プレイレポート
これはもはや“高性能BOT”!? 「ハルカ」で導入された,自動操縦機能を体験してみた
ハルカは武侠+SFの世界観を持つMMORPG。正式サービス開始から4か月あまりが経過した現在も,着実に独自路線を突き進んでいる |
本作にはサービス開始当初から,プレイヤーが煩わしさを感じる要素を極力減らそうと,いろいろな機能が用意されている。例えば,ゲーム内でのさまざまなアドバイスを“ケータイ”を通じて得られたり,マップ画面でダブルクリックした場所へ,自動的に移動してくれたりといったものだ。さらに,アイテムの合成に必要な素材を自動採取してくれるロボットもある。これらの機能は「タイムスリップによって未来からもたらされた技術」という設定で,いかにも本作らしい独特な雰囲気だ。
そしてこの方向性をさらに推し進めたセンセーショナルな機能が,本日(4月14日)導入された。なんとこれは,モンスター相手の攻撃や回復などといった戦闘作業全般を,全自動で行ってくれるというものだ。この「AIシステム」(自動操縦機能)を,SeedCのテストサーバーで一足早くプレイさせてもらったので,さっそくその概要をお伝えしよう。
※掲載しているスクリーンショットは,すべて開発中のものです。本サーバー実装時に変更される可能性があります
戦闘中のスキル使用からHPの回復
さらには死亡後の後処理まで一括管理
今回実装された自動操縦機能は,ゲーム内でお馴染みのマー博士が,新たに生み出した発明品という設定。まずは,その発明達成のために必要な「混沌の石」というアイテムを探して,マー博士に届けねばならない。このクエストは,レベル25以上のキャラクターなら誰でも受けられる。
混沌の石は「余杭郡」エリア内の数か所に点在しており,入手のためにモンスターを倒したりする必要はない。クエストそのものは誰でも達成できる簡単なもので,自動操縦機能は実質,中級者以上の全プレイヤーが利用できる。
無事にクエストをクリアすると「AIチップ」というアイテムを1個得られ,これを使って自動操縦機能の設定および動作のオン/オフが行える。AIチップは消費タイプのアイテムで,1個につき最大1時間の自動操縦が行える。2個め以降のAIチップは課金アイテムとして入手でき,その単価は60ハルカコイン(=60円)。つまり1分あたり1円という価格設定だ。
自動操縦機能はレベル25以上のキャラクターが対象。マー博士の周囲にいるNPCに話を聞けば,何らかの手がかりを得られるだろう |
余杭郡を探索すると,ほどなく混沌の石を発見できた。これを博士の元へ届けるだけでクエストは完了だ |
この武侠世界で「AI」という単語が出てくることに驚く人もいるかもしれないが,こういった世界観の混ざり具合がハルカの持ち味だ |
自動操縦を行うには,まず最初にAIチップを使用して,キャラクターの動作条件を設定する必要がある。この設定画面は「基本」「技能」「状態」「戦略」「ログアウト」のタブに分かれており,まるでWindowsアプリケーションの設定画面のような雰囲気だ。まずは,それぞれの設定項目をざっと説明していこう。
まず「基本」タブでは,回復アイテムの使用条件を設定できる。例えば「戦闘中にHPが1000未満になったら,回復アイテムAを使用,もしAがない場合はBを使用」,「非戦闘時にSPが700未満の場合,瞑想を行って回復する」などといった設定(および動作)が可能だ。
続いての「技能」タブでは攻撃系のスキルを,そして「状態」タブでは主に,継続使用するバフ(補助効果)スキルを設定できる。攻撃スキルとは別に“真撃”と呼ばれる必殺技を使ったり,「*体以上の敵に囲まれたら,範囲系の別スキルで一網打尽」といった芸当も行える。また,「状態」タブではパーティへの加入要請を自動的に許諾する設定もできる。ハルカではパーティメンバーの数が増えると取得経験値にボーナスが付くので,人数は多ければ多いほどいいのだ。
「戦略」タブでは戦闘時のスタイルを設定でき,例えば普段はコストパフォーマンスの高い戦闘スタイルを使いつつ,大ダメージを与えてくる敵や大勢の敵と遭遇したら,より強力な戦闘スタイルに切り替えられる。ここではまた,自分のいる場所から敵を探す距離も設定できる。この距離を最大にすると,画面内で視認できる距離はほとんどカバーできるようだ。
最後の「ログアウト」には,キャラクター死亡後の動作設定全般が用意されている。これらの設定を駆使すると具体的には,「死亡後に任意の地点へ移動して,AIチップの時間が切れるまで瞑想を行って“悟り”ポイントを獲得」といったことができるのである。まさに,至れり尽くせりといったところだ。
上段左から,「基本」「技能」「状態」「戦略」「ログアウト」の設定画面 |
設定さえしっかり煮詰めれば,全自動によるレベル上げが可能!
