プレイレポート
「マビノギ英雄伝」序盤のインプレッション&運用チームへのミニインタビューを掲載。予想以上にアクションゲームとしてしっかり作られたタイトルだ
そこで,今後の展開について聞けないかとネクソンに打診してみたところ,同社でマビノギ英雄伝の北米版クライアントをプレイし,ゲーム運用チームの杉本誉幸氏に話を聞く機会を得られたので,その模様をファーストインプレッション&ミニインタビューの2本立てでお伝えしたい。
マビノギ英雄伝の序盤をプレイ
導入部分はかなり特徴的
本作はタイトルに「マビノギ」とあるとおり,現在日本でもサービス中のMMORPG「マビノギ」の関連作品だ。といっても,舞台はマビノギの遙か昔という設定で,今まで公開されてきたムービーやスクリーンショットを見ても,まったく雰囲気の異なるタイトルである。
正直,マビノギの持っている「ほのぼの感」は一体どこへ……と思ってしまうような変わりようだが,とりあえずはゲームの感触を確かめてみた。
せっかくの女性キャラクターなので,みっちりキャラメイクの様子を確認してお伝えしよう……と思いきや,そんなシーンは一切なく,いきなりオープニングムービーが流れて塔のようなダンジョンの中へ。しかも,しょっぱなから女性NPCを守りつつ獣人タイプの魔族を相手に戦うという展開になり,いきなり戦闘となってしまった。
オープニングムービー時のFiona。ガチガチに鎧を着込んだ状態で登場する。顔とか体型とかの設定はどこいった! という疑問は,後ほど解決することに |
ゲーム開始後,いきなりダンジョンに突入することとなる。プロローグは「こちら」の記事でご確認を |
基本操作について軽く触れておくと,[W/A/S/D]キーでキャラクターの移動,マウス操作でキャラクター視点の移動,左クリックで通常攻撃,右クリックでスマッシュという具合だ。
スマッシュというと,マビノギではディフェンス中の敵を攻撃するためのスキルだったが,マビノギ英雄伝においては,単純に“隙が大きい代わりに威力が高い攻撃”という扱いのようである。スマッシュは,通常攻撃からの連続攻撃に組み込むことが可能で,どのタイミングでスマッシュを使うかによってモーションが変化する。
分かりやすく例えると,コーエーテクモゲームスの無双シリーズにある「通常攻撃」と「チャージ攻撃」のようなイメージだ。
このアクションは,マップ内に落ちているオブジェクトなどを武器として利用できるというもの。敵の落とした棍棒や破壊した石柱の破片といった,明らかに威力の高そうなものだけでなく,壷,皿,ほうきのような一見役に立たなそうなもの,さらには敵そのものでさえ,振り回したり投げつけたりできてしまう。
加えて,剣で連続攻撃を仕掛けている途中でも掴みアクションは有効で,その場合は数回斬ってから敵を掴み,そのまま殴り続け,トドメに壁にぶつけて腹に蹴りをぶち込むといった,かなり派手なコンボにも利用できる。とにかくさまざまなシーンで使えるアクションなので,色々と試してみたくなること請け合いだ。
蜘蛛はその巨体に似合わず,けっこうな速さで動き回って攻撃を仕掛けてくるが,チュートリアルのボス戦ということで,いくら攻撃を受けてもゲームオーバーにはならないので安心だ。
しばらく戦っていると,塔の外からバリスタによる援護攻撃が大量に飛んでくるという,派手なシーンも見られた。しかも,その矢が蜘蛛の足に突き刺さって動きを封じる演出もあり,なかなか芸が細かい。もちろん,バリスタの矢は,拾って武器として使うことも可能だ。巨大な矢を槍に見立てて突き攻撃を繰り出したり,片っ端から拾って投げつけたりしているうちに,いつのまにかけっこうなダメージを与えていたのか,討伐完了となった。
全体的な印象としては,コンシューマゲーム機で遊べるような,しっかり作られたアクションゲームといったところだろうか。しかも,今回のプレイはゲーム開始直後のものなので,ゲームを進めていけば,サブウェポンの鎖で敵の動きを制限して味方の援護をしたり,レベルアップで習得したスキルを使用したりと,さらにいろいろな戦い方ができるようになるはず。
マビノギとはグラフィックスや操作,内容などは随分異なるが,純粋にアクションゲームとして見ても,十分に楽しめそうだ。
設定できる項目は,髪型,髪や肌の色,背の高さ,胸の大きさ(!)など。サンプルの装備を着せることもでき,明るい色合いの派手目な装備が存在することを確認できた。今まで公開されてきた情報では,重厚なガチガチのダークファンタジーっぽい雰囲気の画像などが多かったので,これは少々意外ではある。
