プレイレポート
ただの横スクロールアクションとは一味違う! カットインと3D演出の併せ技が光るハンゲーム最新作「ELSWORD」先行テストレポート
韓国では2007年より正式サービスが始まっている本作だが,2年以上経った今でも同国の人気ランキングの上位に位置するタイトルとなっている。演出面が特徴的な本作のゲームシステムや,初期実装される3キャラの使用感などについて,お伝えしよう。
「ELSWORD」公式サイト
「ELSWORD」4Gamer記事一覧
ELSWORDは,韓国Nexonがパブリッシングしていた「グランドチェイス」の後継作にあたる作品で,前作同様,可愛いプレイヤーキャラクターが登場する。ゲームジャンルとしては,ステージを右へ右へと進んでいく「横スクロールアクション型」のオンラインRPGだ。ステージによっては曲がりくねった道となっているなど,ただの横スクロールとは一味違うほか,アニメのようなカットインやコマ割が登場したり,キャラクター後方からの視点になる演出があったりと,とにかく飽きがこないコミカルな作りが特徴的である。
村,街道,ダンジョンの3か所を中心に行き来しながら
各キャラクターのストーリーを繋げていこう
世界の崩壊といえるほどの地殻変動,秩序の崩壊が起こったエリオス大陸で,聖なる宝石「エル」を巡って繰り広げられるストーリーに沿ってゲームは進んでいく。公式サイトには6チャプターにわたって,現在に至るまでの大陸の歴史が書かれているので,一度は目を通しておくとゲームの世界に入り込みやすいだろう。
村のマップを開くと,各商店や受注可能クエスト,完了クエストの位置が表記される。新たなクエストが発生した場合などは画面下部にポップアップが表示されるので,受け逃しは少ないだろう |
クエストでは,挑戦するダンジョンの難度まで指定されているものがある。街道ではパーティリストで募集中PTがダンジョン別に表示できるので,ほかのプレイヤーと協力してクリアしていこう |
ゲームの進め方は,こういったタイプのオンラインRPGでは最近よく見かけるオーソドックスなパターンで,流れとしては村で冒険の準備を整え,クエストを受け,街道に出てソロまたはパーティでダンジョンに出発。クリアしたらまた街に戻って次のクエストを受ける……といった感じだ。ダンジョンは難度が「普通」「難しい」「激ムズ」に分かれており,「普通」をクリアすると,同ステージの「難しい」&次のステージの「普通」がアンロックされる。
ダンジョン内も2D構造となっており(描画は3Dだが),奥や手前への移動はない。ただし多段構造となっており,上や下への移動がある。ステージはいくつかのブロックで構成されており,それぞれのブロックですべての敵キャラクターを倒すことで,次のブロックへ移動が可能になる。ステージによっては分岐があり,先に述べた上段下段の移動で選択しつつ,ボスのいる最終ブロックへ向かうことになる。
ボスを倒せばダンジョンクリアとなり,ステージ評価,獲得アイテム,獲得EXPなどが表示される。PTでのダンジョン内のアイテム分配は,キャラクターの頭上に表示されるダイスで行われ,最も数字の大きいプレイヤーがアイテムを得られる。
ただの横スクロールアクションではない!
