なお,UT3のレギュレーションはバージョン5世代と同じ。このためレギュレーション6.0においては,Windows Vista環境で安定したスコアを取得できていない。安定したテストを行えるリプレイを用意できた段階で,レギュレーション6.xとして紹介したいと考えているが,現時点でUT3は,Windows XP環境専用のテストとなることをお断りしておきたいと思う。

デビル メイ クライ 4

開発元:カプコン
発売元:カプコン
価格:7340円(税込)
発売日:2008年7月24日

 「デビル メイ クライ 4」(以下,DMC4)は,Xbox 360およびプレイステーション 3で累計200万本も出荷した,カプコンの三人称視点アクションだ。

 ベンチマークレギュレーションとしてのトピックは,同社のゲーム開発フレームワーク「MT Framework」を用いて開発されている点。レギュレーション5.x世代で採用していた「ロスト プラネット エクストリーム コンディション」(以下,ロスト プラネット)と同じ,DirectX 10&マルチスレッド処理完全対応タイトルということになるわけだ。
 ただし,グラフィックスメモリ負荷が極めて高かったロスト プラネットと比べると,「スタイリッシュアクション」と位置づけられ,爽快感が重視されたDMC4のシステム負荷は低め。そのため,ハイエンドシステムのテストにおいては,どれだけ高い解像度設定でプレイできるかがポイントになる。


DMC4のランチャ。ここからDX9/DX10モードを選択できる

 テストに用いるのは,ゲームのタイトルメニューから選択できる「PERFORMANCE TEST」。体験版にも同じ名称のテストは用意されているが,グラフィックス設定を変更できないため,レギュレーション6.0相当のテストを行うには製品版が必要だ。
 また,DMC4は起動時に「DirectX9 Version」と「DirectX10 Version」(以下順に,DX9モード,DX10モード)を選択できるが,レギュレーション6.0では基本的に,Windows Vista環境のみでテストが完結する場合に限り,DX10モードを利用する。Windows XP環境とWindows Vista環境を横断的に比較する場合などでは,とくに記事中で断りのない限り,DX9モードを用いるので,この点は注意しておいてほしい。

 というわけで,実際の設定方法を確認しておこう。ゲーム設定画面「PC Settings」内の指定内容は下にまとめたとおりで,これはWindows XP/Vista共通だ。

ゲーム設定

  • Resolution:テストによる
  • MSAA:テストによる(※標準設定時は「オフ」,高負荷時は「4x」)
  • Full Screen:ON
  • Display Frequency:テストによる(※デジタルRGB接続時は60HzのママでOK。アナログRGB接続時は,場合によって調整の必要あり)
  • Texture Resolution:HIGH
  • Vsync:OFF
  • Frame Rate:Variable
  • Shadow Quality:Super High
  • Quality:Super High

 Display Frequencyは,液晶ディスプレイにDVIケーブルなどでデジタル接続しているなら無視してしまってかまわないが,「Shadow Quality」と「Quality」は「Super High」にする必要があるので,テスト前には必ず設定を確認しておきたい。


SCENE3の一コマ。ボス戦のシークエンスになる

 さて,テスト方法自体は「PERFORMANCE TEST」を実行するだけ。PERFORMANCE TESTでは,四つのシーンが連続して実行され,最終的にシーンごとの平均フレームレートと,総合スコア「Rank」が表示されるが,レギュレーション6.0で用いるのは,「SCENE3」のスコアである。
 なぜか。一言でまとめるなら「それが比較に最も適していたから」だが,もう少し説明を試みたい。
 DMC4のPERFORMANCE TESTには「実行するたびにシークエンスが多少違ったものになる」という特性があり,どうしてもスコアはバラつきがちである。しかも再生されるシークエンスそのものが毎回異なるため,「○回計測して平均値を取る」手法は使いにくく,そもそも“一周”に約8分かかるので,複数回繰り返すというのは,あまり現実的でない。
 そこで各シーンの測定誤差に注目したところ,SCENE3が最も小さかった。そこで,レギュレーション6.0では,1回めの計測で取得できた同シーンの平均フレームレートを,スコアにすることとした次第である。

 先ほど「PERFORMANCE TESTを実行するだけ」と書いたので,もはや説明不要かもしれないが,念のためテスト手順を下記のとおり確認しておきたい。

実行手順

  • (1)DMC4製品版を起動
  • (2)PERFORMANCE TESTを実行
  • (3)テスト終了後に表示されるスコアから,「SCENE3」のスコアを記録する
  • (4)画面解像度を変更して(2)から繰り返す

