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印刷2007/10/26 15:45

広告企画

AoE3拡張パック第二弾 特別企画「殿,出番ですよ」

Text by TAITAI

アジアの勢力が参戦! 最新拡張パック「アジアの覇王」とは

 「エイジ オブ エンパイア」(以下,AoE)とはいえば,数あるPCゲームの中でも屈指の大ヒットタイトルであり,文字通り世界的な人気を誇るリアルタイムストラテジーゲーム(以下,RTS)。日本でも1996年に完全日本語版が発売されるや否や,PCゲームとしては異例の売れ行きを記録。日本のゲーマーにRTSというジャンルとその面白さを広く知らしめた,金字塔的な作品だといっても過言ではない。最新作が出るたびに100万本を超える売上本数を記録し続ける本シリーズは,今もなお根強いファンを多く抱える,数少ない“伝統ある”PCゲームシリーズの一つなのである。

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 さて,これから紹介する「マイクロソフト エイジ オブ エンパイア III:アジアの覇王」(以下,アジアの覇王)は,2006年1月に発売されたシリーズ最新作「マイクロソフト エイジ オブ エンパイア III」(以下,AoE3)の,拡張パック第二弾にあたる作品。大航海時代後期から植民地時代,産業革命/帝国主義時代まで(15世紀〜19世紀中頃)という時代背景や,基本的なゲームシステムはそのままに,新たな勢力として,日本,中国,インドという三つのアジアの文明が参戦。前作までの新大陸(アメリカ大陸)からアジア大陸へとその舞台を移し,新たな戦いが繰り広げられる。「民族の象徴」や「領事館」といったアジア勢力特有の新要素の追加や,それぞれの国家固有のユニークユニットなどなど,AoE3をより楽しむための要素を多く盛り込んだ内容となっているのだ。

 ちなみに本作は,あの「Rise of Nations」を開発したBIG HUGE社が開発を担当していることでも話題になったタイトル。BIG HUGE社を率いるBrian Reynolds氏といえば,AoEシリーズの生みの親であるBruce Shelley氏のかつての仕事仲間であり,名作ストラテジーゲーム「Civilization II」や「Alpha Centauri」のデザイナーとしても非常に高い評価を得ている人物だ。

 アジアの覇王は,そんなBIG HUGE社の拘りが随所に見られるところも大きな特徴であり,新要素である民族の象徴などにしても,Rise of Nationsで培われたノウハウを応用した要素として仕上がっているという雰囲気。ともあれ,本作は,RTS開発における名門会社のコラボレーションタイトルとしても注目されていたタイトルであるわけだ。

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 また本作がアジアをテーマにしている点……とくに「日本」勢力の参戦は,日本人プレイヤーとしては,やはり素直に嬉しい要素。日本に関する詳しい特徴は後述するが,特殊ユニット「大名」を初めとして,日本は,少数精鋭の強力な軍事国家として描かれている。用意されるキャンペーンも,戦国時代の大阪夏の陣から関ヶ原までがテーマになっているなど,海外から見た日本という意味でも,非常に興味深い作品に仕上がっている雰囲気だ。

 いずれにせよ,本作は,RTSというジャンルの最高峰ともいえるシリーズの最新作。シリーズファンにはいうまでもないが,あまりストラテジーゲームに触れたことがないという人にも,ぜひこのアジアの覇王をキッカケにRTSの面白さ,奥深さに触れてほしいと思う。

 ちなみに,AoE3本体のより詳しい内容。ならびに前作「エイジ オブ エンパイア III:ウォーチーフ」の詳細に関しては,以前当サイトで掲載された各記事を参照してほしい。

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アジアの覇王の新要素を紹介
 

 民族の象徴とは,新たに追加されたアジア勢力に共通する要素で,時代を進めるために建設しなくてはいけないという特殊な建造物。つまり,AoE3で登場したこれまでの勢力は,時代の進化を「町の中心」での研究によって行っていたが,アジア各国では,それが“民族の象徴を建てる”という方式に置き換わっている。

 民族の象徴は,各勢力ごとに5種類が用意されており,それらを建造すると,経済力を上げる,ユニットの能力を上げる/コストを下げる,あるいは一定時間ユニットの戦闘力を急激に上げる……などなど,さまざまな効果を得ることが可能。つまり,どのような順番で民族の象徴を建造するか? それがアジア勢力における戦略の要となっているわけだ。

