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Futuremark,Vista世代の総合ベンチマークソフト「PCMark Vantage」発表
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印刷2007/10/18 22:00

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PCMark Vantage

発売元:UL(旧称:Futuremark)

Text by 佐々山薫郁


画像集#002のサムネイル/Futuremark,Vista世代の総合ベンチマークソフト「PCMark Vantage」発表
 Futuremarkは,PCシステム総合ベンチマークソフト「PCMark」の最新版,「PCMark Vantage」を発表した。これまでの西暦下二桁表示に代わり,Vantage(優位性)という名の与えられた新作は,同社初の「Windows Vista」専用ベンチマークソフトとなる。
 PCMark Vantageは,ホームエンターテイメントPCからノートPC,ワークステーション,ゲーム用PCに対応するという,ハードウェア性能テストスイートだ。Windows Vista環境でのPCの日常的な用途における総合的なPCシステム性能を計測できると,Futuremarkは主張している。

2007年11月30日:Build 1.0.0(including November07 hotfix)が公開されました
2009年6月2日:Build 1.0.1.0(including 0906a update)が公開されました
2009年10月23日:Build 1.0.1(including 1901 update)が公開されました
2010年2月11日:Build 1.0.1(including 1901 update)が公開されました
2013年3月5日:Version 1.2.0が公開されました

 さて,PCMark Vantageに用意されるのは,「Basic」「Advanced」「Professional」,計3種類のエディションだ。

ダウンロード&インストールしたPCMark Vantageを起動すると,レジストコードの入力画面が開く。ひとまず無料で実行したい場合は[TRIAL]ボタンを押そう
画像集#003のサムネイル/Futuremark,Vista世代の総合ベンチマークソフト「PCMark Vantage」発表
 Basic Editionは,「PCMark Suite」と呼ばれる6項目のテストを行って総合スコアを取得できる,最も基本的なエディション。Advanced EditionはPCMark Suiteの6項目について,それぞれより詳細なテストを実施できるほか,HDD性能を計測できる「HDD Suite」テストが可能になり,さらにテストに際して細かな設定を行えるようになる。最後のProfessional Editionは,その名のとおり商用利用が可能なエディションで,Advanced Editionの全機能に加えて商用利用に向けた機能が追加されるが,4Gamer読者のほとんどにとって,意味があるのはBasic/Advanced Editionの二つだろう。インストールファイルは共通で,入力するレジストコードによって,利用できる機能が変わる仕様だ。

右上の画面の続き。体験版専用のコード発行ページが開くので,有効なメールアドレスを入力し,bot避けのキーワードを入力して[submit]。「Trial key successful created!」と表示されたら,メールソフトを立ち上げて,コードが届いたのを確認しよう
画像集#004のサムネイル/Futuremark,Vista世代の総合ベンチマークソフト「PCMark Vantage」発表
 ポイントは,「3DMark06」などとは異なり,Basic Editionも有料であること。本文末に示したリンクからファイルを入手し,インストールして実行すると分かるのだが,無料で行えるのは,Basic Editionの体験版「Basic Trial Edition」のみ。これは1回だけBasic Editionとして動作させられるというもので,個人ユーザーが継続利用したい場合は,Futuremarkのサイトで6.95ドル払ってBasic Editionに,あるいは19.95ドル支払ってAdvanced Editionにアップグレードする必要がある。

 というわけで,今回はBasic Trial Editionについて述べるが,PCMark Suiteに含まれる6項目は,下に示したとおりだ。1項目当たり2種類のテストが用意されるが,CPU+GPUといったように,基本的にはいずれのテストでも,複数のハードウェアコンポーネントの組み合わせがテスト対象となるようだ。

  1. Memories 1:拡大/反転/回転といった高解像度画像の処理&画像ファイルのインポート
  2. Memories 2:VC-1形式の高解像度ムービーをWMV9形式にトランスコード
  3. TV and Movies 1:VC-1形式の高解像度ムービーを再びVC-1形式へトランスコード(バックアップ)&SD品質のコメンタリ付きとなるVC-1形式のHD DVD再生
  4. TV and Movies 2:Windows Media CenterからのHDDアクセス&HDコンテンツ付きVC-1形式HD DVDの再生
  5. Gaming 1:データの解凍&GPUによるゲームの3Dグラフィックス処理
  6. Gaming 2:ゲームにおけるCPUの処理&同HDDの処理
  7. Music 1:Webページのレンダリング,MP3形式→WMA形式のサウンドファイルトランスコード&HDDからWindows Media Playerへ音楽ファイルを追加
  8. Music 2:WAVE形式→WMA Lossless形式へのトランスコード
  9. Communications 1:データの暗号化,データの圧縮&Windows Mailのコピー
  10. Communications 2:Webページのレンダリング,データの暗号解読&Windows DefenderによるHDDスキャン
  11. Productivity 1:テキスト編集
  12. Productivity 2:Windowsのファイル検索,Windows Mailの検索,Webページのレンダリング&HDDからのアプリケーション読み出し

ゲーム関連のテストだけでなく,ほかのテストにもちらほらと名前が出てくる「Alan Wake」。意味深だが,果たして……
画像集#005のサムネイル/Futuremark,Vista世代の総合ベンチマークソフト「PCMark Vantage」発表
 どちらかというと,高解像度コンテンツを始めとする,いわゆるマルチメディア系のテストが多めの印象を受ける。マルチコアCPUが有利ともいえそうである。
 明確にゲームと位置づけられた「Gaming」に関していうと,純然たる3Dテストではなく,HDDの性能に重きが置かれているあたり,やはりシステム性能というか,全体的な体感速度が重視されている気配。「Gaming 1」で3DMark06のデモシークエンスを流用しているPCMark Vantageだが,このあたりで一線を画しているものと思われる。