 PERFORMANCE TESTは全体的に,グラフィックスカードの実力が素直に出る傾向である。また,CPUコア数によるスコアの向上は確実に存在するが,その幅は決して大きくないため,“3DMark06的な並び”になりやすい。
 なおSCENE3は,非常に大きなスコアが出るのだが,それを踏まえて「DMC4全体を快適にプレイできるかどうか」を語る場合には,平均90fpsが,ひとまずの基準値となるだろう。また,快適にプレイできるかどうかの分水嶺は150fpsあたりにある印象だ。

Company of Heroes

開発元:Relic Entertainment
発売元:ズー
価格:8190円(税込)
発売日:2006/12/22

 「Company of Heroes」(邦題 カンパニー オブ ヒーローズ)は,独自のグラフィックスエンジンを採用するRTSだ。ゲームのデキだけでなく,FPSさながらの緻密なグラフィックスも高い評価を受けている。2007年11月に,単体起動可能な拡張パック「Company of Heroes: Opposing Fronts」(邦題 カンパニー オブ ヒーローズ:オポージング フロント 日本語版)が登場し,それにあわせてゲームエンジンが最適化された同タイトルだが,その後もいくつか,重要なアップデートが行われている。

 レギュレーション6.0事前テスト時の最新版は2.301。レギュレーション5.2の時点で紹介していたパッチのダウンロード先が変わったこともあり,あらためてアップデート方法を確認しておこう。

 流れとしては,まず2.101にアップデートし,その後,2.301まで段階的にパッチを当てていく感じになる。バージョン2.201以降は,Relic Entertainmentによる自動更新が有効になるが,回線状況などによって失敗することもよくあるので,下に示した「パッチの適用順」に従って,2.301まで一気に手動アップデートするのが賢明だ。
 少々面倒だが,1.30→2.101以外はすぐ終わるだろう。

パッチの適用順

 なお,2.301以降もアップデートは適宜かかると思われるが,以後はRelic Entertainmentによる自動更新に頼ることになる。レギュレーション5.2がそうだったように,レギュレーション6.0において,CoHnoゲームアプリケーションはテスト時点の最新版を用いることになるわけだ。何か大きな動きがあれば,レビューやテストレポート中でお知らせしたい。

 テストに当たってもう一つ気をつけておきたいのは,ゲームの起動オプションとして「-novsync」を入れておかないと,垂直同期がオフにならないこと。ゲームのショートカットを右クリックし,「リンク先」に「-novsync」と書き加える必要があるので,この点は注意してほしい。

 テストに当たっての設定は下に示したとおり。端的に述べるなら,レギュレーション5世代と同じだ。日本語訳に一部おかしい部分があるので,念のため( )内に英語版オリジナルメッセージを併記している。

ゲーム設定

バージョン:最新版(Relic Entertainmentによる自動アップデート)

リプレイデータ:不要(ゲームアプリケーションにベンチマークモードあり)

ゲーム設定「グラフィック(GRAPHICS)」

  • 解像度(Resolution):テストによる
  • 明るさ(Brightness):デフォルト
  • カスタム設定(Custom Settings):チェックを入れる
  • シェーダーの質(Shader Quality):高(High)
  • モデリングの質(Model Quality):高(High)
  • アンチエイリアシング(Antialiasing):なし(Disabled)
  • テクスチャー精細度(Texture Detail):超高(Ultra)
  • 影(Shadows):高(High)
  • 反射(Reflections):高(High)
  • 後処理(Post Processing):オン(ON)
  • 建物精細度(Building Detail):高(High)
  • 物理演算(Physics):高(High)
  • 樹木の質(Tree Quality):高(High)
  • 地形精細度(Terrain Detail):高(High)
  • エフェクト密度(Effect Fidelity):超高(Ultra)
  • エフェクト密度(Effect Density):超高(Ultra)
  • 雨の精細度(Rain Detail):高(High)
  • オブジェクトスカーリング(Object Scarring):オン(on)
  • モデルリング精度:中央(デフォルト位置)

ゲーム設定「オーディオ(AUDIO)」

  • マスターボリューム(Master Volume):デフォルト
  • 音楽のボリューム(Music Volume):デフォルト
  • ボイスボリューム(Speech Volume):デフォルト
  • 効果音のボリューム(SFX Volume) :デフォルト
  • スピーカー設定(Speaker Configruration):ステレオ(Stereo)
  • 音質設定(Quality Setting):超高(Ultra)
  • ボイス(Voices):96
  • 周波数(Frequency):44100Hz
  • 環境リバーブ(Environmental Reverb):チェックを入れる+2チャンネル(2-channel)

