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【島国大和】素晴らしいゲームのルールってどういうものだ?
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印刷2010/07/28 10:00

連載

【島国大和】素晴らしいゲームのルールってどういうものだ?

島国大和 / 不景気の波にもがく,正体はそっとしておいて欲しいゲーム開発者

島国大和のド畜生 出張所

ブログ:http://dochikushow.blog3.fc2.com/



2010 FIFA ワールドカップ 南アフリカ大会
ファイナルファンタジーXIII
 最近はサッカーで盛り上がってましたね!(という頃に書き始めた原稿です)
 サッカーのルールは非常によく出来ていると思います。
 今回は,そんなサッカーのルールを枕にして,ちょっと「ゲームのルール」について語ってみたいと思います。

 というわけで,またお会いできました。サッカーにまったく詳しくない島国大和でございます。ちょっとの間お付き合い頂ければと思います。


サッカーにおけるオフサイド


 ルールという側面からサッカーを見てみると,「オフサイド」のところで目が止まります。

 詳しい人には釈迦に説法ですが,一応説明をすると,サッカーには,オフサイドポジションにいる選手へのパスが禁止,というルールがあります。オフサイドポジションとは,相手陣内でボールより前,かつ相手の2番目に後ろの選手よりゴールラインに近い場所です。
 何でこんなルールがあるかと言うと,オフサイドなしだと,ガチガチに守って,敵が攻めてきた所をカウンターで大きく戻して,敵陣に残しておいたプレイヤー1人がゴールを決める,というツマンナイ戦法が最強になっちゃうかららしいんですね。(歴史的には,もっといろいろ経緯があったようですが,ここでは割愛します)

 サッカーにおける一番分かりづらいルールと言われるものです。

ファイナルファンタジーXIII
 ビデオゲームの場合,こういう「ややこしいルール」はほとんどの場合ダメです。
 なぜなら,ゲームは発売された直後は皆が初見で,サッカーのように歴史があるわけじゃないので,とにかくわかりやすいものである必要があるんですね。
 サッカーのオフサイドがややこしいからと言って,サッカーファンは文句を言いませんが(当たり前),ゲームのルールがわかりにくいとゲームファンはもうボロカスに文句を言います。そういうものです。


ゲームにおけるルールの種類


 自分達が(仕事として)ゲームのルールを考える時,そのルールが,根源的な快感に根差したものなのか,「ルールの為のルール」あるいは「ルールを前提にしたルール」を追加し続けているのかには,常に意識を向けておくべきだと思っています。
 ここで,ゲームにおける「ルール」のあり方を,勝手に3つぐらいに分類してみましょう。

・根幹ルール

 ゲームの根幹を支える,根源的なルールです。
 サッカーで言えば,手を使わずにワクにボールを入れたら1点。解り易い!
 格闘ゲームだと,打撃,防御,投げの三すくみ。FPSなら,撃ってOK撃たれてOUT。RPGは,プレイヤーキャラクターの強化(これは,ルールというより“仕組み”ですが)。面白さの源泉はここに求めるのが,ゲーム通(※)ってもんです。

 ※ただし,ゲーム通は絶滅危惧種ですが

・穴埋めルール

 ゲームシステムの穴を埋めるルール。
 さっきの,オフサイドやらインフィールドフライがこれに当たります。格闘ゲームだと,バックダッシュするとコケる場合があるとか,ダッシュをし続けると息切れするとか,ダッシュによる逃げ対策として導入されたものや,ガードブレイクなど,ガード対策として盛り込まれたものがあります。シューティングゲームでは,自機がパワーアップすればするほど敵も強くなるとかもありましたね。これは個人的にはちょっと好きではありませんが。

・装飾ルール

 ゲームを彩るルールです。
 アメフトではボーナスゲームがルールに組み込まれています。あれ凄くビデオゲーム的な思想ですよね。
 格闘ゲームだと,チェーンコンボとか超必殺技とか。複雑になったけど,戦いにバリエーションが出ました。シューティングゲームのコンボボーナスや,ロックオンボーナス,カスリボーナスも,彩るルールに入れて良いんじゃないかと思います。

