MSY，ヘッドトラッキングシステムの最新モデル「TrackIR 5」を29日に発売

　NaturalPointの販売代理店であるMSYは，PCゲーム用ヘッドトラッキングシステムの代名詞ともいえる「TrackIR」シリーズの最新モデル，「TrackIR 5」（国内製品名：Track IR 5）を，2009年5月29日に発売すると発表した。価格は2万7000円（税込）。市販のヘッドセットに取り付けて利用することで，センサー精度を向上させるという別売りのクリップ，「TrackClip PRO」をバンドルしたセット，「Track IR 5＋Clippro set」も，3万1500円（税込）で用意される。

TrackIR 5（左）と，「Track IR 5 +Clippro set」に付属するTrackClip PRO（右）。TrackIR 5単体には，帽子の“つば”に取り付けて利用する「TrackClip」（旧称：VectorClip）が付属するので，TrackIR 5を使うだけなら，TrackClip PROは不要だ

　TrackIR 5は，従来製品「TrackIR 4:PRO」の上位モデルとしてリリースされた製品で，全体的に，TrackIR 4:PROを正統進化させたような印象だ。TrackIR 5とTrackIR 4:PROの主なスペックは下に表でまとめたとおりだが，センサーの視野角が着実に，分解能は大幅に，従来製品から向上しているのを見て取れる。またMSYによると，取り外し可能なベース部分の耐久性向上も図られているという。

※TrackIR 4:PROの分解能は355×288ドットだが，「Resolution Doubling Technology」により，横方向解像度2倍相当で動作するとされている

　NaturalPointが「6DOF」（6 Degrees Of Freedom，6軸自由度）と呼ぶ，Pitch軸（上下を向く動き），Yaw軸（左右を向く動き），X軸（左右への頭部の動き），Y軸（上下への頭部の動き），Roll軸（左右への首の傾き），Z軸（前後への頭部の動き）をサポートするのは従来製品と同じ。しかしながら，センサーの視野角がさらに広げられたことで，首を大きく前後左右に動かしたときに，赤外線センサーの視界から外れにくくなっているほか，分解能の向上により，プレイヤーの動きに対する追従性が上がっていると，NaturalPointはアピールしている。
　なお，分解能については，NaturalPointがYouTubeに興味深いムービーをアップしていたので，引用してみた。TrackIR 5と，TrackIR 4:PROを横並びで比較したものになっているので，ぜひチェックしてみてほしい。

TrackIR 5を背面から見たイメージ。なお，製品ボックスには，日本語クイックスタートガイドが付属する一方，設定用アプリケーションは英語版となる

　メーカー直販サイトを使えば（全部英語で，送料も別途かかるが）150ドル程度で購入できるわけで，それを考えると，さすがに税込み2万7000円という価格は高いと言わざるを得まい。ただ，定評あるTrackIR 4:PROの上位モデルが，国内での保証付きでさっそく明日から購入できるようになるという点に，相応なメリットがあるのもまた確かだ。
　シミュレータやFPSを中心に，100タイトル以上に対応しているのは，TrackIRシリーズの強み。これからTrackIRシリーズを手に入れたいというのであれば，検討に値するだろう。

→TrackIRシリーズの対応ゲームタイトル一覧