スピンアウト作品的な位置付けのマビノギ英雄伝
アクションゲームとして期待してほしい
4Gamer:
これで,最序盤のチュートリアルは完了といったところでしょうか。
お疲れ様でした。そうですね,導入部分はこれでおしまいです。
4Gamer:
一通りプレイしてからキャラクターメイクと,ここまでが導入部分になっているんですね。あまり見ない作りですが,いきなり遊べるというのも,これはこれでアリな気はします。
杉本氏:
マビノギ英雄伝はアクション性を重視したタイトルですので,まずはそこを体験してもらえるような作りになっていますね。
4Gamer:
アクション面は,操作にしても派手さにしても,コンシューマのアクションゲームと比べても見劣りしないほどの,かなりよくできた作りという印象です。マビノギも,当時のMMORPGとしてはアクション性の高いタイトルではありましたが,マビノギ英雄伝は完全にアクションゲームになっていますよね。
ええ,マビノギは一般的なクリックタイプのMMORPGから半歩足を踏み出したタイトルでしたが,もう半歩踏み出して抜け出たタイトルがマビノギ英雄伝なんです。
4Gamer:
ゲームプレイ自体は十分に楽しめましたが,その一方で「マビノギの名を借りた,別物のアクションゲーム」ではないかとも思えます……。マビノギの名を冠する以上,共通点はあるのだと思いますが,どのあたりになるのでしょうか?
杉本氏:
一番大きい部分は,やはり世界設定ですね。マビノギが始まる前の世界という設定ですが,すでに公開している情報のとおり,エリン,モリアンといったマビノギで見られたキーワードは,本作にも登場します。
ほかにも,マビノギと共通のNPCが町にいたりもします。例えば,最初の町の鍛冶屋にはファーガスがいますよ。
そこでなぜファーガスをチョイスしたのかが疑問なのですが(笑)。
杉本氏:
うーん,キャラが立っているからではないでしょうか(笑)。
ファーガスはともかく,開発元のdevCAT Studioも,マビノギとのつながりという部分にはこだわっているようですよ。
4Gamer:
なるほど。では,同じ世界観を持つがゲームシステムはまったく異なる,スピンアウト作品的な位置付けでしょうか。ほかのオンラインゲームの例でいくと,「Warcraft」と「World of Warcraft」みたいなイメージといいますか。
杉本氏:
ああ,そんな感じかもしれません。世界観という面で,マビノギのプレイヤーには興味を持ってもらいつつ,まったく新しいゲームとして楽しんでもらえると嬉しいですね。
もちろん,マビノギをやったことがない人も,アクション部分でご期待いただければと思います。
興味を持っているマビノギプレイヤーやアクションゲーム好きは多いと思いますよ。とはいえ,アクションゲームって実際にプレイしてみないと,面白さが伝わりにくいジャンルでもあります。ダメ元で聞いてみるのですが,日本で実際にプレイできるようになるのは,いつ頃の予定ですか?
杉本氏:
ええと……それはまだ秘密です。ただ,公式サイトは8月中にオープンしますし,10月頭頃には実際に触れる体験会を実施する予定でいます。詳細は後日発表しますので,楽しみに待っていてください。
4Gamer:
お,割と近いですね。分かりました,期待しています。
本日はありがとうございました。
今回,筆者は初めてマビノギ英雄伝に触れたが,予想以上にアクションゲームとしての出来が良いタイトルだと感じられた。スピンアウト作品の場合,元のタイトルと違っている部分が目についてイマイチ楽しめない,という経験をしたことがあるゲーマーもいると思うが,マビノギ英雄伝の場合はゲーム部分がしっかり作られているため,マビノギと違う部分が多くても「これはこれで面白い」と思える内容なのだ。
もしかすると,マビノギプレイヤーの中には,グラフィックスなどの違いから本作を敬遠気味な人がいるかもしれないが,そういう人も導入部分まででいいから触ってみると,この意味は伝わるのではないだろうか。
では,肝心の日本でのサービス時期はいつなのかというと,残念ながら今のところ分からない。しかし,公式サイトのオープンを皮切りに,ゲーム情報や体験会の情報などを公開していくとのことなので,今後の動きに注目しておこう。
ネクソン公認「マビノギ英雄伝」4Gamerサテライトサイト
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