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  • 発表日:2008/03/03
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インテル,第2世代Coreプロセッサの順調な立ち上がりをアピール。Oak Trailのアーキテクチャも日本語で解説
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印刷2011/04/27 21:21

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インテル,第2世代Coreプロセッサの順調な立ち上がりをアピール。Oak Trailのアーキテクチャも日本語で解説

 Intelの日本法人であるインテルは,2011年4月27日,都内で定例の報道関係者向け説明会「IAプレス・ミーティング」を開催した。
 その内容は,2011年第1四半期における同社の成果と,中国・北京市で現地時間の4月12〜13日にかけて開催された「Intel Developer Forum 2011 Beijing」(以下,IDF 2011 Beijing)のトピックを日本語で報告するといったものだ。2011年第1四半期の結果報告を代表取締役社長の吉田和正氏が担当し,先日発表された「Atom Z670/1.50GHz」を搭載したプラットフォーム「Oak Trail」の技術的な解説を秋庭正之氏が担当するという2部構成で行われたので,その概要をまとめてみたい。


組込み向けやタブレットPCの分野チャレンジしていく


インテル代表取締役社長の吉田和正氏。「第2世代Coreプロセッサを搭載したPCはすでに50機種以上リリースされている」と,Sandy Bridge世代の順調な立ち上がりをアピールする
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 さて,「2011年前半戦の報告をしたい」と切り出した吉田氏は,今年はじめにリリースした第2世代Coreプロセッサ(開発コードネームSandy Bridge)について,3月後半に多少の落ち込みはあったものの,2月末から順調に搭載PCの出荷量を伸ばしてきていると報告した。「国内市場では4月時点で(Intel製CPUのなかで)24%のシェアを確保している。今後さらにシェアを拡大するだろう」とのことで,確かに順調と見てよさそうだ。

 ただ吉田氏は,「組み込みやタブレットの分野では一層の努力が必要」と,このタイミングで手綱を締め直してもいる。Intelが以前から強調しているコンピュートコンティニュアム――「共通の利用体験をあらゆるプラットフォームで得られるようにするというビジョン」(吉田氏)――にとって,スマートフォンやタブレット,組み込み向けといった分野は,まだ「取れている」とは言えないからだろう。

 その前提を踏まえつつ氏は,先日発表されたAtom Z670に話を進める。
 Atomが狙うタブレットやスマートフォン,組込み向けといった分野については,「まさにいまチャレンジしているところだ」と吉田氏。そのうえで「我々は(他社に対して)後発だから,他社の3倍,4倍,5倍も努力しなければならない」と率直に語っていたのが印象的だった。PC市場の覇者Intelも,これらの分野ではチャレンジャーであるというわけだ。

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第3世代以降のAtomではプロセスレベルでの消費電力低減を図っていると吉田氏は解説した。「ムーアの法則を超えて,革新を進めていく」と語っていた
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Oak Trailを搭載する富士通製タブレット型PC「STYLISTIC Q550/C」(法人向けモデル)を掲げる吉田氏。このPCをはじめ,35機種のOak Trail搭載タブレットPCが発売される見込みとのこと

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「Fab 42」は,アメリカのアリゾナ州で建設が始まっている
 チャレンジャーたるIntelの強みは,言うまでもないだろうがプロセス技術にある。
 吉田氏は,「2011年第4四半期には,22nmプロセスの製造拠点を各地に展開する予定。さらに2011年2月には50億ドルの投資をして14nmプロセスの製造拠点『Fab 42』を建設し始めている」とIntelのプロセス技術に対する取り組みを紹介する。そのうえで,高密度化を加速させ,コンピュートコンティニュアムを実現していきたいとしていた。

 話は変わるが,筑波学園都市に拠点を持つインテルは,先の東日本大震災で被害を受けた企業の1つである。この震災で,吉田氏は「ICT(情報通信技術)の重要性を痛感した」と語る。また,Intelの危機管理チームがいち早く対応できたのもICTのおかげだったと振り返り,今後はICTの支援に力を入れるとした。

これが吉田氏の思いを込めた新タグライン。通常のロゴのように使われることはないとのこと
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 「ICTの革新を通して日本の人々が豊かに暮らせる社会を築いていきたい」と語る吉田氏。その思いと,インテル設立35周年の記念という意味を込めて,Intelロゴに“with Japan”を加えたタグラインを公開した。タグラインというのは,企業の理念や方針を表したイメージという風に捉えておけばいい。with Japanという語を入れたことで,震災からの復興。また日本の経済を後押しししていくというインテルの決意を表したものだろう。
 なおこれは,ロゴではないので製品やCMなどに使われることはないそうだ。ならば,どう使われるのかが気になるところだが,「このタグラインは,今朝,アプル―バル(Approval,本社からの承認)が出たばかり(笑)」(吉田氏)だそうで,具体的な使用方法は決まっていないという。いずれにしても,今後何らかの形で目にする機会があるのではないだろうか。

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大震災の混乱に直面し,インテル内部でICTの重要性が再認識されたという
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インテルは,JEITAの東日本大震災ICT支援部隊を積極的にバックアップするとのこと
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Intel日本法人は今年で35周年だそうで,「with Japan」にはその記念的意味合いもある


Atom Z670搭載のOak Trailプラットフォームをアピール


Oak Trailの解説を行うインテル技術本部IA技術部長の秋庭正之氏
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 吉田氏に続いて登壇したのは秋庭正之氏。秋庭氏は,IDF 2011 Beijingでのキーポイントを概説したのち,Atom Z670を中心とするOak Trailプラットフォームについて,日本語で技術解説を行った。
 Oak Trailに関しては,4月12日のニュース記事IDF 2011 Beijingのレポートが詳しいので,基本的にはそちらを参照してほしい。今回は示されたスライドと,秋庭氏による話の要点を以下のとおりまとめておきたいと思う。

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IDF 2011 Beijingにおける3つのトピック。なかでもOak Trailの発表や,Ceder Trailのチラ見せなど,Atomのがらみの話が最も大きなポイントだった
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Oak Trailの特徴をまとめたスライド。CPUが3W,チップセットが0.75Wという低いTDPは,搭載デバイスのファンレス動作を実現できるとされる
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Atom Z670のスペック。「Smart Cache」はデータ命令共通の2次キャッシュのこと。1コアだが「Hyper-Threading Technology」により2スレッド同時実行可能だ
Oak Trailのアーキテクチャ。右のスライドでは,Atom Z670と「Intel SM35 Express」との間が2本の線で結ばれているが,片側は消費電力を低減させるため「CMOSレベルのDMIが使われている」という。もう一方はDVO(Digital Video Out)となる
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Atom Z670と「Atom N455/1.66GHz」とでパフォーマンス(左),消費電力(右)を比較したもので,秋庭氏は「前世代とほぼ肩を並べるパフォーマンスながらも消費電力は半分以下」という。肩を並べるというのは少し言い過ぎかもしれないが,これだけ消費電力が下がっていれば文句なしか
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 以上のようにIntelは,タブレットやスマートフォン,組込み向けといった分野に注力し始めている。秋庭氏も「Androidの取り組みも進めている」と述べていたので,Oak Trailの今後に注目していきたいところだ。
 ただ,Android x86の状況を見る限り,当面はOak Trail搭載製品のほとんどがOSにWindowsを採用したタブレットになりそうな状況である。
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