 

 アジア勢力のもう一つの大きな特徴として,「領事館」という特殊な建物を建設できる点が挙げられる。領事館は,当時のアジア勢力と西洋文明の貿易を抽象化して表現したもので,アジア勢力が強力な近代ユニット(主に大砲などの火器)を得られる唯一の施設。例えば日本であれば,ポルトガルやオランダ,あるいは鎖国するかといった選択肢が与えられ,それぞれで輸入できるユニットの種類などが変わっていく。

 ユニットの輸入などは,これまたアジア勢力特有の「輸出ポイント」という資源を使って行う。輸出ポイントとは,町の人が生産活動をすればするほど自動的に入ってくる特殊な資源(獲得した資源の一部を輸出しているという設定のようだ)。急いで溜めたりすることができない,貴重な資源として位置づけられている。アジアの各勢力は,この輸出ポイントを使って,必要な近代技術/兵器を獲得。戦況を有利に導いていくのだ。

その他の新要素
アジアを舞台にした新マップも追加

 日本をテーマにしたマップ「本州」や,中国大陸のマップである「黄河」など,アジアンテイストを漂わせる新マップも登場。シングルプレイはもちろん,マルチプレイもより多彩な展開が楽しめるようになった。

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キャンペーンモードは,新たに計15のシナリオが追加

 日本,中国,インドにちなんだシナリオが各5つずつ,計15のシナリオが新たに追加。注目の日本キャンペーンは,戦国時代末期の武士の生き様がテーマだ。

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新たに追加されたアジア勢力の紹介
日本
日本はこんな勢力
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 世界に帝国主義の嵐が吹き荒れていた19世紀の半ば,アジア国家の中で最も早く文明化/工業化を成し遂げ,西洋列強に互する新たな勢力としてのし上がっていった日本。近代世界史において,この日本という国家/民族が果たした役割は決して小さいなものではない。その功罪についてはここで論じないが,アジアの覇王においては,日本≒徳川幕府として描かれているのが大きな特徴。国を表す国旗も日章旗ではなく,いわゆる“葵の御紋”が使われている格好となっているのが印象的だ。

 ゲームにおける日本の扱いは,コストは高いが強力!といったユニットが揃っている,少数精鋭型の軍事国家というスタイル。農耕民族なので“狩りができない”など,経済面でのデメリットも抱えているが,それを補って余りある特徴を多く備えた勢力だ。

 なかでも「大名」と呼ばれる特殊なユニットが扱える点はもっとも注目すべき要素の一つ。大名は,周りの味方ユニットの能力を高める効果(指揮能力)を持つと同時に,その場でユニットを生産するという能力を有するという,かなり戦略性の高いユニットだ。

 登場する大名は,「鳥居元忠」「伊達政宗」「加藤清正」「徳川家康」という戦国時代に名を馳せた4名。基本的には後者ほど高い能力が設定されており,それぞれカードを使う,あるいは民族の象徴を建てて呼び出す形。大名自身を呼び出すカードの他にも,大名の能力を向上させるカードも複数用意されているなど,大名というユニットが日本にとって重要なファクターとしてデザインされている事が伺える内容になっている。

 民族の象徴では,資源を自動的に作ってくれる「東照宮」や,一瞬とはいえ一時的に全マップを見渡せる特殊能力を持つ「大仏」辺りが要注目。また「幕府」は,その効果のみならず,建設することで大名「伊達政宗」もセットで得られるというお得な象徴。早期に敵陣に攻め込む場合には,非常に都合の良い特性を持つ。

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民族の象徴を紹介

資源を自動的に生成してくれる

一瞬,敵側の視界を得ることができる

ユニットの作成速度がアップし,またコストが下がる

陸上ユニットのボーナスを選択できる

獲得する経験値が1.5倍になる

特徴的なユニット

徳川家康

伊達政宗

加藤清正

鳥居元忠

流鏑馬兵

足軽兵

薙刀騎兵

上忍

鉄甲船

 戦国時代末期を背景に,徳川家康に拾われ,家康を主君と仰ぐ若き侍「佐久間吉郎」を主人公とした物語が描かれる。徳川家のため,命を賭けて忠義を貫いてきた吉郎だったが,ある戦いの最中,恐ろしい真実を知る。忠義か復讐か,武士の生き様に思い悩む,吉郎の下した決断とは……。