テスト実行中の様子。3DMarkと比べると格段に地味である。ちなみにGaming 1に出てくるシークエンスは,おそらく3DMark06のGaming Test 2と同じもの
画像集#006のサムネイル/Futuremark,Vista世代の総合ベンチマークソフト「PCMark Vantage」発表 画像集#007のサムネイル/Futuremark,Vista世代の総合ベンチマークソフト「PCMark Vantage」発表

PCMARKSなど,スコアはORBに表示される。ちなみに,Athlon 64 X2 6400+/3.2GHz,メインメモリ2GB(PC2-4300 DDR SDRAM 512MB×4),GeForce 7600 GSという,手元にあったパーツで組んだ32bit版Windows Vista Ultimateマシンだと,スコアは3270だった
画像集#008のサムネイル/Futuremark,Vista世代の総合ベンチマークソフト「PCMark Vantage」発表
 なお,テスト終了後は,オンラインベースの「ORB」(Online Result Browser)を使って,スコアを確認することになる。このあたりは最近の3Dmark06と同じなので,とくに問題はないはずだ。ORBでは「PCMARKS」という総合スコアをチェックでき,全世界のユーザーのなかで,自分のPCがどのあたりにいるのかを確認できる。また,「ADVANCED RESULTANALYZER」を利用すれば,似たようなスコアを出している人がどういったハードウェアを使っているのか,といったところまで見比べられる。
 Windows Vista専用なので,対象となる読者は限られてしまうが,Vistaユーザーは,一度試してみてはどうだろうか。


●参考:各エディションの主な仕様と価格

  • Basic Trial Edition:Basic Editionを1回に限り実行可能な体験版[無料]
  • Basic Edition:総合スコアを計測する基本テストのみ実行可能[6.95ドル]
  • Advanced Edition:HDD Suiteテストおよびテストの詳細設定変更機能追加。総合テストのほか,各テストを個別にも実行可能[19.95ドル]
  • Professional Edition:Advanced Editionの全機能に加え,商用利用に向けた機能を追加[495ドル]

Build 1.0.0(including November07 hotfix)

 日本時間2007年11月30日に,2007年11月版HotFixを含んだ最新版がリリースされた。詳細はニュース記事に詳しいので,ぜひチェックしてほしい。なお,本バージョンは従来のBuild 1.0.0とベンチマークスコアの互換性が保たれている。


Build 1.0.0(including 0906a update)

 日本時間2009年6月2日に,「0906a」アップデートを含んだ最新版がリリースsれた。Futuremarkによると,新機器に対応したハードウェア検出コンポーネントが用意され,これまでハードウェア検出に関係して発生していたさまざまな問題が解決されているという。
テストスコアに関する言及はないため,影響はないものと思われる。

Build 1.0.1.0

 「『Build 1.0.1』と表記してもいい」として,日本時間2009年10月23日に公開されたのが,32/64bit版Windows 7の正式サポートが追加されたBuild 1.0.1.0だ。Windows 7 Professionalとの互換性に関する問題が解決しているほか,ハードウェア検出コンポーネントのアップデートも行われているという。
 なお,ベンチマーク自体のワークロードやスコアに影響はなく,Build 1.0.0で得られたスコアとは直接の比較が可能である。


Build 1.0.1(including 1901 update)

 日本時間2010年2月11日,ハードウェア検出コンポーネント「SystemInfo」のアップデートが行われた。ベンチマークテスト周りには手が入っていないため,従来のスコアと直接の比較が可能だ。


Build 1.0.2(including 1901 update)

 日本時間2010年3月3日,一部のシステムで正常に動作しない問題へ対処した新Buildが公開された。純然たるバグフィックス版であり,ビルド引き上げによるベンチマークスコアへの影響はない。

Version 1.2.0

 フィンランド時間2013年3月4日に,バージョン1.2.0が公開となった。最近のFuturemarkはBuildではなくVersion表記を行っている関係で,今回からPCMark VantageもBuild表記に別れを告げているが,その最大の特徴は,「若干の制限はあるものの,Windows 8への対応を果たした」点。アップデートによるベンチマークスコアへの影響はないため,バージョン1.0.2以前のスコアと比較しても構わないという。
 なお,「若干の制限」というのは,Windows 8は標準状態だとDVD-Videoの再生に対応しない点に起因するとのこと。Futuremarkは,Windows 8システムでのテストに,「PCMark 7」の利用するよう推奨している。

・改良
  • Trial Editionを省略し,代わりに無料で何度でも実行できるBasic Editionを導入
  • ベンチマークがアプリケーションのフォーカスを追跡しないようにすることで,ベンチマーク実行中に意図せず終了してしまう問題を回避
    (※「ベンチマークの実行中にほかの作業を行うとスコアに影響してしまうので避けるべき」という点は変わっていない)

・互換性の改善
  • Windows 8に対応
    (※Windows 8では標準だとDVD-Video再生に対応しないため,別途Media Center Packを購入してインストールしない限り,TV and Moviesスイートはパスされ,そのスコアも0となる)
  • Windows MailがWindows 8上で動作しない問題を解決
  • Windows 8に対応させるべく,SystemInfoのバージョンを4.15へアップデート

・Advanced&Professional Editionの修正
  • 保存してあったベンチマークテスト結果を開くときに生じる問題を解決


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