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ジャンクハンター吉田のゲームシネシネ団:第44回「成り上がれ,『ゴッドファーザー』に(1)」
日本では4月16日に,PLAYSTATION 3版とXbox 360版が同時発売された「ゴッドファーザーII」。本作は,オンライン対戦の成績によって,手下達をレベルアップさせられるというシステムを採用することで,マルチプレイを推奨するという試みに挑んだ作品で,国内外で高い評価を得ている。
さて,このゴッドファーザーIIの発売を記念して,今回からは筆者が生きていくうえで参考にしている映画でもある,「ゴッドファーザー」を題材にしたシネマゲームを紹介していこう。
まずは,1991年にU.S. Goldから発売された「The Godfather」だ。Electronic Artsが2006年3月にリリースした「The Godfather The Game」(邦題 ゴッドファーザー)を,最初のゴッドファーザーゲームだと思っている人が多いかもしれないが,それより15年も前にAmiga,Atari ST,DOSの各機種向けに発売された作品が存在するのである。もっとも,日本ではリリースされなかったため,知名度は低いのではないか。
1980年代中期から後期にかけて,Paramount Picturesは,自社コンテンツの版権を積極的にゲーム業界へ売り込んでいた。
とくに「スタートレック」や「トップガン」はゲーム化によって,大きな利益を生み出すことに成功していたため,当時同社で社長を務めていたフランク・マンキューソ氏(息子のフランク・マンキューソJr.氏は,ホラー映画などを中心としたプロデューサーとして有名)は,ゲームを含むさまざまなメディアミックスへ積極的に挑むよう,促していたそうだ。
そんな時期に,フランシス・フォード・コッポラ監督が,シリーズ最終作「ゴッドファーザー PARTIII」を撮影中であるとの情報が,ParamountからU.S. Goldへもたらされたのである。
U.S. Goldは元々,シネマゲームに対する興味は薄かったのだが,役員の中にゴッドファーザーのファンがいたことから,この作品をゲーム化すべく動き出すことになったという。
それまでのU.S. Goldは,Lucas Filmとの業務提携により「インディ・ジョーンズ」や「スター・ウォーズ」のシネマゲームに関わったこともあったが,自社主導で手がけた経験はなかった。
だが,自社ブランドとしてシネマゲームを手がけてみるのも,会社にとって良い経験になるだろうとの判断が下され,ゴッドファーザー PARTIIIの劇場公開に合わせる形で,ゲームを発売するという契約をParamountと締結したのである。
U.S. Gold側は,こうした事態を招いた責任は,Paramountのオペレーションミスにあると指摘。その結果,シリーズ全3作を1本のゲームにするという形で新たな契約が結ばれることとなった。さらにU.S. Goldは,アル・パチーノ氏の肖像権使用についても,メインビジュアルに関してのみ承諾を得ることに成功(パッケージは不可)。
当初,ゴッドファーザーPARTIIIのみのゲーム化を目指していたのだが,結果だけ見れば災い転じて福となった格好だ。
ちなみに本作には,コッポラ監督の甥であるニコラス・ケイジ氏も関わっており,ParamountとU.S. Goldとの間で行われた打ち合わせにも,たびたび参加していた。
ゴッドファーザー PARTIIIの映画は1990年末に全米で公開され,それから1年でU.S. Goldがゲームを完成させることになったのだが,この背景には「映画公開から1年以上経過してのリリースでは,旬が過ぎてしまう」というコッポラ監督の意向が働いていたらしい。そしてこれを打ち合わせて伝えたのが,ニコラス・ケイジ氏だったそうだ。
次回は,本作が完成するまでの道のりを紹介する。
■ドブ漬けゲームスープレックス(44)
アーケード
「パニッシャー」(カプコン)
筆者の地元には,アーケード基板が好きな友人が住んでいる。そんな彼から先日,CPS1のゲーム基板を入手したとの連絡を受けたので,早速遊びに行ってみた。若かりし日々にさんざん遊んでいたCPS1のゲームを,2009年にテーブル筐体でまた遊べるということに感動!
そして1か月前に劇場公開されたものの見逃してしまった「バニッシャー:ウォー・ゾーン」にちなんで,ゲーム版「バニッシャー」をプレイ!
本作は「ファイナルファイト」タイプのベルトスクロールアクションで,「ターミネーター」のエンドスケルトンチックなロボットやら,「ウルトラセブン」に出てきた恐竜戦車を彷彿とさせる“人間戦車男”が登場したりと,はちゃめちゃながら楽しい。
こいつらを相手にゲームセンターで激闘を繰り広げていたことを思い出していたら,あっという間に体力がなくなってゲームオーバー。
何度もコンティニューを繰り返し,どうにかラスボスを倒すことに成功したが,そういや当時もこの調子で,何度も何度も硬貨をコインボックスへ投入しまくっていたのであった。
でもやっぱ,アーケード筐体でゲームを遊ぶ楽しさには,家庭用ゲーム機では味わえない何かが潜んでいるんだよなぁ。
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