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中国
中国はこんな勢力
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 本作における中国とは,1636年に建国され,以後300年以上にわたって中国全土を支配下においた,中国最後の統一王朝である「清」を主に指す言葉(明王朝も少し含まれるが)。広大な領土を持ち,その権勢が衰えていた19世紀にも,「眠れる獅子」として欧米列強から潜在的な国力を恐れられたのが,この清王朝である。

 本作においては,圧倒的な人的資源……つまり,ユニットの数で勝負するタイプの勢力として位置づけられており,安いユニットを大量に揃えて,敵陣に殺到する戦方を得意とする。ただその反面,ユニット個々の能力は低めに設定されており,また軍事系のテクノロジーも充実しているとは言い難いのが実情。つまり,実際の歴史がそうであったように,技術力や質の低さの問題を,数によって補う類の勢力というわけだ。

 またその話にも関連するのだが,中国がユニークなのは,ユニットの作成が「軍団」というセット単位でしか作成できない点だろう。軍団にはそれぞれコンセプトがあり,例えば,軍団の一つである「明軍」は,騎兵に強いというコンセプトで,槍兵と遠隔騎兵がセットの構成となっているなどである。単一の兵種を絞って作成できないのはデメリットでもあるが,低コストで軍の数を揃えられる利点は計り知れない。

 またほかの面白いユニットとしては,「門下生」という拳法を操るユニットが挙げられるだろう。これは,初期から与えられる探索者ユニットなどで育成できる中国固有の特別ユニット。スペインにおける「猟犬」などに近い存在なわけだが,門下生が面白いのは,倒した敵を低確率で門下生化させてしまう(味方に寝返らせる)という,「門下生の勧誘」というスキルを持っている点。門下生自体はそれほど強力なユニットでこそないものの,使い方次第では,非常にうっとうしい存在として活躍させられるかもしれない。

 民族の象徴では,「超越」という特殊パワーが使えるようになる「天壇」などが注目株。ちなみに“特殊パワー”とは,「Age of Mythology」におけるゴッドパワーにも似た要素。一瞬で味方全体ないしマップ全体に効果を及ぼすという,非常に強力な能力のことだ。

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民族の象徴を紹介

資源を自動的に生成してくれる

「僧侶」の攻撃力とヒットポイント,および「門下生」の作成数の上限がアップ

さまざまなユニットを無料で作成してくれる

「神火飛鴉軍」を作成してくれる

ユニットのヒットポイントを回復する「超越」が使えるように&「僧侶」が回復スキルを獲得

特徴的なユニット(軍団)

前漢軍

正規軍

明軍

領土警備軍

禁軍

帝国軍

 コロンブスが発見したとされるアメリカ大陸。しかし実は,中国人が先に探索船を派遣。コロンブスの70年以上も前に発見していた……。そんな学説を唱える本が出版され,話題となったのはほんの数年前の話だが,中国のシングルキャンペーンは,そんな学説をベースにした物語。15世紀の明王朝に仕える貿易船の船長ハーンを主人公に,中国,インド,そして南アメリカ大陸にまたがる大冒険が描かれる。

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インド
インドはこんな勢力
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 インド亜大陸を支配していた最後の王朝といえば,古くはチンギス・ハーンの流れを汲むとされるティムール帝国の王族バーブルが建国した「ムガール帝国」である。16世紀後半から17世紀にかけて強勢を誇ったムガール帝国であるが,他のアジア諸国と同じように,18〜19世紀における西洋列強(インドの場合は主にイギリスだが)の植民地政策に大いに苦しめられた国家でもある。最後はイギリスによって完全な滅亡へと追いやられ,約350年の歴史に終止符を打つことになるわけだが,アジアの覇王におけるインドは,主にそんなムガール帝国をベースにした内容。

 ゲーム中におけるインド勢力の特徴でまず目を引くのが,象を使ったユニット達だろう。その牙で敵を突き刺す「マハウト槍兵」や,大砲を背負った「シージ エレファント」,周囲の敵全体にダメージを与える「フレイル エレファント」などなど,その能力は非常に強力なものばかり。とはいえ,そのぶん生産/人口コストは非常に高価で,コストパフォーマンスの面で優良ユニットと言えるかどうかは,やや疑わしいものがある。