とにかく演出が派手で壮快な戦闘システム
基本的なキー操作は「↑」でジャンプ,「←」「→」で移動。「Z」「X」で攻撃,「A」「S」「D」「C」でスキルの使用,「1」〜「3」キーでショートカットに登録したアイテムの使用となっている。
もちろんキーアサインはゲーム内のオプションで変更可能だ。そして,これらの組み合わせ,例えば「XXZ」「ZZZ↑Z」といった感じでコンボを出せる。操作するキーの数は,ほかのアクションゲームと比較しても多いわけではないが,実際にプレイしてみると組み合わせが多彩で,さまざまな攻撃パターンを繰り出すことが可能だ。
画面左上部のスキルの左にある三つの丸は「覚醒玉」というもので,これがあるときに「Ctrl」キーを押すと「覚醒」の状態になり,攻撃力が20%増加する。敵を攻撃するとMPの下にある緑のゲージが増加し,これが溜まると覚醒玉が一つずつ増えていく仕組みで,「覚醒玉」の数が多いほど,覚醒の持続時間が長くなる。
コンボは,適当に「Z」と「X」を押しているだけでも自然と繋がり,難度の低いダンジョンだったら,それだけで問題なくクリアできる。アクションが苦手なプレイヤーにも優しい作りといえよう。逆にコアなプレイヤーには,奥深いコンボの継続が可能になっており,中にはコンボの流れを考えながら進めていかないとクリアが難しいダンジョンやクエストも出てくる。例えば,クエストで「○分以内にクリアせよ」といったものがあるのだが,敵キャラクターはダウンさせるとダメージが通常時に比べて1/4程度に軽減されてしまうため,素早くクリアするためには敵をダウンさせないよう,攻撃方法を考えなくてはならなかったりするのだ。
「MP」を消費して使用する「スキル」は,派手なエフェクトとカットインを伴った,強力なダメージソースとなる。スキルについては一般的なオンラインRPGとだいたい同じと考えてよく,レベルアップごとにポイントが手に入り,これをスキルツリー内のスキルに割り振ることで入手/強化していく。スキルを使えば,各クラスの特徴を生かした強力な攻撃が可能だ。
また,コンボの最終段階や一部のスキルでは「ダイナミックカメラ」が発動し,画面がキャラクターの後ろからの視点や,アップになる視点に変化する場合がある。これは演出としては迫力があり楽しめるが,気になる場合はオプションでOFFにもできる。カットインとダイナミックカメラのおかげで,戦闘が単調なものでなくなり,非常に楽しめるのは本作の大きな特徴だ。ただしカットインは味方プレイヤーの動きまで止めてしまうので,若干テンポが悪く感じる部分もある。バフ系のスキルくらいはカットインなしで気軽に使いたかった気もする。
スキルはツリー型で取得していく。レベルアップのたびに「SP」が得られ,一定以上の「SP」を振れば,次の段階のスキルも選択できるようになる。一部のスキルには前提を必要とするものもある |
敵キャラクターも強力で個性的なスキルを放ってくる。ほとんどのスキルはモーションで発動が読めるので,手強いボスでも何回か戦っていればパターンを覚えることができるはず |
個性的なキャラクターが所狭しと暴れまわる
初期実装の3キャラの特徴をとらえよう
今回の先行テストでは「エルス」「アイシャ」「レナ」の3キャラが使用可能で,1アカウントで2体まで作成可能となっていた。韓国ではさらに2キャラが登場しているが,彼らについては今後のアップデートでの追加に期待しよう。先行テストでは1次職のみの実装となり,15レベルから分岐されている2次職以降は体験できなかった。では3キャラそれぞれの特徴や,プレイしての感触をお伝えしよう。
■エルス(武器:グレートソード)
■アイシャ(武器:杖)
■レナ(武器:弓)
キャラクター強化にはPvPも必須?
