一般的なWebブラウジング時にはCPUコア1基だけを最大1.4GHzで動作させる(左)。そして,SoCに統合されたビデオやサウンドのコーデックを利用してのコンテンツ再生や,メールの同期にSNSの更新などを伴うアクティブスタンバイ時はコンパニオンCPUコアだけを利用(左)。これによって大幅な省電力化を実現する。H.264 High Profileの1080pムービーも,コンパニオンCPUコアとデコーダだけで処理可能という
GPUはTegra 2の8コアから12コアへと強化
GPU周りでは,「Ultra Low Power GeForce」(ULP GeForce)と呼ばれるGPUコアの数が,Tegra 2の8基からTegra 3で12基へと強化されたのがトピックといえる。
一方,2月のMobile World Congress 2011でTegra 3の概要を公表したときには特徴の1つとされていた,2560×1600ドットの外部ディスプレイ出力は,「現状では顧客からの需要が少ないため,対応を見送っている。ただし,今後のラインナップ追加時に対応する可能性はゼロではない」(Wuebbling氏)そうである。
Wuebbling氏は,「Tegra 3のCPU性能は『Core2 Duo T7200/2GHz』と同等クラスであり,タブレット端末でもコンテンツ制作やビデオ変換などを可能にする」と,Tegra 3搭載機なら,コンテンツ消費用デバイスの枠を超え,よりリッチな体験が可能になると謳っている。
さらに,今後も1年サイクルでTegraの高性能化を図っていく計画に変更はないとして,「Wayne」(ウェイン,開発コードネーム)を2012年に市場投入し,Tegra 2比で10倍の性能を実現するとあらためて予告していた。
なお,NVIDIAが6月に買収したIceraのワイヤレスモデムやLTE/3Gベースバンド技術をTegraに統合するのは「2013年になる予定」とWuebbling氏。つまり,「Logan」(ローガン,開発コードネーム)世代にまで持ち越されるというわけである。
Webブラウジング性能は競合製品に比べて最大で4倍高速になったという
ビデオ変換も性能でも競合製品を圧倒。2倍の性能が得られるとしている
搭載製品第1弾はASUSの「Transformer Prime」
Eee Pad Transformer Primeは年内に市場投入される見込み
Tegra 3搭載製品の第1弾となるのは,10月20日に香港で開催された「AsiaD: All Things Digital」において,ASUSTeK Computer会長のJohnny Shih氏が披露した「Eee Pad Transfomer Prime」だ。
Wuebbling氏によれば,そのほかにも,2011年末から2012年初頭にかけて,さらに多くのTegra 3搭載タブレット端末が登場する見込みとのこと。スマートフォンは,2012年第1四半期から順次登場する予定になっており,合わせてTegra 3のラインナップも拡充される計画とされている。