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「東方風神録」のSS 24点とゲームの立ち位置に関する一考察
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印刷2007/09/13 14:15

企画記事

「東方風神録」のSS 24点とゲームの立ち位置に関する一考察

画像集#002のサムネイル/「東方風神録」のSS 24点とゲームの立ち位置に関する一考察
 「東方Project」の最新作,「東方風神録 〜Mountain of Faith.」(以下,風神録)が,2007年8月17日のコミックマーケット72(1日め)に頒布されたことは,PCシューターやインディーズ(=同人)ゲームファンならご存じだろう。開発者のZUN氏によれば,いわゆる同人ショップでの販売も9月中には始まる予定だが,頒布開始日に入手して,少しずつプレイを進めてみたので,(とても「攻略した」といえるレベルではないけれども)進めたところまでのスクリーンショットをお届けしたい。
 また,筆者なりに「風神録とは何か」について考えてみたので,まだ入手していない人達のため,そのあたりも述べたいと思う。いわゆるネタバレは極力排除したつもりだが,攻略のヒントになる事項は含まれているので,攻略情報は読みたくないというストイックな人はご注意を。また,そもそも風神録って? という人は,体験版について考察した記事をまずは読んでもらえると幸いだ。


スクリーンショット集は「こちら」


ボムを前提とした,絶妙のアイテム配置が見事

テンポのいい展開の先にあるものとは


画像集#003のサムネイル/「東方風神録」のSS 24点とゲームの立ち位置に関する一考察
 さて,風神録をプレイしてまず感じるのは,“一見したときの難度が上がっている”ことだ。初見で見切れる弾幕はかなり少なく,シューティング初級者は,2面中ボスにも難儀するのではなかろうか。実際,東方風神録に関するインターネット上の言説に,難度の高まりを指摘する声は少なくない。

 しかし,繰り返しプレイしてみると分かるのだが,「スペルカード」と呼ばれるボスの弾幕一つ一つの難度は確かに高くなっている一方,各弾幕の“所要時間”は,従来作品と比べて明らかに短くなっている。つまり,仮に攻略法を掴んでいなくても“なんとかなる”可能性が高まっているのだ。攻略法が分かっていても集中力が続かないというケースを回避できる可能性が高まっている,ともいえるだろう。

画像集#004のサムネイル/「東方風神録」のSS 24点とゲームの立ち位置に関する一考察 画像集#005のサムネイル/「東方風神録」のSS 24点とゲームの立ち位置に関する一考察

テンポアップといえば,ボスのスペルカード終了後,通常攻撃へ移行するスピードも上がったように感じる。アイテムを回収しようとして画面上方に行ってミス,といったこともしばしば
画像集#007のサムネイル/「東方風神録」のSS 24点とゲームの立ち位置に関する一考察
 おそらくこれは,テンポ,そしてボムを重視したゲームデザインの結果と思われる。
 少し基礎的な話をしておくと,風神録では,「霊撃」と呼ばれるボム専用のパラメータは存在せず,「Power」と呼ばれる攻撃力ゲージ――厳密には「オプション数ゲージ」だが――のみが5.00まで用意されている。Powerはザコ敵などを倒すことで放出される0.05,または1.00分のパワーアップアイテムを回収することで増やせるようになっており,オプションはPower 1.00ごとに一つずつ増えて4.00で最大の4個となる。一方,ボムはPower 1.00と引き替えに発動できる仕様だ。つまり,「パワーゲージ5.00では,攻撃力を犠牲にすることなくボムを放てる」システムになっているわけである。

画像集#006のサムネイル/「東方風神録」のSS 24点とゲームの立ち位置に関する一考察
 ただ,このとき注目したいのは,「だからPowerは5.00まで上げましょう」というよりも,むしろ攻撃力の低下をあまり考えず,どんどんボムを使ったほうが有利になるよう,ゲーム,とくに道中が作られているように見える点だ。
 Powerが1.00上がるほうのパワーアップアイテムに注目してみると,これがよく分かる。「ここはちょっとつらいかも?」というところには,確実といっていいほど,パワーアップアイテムを多く回収できるよう,敵が配置されているのである。

画像集#008のサムネイル/「東方風神録」のSS 24点とゲームの立ち位置に関する一考察
 また,道中にボムを使う前提に立つと,ボスの耐久力が下げられている理由も説明がつく。ボムを使ってPowerが下がった状態でもボス戦が苦しくならないよう,配慮されているというわけだ。
 ぽんぽんとテンポよく繰り出されるボスのスペルカードを見ていると,「道中やボスの通常攻撃は,ボムを使うなどしてさっさと処理して,“本番”となる,次から次へと繰り出されるスペルカードの美しい弾幕を楽しめるようにデザインされている」ような気がしてくる。風神録はオーソドックスな弾幕シューティングに見えて,むしろこれまでで一番,スペルカードを重視した作品なのかもしれない。
 リズミカルに繰り出されるスペルカードのラッシュを楽しむという意味では,6ステージ制での“前作”となる東方Project第8弾「東方永夜抄 〜 Imperishable Night.」で搭載されたスペルプラクティスモード(※スペルカードのみ練習できるモード)が削除されているのも,たしかに納得できる。

なんだかんだで筆者的に最も安定しないのは3面ボスだったりする。……まあ要するに,つい“唄”ってしまうからなのだが
画像集#009のサムネイル/「東方風神録」のSS 24点とゲームの立ち位置に関する一考察
 誤解を招きかねないことを承知で書かせてもらうなら,「押しつけがましくないゲームシステムの押しつけ」という点において,風神録は実に見事だと個人的には思う。もちろん,ゲームをプレイヤーが好き勝手楽しんで何の問題もないわけだが,(その解釈が間違っている可能性を十分に理解しつつ)制作者の意図を汲んでプレイすると,思わぬ攻略法や楽しみ方も見えてくるはずなので,ぜひオススメしたい。東方Projectらしく表現するなら,「弾幕はブレイン」なのだ。

  • 関連タイトル:

    東方風神録 〜Mountain of Faith.

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