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  • 発表日:2008/03/03
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[COMPUTEX]モバイル分野で反撃に出るIntel 22nmプロセスのSilvermontは,DX11対応の第7世代グラフィックスを統合して3倍速い!?
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印刷2013/06/07 00:00

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[COMPUTEX]モバイル分野で反撃に出るIntel 22nmプロセスのSilvermontは,DX11対応の第7世代グラフィックスを統合して3倍速い!?

ハーマン・ユール氏(General manager,Mobile and Communications Group,Intel)
画像集#002のサムネイル/[COMPUTEX]モバイル分野で反撃に出るIntel 22nmプロセスのSilvermontは,DX11対応の第7世代グラフィックスを統合して3倍速い!?
 COMPUTEX2日めの6月5日,Intelはモバイルコミュニケーションに関する記者説明会を開催し,次世代のAtomプロセッサで採用するCPUマイクロアーキテクチャ(以下,アーキテクチャ)「Silvermont」(シルヴァーモント,開発コードネーム)と,それを搭載するCPU「Bay Trail」(ベイトレイル,開発コードネーム)の性能や機能について説明した。
 説明を担当したのは,Intel副社長兼モバイル&コミュニケーション事業本部長のハーマン・ユール(Hermann Eul)氏である。本稿では説明会の要点をまとめて,次世代Atomの可能性をひもといてみたい。


取り組みが実を結び始めたIntelのモバイル市場向け製品


 ユール氏はSilvermontの話題に入る前に,現行世代のAtomである,開発コードネーム「Clover Trail+」ことAtom Z2500シリーズの採用拡大について報告した。

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会場に展示されていたClover Trail搭載タブレット(左)と携帯電話向けAtom「Medfield」を搭載したスマートフォンの数々(右)

 まずユール氏は,モバイル分野におけるIntelの強みとして,アーキテクチャとブランド,そして最先端プロセスの3点を掲げた。
 Atomは“エントリー向け”から,高性能を求める“パフォーマンス向け”の製品まで,幅広くラインナップしているうえ,Intelは半導体業界でも最先端の製造プロセスを有している。さらに,ベースバンドチップやソフトウェアなどトータルプラットフォームを有すると,ユール氏はIntelの優位性を説明する。

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モバイル分野におけるIntelのアドバンテージは,アーキテクチャ,ブランドバリュー,先端プロセスの3本柱である
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Clover TrailとMedfieldは着実に採用例を増やし,とくに新興市場でのローエンド端末は,さまざまな国で販売されている

 説明会場にはその言葉を裏付けるように,各国で販売,または開発中のAtom搭載スマートフォンやタブレットがずらりと展示されていた。その中には,ASUSTeK Computerの「MeMO Pad FHD10」のように高解像度液晶パネルを備えた性能重視の製品から,新興市場向けの低価格端末まで,さまざまな市場に向けた端末があった。また最新の採用事例として,SamsungのAndroidタブレット「GALAXY Tab 3」の10.1インチモデルに,Clover Trail+が採用されるという発表も行われた。
 タブレットやスマートフォン市場になかなか食い込めないでいたIntelだが,ここ数年の取り組みがようやく実を結びつつある,といったところだろうか。

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Clover Trail+は従来製品と比べて,性能とバッテリー駆動時間,グラフィックス性能やセキュリティを向上した
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Clover Trail+の採用製品も紹介。これにGALAXY Tab 3が加わった


期待が集まるSilvermontアーキテクチャ

Bay Trail搭載タブレットは今年末に登場?


 Clover Trailの採用事例が増加するその裏で,Intelは次世代AtomとしてSilvermontベースのCPUを,2013年後半に投入することを明らかにしている。ユール氏はSilvermontの仕様についても,おおまかに説明した。

 まずSilvermontでは,第4世代Coreプロセッサと同様の22nm Tri-Gate(トライゲート)プロセスが採用される。4日に開かれたIntelの説明会レポートでも触れたが,SilvermontベースのCPUは,エントリー向けの2-in-1スタイルPCなどでも採用されるほか,データセンターからモバイル機器まで,幅広く採用される予定だと言う。ピーク性能は従来型Atomと比べて最大3倍に,同じ性能なら消費電力は5分の1になるとのことだ。
 なお,Silvermontを採用するCPUは,タブレット向けが「Bay Trail」(ベイトレイル,開発コードネーム),スマートフォン向けが「Merrifield」(メリフィールド,同)と呼ばれている。