 テストの実行手順も,レギュレーション5世代とまったく同じである。

実行手順

テストが終わると,平均/最大/最小fpsが表示される

  • (1)Company of Heroesを起動
  • (2)オプション(Options)→ グラフィック(GRAPHICS)→ 解像度(Resolution)にて解像度を変更
  • (3)グラフィック(GRAPHICS)にある「パフォーマンステスト」(PERFOMANCE TEST)をクリック。これでベンチマークテストがスタートする
  • (4)スコアが表示されたら,「平均フレームレート」をメモ
  • (5)(3)〜(4)を計3回実行し,「平均フレームレート」3回のうち,最も高いものをスコアとする
  • (6)(2)に戻って解像度を変更し,(3)〜(4)を繰り返す

 快適にプレイできるかどうかの分岐点は,平均60fpsにある。平均40fpsくらいなら,プレイにそれほどの支障はないはずだが,30fpsを割り込むようだと,画面のカクつきが気になるだろう。
 ゲームのバージョンは自動更新によって上がっていくため,厳密には過去の記事とスコアの互換性はない。ただし,発売からかなりの時間が経っているゲームタイトルで,最近ではパフォーマンスに影響するようなアップデートもないため,記事間でスコアの横断的な比較を行っても,大きな問題はないはずである。

Race Driver: GRID

発売元:Codemasters
価格:オープン
発売日:2008年6月3日

 「Race Driver: GRID」(以下,GRID)は,これまでも多くのドライブシムやレースゲームを発表してきたCodemastersの最新作だ。PCのほか,Xbox 360やプレイステーション 3でもリリースされているマルチプラットフォームタイトルである。
 登場車種は,フォーミュラカーやツーリングカー,チューンドカーなど多岐におよび,「AKINA」「YOKOHAMA」といった,日本人に馴染みのあるコースが用意されているのも特徴。ラリーゲーム「Colin McRae: DIRT」をベースとしたエンジンは,グラフィックス品質が高いのはもちろんのこと,クラッシュシーンの再現度が高いのも見どころとなっている。

 さて,そんな見栄えのいいGRIDだが,リプレイモードはあるものの,リプレイデータを保存したり,読み出したりはできない。そのためレギュレーション6.0では,テストに当たって実際にプレイを行い,そのリプレイを用いるという手法を選択することにした。  ゲームのバージョンは,2008年10月下旬時点の最新版となる1.2。ゲーム設定と手順は,順に下記のとおりだ。

ゲーム設定

バージョン:1.2

セーブ&リプレイデータ:不要(※毎回プレイして,そのリプレイを用いる)

ゲーム設定「OPTIONS−DRIVING OPTIONS−DRIVING ASSISTS」

  • TRACTION CONTROL:ON
  • TRANSMISSION:AUTOMATIC
  • BRAKING ASSIST:ON
  • STABLITY CONTROL:ON
  • ゲーム設定「OPTIONS−DRIVING OPTIONS−FORCE FEEDBACK/VIBRATION」
  • FORCE/VIBRATION:OFF

※「OPTIONS−DRIVING OPTIONS−CONTROLS」と「OPTIONS−DRIVING OPTIONS−ADVANCED」は任意

ゲーム設定「OPTIONS−GRAPHICS SETTINGS−SCREEN SETUP」

  • LAP&TIMES:ON
  • RACE POSITION:ON
  • MINI MAP:ON
  • DIALS:ON
  • SPEED UNIT:MPH

ゲーム設定「OPTIONS−GRAPHICS SETTINGS−GRAPHIC SETTINGS」

  • OVERALL DETAIL:CUSTOM
  • RESOLUTION:テストによる
  • REFRESH RATE:任意(※デフォルトは60Hz)
  • MULTISAMPLING:テストによる
  • VSYNC:OFF
  • ASPECT RATIO:NORMAL
  • GAMMA:任意

ゲーム設定「OPTIONS−GRAPHICS SETTINGS−ADVANCED SETTING」

  • HEADLIGHT:HIGH
  • WIND:ON
  • SHADOWS:HIGH
  • PARTICLES:HIGH
  • MIRRORS:ON
  • CROWD:ON
  • GROUND COVER:HIGH
  • VEHICLE DRIVERS:ULTRA
  • VEHICLE LOD:ULTRA
  • TREES:HIGH
  • REFLECTIONS:ULTRA
  • MOTION BLUR:ON
  • SKIDMARKS:ON
  • CLOTH:ON
  • DAMAGE LEVEL:HIGH