 ここまで読んで,勘の良い方には気が付いてもらえると思うのですが,穴埋めルールは,基本的に自動発生,自動動作型のものが多いです。逆に,彩るルールは,プレイヤーが自発的に狙う類が多い。
 その理由は,面白くしようと作られたルールと,まずいところにパッチを当てたルールの差かもしれません。後付けルールは,現実スポーツでも審判判定がややこしいのが多いですしね。

 しかし,例えば「桃太郎電鉄」の「キングボンビー」とかは,ゲームが一方的にならないようにする「穴を埋める」為のものでしたが,キャラ付けとその横暴さ,ゲームへの関与度合い(ボンビー対策が最も重要)によって,彩るルールになっていると思います。
 穴埋めルールも,上手く加工すれば,ゲームを彩るルールに昇華されるんですね。見習いたい。かたや,チェーンコンボを見て「俺には無理だ」と格闘ゲームを止めてしまったユーザーも少なくないようなので,ここのサジ加減は大変難しいです。

 でも,言うまでも無く「根幹ルール」がもっとも重要であるのは言うまでもありません。だってコレさえ出来がよければ,他は技術や小手先で頑張れますから。

桃太郎電鉄 タッグマッチ 友情・努力・勝利の巻!」
(C)HUDSON SOFT
ファイナルファンタジーXIII


「ファイナルファンタジーXIII」という事例


ファイナルファンタジーXIII
(c)2009 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. CHARACTER DESIGN: TETSUYA NOMURA
ファイナルファンタジーXIII
 時に,「ファイナルファンタジーXIII」(以下,FF13)ってやりました? あれ凄いですよね。何が凄いって,とにかく「根幹以外のルール」を大量に投入しているんです。
 
 ジャマーで邪魔して,エンハンサーで自分強化して,アタッカーとブラスターでブレイクさせたら,アタッカーでカチ上げて,落とさないようにブラスターでペチペチ。この間ヒーラーによる回復も忘れちゃいけない。それぞれのキャラクターは,戦闘中にモード(オプティマ)を変化でき,モードを変えると,攻撃の効果も変化する……。

 もうね。シナリオも,パルスのファルシのルシがコクーンであぼーんと,専門用語バリバリでついていくの大変でしたが,ゲームシステムも,コレでも食らえという独自ルールスペシャルな感じです。

 これは,ファンタジー世界での戦闘をゲームに再現する為に作られたルールではなく,今まであったファイナルファンタジー(以下,FF)的戦闘に更に新規ルールを大量追加し,調整のためのルールも追加し,ついでだから「専門用語で呼んじゃった」って感じですね。根幹ルールの時点でかなりややこしい。穴埋めルールと,装飾ルールはわけのわからぬ地平まで行っています。

 普通だったら100%NGでしょう。

 でも,FFだとこれが許されるんですよ。FFのプレイヤーはこういう新ルールを覚えながらゲームを遊んでくれる。なぜならFFというのは訴求力抜群(映像パワーあり,歴史あり,ブランド力あり)だから。これとても大事。FFだから最後までやる。普通なら投げ出しちゃう分かりづらさを理解することも,FFというゲームを進めていく流れの中にきちんと組み込まれちゃってるわけですからね。まさに横綱相撲。ほかのゲームは絶対真似できない地平です。
 これがアリなんですから,複雑ルール全部ダメって訳ではありません。ソレが許容される状況もあるのです。格闘ゲームなんかも,複雑ルールが許された良い事例でしょう。プレイヤーの慣れや飽きといったものとどう向き合うのか,上でも書きましたが,ここのさじ加減は大変難しい。ただFF13に関していえば,

 「せっかくのビッグタイトル,一般人へのアピールも考えてわかりやすく作ろう」

 とか,決定権のある人が言いださなかったのは凄いですね。社運かかってるようなビッグタイトルだというのに,こういうコテコテ路線で押し切ろうとは。男らしいにも程があります。敬礼したい。

