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海外ゲーム四天王 / 第55回:「Need for Speed World」
ご長寿レースゲームシリーズ,Need for Speed。最新作の「Need for Speed: Hot Pursuit」が2010年末発売予定で盛り上がっているが,その裏でコッソリ進んでいたのが,今週の「海外ゲーム四天王」が紹介する「Need for Speed World」だ。いや,コッソリというか,こっちがウッカリしていただけかもしれないんですけど。ともかく,いつの間にかオープンβテストもたけなわでビックリだ。
Electronic Artsのマルチプレイのレースゲームと聞けば,誰もが思い出さずにはいられない「Motor City Online」(2001年)。その精神的な続編ともいえるNeed for Speed Worldは,基本料金無料でプレイ可能なオンラインレースゲームで,広大なマップを走り回って各種レースが楽しめる一本。もちろん,Need for Speedシリーズの美しい伝統と呼べるパトカーとの追っかけっこもバッチリだ。そんな一本に,四天王きってのレーサー,UHAUHA氏がチャレンジした。出発です。ブッブー。
広いマップに世界中のドライバーが集まり,縦横無尽に走り回ったりレースを楽んだりするMMOG(多人数参加型オンラインゲーム)「Need for Speed World」(以下,NFSW)のオープンβテストが始まった。これまで繰り返しクローズドなβテストが行われてきたらしいが,2010年7月27日からそれが一般開放されたのだ。もちろん,これを放っておくことはお天道様が許さないので,さっそくプレイしよう。
クライアントは公式サイトから無料でダウンロードできるので,無料登録するだけで誰でも手軽にNFSWの世界に突できる。もっとも,この先ずっと無料というわけではなく,レベルを10以上に上げたいと思ったら,「Starter Pack」なるものを購入しなければならないとのこと。
これを適用するとレベルキャップが40になるほか,スペシャルカーなども入手できるようだが,まあ,先のことは遊んでから考えることにしよう。
ポンと放り込まれた都市はかなり広く,高いビルが建ち並ぶビジネス街,装飾が美しい中華街,ネオンきらめく繁華街,空気の悪そうな工業地帯,そして高級っぽい家の建ち並ぶ住宅街などバリエーションに富み,周りの景色を見ながら走るだけで楽しい。
道路には,ほかのプレイヤーが操る車のほか,AIがコントロールする一般車とパトカーが走っている。一般車とパトカーには当たり判定があるが,オンラインプレイヤーの車にはそれがなく,ぶつかっても素通りしてしまう。
最初は「えー」と思うかもしれないが,交通法規を無視しがちなオンラインプレイヤーの車との当たり判定があったら,おそらくまともに走れないだろう。しかし,当たり判定がないと分かっていても,真正面から向かってきたときはビックリして思わずハンドルを切ってしまうので,あなたにもぜひ,ビックリしてほしい。
そんなふうにマップの中を,出会ったプレイヤーとドライブするのもいいが,やはりNFSシリーズなんだからレースやってナンボだ。各地で開催されているRace Events(レース)がマップ上にアイコンとして表示されているので,さっそく向かおう
もっとも,ミニマップ上で「Join」を選ぶことで目的のRace Eventへワープできるので,走りたい人以外,わざわざ走る必要はない。対戦相手によってRaceを分類すれば,ほかのオンラインプレイヤーと戦う「Multiplayer」,NPCカーとレースをする「Single Player」,そしてフレンドなど特定のプレイヤーと競う「Private Match」の3種類があり,レースの内容としては,決められたルートでレースをする「Splint」,決められた周回コースでレースをする「Circuit」の2つが確認できた。何の根拠もないけど,正式稼働の際にはレースモードも増やされていることだろう。増やされるといいなあ。
レース以外のお楽しみとしては,「Pursuit」がある。NFSシリーズファンにはすっかりおなじみだろうが,要するにパトカーとのチェイスで,街中を走っているパトカーと接触することで簡単に始められる。Pursuitがスタートすると,ほかのプレイヤーの車は消え,パトカーと一般車のみになる。さあ,追いかけっこの始まりだ。
ルールは簡単で,とにかくパトカーから逃げ切ることだ。同時に,マップに点在する破壊可能なオブジェクト,一般車,パトカーなどをできるかぎり多くぶっ壊して損害額を上げる必要があるという,迷惑千万な話だ。
ただし,あまり派手な運転を繰り返していると手配レベル(Heat Levelと呼ばれる)が上がり,手強いパトカーが次々に登場するので,どんどん逃げるのが難しくなってくる。筆者はHeat Level 3まではなんとか上げられたが,そのあと逮捕されるばかりで,それ以上にはできなかった。悪いことには慣れていないのだ。
レースに勝利したり,パトカーから逃げ切ったりすると,「Reputation」(評判)と「Cash」(現金)が手に入る。評判が規定値に達することでレベルアップするため,どんどんレースに参加して優勝したり,パトカーとの鬼ごっこを繰り返してReputationを稼ぐのがよろしいかと。また,このパトカーとの追いかけっこや、レースが終了すると5枚のカードが表示されるので,その中から1枚を開くことで「Power Up」(パワーアップ)が手に入る。
Power Upとは,ゲーム中に使用できるアイテムのことで,NFSWには10種類のパワーアップが登場する。一気に車速を加速させる「Nitrous」は一般的だが,そのほか,ライバル車に一般車が吸い寄せられる「Traffic Magnet」や,パトカーを吹き飛ばす「Emergency Evade」など,いやはや,ついにNFSシリーズにも特殊効果をもたらすアイテムが登場してしまったわけだ。しかし,実際にプレイしてみると意外なほど面白く,熱くなれるから驚きだ。変化を続けるNFSシリーズである。
このようなシステムのゲームとしては,もうじき続編がリリースされる予定の「Test Drive Unlimited」がある。ハワイのオアフ島を舞台にしたMMOGで,レース以外にも観光やショッピング,家の購入などが可能。欧米では人気タイトルで,筆者も非常に気に入っている。今回のNFSWには,そこまでのアクティビティは用意されていないが,雰囲気は似ており,将来性を感じずにはいられない。
街が広がり,できることが増えれば,かなり面白いゲームになりそうだって……おや,筆者の言葉を疑っている人もいるようですね。そういう人は,ぜひプレイしてご自分の目で確認してほしい。さあ,筆者と一緒に街を流そうではないか。ブッブー。
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