連載
インディーズゲームの小部屋:Room#367「四季の狂剣・神無絶景・前編」
一度も連休がない2月を目前に,今からどんよりがトップギアな筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第367回は,みょふ〜会の「四季の狂剣・神無絶景・前編」を紹介する。本作は,個性的すぎる剣客達と1対1の真剣勝負を戦い抜くという対戦アクションだ。まあ,連休はないけど,建国記念日で珍しく水曜に休日があるのがせめてもの救いです。退勤,退出,いずれもマッハ!
命をかけた真剣勝負が日常的に繰り広げられる,日本と似ているが少しだけ違う国。父親を殺された外国人の少女・シルディアは試金石と名を変え,母親と2人,外国人であることを隠して小さな村で暮らしていた。しかし,試金石は父と母から受け継いだとある目的を完遂するため,誰よりも強くなる必要があった。
主人公の少年・緋夕絶機は,そんな試金石が外国人であることを知る唯一の友達だ。そして,村で起きた恐ろしい事件をきっかけに,2人の運命は大きく動き始める。
緋夕絶機 |
試金石 |
その事件から6年後,試金石は強大な力を手に入れ,若くして江戸の将軍にまで上り詰め,一方の絶機は試金石によって江戸城の牢に捕らわれていた。だが,ふとしたことから妖刀を手に入れた絶機は牢から脱獄し,いつか試金石を救うための強さを手に入れるため,追手を退けつつ日本各地を旅することに……。
本作がどのようなゲームなのかをひと言で説明するのは難しいが,あえて言うなら,会話パートで物語が展開していく対戦アクションゲームということになるだろう。プレイヤーが主に操作するのは主人公の絶機だが,そのときの状況によってさまざまなキャラクターを操作して,次々と現れる剣士達と数々の戦いを繰り広げていく。
そんな本作最大の特徴は,他に類を見ない独特の戦闘システム。一見するとただの分割線のように見える,画面中央にある細長い表示領域が自分と敵との位置関係を示した戦闘フィールドになっており,これを見ながら移動と攻撃の2つのキーを使って戦うというのが基本的な流れだ。このほかに,キャラクターごとの固有技と,特攻という2つの攻撃方法があり,最大4つのキーを使用する。
さらに,戦闘中は敵との位置関係などによって,画面中央の表示領域が目まぐるしく回転するのが見どころの一つ。この時,にらみ合いや背中合わせ,つばぜり合いなど,さまざまな特殊状況が発生し,そこからの駆け引きなど,驚くほど多彩な局面が生み出される。使用するキーはわずかだが,間合いの取り方と攻撃タイミングの見極めが重要で,シンプルでありながら奥が深いバトルを実現しているのは見事というほかない。
また,ムービーを見ればお分かりのとおり,Flashアニメーションを駆使して戦闘中や会話シーンなどでキャラクターがとにかく動きまくるという点にも目を奪われる。2Dのイラストを主体にしたゲームで,これほど躍動感のあるアクションを見せてくれるものは,ちょっとほかにないだろう。70人以上のキャラクターが登場し,次々と対決していくシナリオも終始ハイテンションで小気味よく,ぐいぐいとプレイヤーを引きつけてくれる。
そんな本作は,公式サイトの専用ページで体験版が公開されているほか,製品版が1296円(税込)にて発売中。はっきり言って,このゲームはすごいです。
■みょふ〜会公式サイト
http://hoppeman.sakura.ne.jp/- この記事のURL:
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