業界動向
[GDC 2015]今度こそHalf-Lifeの新作が動き出すか? Valve,新ゲームエンジン「Source 2」を発表。新デバイス「Steam Link」「Lighthouse」,そして「Steam Machine」関連の話題も明らかに
最大のトピックは,新ゲームエンジン「Source 2 Engine」だ。合わせてValveからは,Steamコンテンツを配信できるホームストリーミング用の新デバイス「Steam Link」の存在も明らかになっている。
まずSource 2 Engine(以下,Source 2)だが,これは「Half-Life 2」や「Counter-Strike: Source」,そのほか他社製のゲームでも採用されている「Source Engine」の次世代版にあたる。
Valveによれば,Source 2では,クリエイターの生産性を高めることはもちろん,UGC(User Generated Content:ユーザー作成コンテンツ)も重要視して設計しているとのこと。完成の暁には,コンテンツ開発者に向けて無料で提供される予定であるという。奇しくもこのGDC 2015では,Epic Gamesが同社の主力製品であるゲームエンジン「Unreal Engine 4」の無償化を発表したが,いずれにせよ開発者にとっては福音となるだろう。
またValveは発表の中で,「PCというプラットフォームに価値を見い出している」とも表明しており,同社による支持の一環として,Source 2 EngineのVulkan(※)互換バージョンをリリースする予定もあるそうだ。
※Khronos Groupの次世代OpenGL API。重要な技術の1つとして,AMDのMantleを採用することも明らかになっている
一方のSteam Linkは,Steam MachineやWindows PC,Linux PC,Macで利用可能なストリーミング用デバイスである。Steam MachineやPCにSteam Linkを接続することで,上記のハードウェアで動作するゲームなどのSteam用コンテンツを,家庭内ネットワーク経由で離れた場所のモニタやテレビに配信できるという。品質は「1080p/60Hz」かつ「低遅延」だそうだ。
Steam Linkは2015年11月に49.99ドル(税別)で発売予定。同時発売となるSteam Controller(こちらも49.99ドル)を使って操作する形となるようだ。
また同時に,複数のパートナー企業が手がけるSteam Machineが,Steam Linkと同じ2015年11月にリリースされることも明らかになった。
価格帯は“コンシューマゲーム機に近い”とされているので,PlayStation 4やXbox Oneの価格を念頭に置いておけばいいのではなかろうか。GDC 2015の会場では,ALIENWAREおよびFalcon NorthwestのSteam Machineが公開予定となっており,後者の展示では,最新版の「Unreal Tournament」を4K解像度,フレームレート120fpsの環境で実行するデモを披露するという。
もう1つ,Valveが,「Lighthouse」というデバイスについて言及していることも押さえておきたい。
これは,Valveの仮想現実対応システム「SteamVR」に準拠した台湾HTC製ヘッドマウントディスプレイ「Vive」用の周辺機器とされるもので,Valveいわく,約12メートル(4.5フィート)四方の部屋の中で,仮想現実対応のヘッドマウントディスプレイやその他のデバイスの動きをトラッキングするための装置だそうだ。プレスリリースの中ではあいまいな表現でしか説明されていないのだが,ひょっとすると,「Steam Controller」自体にもセンサーが搭載され,Lighthouseを使うと,ヘッドマウントディスプレイとセットでトラッキングできるようになるのかもしれない。
以上,GDC 2015のValveは,例年以上に盛りだくさんだ。いずれにせよ,あとは“Valve Time”が発動しないことを祈るだけだろう。
Valve公式サイト(英語)
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