自動操縦の設定ウィンドウを見ただけで,動作条件を非常に細かく決められることが分かるだろう。今回はさっそく,必要最低限の設定だけ行い,実際にハンティングを試してみることにした。
とりあえず初心者向けエリアの「江都郡」へ行き,弱めのモンスターが密集する中にキャラクターを立たせて,自動操縦をスイッチオン。すると近くにいたモンスターを自動的に攻撃し始め,その後も次々とモンスターへ向かい,倒していく。もちろん筆者は,その間マウスやキーボードに一切手を触れていない。
キャラクターの動きをよく見ると,確かに自分が先程設定した動作を忠実に行っているようだ。それは分かるのだが……,長年MMORPGに親しんできた筆者にとって,目の前で(勝手に)繰り広げられている光景は,なかなか衝撃的だ。
次に場所を移し,キャラクターのレベル上げを行えるくらいの,適正レベルの強さの敵が出現するキャンプポイントへ。すると単純に敵を攻撃させるだけの設定では,すぐに倒されてしまう。やはり狩場の環境に応じて,最適化させる必要がありそうだ。
キャラクターの動作を注意深く見ていると,「もう少し早い段階で,回復アイテムを使わせたほうが安全かな」「ここまで強力な攻撃スキルでなくても十分倒せそうだ」などといった改善点が出てくる。これらを元に設定項目を煮詰めていくのである。
とくに,HPを回復するアイテムの使用タイミングは重要で,使うのが遅すぎるとキャラクターは死んでしまう。かといって早すぎると,安全ではあるが所持している数を使い切る恐れがある。回復アイテムは1種類につき最大200個ストックでき,この数字は一見多いように思えるが,1時間戦わせることを考えると,ペース配分が重要。そして試行錯誤の結果,1時間フルで戦えそうな設定を見つけられた。この状態で自動戦闘を継続させれば,1時間で2〜3レベルは上げられそうだ。
それなりに強い敵を倒すには,自動操縦の各設定項目を最適化させる必要がある。じっくり設定を煮詰めて,簡単に倒されないようにしたい |
自動操縦の設定を極めると,手作業で戦うのとそれほど変わらない動きを実現できそう。これがメーカー公認の機能であるとは驚きだ |
自動操縦の最中は,取得経験値に3%のボーナスが追加される。パーティ編成のボーナスと併用すれば,効率的にレベル上げを行えるだろう |
MMORPG全体を見渡しても異例の試み
ハルカプレイヤーは一見の価値有り
確かに6時間の自動操縦を行えれば,レベル上げは楽になることだろう。しかしそれで本当に楽しいのか,ゲーマーとしては悩みどころだ |
しかし,ハルカの自動操縦機能は正真正銘のメーカー公認によるもの。60円の課金アイテムで,誰でも1時間の自動操縦を行えるのだ。今回のテストプレイでも,これが凄まじく便利な機能であることは理解できたので,本サーバーに実装された暁には,多くの人が手に取るのは必至といえよう。
ちなみに台湾版のハルカでは,自動操縦機能の実装と同時に爆発的に普及し,現在はAIチップの使用時間を6時間まで延長したバージョンも実装されている。果たして,6時間の自動操作が広く普及しているゲーム内の光景とはいかなるものか。筆者が本作のクローズβテストに触れたときには,素材採取用ロボットがあることに驚かされたものだが,まさか戦闘までフルオートで行えるようになってしまうとは……。
これだけの機能を搭載しながら1時間で60円というのは,個人的には割安だと思う。日本版のハルカでも広く普及しそうだ |
こちらは,資源を自動採取してくれるロボット。こういった機能を次々と投入するハルカは,いろんな意味で要注目のタイトルだ |
試しにキャラクターを死亡させてみたところ,設定どおり安全地帯まで移動して瞑想を行う。たとえ設定を失敗しても,アイテムが無駄にならないのは助かる |
ハルカの公式サイトでは,この機能について「モニター前にずっと座っていなくても,寝ている間でもキャラクタが強くなります」と紹介している。つまり離席状態での使用もお墨付きというわけだ。そのほかに前向きな利用法としては,キャラクターの操作はAIに任せて,仲間とのチャットに専念するといった使い方も考えられる。上述のクエストをクリアすれば1回は無料で使えるので,ハルカのプレイヤーはぜひ体験してみよう。
この機能については賛否両論あるかもしれないが,ハルカがMMORPGとして独自路線を突き進んでいることは興味深い。自動操縦機能が日本でどのように受け入れられるのか,これからも注意深く見守っていきたいところだ。
今回のアップデートでは新エリアも実装される。こちらは新しい拠点エリアの“東林市場”で,レベル90〜100のキャラクター用の武具を購入できる | ||
こちらも新エリアの“彭城郡”。レベル91〜95前後のキャラクターを対象としており,上級者向けのキャンプポイントとして人気が出そうだ |
- 関連タイトル:
妄想極限 カオティック・ブレイン -WONG-YI's stories-
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