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[GC 2007#041]冷戦時代に突入! 「Codename Panzers:Cold War」が意欲的な新エンジンで現在開発中
この新作となるのが,シリーズでは初めて冷戦を描いた「Codename Panzers: Colde War」だ。まだゲーム自体はほとんど完成しておらず,技術デモに近い状態だったものの,美しいグラフィックスや物理効果で魅せる迫力ある戦闘シーンは,前作から確実にパワーアップしている印象を受けた。
Cold Warの中核をなすのが,一新したGepard3 Engineだ。
Shader Model 3.0をサポートしたことで,フルに頂点/ピクセルシェーディングを生かせるようになり,ライティング効果はRTSジャンルでもトップクラス。時間や太陽の方向によって,石畳の道路やトタン屋根の照り返しが絶妙に変化し,雨が降ると水溜りが出来上がり,雨粒が水面に落ちている様子までが描写されている。次の日が晴れならば,次第に水溜りは干上がっていくというシミュレーションも,細かいながらStormregionらしいマニアックさだ。
爆破による炎上では,その炎が光源となって周囲のオブジェクトを照らし上げ,大型飛行機にはコクピットの中にパイロットが座っている姿まで描かれている。
アニメーションといえば,1ユニットにつき1500ほどのアニメーションパターンが用意されているとのことで,待機中の歩兵ユニットはさまざまな動作をしているし,突撃させているときに移動方向を変えると足をキュッと踏ん張って別方向に向かう仕草などが見られる。ただし,いわゆるデスアニメーションというのはなく,死亡時はFPSのように物理演算によるラグドール効果で表現されているので,銃撃を受けた反対方向に吹っ飛ばされるとか,仰向けになったりうつ伏せで死んだりと多彩になっているのも特徴だ。
歩兵ユニットは,リーダーと4人の兵士からなるスクワッドで構成される。このリーダーは,ほかのメンバーとは別のクラスタイプでもよく,例えば,パラメディック系のリーダーにレンジャーの隊員を加えることで,メンバーに攻撃させながら救命活動を行うような複雑な戦術を組むことができる。パラメディックとレンジャーのほかには,マシンガンナー,スナイパー,バズーカ兵,パイロなどのクラスタイプから好きに構成できるようだ。
車両ユニットは,アップグレードではなく「エクイップメント」(装備)というコンセプトに変更。要するに,現代であればユニットタイプを固定させる必要はないというもので,戦車に装着していたレーダーを,戦闘が始まるや予備のマシンガンに切り替えるというのがリアルタイムで可能になっていた。
これらの装備に利用されるのが,プレステージポイントと呼ばれる新要素だ。局地的な戦闘の結果や,マップを進行していく中で,ところどころにある拠点の旗を自軍のものに揚げ換えることで加算されていく。爆撃機の要請といったことも,このプレステージポイントの消費で可能になる。
本作では,ムービーなどでゲームを止めてしまわないようにとの配慮から,画面右上の小窓でムービーや別角度からのカメラ映像を表示させるようなシステムになっている。
シングルキャンペーンモードは,18のミッションからなり,このテンペルホーフの事件以後,世界各地で起こった軍事衝突を再現し,時代に合わせてさまざまな新型兵器が登場していくことになる。ゲーム中では戦術核攻撃なども可能になっているようだ。
マルチプレイヤーモードはマップが20種類用意され,ドミネーションモードやチーム対戦のほかに,仲間達との協力プレイでシングルキャンペーンマップの攻略も可能だという。
発売は2008年第1四半期ということだが,今回のような技術デモの段階では,まだまだ時間がかかるのはいうに及ばないだろう。販売元が変わったことで,北米権ではElectronic Artsからリリースされることになっているが,日本ではどうなるのだろうか。 (ライター:奥谷海人)
- 関連タイトル:
Codename Panzers: Cold War
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