ゲーム設定「OPTIONS−SOUND SETUP」

  • HARDWARE ACCELERATION:OFF
  • EFFECTS VOLUME:任意
  • SPEECH VOLUME:任意
  • MUSIC VOLUME:任意

実行手順

描画負荷を高めるため,「GRID POSITION」を「BACK」に指定する

  • (1)Frapsからベンチマーク時間を60秒に設定
  • (2)GRIDを起動する
  • (3)「MAIN MENU」から「RACE DAY」を選択
  • (4)RACE DAY画面から,
    • DISCIPLINE:TOURING CARS
    • CAR:BMW 320SI
    • LOCATION:LE MANS
    • ROUTE:CIRCUIT DE LA SARTHE
    を選択(※)
  • (5)「RACE OPTIONS」の「GRID POSITION」を「BACK」に変更して,「GO TO RACE」を選択
  • (6)レース画面になったら,アクセルを踏みっぱなしにする
  • (7)スタートシグナルがグリーンに変わると同時にFrapsからフレームレート計測開始
  • (8)十数秒で壁にヒットしスピンするので,アクセルを離す
  • (9)クルマが完全停止した時点でFrapsの計測を手動終了させる
  • (10)[ESC]キーを押してレースを中断し,「RESTART RACE」を選択
  • (11)(6)〜(9)を3回繰り返し,平均値を取る
  • (12)解像度を変更すると自動的にゲームが再起動するので,(3)以降を繰り返す

 グラフィックス関連の設定は,すべて設定できる限り最高のものを選んでいる。「OPTIONS−GRAPHICS SETTINGS−SCREEN SETUP−ADVANCED SETTING」は,キーボードの[Shift]キーを押すことで呼び出せるが,実際にプレイしてリプレイを取得することも考えると,「Microsoft Xbox 360 Controller for Windows」を用意して,[Y]ボタンを押すほうが便利かもしれない。

クルマが停止したらFrapsを停止し,エスケープメニューから「RESTART」を選択して,再度計測開始。これを設定ごとに3回繰り返す

 コースにLE MANSを選んだのは,スタート後しばらく,アクセル踏みっぱなしで走れるため。その後,100%確実に壁へ衝突するので,テスターによらないリプレイを再現できると判断している。
 計測タイミングがズレてもスコアへの影響は少ないが,念のため,3回計測して平均を出すことにした次第だ。

 GRIDはマルチスレッド処理への最適化が行われており,負荷の低い状態ではCPUコアの数がスコアを左右しがちだ。一方,解像度ごとのスコア変化度合いは小さいという傾向がある。
 快適なプレイを行えるかどうかの基準は平均60fps以上,ハイエンド環境なら70fps以上が目安となりそうだ。同40fpsを割り込むと目に見えて滑らかさは失われるので,プレイアブルかどうかの基準はこのあたりにあると見ていい。

 4Gamerのベンチマーク測定において重要なツールである,Frapsについてここで説明しておきたい。

 

Frapsのメインウィンドウ

 Frapsは,DirectX/OpenGLで動作するアプリケーション向けのキャプチャーソフトだ。フルバージョンは29.95ドルするシェアウェアで,4Gamerではボリュームライセンスを取得して利用しているが,開発元であるbeepaのWebサイトからダウンロードできる無料の体験版でもフレームレートの計測は行える。

 インストールしたら,フレームレートの計測前にFrapsを起動。メインウィンドウが起動するので,「FPS」タブを選び,「Stop Benchmark automatically after」直後にある入力ボックスに,秒単位で数値を入力する。例えばレギュレーション6.0準拠でCall of Duty 4のベンチマークテストを行うなら,「60」と入力すればいい。
 続いて「MinMaxAvg」にチェックを入れ,最少/最大/平均フレームレートがログに書き出されるようにしておく。

 

 フレームレート計測を実行するには,まず,Frapsを最小化して,その状態で計測対象のゲームを起動する。すると,画面の隅に黄色の数値が表示されるはずだが,それがリアルタイムで計測されるフレームレートだ。あとはリプレイを再生し,適切なタイミングでフレームレート計測開始のホットキー(標準では[F11]だが,FPSタブの「Benchmarking Hotkey」で変更可能)を実行すればいい。  ベンチマーク計測中はリアルタイムのフレームレート表示が消え,設定した時間が経過すると計測が終了して,再びフレームレートが表示されるようになる。なお,ログファイルはFrapsをインストールしたフォルダ以下,「\benchmarks」の中に保存されるようになっており,上書きされることはない。

 

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 掲載されているテスト方法は誤りを含んでいる場合があり,予告なく修正されることがあります。また,公開しているリプレイデータは,4Gamer.netの読者が実際にベンチマークテストを行うに当たっての利便性を図るためだけに提供されるものですが,出典を明示し,かつ4Gamer.netへのリンクを明示的に張る場合に限り,商用/非商用媒体で利用できるものとします。ただし,このファイルを利用することによって,万が一OS,あるいはPC本体やその周辺機器などといったハードウェアに不具合が生じても,4Gamer.net編集部,著者,およびAetas株式会社は一切その責任を負いません。

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