インタビュー
12月19日に“完全開放”が行われるカジュアルアクション「魔境奇談」の開発者インタビューを掲載
先月韓国で行われたG★2008ではブース出展を行っていなかったGFzoneだが,会場内で開発者と直接コンタクトを取る機会を得られた。そこで,日本では12月19日に“完全開放”(実質的な正式サービスに相当)が行われる本作について,独特な世界観の誕生秘話や見どころなどを聞いてみた。
本日はよろしくお願いします。
まずは,「魔境奇談」を開発した経緯についてお聞かせください。
Chae Youn-Ho氏(以下Chae氏):
最近はだいぶ状況が変わってきましたが,ちょっと前まではオンラインゲームといえばMMORPG,しかも大がかりなゲームが大半を占めていました。ああいったタイトルは,ハマれば十分にやり甲斐がありますが,その一方で長時間のプレイを強いられてしまいがちです。
ゲームって本来ストレスを解消するための娯楽だったはずなのに,それが仕事のようになってしまうとか,ゲームでストレスを溜めてしまうのって,本末転倒ですよね。我々は,そういった風潮に疑問を抱いており,昔主流だったゲーム,例えばスーパーマリオとかソニックなどのように,短時間で遊べて,ストレスを解消できるタイトルを作りたいと考えていました。それが本作を作ろうと思った直接のきっかけです。
4Gamer:
確かにここ1〜2年は,同じようなことを考えた末にカジュアルゲームを作るメーカーさんが多いですよね。そんな中,「魔境奇談」のアピールポイントはどこにあるのでしょうか。
“大規模MMORPG”というゲームジャンルだけでなく,世界観に関しても“中世のファンタジー”を題材としたものが多すぎて,どれも似たり寄ったりに見えませんか。そこで,世界観に関しては,もっと新鮮さがあるテーマをと思い,試行錯誤した結果「“お化け”や“妖怪”はどうだろう?」という話になりました。
お化けの話というのは,誰もが小さい頃比較的身近に体験していますし,これらを素材としたカジュアルなゲーム,というところで基本コンセプトが固まったわけです。
4Gamer:
具体的に,どういった地域のお化けや妖怪が登場するのでしょうか?
Chae氏:
主なところでは韓国や中国,そして日本の妖怪が中心です。日本からだと例えば,“河童”や“式神”などの妖怪や古典にちなんだモンスター,あとは和風のステージも登場しますよ。
4Gamer:
日本人のプレイヤーにとっても興味を持ちやすそうですね。とはいえ,開発者にとっては自国以外の国のお化けをデザインするのは,結構大変だったんじゃないですか?
私達もこのタイトルを開発するまでは,韓国以外のお化けについて詳しくありませんでした。日本から映画や漫画などの資料を送ってもらいながらのデザインで,最初は苦労しましたね。でも最近は,自分達から見ても「わりといい線いってるんじゃないかな?」と思えるようになりました。
例えば,第二次クローズドβテストで,“サヨ”という女の子のキャラクターを公開しましたが,かなり日本で反響がよかったと聞いています。今まで頑張って勉強してよかったな,と実感しましたね。
4Gamer:
ゲーム内のキャラクターをデザインをする際に,どういった部分に気を遣っていますか?
もともとテーマが暗めなので,それをそのままグラフィックスに反映させてしまうと,単に奇怪なデザインになってしまいます。未経験者がとっつきやすいような,コミカルなデザインを心がけました。
4Gamer:
キャラクターのグラフィックスに対する反響は,どのようなものが多いですか?
Chae氏:
いちばん多いのが「妖怪なのに可愛い!」といった意見で,これは私達の狙いどおりといったところですね。全体的にはよい評価をいただいていると思います。
4Gamer:
これらのグラフィックスは,ほかのタイトルにはない魅力だと思います。こういったデザインをコンテンツに生かすような展開は,何かありますか?
