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[Gamescom]Ubisoft一押しタイトルの一つ,「R.U.S.E.」はボードゲーム版ウォーゲームをシミュレートしたRTSだ
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印刷2009/08/24 20:03

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[Gamescom]Ubisoft一押しタイトルの一つ,「R.U.S.E.」はボードゲーム版ウォーゲームをシミュレートしたRTSだ

 兵棋演習(もしくは図上演習)の始まりははっきりしないが,19世紀のプロイセン王国で“Kriegsspiel”(クリークスシュピール)として士官教育に利用されていたことが記録に残っている。ボード版のウォーゲームはそのクリークスシュピールの戦略的な部分に注目して作られたもので,第二次世界大戦後のアメリカで一般に普及した。コンピュータ版のウォーシミュレーションは,初期にはアナログ版のそれをベースにしているので,クリークスシュピールの子孫ということになるだろう。

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 Ubisoft Entertainmentが2009年内の発売を予定している「R.U.S.E.」PC版 / PLAYSTATION 3版 / Xbox 360版)は,第二次世界大戦をテーマにしたRTSだ。グラフィックスレベルの高さをアピールしてヒットした2006年の「Company of Heroes」から最近の「Order of War」まで,WW IIを扱ったRTSでは戦場をリアルに描くことにエネルギーが注がれてきた感があるが,R.U.S.E.ではその発想を大胆に切り替え,「ハイテク版兵棋演習」もしくは「ボード版ウォーゲームのシミュレーション」を狙っている。いわばRTSの先祖返りといえるかもしれない。
 カメラをズームアウトすると,戦場が作戦司令部に置かれた机の上に広げられた一枚の地図であることが分かる。さあ,これからキミとボクで図上演習を始めよう,といった雰囲気が漂っている。
 小旗こそ立っていないものの,ユニットは盤上に置かれており,カメラを近づけると次第にそれらのディテールがはっきりし,やがて背景が変わり,一般的なRTSの画面になっていくという具合だ。画面の切り替わりは非常に滑らかで,最大までズームアップしたときの各ユニットのディテールも非常に細かい。

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 Ubisoftのビジネスブースで行われたセッションでは,1944年の北フランス,ノルマンディ地区が戦場として登場した。有名な上陸作戦はすでに終了しており,これから連合軍が内陸に侵攻しようという状況である。マップサイズは,「数十km平方」といった感じだが,これはゲームの中では中規模のマップで,サイズはミッションによって異なる。
 説明を担当してくれたのは本作のSenior Producerを務めるMathieu Girard氏で,彼が率いる連合軍部隊の目的はドイツ軍のヘッドクォーターを破壊することだ。

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偵察機に命令を与えると,その移動は画面上に濃い青の矢印で表示される。目的地に到着すると,その地点から水色の矢印に添った索敵を行い,付近の敵ユニットを発見できる
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 R.U.S.E.の資源は一種類しかない。それは「お金」だ。ユニットの作成や施設の制作,技術開発やユニットのアップグレードなど,すべてにわたって資金が必要になる。資金はあらかじめ与えられているが,資金源となる施設はマップのあちこちにあり,そこを占領することで新たな資金が得られるという大戦略シリーズのようなシステムになっている。
 ただし,資金源から各種の施設までルートが確立されていなければ資金が届かないというところが戦略要素になっている。視覚的にトラックがルートを移動しているので,それを爆撃機を使って破壊することで資金ルートを絶つことが可能なのだ。

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主目標はプレイヤーが必要とする時のみ,スクリーン上にポップアップ表示される
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 敵ユニットの破壊数や敵の資金量などは,カメラをズームアウトすることで常に確認できるが,ボード版シミュレーションゲームにはないデジタルならではの特徴として,自分の存在を隠すことがある。マップはいくつかのエリアに仕切られており,各エリアに対して「カモフラージュネット」「無線封止」をかけることで,敵の攻撃から逃れることができるのだ。「Deception」と呼ばれるこの機能を使うことによって資金運搬のトラックを守るだけでなく,味方の部隊を秘匿/温存し,一気呵成に戦局を逆転させるというケレン味のある戦略が取れたりする。Deceptionは必ず成功するわけではないが,経験を積むことでアップグレードするとのこと。
 戦場の環境もまた重要であるとGirard氏は続ける。例えば森林地帯でカモフラージュネットを使えば敵の偵察からかなりの程度逃れられるし,攻撃の場合はアンブッシュボーナスが付いたりする。
 Deception機能,つまりカモフラージュネットや無線封止を使うにも資金が必要であり,また有効な時間があらかじめ決められている。

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解説をしてくれた本作のSenior Producer,Mathieu Girard氏
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 R.U.S.E.には戦車や対戦車砲,戦闘機や爆撃機など約20のカテゴリに分けられた200種類以上の兵器が用意されており,それぞれのカテゴリが得意不得意の要素を持っている。例えば,オープンフィールドでは戦車は最強だが,対戦車砲の待ち伏せ攻撃には弱いといった関係にあるわけで,このあたりは,ほかのRTSタイトルでもおなじみだろう。
 ……このようにして資金を獲得したり,資金ルートを確立したり敵の目を欺いたりしたGirard氏は,戦車部隊によってドイツ軍司令部を破壊し,デモは終了した。

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 冒頭にも書いたように,“ハイテク版ボードゲーム”という風情を持つ異色のRTSとなったR.U.S.E.。視覚的にも非常に面白く,2009年6月4日に掲載したE3レポートにもあるように,コンシューマ機のコントローラーになじみにくいRTSのため,タッチパネルのディスプレイに対応させたりと,ゲーム内容以外のシステム部分でも興味深い試みがなされている本作は,欧米のRTSファンにとって気になる一本になりそうだ。対応機種はPCのほか,PLAYSTATION 3とXbox 360が予定されている。
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