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Inno3D,“GTX 480搭載カード”の写真を公開。GTX 470続報も
カタログの制作主はInno3Dブランドで知られるInnoVISION Multimedia(以下,Inno3D)。同社はCeBIT 2010用カタログの表紙に,「NEXT GENERATION」というコピーとともに,1枚のカードを掲載しているが,その写真こそ「GeForce GTX 480のエンジニアリングサンプルと同じもの」(複数関係者)というのだ。
Inno3Dでセールスディレクターを務めるStanley Wong(スタンリー・ウォン)氏に「この写真はGeForce GTX 480なのか」と聞いてみたが,残念ながら明確な回答は得られなかった。ただ,カタログに載っているカードの形状は,現行製品であるGeForce GTX 200シリーズと異なり,むしろ,2009年11月に発表された「Tesla 20-Series」に近い印象だ。
3日の記事でもお伝えしているように,発表直後のGeForce GTX 480搭載グラフィックスカードは,各社同じものになる。どのベンダーも,NVIDIAから完成品を受け取り,それに自前のシールを貼ったりして出荷する形になるからだ。
- iChiLL Hawk:90mm角ファン×1と80mm角ファン×2を内蔵した,3連ファン仕様の空冷GPUクーラー
- Black Freezer Extreme:GeForce GTX 480用液冷ブロック
搭載モデルを出荷すべく,こうしてクーラーを開発中というわけだ。
このうちiChiLL Hawkは,6本のヒートパイプを搭載しつつ,回転数を抑えた3連ファンで静音性の向上も図るとのこと。Wong氏は,「GeForce GTX 480の供給が安定すると思われる第2四半期後半には,オリジナルクーラー搭載モデルを投入したい」と述べている。
なお,GeForce GTX 480の出荷量が大きく増える見込みという情報は5日の記事でお伝えしているとおりだが,下位モデルとなる「GeForce GTX 470」について,複数のグラフィックスカードベンダーが「GeForce GTX 480比で約2倍の数が割り当てられた」としている。
複数の関係者から,「(最終版での“どんでん返し”はあり得るので)あくまでもエンジニアリングサンプルの話だが,GeForce GTX 470は,『ATI Radeon HD 5870』と同等のパフォーマンスを発揮し,価格は大きく下回る」という情報も得られており,仮にこの話が事実だとすれば,NVIDIAは,3月末以降,AMDに押され気味のグラフィックス市場で,大きく巻き返しを図ることになるだろう。
「主役はNVIDIAだけに非ず」
CeBIT会場で見た“マザーボード屋の底力”
……以上,3回にも亘(わた)ってGeForce GTX 400シリーズの情報をお伝えしてきたが,もちろんCeBIT 2010におけるトピックはそれだけではない。むしろ,ブースで目立っていたのは,マザーボードメーカー各社による「グラフィックスカードのオーバークロック対決」のほうだ。
ASUSTeK Computer(以下,ASUS)の「ARES/2DIS/4GD5 Limited Edition」や,MSIの「R5870 Lightning」についてはすでにお伝えしているが,GIGABYTE TECHNOLOGY(以下,GIGABYTE)も「Super Over Clock」シリーズを立ち上げ,ラインナップの拡充を目指す。
Super Over Clockシリーズの新製品として投入予定となっているGV-R587SO-1GD |
ASUSのMatrix 5870/2DIS/2GD5 |
現時点で,新製品のコア&メモリクロックは明らかになっていないが,GIGABYTEのマーケティング担当者は「先行するASUSやMSIに負けない性能を実現する」と鼻息も荒い。
また,受けて立つASUSも,高品質路線のグラフィックスカードシリーズ「Matrix」に,ATI Radeon HD 5870搭載モデル「Matrix 5870/2DIS/2GD5」を追加する。
本製品は,標準でコアクロックが44MHz高い894MHzに設定されているだけでなく,優れたオーバークロック耐性を発揮するという。
ノートPC向け外付けグラフィックス製品も
〜ついに市販品が登場か?
さらに,CeBIT 2010ではノートPC向けのグラフィックス拡張製品も注目を集めた。Shuttle Computer(以下,Shuttle)は,PCI Express x16スロットを備えた拡張ボックス「i-Power GXT Mini」を公開し,実際に「ATI Radeon HD 4670」搭載グラフィックスカードを差した場合のパフォーマンスも披露している。
Shuttleは,旧ATI Technologiesと,外付けPCI Express拡張ボックス「Lasso」(ラッソ,開発コードネーム)の開発で2006年から協力関係にあったが,ようやく,その成果が最終製品になるときが来たようだ。
i-Power GXT Miniは2010年6月頃に市場投入される計画になっており,米国市場における想定売価も199ドルと,具体性を帯びてきている。なお同社は,より高性能なグラフィックスカードをサポートした上位モデルも計画中という。
- 関連タイトル:
GeForce GTX 400
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