やり込み要素も豊富なさまざまなシステム
■決闘システム
PvPが行える「決闘」は,村の対象NPCとの会話でロビーに移動すれば参加できる。「初歩」「一般」「大会」などにチャンネルが分かれており,決闘をすることによって得られるポイント「VP」により,入れる部屋が変化する。決闘では,装備やレベルの差をそれほど感じないので,低レベルからでも気後れせずに参加しよう。コンボを受けていると動けなくなるので,「Z」キーの長押しで自らダウンするのも一つの手だ |
決闘で得る「VP」を使って手に入るアクセサリは,性能はもちろん,見た目も可愛いので,ぜひ一通り手に入れたい。負けても「VP」や「EXP」は得られるので,空いている部屋があればどんどん参加しよう |
ゲーム方式は,チームに分かれて戦う「チームマッチ」,倒されても復活するルールでキル数を競う「チームデスマッチ」,自分以外の全プレイヤーが敵となる「サバイバル」の3種類から選べる。それぞれ最大8人で「1vs.1」から「4vs.4」まで可能で,マップは現時点では6ステージから選択できる。獲得した「VP」はアクセサリなどに交換できるので,繰り返しプレイしてキャラクターを強くしながらBPを溜めていこう。勝敗にこだわる必要はあまりなく,どちらかというとスポーツ感覚で楽しめる。
■装備製造,強化システム
装備にはグレードが存在し,確認できたのは「一般」「レア」「エリート」と,手に入れられなかったがもう一段上のグレードの計4種類で,それぞれ表示色が白/黄/赤/桃で色分けされている。装備品はダンジョンでの敵からのドロップや,商店での購入のほか,錬金術師のところでの「製造」もできる。製造は,不必要なアイテムを「分解」して得た材料アイテムなどを使用して行え,作られる装備はランダムで性能が変わるようだ。強化には2種類あり,「強化石」を使用して性能を上げるものと「魔法石」を使用して「ソケット効果」を装備品に付けられるものがある。「ソケット効果」は装備の「付加効果」と重複できるが,装備によって強化できる数は違っている。ある程度,継続して使いたい装備品が手に入ったら,強化して強力な装備に仕立てあげよう。
強化は失敗することもあり,その際には能力が変化しない場合と,1段階強化レベルが下がる場合とがあるのを確認した。「ソケット効果」は装着後も手数料を払えば,外して別の魔法石を装着可能だ |
錬金術師のところでは装備だけでなく,消費アイテムで,「HP」を回復できる食料品も作成できる。回復アイテムは手に入りにくい貴重品なので,利用しない手はないだろう |
■商店システム
村から移動できる「取引広場」では,プレイヤー同士でアイテムを売買できる「商店」が開設できる。開設するにはゲーム内マネーである「ED」を1000必要とし,販売金額の10%が手数料として差し引かれる。一般商店の場合は一度に3種類までの商品を登録できる。ダンジョンなどで拾ったレアアイテムは,ここで売買するのが主流となっていた。ほとんどの装備品は各キャラクター専用のものとなっているので,自分で使わない装備品は「取引広場」で販売しよう。プレミアム商店だと,手数料免除と販売可能数の上限アップの特典がある |
「称号」は,セットすることで能力をアップさせられる。獲得には,指定された敵を倒したり,アイテムを手に入れたりする必要がある。装着した称号はキャラクター上部に表示される |
短い時間でもさくっとPTプレイを楽しめる
目的に応じて集まりやすいPTマッチングシステム
本作で最も気に入った部分が,PTのマッチングシステムだ。ダンジョンごとに分かれたパーティリストと,街道という限られたエリアでの募集のおかげで,非常にスムースに目的のパーティを見つけられたし,集まりもよかった。
ダンジョン自体は難度がよほど高くない限りは10分前後でクリアできるので,さくっとPTプレイが楽しめる。PvPも,こういったMOタイプにありがちなお飾り的なものではなく,きちんと作り込まれており,ロビーから気軽に参加し,殺伐とせず純粋に楽しめる感じがあった。決闘はアクセサリを得るためにも必要なので,サービス後はさらに盛り上がっていくことだろう。
今回の先行テストでは,転職クエストは実装されておらず,Lv30制限などもあったため,まさにさわりの部分を見られただけだが,マップの広さや正式サービスが開始されている韓国の情報を見る限り,ゲームのボリュームは十分あるように感じられる。横スクロールアクションRPGの中でも一風変わった演出は面白いので,興味を持った方は一度触れてみてはいかがだろう。
「ELSWORD」公式サイト
「ELSWORD」4Gamer記事一覧
- 関連タイトル:
ELSWORD
- この記事のURL:
Copyright(C)KOG Corporation. All rights reserved.