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男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第598回「英和と八重子の子で良かった」
私はね,ないんですよ。ま,細かく言えば小さな頃にファミコンのカセットをなかなか買ってもらえなかったから,そういうときに思ったことはあるけども。高校生くらいになると,もうそういう気持ちはなかったわよね。だって,自分の人生は自分のものじゃない。置かれた環境なんて人それぞれなんだから,比べたってしょうがない……って高校生にして思えていたのよね。
羨ましがったところで,代われるもんじゃないし。置かれたそれぞれの状況でどう振る舞うかがその人の価値だって。そしてその考え方は26〜7年経った今も変わってないわ。
仮に恵まれているように見える環境の人がいたとして,その人もその環境で何かを感じながら今まで生きてきたわけで。「この境遇の私の気持ちが分かるの?」ってよく言うけど,逆に言えばどんな環境にいようがほかの人の気持ちが正確に分かるはずがない。
何かを勝ち取った人は,自分の環境を乗り越えて,または利用してそれを勝ち取ったのよ。だから何かを手に入れるには他人を羨んでもしょうがなくて,今の環境でできる自分のベストを尽くすしかない。
……という私の考え方,昔から気に入っているの。ひょっとしたらこの考え方こそが,私が両親からもらったものかもしれないわね。もし私に子供ができたならば(たとえ養子でも),他人と比べないこの考え方は伝えていこうと思っているわ。もちろん,競争や負けたくない気持ちは必要だとも思ってはいるけどね。
自分がベストを尽くしたか,自分で納得できたか,その選択が自分にとってカッコいい人生と言えるかどうか。それを伝えていきたい。受け取ってくれるかどうかはその子次第だけど。
ゲイムの舞台は中国。なので,中国のお国柄みたいな表現がたくさん出てくるわ。それでも,描かれる親の気持ちだったり子供の気持ちだったりに,日本とそこまで大きな違いがあるわけでもなく。共感できる面のほうが多いわよね。
幼少期から成長して,どんどんスキルをアップデートしていかなきゃいけないってのもまた,「そうだよね」って納得できるのよ。例えば,3歳で九九ができたらそれはもう天才児と呼ばれる存在でしょ? でも,高校生になる段階でもスキルがアップデートされず,九九ができる程度の学力だったら,それはもう,大学受験はちょっと厳しい感じになってくる。まあ,幸せかどうかはまた別として。
そんなこんなで1プレイ自体……この場合は1人生とでもいうのかしら……は数時間で終わるんだけど,ここからがこのゲイムの深いところで。次は主人公の能力を引き継いだ子供としてまたプレイしなおせるのよ。こうやって,親から子にどんどん伝えられていくの。この引き継いでいく感じが凄く楽しいのよね。親と子について考えさせられるし。
ゆるい絵,毒のあるテキスト。これらもまた味になっていて,失礼ながら大作感はないのに結果的にめちゃくちゃ面白いインディーズゲイムに仕上がっているわ。いや,本当に恐れ入った。人生をこんなに面白く,そして感慨深く遊びとして仕上げるとは。ぜひプレイしてほしいタイトルよ。
人生は思い通りになんかいかない。ある程度思い通りにするには自分の意思とは別に,運も必要。とはいえ,思い通りにいったとしても,それがベストだとは限らない。もう,分かんないのよね正解なんて。ただ,私はやっぱりこう思う。人生は楽しんだもん勝ちだ,と。成功だと思えりゃ成功。失敗だと思えば失敗。それも他人がどう思うかではなく,自分がどう思うか。
単純にゲイムとしても面白いし,なんかいろいろなこと……親が私にしてくれたこと,逆に親にしてしまって後悔していることをなんとなーく思い出させてくれるいいゲイムよ。なのでぜひ多くの人に味わってほしいわね。今までにないプレイ感覚の良ゲイムですので。
てなわけで,今週はChinese Parentsを通して人生についてとか,親のありがたさについてだとか,いろいろと考えさせられましたというお話でした。英和と八重子の子で良かったよ私。二人から伝えられた考え方で,私は人生楽しく生きさせてもらっています。そして,これからも楽しく生きていきたいです。
というハートウォーミングな締め方で今週は失礼いたします。いやぁ。ゲイムって,本当にいいもんですね。
今週のハマりゲイム
PlayStation 4:「EA SPORTS UFC 4」
Nintendo Switch:「Chinese Parents」「eBASEBALLパワフルプロ野球2020」
iOS:「龍が如く ONLINE」
iOS:「ハンドレッドソウル」
iOS:「ウイニングイレブン カードコレクション」
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