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次世代Atom「Silvermont」は22nmプロセスが採用され,以降14nmプロセスのAirmontへと続くというロードマップ
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SilvermontをベースとするCPUの開発コードネーム。サーバー向けのAvoton(アヴォトン)からスマートフォン向けのMerrifieldまで,幅広い用途に展開される

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コンシューマー向けデバイスに使われるのは,タブレット用のBay Trailとスマートフォン向けのMerrifieldだ
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Bay Trailを搭載した製品は,2013年の年末商戦頃に登場の予定

Bay Trailの主な特徴。性能やバッテリー駆動時間,OS対応のほかに,Intel製の第7世代グラフィックスを搭載する
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 SilvermontベースのCPUで,消費者の注目をもっとも集めそうなのは,やはりタブレット向けのBay Trailだろう。Intelは22nmプロセスで製造されるBay Trailにはかなりの自信を持っているようで,ユール氏も説明の中で,Windows 8.1とAndroidに対応して性能は2倍に,8時間のバッテリー駆動時間を実現しつつ,セキュリティ機能も搭載されるといった具合に,Bay Trailの利点を列挙した。
 これらに加えて,Bay Trailに統合されるグラフィックス機能(以下,統合GPU)は,Intel製の“第7世代グラフィックス”を採用するという。Clover Trailの統合GPUはIntelの開発ではなく,Imagination Technologiesが開発したPowerVRシリーズを使っていた。Bay Trailではこれが,自社製に変更されるというわけだ。

 この第7世代グラフィックスでは,DirectX 11がサポートされ,その性能は3倍になると言う。下に掲載しているClover Trailとのグラフィックス性能比較のスライドを見ると,OpenGLベースのグラフィックスベンチマークテスト「GLBenchmark 2.5」で4倍,4GamerではおなじみFuturemarkの「3DMark」では,Ice Stormプリセットで4.7倍というグラフが示されている。

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Clover Trail(写真左)とBay Trail(写真右)による,ビデオトランスコードに要する時間比較テストの様子。当然Bay Trailのほうが大幅に速い
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グラフィックス性能の比較。2種類のベンチマークテストで,いずれも4倍以上の性能を示したという

TouchXPRT 2013なるベンチマークテストでは,Bay TrailはClover Trailと比べて2倍の性能を発揮した,というグラフ
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 また,CPUそのもの性能面では,Principled Technologiesのベンチマークソフト「TouchXPRT 2013」によるテストで,Clover Trailに対し2倍の性能を実現したとのこと。いずれにしても,Bay TrailはGPU,CPUともにかなりの性能向上を果たしていると見て間違いはないだろう。


スマートフォン向け次世代Atomと組み合わせる

Intel製のLTEモデムのデモも披露


Merrifieldの主な特徴。性能やバッテリー駆動時間の向上,画像処理技術などをアピールしている
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 一方,スマートフォン向けの次世代AtomであるMerrifieldは,現行世代に比べて50%の性能向上を果たしながら,バッテリー駆動時間を延ばすことに成功。さらに最新のイメージング技術やセキュリティ機能などを搭載するという。

 スマートフォンで採用を勝ち取るには,CPUコアやSoC(System-on-a-Chip)だけでなく,無線通信を司るベースバンドプロセッサも重要な要素である。今回Intelは,自社製のLTEモデムによる速度のデモを披露した。デモのテストでは40Mbps超の通信速度を発揮していた。このモデムは,各国で使われる15種類の通信周波数帯に対応し,省電力で実装サイズも小さいことなどが利点とされている。

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Intel製LTEモデムの特徴を示したスライド。競合製品に対して30%低消費電力と謳われている
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LTEモデムのデモでは,40Mbps超の通信速度を発揮していた

 IntelのLTEモデムは現在,最重要のパートナー企業(Tier 1と呼ぶ)にて検証が進められており,間もなく製品として登場する見込みだという。

Intel NewsroomのCOMPUTEX特設ページ(英語)

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