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CeBIT 2010会場で“厳戒態勢”。「GeForce GTX 480」に関するベンダー各社の反応から,状況を整理してみた
Sneak Peek(スニークピーク)とは,「こっそり覗く」意だが,現地で行われているのは,クローズドのシステムで,GeForce GTX 480――正確にはGF100――のためのデモである「SuperSonic Sled」を見せるだけというもの。現場でデモを実施しているNVIDIAのスタッフは,製品の仕様や発売時期などについて「ノーコメント」という立場を貫き,システムに近寄っての撮影にも応じない状況である。
……NVIDIAが,GeForce GTX 480のSneak Peekを実施すると決定したのは,CeBIT 2010開催の直前だったようだ。
そのため,パートナー企業の一部では,当初行う予定だった別製品のデモを急遽中止して,NVIDIAのためにスペースを空ける必要に迫られたところもあり,実際,デモ用のディスプレイを用意できていないベンダーもあった。
唯一,GIGABYTE TECHNOLOGYだけが,GeForece GTX 480搭載グラフィックスカードの製品ボックスサンプルを披露し,そこから,グラフィックスメモリがGDDR5 1536MB仕様になることと,7.1chサウンド出力に対応することが読み取れるといった具合である。
なお,今回デモを行っていないグラフィックスカードベンダーの関係者,何人かに話を聞いてみると,彼らは「GeForce GTX 480と470が今月末に正式発表されるという状況に変わりはない」と口を揃えていた。
ただ,「発表直後からしばらくの間,NVIDIAからリファレンスデザインの完成品が供給されるというのは,これまでのハイエンド品と同じ。しかし,その出荷量は極端に限定される。市場で潤沢に出回るようになるのは(6月の)COMPUTEX TAIPEI 2010明けくらいだろう」と漏らす関係者も多い。その意味で,公約どおり今四半期内の発表を実現できたとしても,当初は,幻の製品となりそうな気配だ。
その最大の理由は,チップそのものが抱える歩留まり(≒良品率)の低さもさることながら「最初のリビジョンでは,消費電力と発熱が半端ではないこと」(カードベンダー関係者)。同関係者は「チップのリビジョンアップが不可欠だろう」と指摘している。
また,あるグラフィックスカードベンダー関係者は,GeForce GTX 480の状況を「まるで,『GeForce FX 5800 Ultra』の再現だ」とも語っていた。短期間にごくわずかな数量だけ出荷され,大量出荷は,後継製品である「GeForce FX 5900 Ultra」に譲った,“あの”5800 Ultraの名が持ち出されたわけである。
会場に足を運んでいた欧州の販売代理店関係者も「GeForce GTX 480に関しては,どれくらいの量を確保できるのか不透明」と,発売が間近に迫っているはずの製品に関し,未だ確たる情報が得られていないことへの苛立ちを隠さない。
実際,とあるブースで運よく撮影できた,システムの背面写真からは,GIGABYTE TECHNOLOGYの製品ボックスで謳われるHDMIミニコネクタが用意されるなど,確かに,カードデザインはこれまでと異なることが確認できる。
紆余曲折があり,また,不安要素が100%解消したわけでもないが,3月下旬の発表に向けて,準備が進んでいるのは確かだろう。
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GeForce GTX 400
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