 すべてのゲームが「シンプルなら良い」というわけでも無いのです。

ファイナルファンタジーXIII


根源的なゲームルールに期待しようぜ。


 しかし,最初からバカ売れ確定,コアなファンも一杯いるぜ!という状況でない限り,ルールは解り易く,覚えやすく,が最優先でしょう。その点,FPSとか凄いですよ。

 ボタンを押したら画面の中央の敵にダメージ

 ね。大変シンプルで素晴らしい。それ以外は全部装飾なわけですよ。FPSも最近はコアなファン向けのジャンルになりつつありますが,根本部分のシンプルさは見事です。
 そもそものシューティングゲームにしたって,最初に出たときは,弾1発=命1コでした。すべての敵は弾1発で殺せましたし,こちらも弾一発で死にました。解りやすいったらありゃしない。
 格闘ゲームも同様です。スト2なんかは,ボタンは6個ですが全部攻撃でした。シンプルです。超必殺技やらスーパーコンボやらは,後付けの装飾です。ちなみに今の人には,「スタートボタン以外はすべて凶器です」って言って,通じるのかしらん。

 いずれにせよ,先に話した“ルールの種類”を把握したうえで,いかに快感に結び付けていくか。ちゃんと考えておけば,プレイヤーに要らぬストレスを与えなくて済むわけです。もちろんストレスも快感の一つなので,それも踏まえて考えないといけません。

 とくに「根源的な快感を支える根源的なルール」が発見/発明された時のインパクトは,毎度毎度凄まじいものがあります。シューティング然りRPG然り格闘ゲーム然り。新しい根源ルールの発見があれば,それだけで多くのゲーム屋が10年間飯を食えるくらいです。

 ゲームルールを考えるのは,ある種,答えのないパズルのようなもので,考えるほどに脳汁ほとばしります。だからゲーム制作はやめられない(なんだか危ない人のようだ)。

まとめ


 というわけで,今回はサッカーをダシにして,ビデオゲームのルールについて考察してみました。
 なかでも,「根幹ルール」は特別です。サッカーでいうところの「手を使わずボールを運んでワクに入れろ」ですね。根源的な快感があります。
 ビデオゲームでも「根源的な快感を支える根幹ルール」の新作が登場すれば,ゲームはいつまでも楽しい遊びだと思います。古びる事がありません。
 ゲームセンターなんかは,何度も「もう駄目だ」と言われましたが,テトリスで救われ,格闘ゲームで救われ,UFOキャッチャーで救われ,プリクラで救われ,カードゲームで救われました。

 どれもこれも,新しい切り口での「根源的な快感」を与えるゲーム/製品でした。

 それほどに新しい「根源的な快感を支える根幹ルール」には強烈な魅力があるわけです。そして,それらが初めて登場する時は,決して複雑なものではないんです。
 良い根幹ルールが発明されれば,「穴埋めルール」と「装飾ルール」で,より磨き/発展させたゲームが多数登場し,市場は盛り上がります。「根幹ルール」こそがゲーム業界を救う……と言ったら大げさかもしれませんが,決して過言ではないでしょう。

 最近のゲーム業界全般で例えるなら,ネットゲームに救われ,携帯電話に救われ,ソーシャルゲームに救われですか。救われというか,襲われてる気もしますが。

 そんなわけで,ゲームを「ルール」という観点で注意して見てみるのも,たまには楽しいんじゃないですか?というお話でした。それでは今回はこの辺でー。

■■島国大和■■
有名ゲーム系Blog「島国大和のド畜生」の管理人で,不景気の波にもがく,正体はそっとしておいてほしいゲーム開発者。最近,「昔本に書いた悲観論がいよいよ現実のものになってしまった」という島国氏だが,かく言う私も,当たらなくても良い予想は気持ち悪いほど当たるのに,当たってほしい予想はほぼあたらない気がします。きっと,後者には邪念(希望的観測)が入るから駄目なんでしょうね



  • 関連タイトル:

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