 経済的な特徴でいえば,町の人の作成に食料ではなく木材を使用するというのが大きな特徴。従来からいる国家の中でも,オランダが食料ではなく金貨で町の人を作成するという特徴を備えていたが,序盤では貴重な食料を消費せず,より汎用的な木材で賄えるという点は,大きな利点だと思って間違いないだろう。またインドは,宗教上の理由から「牛」を食べることができないというのも重要なポイント。とはいえ,それはデメリットという訳でもなく,「聖壇」という特殊な建物を建ててそこで牛を崇めることで,定期的に経験値を獲得することができるという形になっている。

 民族の象徴の中でもっともシンボリックなのは,一時的に戦闘を停止させる能力を持つ「タージ マハル」だろう。数十秒とはいえ,一定時間完全に戦闘が行えなくなるというのは非常にユニークな能力だ。主に防衛用に使われる能力だろうが,使い方によっては攻撃的な用法も考えられる。

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民族の象徴を紹介

一時的にすべて陸上ユニットの攻撃力,ヒットポイント,移動速度をアップさせる「啓示」が使えるようになる

周囲のユニットの能力をアップさせるマンサブダール系ユニット(指揮官)が作成できるようになる

ユニットも作成できる難攻不落の城塞

付近で行われる「町の人」などの収集の速度がアップ

一時的に戦闘を停止させる「停戦」が使えるようになる

特徴的なユニット

セポイ

グルカ

ソワル

マハウト槍兵

シージ
エレファント

フレイル
エレファント

 イギリスの東インド会社に所属するインド人傭兵部隊。その指揮官を務めるナニブ中尉は,イギリスの植民地支配に疑問を抱きつつも,自らの職務をまっとうする日々を送っていた。――ある事件が起こるまでは。19世紀半ばに起きた,第一次インド独立戦争をテーマに,イギリスとその圧政に立ち向かうインド人たちの戦いが描かれる。

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 さて,ざっと紹介してきた「エイジ オブ エンパイア III」の拡張パック第二弾「アジアの覇王」だが,「エイジ オブ エンパイア III」本体と拡張パック第一弾「エイジ オブ エンパイア III:ウォーチーフ」をセットにした“ゴールドエディション”が,本作に併せて発売される。それぞれを別々で買うよりは若干安い値段で購入することができるので,これからAoE3を始めてみようという人には,このゴールドエディションがお勧め。

 とはいえ,AoE3さえあれば,ウォーチーフがなくてもアジアの覇王は遊ぶこと(インストール)は可能。別にAoE3とウォーチーフの両方がないと,アジアの覇王が遊べないというわけではない。とにかくアジアの覇王が遊んでみたい! という人にとっては,AoE3本体とアジアの覇王だけを購入するという選択肢もあるわけだ。AoE3本体も,ゴールドエディションの発売と同時に価格が改定され買いやすくなっているので,好みに応じて買うパッケージを選択するのが,賢いやり方だといえるだろう。

「エイジ オブ エンパイア III」シリーズ パッケージ一覧

エイジ オブ エンパイア III

希望小売価格:9,400円 ⇒ 6,800円(税別)

「エイジ オブ エンパイア III」の本体パッケージです。本製品のみでゲームがプレイ可能です。「ウォーチーフ」あるいは「アジアの覇王」を遊ぶには,別途それぞれの拡張版パッケージが必要です。

エイジ オブ エンパイア III:ウォーチーフ

希望小売価格:5,800円 ⇒ 3,800円(税別)

※本製品は,「エイジ オブ エンパイア III」の拡張パックです。本製品を遊ぶには,別途「エイジ オブ エンパイア III」本体が必要です。

エイジ オブ エンパイア III:アジアの覇王

希望小売価格:5,800円 (税別)

※本製品は,「エイジ オブ エンパイア III」の拡張パックです。本製品を遊ぶには,別途「エイジ オブ エンパイア III」本体が必要です。

エイジ オブ エンパイア III:ゴールドエディション

希望小売価格:9,400円(税別)

※本製品は,「エイジ オブ エンパイア III」と拡張パック「ウォーチーフ」がセットになったパッケージです。「アジアの覇王」を遊ぶには,「アジアの覇王」を別途購入する必要があります。

  • 関連タイトル:

    マイクロソフト エイジ オブ エンパイア III:アジアの覇王

  • 関連タイトル:

    マイクロソフト エイジ オブ エンパイア III

  • 関連タイトル:

    マイクロソフト エイジ オブ エンパイア III:ザ ウォーチーフ

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