連載
男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第573回「人間は弱いけど強い」
何が一番キツいって,この世の中の空気よ。ウイルスもそうなんだけど,なんか鬱屈した空気がウイルス以上に蔓延しているこの感じ。いや,世の中ってよくできているもんでね。エンターテイメントって生活必需品ではないわけですよ。でも,実際にそれが世の中から失われると,ちゃんと鬱屈した空気が流れてしまう。生きてはいける。ただ,豊かさは若干減る。エンターテイメントの存在意義って,こういうことなんだなぁ。
そして同時に,我々のようにエンターテイメントに従事する者は,生活必需ではない商品にお金を払ってくれる人達に生かされているのだということも,あらためて痛感させられる。エンターテイメントを仕事にできているのは,当たり前ではない。そのことへの感謝は忘れちゃいけない。なので,試合ができるようになった暁には,ちゃんと楽しんでもらえるものを供給しないとな,と思っているところであります。
で,今週はあるタイトルを紹介しようと思っているのだけれど,正直,タイミングを逸した感があるのよね。このタイトルを紹介してしまうと,不謹慎だと言われかねないタイミングだし。ただ,先週Twitterでちょっとだけバズってしまった私からすると(何のことか分からない方は「大仁田 厚」「路上プロレス」「電流爆破バット」「尻を誤爆」で検索してください),必要以上の自粛はしなくていいんだな,とも思ったの。
今,いや,今でなくいつでもそうかもしれないわね。何をヤっても反対意見はあるでしょう。揚げ足を取ろうと思ったらいくらでも取れる。発信することによって傷つく人がいるかどうかを吟味する必要はあるけども,多くの人にプラスになる要素があるのならば自粛以外の選択肢をチョイスしていいんじゃないか。そう思えるようになったのです。
今のところ,シナリオは「黄巾の乱(孫堅)」と「官渡の戦い(劉備)」をクリア。戦い方によって多少の兵力差なら何とかなるのがいいわね。強い武将がいれば有利だけど,能力は絶対的ではない。基本は敵の進軍を引き付けて兵站を断つ。これさえできれば弱い武将が強い武将を破ることだってできるのが,今作の醍醐味じゃないかしら。
能力が戦いに与える影響のバランスは,歴代シリーズでも最高じゃないかと私は感じているわ。思い出補正込みだと「三國志2」が私の中でシリーズで一番の作品なんだけど,実際には今作がシリーズ最高の面白さじゃないかなあ。
ただ,やはり大勢が決した……具体的には中国の三分の二程度を手に入れてからの作業感はいかんともしがたいわね。これはもう仕方がないんでしょうね。理不尽に戦況をひっくり返されるのもたまらんと思うし。
で,ゲイム終盤,最大の敵は人間の勢力よりも疫病の存在なのですよ。……ここです。私が紹介を控えていた理由は。中国大陸が舞台のゲイムで疫病って,「不謹慎だ!」ってことになっちゃうのかな? と,戦々恐々としていたのです。
突発イベントとして「いなごの襲来」もあるんだけど,これも現実の世界でバッタが大量発生してるってニュースがあって。こちらはアフリカで発生してアジアに向かっているって話らしいんだけど。そういうのも含めて不謹慎なのかな? ってちょっと前まで思ってたんだけど,冷静になって考えたらビビり過ぎだなと思い直したわ。
だって三國志14は何も悪くないんだもん。実際に疫病といなごによる蝗害は昔からある災害だからね。人類の歴史で避けては通れない。三國志はそういう,“人知を超えた災害”という歴史の一部も描いているだけなのよね。歴史を題材にしているんだから,そりゃ描くわいな。あとはプレイヤーである我々が何を感じ取るかってだけの話で。
人類を苦しめる疫病も,最近は医療や科学も発達して死に至るケースは昔に比べて少なくなったんだろうけど,それでも現にこうして人類を脅かしているわ。逆に言えば,古来より人類は災害に見舞われながらも活動を続けてきたわけで。もちろん,個人個人で防げるものは防ぐ必要はあるけどね。誰だって災害は避けたいじゃない。ただいずれの場合にしても,諦めちゃダメなんだなって。
たまに「世界は終わりだ」的な悲観論も見受けられるけど。でも,これまでの歴史が証明してきたように,人間は弱いけど強い。だからエンターテイメント業界,とりわけ興行の世界はしばらく厳しい状況は続くだろうけど,私も諦めずに頑張ろう! と思ったので,このタイミングで三國志14をあらためて紹介いたしました。実際面白いよ。中華統一しても別シナリオで繰り返し遊んでるぐらい。
というわけで,今週は偶然とはいえ三國志14に思いがけず勇気をもらったよってお話でした。影響はあるけど乗り越えよう。我々民衆は秩序を保って。政治家の皆様にはこういう時期こその善政を望む。大丈夫。三國志の世界では災害は長くとも数か月で収まるんで。
今週のハマりゲイム
PlayStation 4:「三國志14」
Nintendo Switch:「ヘッドライナー:ノヴィニュース」
iOS:「龍が如く ONLINE」
iOS:「ハンドレッドソウル」
iOS:「ウイニングイレブン カードコレクション」
iOS:「マリオカート ツアー」
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