現在開発しているのは,“退魔モード”(対モンスターのPvEモード)に登場するボスモンスターを倒すと,そのボスの外見が反映された装備アイテムを得られる,というものです。そのアイテムを装備していると,ほかのPCからはボスを倒したことが一目で分かるので,勲章的な意味も持ち合わせています。
実際に絵を書いてみましょうか……。例えばこれは,日本の“忍者”と“蜘蛛”をかけあわせたボスモンスターなのですが,見事に倒すと,このようなランドセルのアイテムを得られます。
4Gamer:
なるほど。登場するお化けはアジア圏が中心のようですが,それ以外の地域,例えばヨーロッパのお化けなどが登場する予定はありますか?
Chae氏:
今のところは,アジア圏を中心に考えています。
東西折衷の世界観というのも,開発する側にとっては大変そうですが面白そうですね。仮にそのような要望が多くきましたら,大規模アップデートの際に検討すると思います。
4Gamer:
日本のプレイヤーの中には,このゲームがきっかけで,韓国や中国のお化けや妖怪に興味を持つ人もいるかと思います。そういった興味をサポートするようなシステムは何かありますか?
Chae氏:
ゲーム内に登場するお化けなどを,図鑑として閲覧できるコンテンツを現在準備中です。日本のプレイヤー達が,本作のプレイを機に,韓国などのお化けに興味を持ってくれたら嬉しいですね。
4Gamer:
確かに,グラフィックス関連は見どころがありますよね。そのほかのゲーム本編に関しては,主にどういった特徴があるのでしょうか?
基本的にカジュアル路線のゲームなので,ソロプレイでも手軽に楽しめ,しかもメインコンテンツに到達するまでに時間がかからないようになっています。
主人公のキャラクターは退魔師という設定で,お化けや妖怪を封印する,という内容です。主なゲームモードに関しては,ソロプレイまたは他PCと協力してモンスターをやっつける“退魔モード”と,対人戦を行う“武闘モード”の二つがあります。
4Gamer:
カジュアル系のゲームですが,一応対人戦も実装しているんですね。
Shin氏
ええ。日本のユーザーさんの中には,対人戦と聞いて尻込みしてしまう人もいるかもしれませんが,極力とっつきやすく調整しています。例えば,試合開始後,早々に決着が付いてしまわないように,対戦中にミニゲームが発生します。これは1回の対戦中に一度だけ発生するもので,10〜15秒程度で終わってしまうのですが,その結果によっては一発逆転できるのです。
あとは画面が墨で塗りつぶされ一時的に見えなくなってしまったり,左右のキーが反対になってしまったりといった,さまざまなトラップやお邪魔アイテムも登場します。
そのほかに,大きなアピールポイントなどはありますか。
Chae氏:
この作品は,日本で最初にサービスインが行われる予定なんです。韓国版ではプロモーション用の動画のみを公開している段階です。
日本ではまだβテストの段階ですが,フィギュアを作って写真を画像掲示板に掲載してくれる人もいるんですよ。こういった熱心なファンには,本当に励まされます。
4Gamer:
その日本では,12月19日から「完全開放」と題して正式サービスが行われます。最後に3人それぞれから,読者に向けてのコメントをお願いします。
今回は日本に向けたタイトルを作ることができ,とても光栄に思います。ゲームをした際は,悪い点も含めた率直な感想や,アドバイスなど,どしどしフィードバックを寄せてくれると嬉しいです。
Hwang氏
我々は韓国で開発作業を行っていますが,日本でのサービスを第一に考えています。私個人も日本のゲームが大好きで,そんな日本にゲームを披露できることが楽しみです。サービス開始後もアップデートを行っていきますので,長い間楽しんでもらえたらと思います。
Shin氏
韓国と日本とではプレイヤーの嗜好がだいぶ違うようですので,開発当初はその点を不安に思っていました。ですが,クローズドβテストが終わった時点での反響は,そういった不安を吹き飛ばしてくれるかのようでした。これからも頑張って開発していきますので,どうかよろしくお願いします。
4Gamer:
本日はありがとうございました。
先述したように,本作は12月19日に“完全開放”が行われる予定で,それに向けたキャンペーンもすでに始まっている。魔境奇談の公式サイトではID登録が行えるので,今から12月19日を心待ちにしていよう。
- 関連タイトル:
魔境奇談
- この記事のURL:
キーワード
Copyright 2008 Masyoldon by GFzone Inc., All Rights Reserved. YNK JAPAN Ink., Presants.