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AMD,新リビジョン版Phenomの出荷時期を2008年第2四半期へ延期
ここまでは1月4日の記事でお伝えしたとおりだが,AMDはこのアップデートに合わせて,65WのTDPを実現する低電圧版クアッドコアPhenom,そしてトリプルコアPhenomの投入を前倒しして対応する意向を明らかにしている。OEMベンダー関係者によれば,AMDは「トリプルコアのほうがクアッドコアよりも動作クロックを引き上げやすいため,ユーザーが満足できる体感パフォーマンスを発揮できる」と踏んでいるようだ。
あくまでも“B3”となる新Phenom
RV770はテープアウト
このアップデートについて,AMDに近いOEMベンダー関係者は,「オリジナルのB3ステップはすでに存在するが,根本的な解決にはなっていない」と指摘する。「AMDは投資家やパートナー向けに“B3ステップ”という名前を使い回しているに過ぎない。オリジナルのB3ステップなら,第1四半期半ばに出てくるはずだ」(同関係者)。
順当に行けばB4か,パラレルで走っているC1で対策が講じられるPhenom。しかし,リリースされるリビジョンはあくまでも“B3ステップ”ということにされるようである。
基本的な半導体設計は変更せず,改良を加えるマスクチェンジと呼ばれる手法では,一般に3か月ほどの時間を要する。これに対し,半導体を再設計してリビジョンチェンジを図る場合だと,約6か月必要。2007年11月末のPhenom発表から約半年後となる2008年第2四半期半ばの投入となれば,半導体の基本設計そのものに大きく手が入る可能性が高い,というわけだ。リビジョンの呼び方,そして,さらなる延期が発表された事実はさておき,TLB問題解決の目処が立ったことだけは評価できるだろう。
また,台湾の半導体関連企業関係者は,「2007年末にAMDがRV770をテープアウトした」と証言する。グラフィックスカードベンダー関係者も,RV770の投入時期に変更はなく,2008年第2四半期末から第3四半期前半には,製品が市場投入される見通しであるという。RV770が予定どおりである以上,同GPUを2基搭載したR780も(予定どおり)第3四半期中には市場投入可能ということになる。パフォーマンス競争でもトップの座を奪回することを,AMDはまだまだあきらめていないようだ。
一方,2008 International CESでは,NVIDIAのGPUに関してもいくつかアップデートがあった。最大の話題は,新世代GPU「GeForce 9800」を2基搭載した「GeForce 9800 X2」が,2008年第1四半期中に市場投入される見通しになったことだ。
またこれと前後して,GeForce 9000シリーズが市場投入される予定であることも,グラフィックスカードベンダー関係者は明らかにしている。各社とも情報が異なるため,正確なスペックは不明だが,PCI Express 2.0が登場し,Windows Vista SP1によりDirect X 10.1への移行を間近に控える今,グラフィックスカード市場が大きく動きだそうとしているのは,どうやら間違いない。
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Phenom
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