「Homefront」の開発者がゲームを説明するムービー公開。第1弾は，ゲームのバックグラウンドとなる近未来世界の信憑性について

※2010年11月24日現在，北朝鮮，韓国間に軍事上の問題が発生しており，問題の一刻も早い平和的な解決が望まれています。

　2011年春の発売に向けてKaos Studiosが開発を進めているFPS「Homefront」（PC/PlayStation 3/Xbox 360）で，ムービー形式の開発者ダイアリーが公式サイトで公開された。第1回となる今回は，開発者達がゲームのストーリーについて語るもので，北朝鮮が朝鮮半島の制圧に成功後，経済不況に喘ぐアメリカに侵攻するという物語が詳しく語られている。

「Homefront」公式サイト

　Homefrontが気になっているゲーマーなら，すでにご存知のはずだが，本作は2027年という近未来世界を背景にしている。ゲームでは，2012年に金正日氏の息子，金正恩氏が新しい指導者になるところから始まり，核ミサイルの開発成功によって勢いを得た北朝鮮が，2015年に朝鮮半島を統一，Greater Korean Federationという国名に変更して2018年には日本を併合。さらに，2025年にはアメリカ西海岸のサンフランシスコに侵入して，あっさり制圧してしまうという設定だ。
　ゲームでは，パイロットの経験がある主人公が，コロラドの片田舎でアメリカの解放のために戦うレジスタンスの仲間に入り，サンフランシスコまで燃料を運ぶミッションを託されてゲームを進めていくことになる。常にレジスタンスの仲間がいるという状況は，「Half-Life 2: Episode 1」のようなイメージだろうか。


　こういったバックストーリーは，あまりにも突拍子もない話に聞こえるが，Kaos Studiosは，「地獄の黙示録」や「若き勇者たち」などの戦争映画を手掛けた脚本家，John Milius（ジョン・ミリアス）氏を監修に迎え，ゲームの信憑性を高めることに力を注いでいる。Kaos Studiosの開発者らは，彼らの手法を「Speculative Fiction」（推論的フィクション）と呼んでおり，地政学や経済学的観点から，現実に起こり得る未来像を描いていると真面目に語る。
　ビデオの中で開発者が指摘するところによれば，アメリカのすべてのスーパーマーケットにある食料では人口を3日間しか養うことができず，しかも，もし何らかの理由で原油の供給が停止すれば，広大な北アメリカで物資を運搬する能力が失われ，意外なほど簡単に麻痺してしまう可能性は高いと語る。


　こうした脆弱な点を考慮したうえで，Greater Korean Federationはアメリカに上陸してくる。作戦には日本や韓国の武器，テクノロジーが使用され，例えば電磁パルスで通信網を麻痺させ，すべての電化製品を停止させるEMP波を，軌道に打ち上げた衛星からアメリカ全土に向けて照射したりするのだ。

　今回のビデオに，これといって目新しい映像は登場しないものの，戦闘ヘリによる戦いや，これまで出てきたことのないシーンを描いたアートワークなどが登場する。


　ちなみに，燃料調達や修理/維持の難しさなどから，シングルプレイキャンペーンのレジスタンス側は，戦闘ヘリコプターなどの最新兵器をほとんど使えないようだ。その状況を挽回するためか，サンフランシスコにある敵の本拠地に侵入したプレイヤーが，航空兵器などを奪って攻撃する，というようなクライマックスが用意されているようだ。詳細は不明なので，このあたりのことに関しては，ゲームがリリースされてから自分の目で確認してみたい。