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[TGS 2008#104]KONAMIの小島監督とカプコンの辻本プロデューサーが語る,ゲームクリエイターの心構えとは?
出演したクリエイターは,「METAL GEAR SOLID」シリーズでおなじみKONAMIの小島秀夫氏と,「モンスターハンターポータブル 2nd G」のプロデューサーであるカプコンの辻本良三氏の2名。さらに,メディアを代表してエンターブレイン代表取締役の浜村弘一氏,流通を代表してゲームズマーヤ葛西店店長の秋谷久子氏,さらに一般のゲーマーを代表して(?)よゐこの有野晋哉氏も加わり,さらに司会の鈴木史朗氏を含めると総勢6名がステージ上でゲームについて語り合った。
最初の話題は,「ユーザーの顔を思い浮かべながら制作されていますか?」というもの。
つまり,開発初期から中盤の段階では,自分の中での客観的な評価を行い,終盤に差し掛かってからは,真の意味での客観的な評価を得ながら,開発を行っているということである。そういう意味では,間違いなくユーザーの顔を思い浮かべながらゲーム開発をしているということなのだろう。
辻本氏の場合は,「ユーザーが実際にどういう流れでプレイし,どこで驚くかを考えながら構成をしています。例えば,携帯型のゲーム機の場合は,移動中の15分しかプレイできなかったりするし,家でゆっくり遊べることもありますので,こういった環境に注目しながらゲームの内容をつめていくことがあります」と,小島監督よりも具体的な作業工程について語った。
とはいえ小島氏も辻本氏も,ユーザーに遊ばれることによって初めてゲームというジャンルが成立するという考えは共通していると見て良さそうだ。
こういったときに出てくる発言の差こそが,“プロデューサー”と“監督”の違いなのかもしれない。
対する辻本氏は,「カプコンはアクションゲームが得意で,その主軸はボタンを押すと画面の中で何かが反応するという部分。そのうえで,『モンスターハンター』のように多人数で遊べるとなった場合は,シビアにも遊べるしライトにも遊べるというものを目指しています」と語り,主軸となる部分をきちんと自覚しつつ,ライトユーザーにもヘビーユーザーにも楽しんでもらえるような作り方を重視する考え方を披露。
このあたりにも,クリエイターの作家性を重視する“監督”と,ゲームを取り巻く諸環境を重視する“プロデューサー”という立ち位置の違いが表れているように感じられた。
こんな感じで進んだトークショウは,クリエイターを目指す人達へのメッセージで終了。ここでは両者とも,ゲーム作りのためにはゲームに限らない幅広い知識や経験が重要であることを語っていたのが印象的だ。
小島氏と辻本氏とでは,ゲーム制作に対する考え方というか,ゲーム制作のスタイルが大きく異なっているような印象を受けた今回のトークショウだったが,“面白いもの”を作るためには“面白いもの”を敏感に察知するアンテナと,ゲームに限定されない知識や経験が物を言うという根っこの部分は,共通しているのだろう。
このあたりを会場にいたゲームクリエイター志望者がどうとらえ,どう生かしていくのか,その答えをゲームという形で目に出来る日を楽しみにしたい。
小島氏「ゲームだけじゃなく物作りはすべて,作りたいと思ったら作ってください。まず作って,作ったものを友達やいろんな人に評価してもらって自分を見直し,自分の才能をソリッドにしていってほしい。一人で作れる人もいますが,それができない人は仲間を見つけてください。同じ志のある人と一緒に物作りをして,切磋琢磨して,ドンドン成長していければいいと思います」 |
辻本氏「ゲーム作りは最終的に自分のアイデアや発想をゲームの中に入れて,世の中に残せるという夢のある職種です。ぜひその夢に向かってがんばってください」 |
鈴木氏(左)「私は「バイオハザード4」をプロフェッショナルモードでプレイステーション2,ゲームキューブ,Wiiで合計5回クリアしたほどゲームが好きなんですが,ゲームから苦労,苦痛に耐える強靱な精神力をもらいました。ゲームを悪く言う人もいますが,ゲームは人類にとって新しい進歩のツールだと思っています」 有野氏(右)「若手のとき,「どうせ面白くないんだからネタは数を作れ」と言われ,たくさん作りました。その中には「ゼンラムーン」といういまでもお蔵入りのネタもあるんですが(笑)。経験がついたら昔のやつができたりすることもあるんです」 |
秋谷氏「小さなお子様からお年寄りまで,お店に足を運んでくれる年齢の幅が広がってきています。昔から比べると,ゲームというジャンルの守備範囲が広がったということでしょうね」 浜村氏(右)「若いときにしか経験できないことがあって,40,50歳になると若い人の遊びが分からなくなるんですね。だから,年寄りのクリエイターより自分のほうが分かる遊びがある分,エライんだぐらいに勇気を持ってゲームを作っていってほしいです」 |
- 関連タイトル:
METAL GEAR SOLID 4 GUNS OF THE PATRIOTS
- 関連タイトル:
モンスターハンターポータブル 2nd G
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