プレイレポート
確かな“緊迫感”が味わえる交渉アドベンチャー,PSP「銃声とダイヤモンド」の魅力を紹介
本稿では,そんな「銃声とダイヤモンド」の概要を紹介しつつ,その魅力に迫ってみよう。
■ストーリー■
ゲームの舞台は近未来の東京。人質立てこもりや,誘拐事件など,急増する凶悪犯罪に対応するため,警視庁は民間の専門家を捜査員として登用している。
警視庁交渉準備室。通称「ゼロ課」。現場の最前線にたつ交渉人の使命は,一滴の血も流さずに事件を解決すること。それがたとえ,犯人の血であったとしても。
犯人逮捕より人質解放による事件解決を目指すゼロ課には………「警察機構に所属しないプロの交渉人=ネゴシエーター」が配置された。
プレイヤーは,ニュ―ヨークで交渉術を学んだ交渉人,鬼塚陽一となり,数々の事件に挑むことになる。
ゼロ課発足後,次々と起こる凶悪事件。解決したかに思われた事件の意外な共通点。事件の背後に見え隠れする,巨大な犯罪組織の影。
まるで連続ドラマのように,すべての事件が一つの真実に収束していく。
■主な登場人物■
交渉は常にリアルタイムで進んでいく
一瞬の判断が命取りに!?
本作の醍醐味ともいえる交渉は,すべて1対1で行われ,その時々に適した対応がリアルタイムで求められる。交渉時の会話内容はもちろん,わざと返答を遅らせたり,犯人の発言を遮るように喋ったり,あえて犯人の質問に返答しなかったりと,実際のネゴシエーション同様に,さまざまな駆け引きが必要とされるわけだ。
また交渉では,“感情メーター”の存在が重要となる。これは交渉相手の感情を表すメーターで,プレイヤーの交渉次第で大きく増減する。感情が高ぶってきた犯人は思わぬ行動に出ることもあるので,それを防ぐ意味でも,交渉中は常に感情メーターに気を配りながら対応しなければならない。
まず,プレイヤーが捜査中に見聞きした内容を,キーワードという形で中村に提出,すると中村が,交渉中にどんな点に気を付けたらいいのかなどをアドバイスしてくれる。間違っているキーワードを提出してしまうと,アドバイスは得られないので注意しよう。
なお,現在PlayStation Storeと公式サイトでは,「銃声とダイヤモンド」の体験版が配信されている。体験版でプレイできるシナリオは,製品版には収録されていない書き下ろしのシナリオとなっているので,興味のある人はぜひともダウンロードしてほしい。
私生活にも応用できる?
交渉成功時の快感は本作のならではの魅力
交渉がなかなか思いどおりにならないところも,犯罪心理の複雑さがうまく表現されているようで興味深い。会話の流れや相手の表情などをしっかりと確認しつつ,言っていいこと/ダメなことだけでなく,言葉を発するタイミングまでも考えなければならないゲーム性は,ノベルタイプのアドベンチャーではそうそう味わえないもの。交渉の難度が若干高いだけに,成功したときの達成感はたまらないものがある。
ちなみに,画面写真を見てもらえば分かるように,本作ではテキストウィンドウ内ではなく,(基本的に)登場人物の近くに会話内容が表示されるほか,“大きな声”が“大きなサイズ”で表示されたりもする。これらも,ゲームの雰囲気を盛り上げる見逃せない要素といえるだろう。
シナリオのテーマや交渉パートのゲーム性がちょっと珍しいので,最初は戸惑うことがあるかもしれないが,本作独特の世界観や“テンポ”に慣れてくれば,交渉人としての仕事にどっぷりハマってしまうこと請け合いだ。アドベンチャーゲームが好きな人はもちろん,刑事ドラマや推理小説が好きな人にも,ぜひ一度プレイしてもらいた秀作である。
- 関連タイトル:
銃声とダイヤモンド
- この記事のURL:
キーワード
(C)Sony Computer Entertainment Inc.