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Radeon Core 320基の「A6-3650」APUレビュー。Dual Graphicsの伸び率は上位モデルを上回ることも
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印刷2011/07/09 09:30

レビュー

デスクトップPC向けA-Seriesの下位モデルに価値はあるのか

A6-3650/2.6GHz

Text by 宮崎真一


A6-3650。入手した個体のOPNは「AD3650WNZ43GX」だった
画像集#002のサムネイル/Radeon Core 320基の「A6-3650」APUレビュー。Dual Graphicsの伸び率は上位モデルを上回ることも
 AMDから2011年6月30日に発表された,エントリー〜ミドルクラス市場向けFusion APU「AMD A-Series」(以下,A-Series)。4Gamerでは先に,7月3日に店頭販売が始まった2製品のうち,上位モデルとなる「A8-3850/2.9GHz」を検証し,3Dオンラインゲームやカジュアルゲーム用としてのコストパフォーマンスは抜群と位置づけた。

 では,その下位モデルとなる「A6-3650/2.6GHz」はどうだろう? 上位モデルとの違いはどの程度なのか,日本AMDから入手した評価用サンプルを用いて検証してみたい。


CPUクロックは300MHz低いだけだが

GPUはRadeon Core&クロックとも大幅に低下


パッケージは905ピンのFM1。もちろん上位モデルと同じだ
画像集#013のサムネイル/Radeon Core 320基の「A6-3650」APUレビュー。Dual Graphicsの伸び率は上位モデルを上回ることも
 A-Seriesがどんな製品なのかについては6月30日に掲載したレビューのGPUコア編CPUコア編,そして概要紹介記事をチェックしてもらうとして,本稿ではA6-3650とA8-3850の違いから見てみよう。

 まずは統合されるCPU部とメモリコントローラ部からだが,結論から先に言うと,A8-3850よりもCPUコアの動作クロックが300MHz低いだけだ。K10系「Stars」コアをベースに,容量1MBのL2キャッシュがセットになったコアを4基搭載する点や,デュアルチャネルDDR3-1866対応のメモリコントローラを内蔵する点もまったく同じ。「AMD Turbo CORE Technology」非対応という点にも変わりはない。

6月30日の時点におけるデスクトップPC向けA-Seriesの主なスペック。AMD Turbo CORE Technologyに対応する「A8-3800/2.4GHz」と「A6-3600/2.1GHz」は今夏登場予定だ
画像集#003のサムネイル/Radeon Core 320基の「A6-3650」APUレビュー。Dual Graphicsの伸び率は上位モデルを上回ることも

「AMD System Monitor」を起動すると,HD 6530Dというモデルナンバーを確認できる
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 一方,GPU側では,与えられるブランド名がA8-3850の「Radeon HD 6550D」(以下,HD 6550D)からA6-3650では「Radeon HD 6530D」(以下,HD 6530D)へと下がり,統合する「Radeon Core」(≒Streaming Processing Unit,以下SP)数も400基から320基へと20%減っている。

 A-SeriesではVLIW5コアアーキテクチャを採用する関係上,4+1基のSPが分岐ユニットや汎用レジスタとセットで「Thread Processor」(以下TP)を構成し,さらにTPが16基集まって,4基のテクスチャユニットと一緒に「SIMD Engine」を構成する仕様になっている。「80=5×16」という計算結果からも想像がつくように,A6-3650(HD 6530D)では,A8-3850(HD 6550D)比でSIMD Engineが1基無効化されているというわけだ。
 SIMD Engineごとに4基のテクスチャユニットが用意される都合上,総テクスチャユニットもA8-3850より4基少ない16基となっているが,ROP数は8基のままなので,「足回りにスケールダウンはない」といえるかもしれない。

HD 6550DとHD 6530Dのスペック概要
画像集#005のサムネイル/Radeon Core 320基の「A6-3650」APUレビュー。Dual Graphicsの伸び率は上位モデルを上回ることも
 もう1つ,GPUコアの動作クロックがA8-3850(HD 6550D)の600MHzからA6-3650(HD 6530D)で443MHzへと,約26%引き下げられた点も指摘しておく必要があるだろう。ノートPC向けA-Series「A8-3500M/1.5GHz」の統合型GPU「Radeon HD 6620G」(以下,HD 6620G)だと,400SPで444MHzだったので,HD 6530Dはコア数的に,Radeon HD 6620Gより低いスペックということになる。

 A6-3650(HD 6530D)とA8-3850(HD 6550D)の違いを中心に,従来製品や競合製品と,主にGPU周りのスペックを比較したものが表1だ。

画像集#014のサムネイル/Radeon Core 320基の「A6-3650」APUレビュー。Dual Graphicsの伸び率は上位モデルを上回ることも


HD 6550Dとの比較を中心に

AMD Dual Graphicsでのテストも実施


 さて,テスト環境の構築について話を移すが,A8-3850のレビュー時と同様に,A6-3650でも,Radeon HD 6000シリーズの単体GPUを組み合わせた「AMD Dual Graphics Technology」(以下,AMD Dual Graphics)でのテストを実施する。
 AMD Dual Graphicsの組み合わせ対象となる単体GPUは,A8-3850(HD 6550D)と同じく「Radeon HD 6670」「Radeon HD 6570」「Radeon HD 6450」(以下順にHD 6670,HD 6570,HD 6450)の3モデルで,組み合わせと,引き上げ後のモデルナンバーは下記のとおり。

  • HD 6530D+HD 6670→Radeon HD 6690D2
  • HD 6530D+HD 6570→Radeon HD 6610D2
  • HD 6530D+HD 6450→Radeon HD 6550D2

画像集#006のサムネイル/Radeon Core 320基の「A6-3650」APUレビュー。Dual Graphicsの伸び率は上位モデルを上回ることも
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 記憶力のいい読者はここでピンと来たかもしれない。そう,Radeon HD 6690D2(以下,HD 6690D2)とRadeon HD 6550D2(以下,HD 6550D2)は,A8-3850(HD 6550D)と対象のGPUとを組み合わせたときから,モデルナンバーが変わっていないのだ。HD 6570と組み合わせたときだけ,A8-3850+HD 6570の「Radeon HD 6630D2」より低いモデルナンバーになっているのも含め,なぜこうなっているのかは不明ながら,分かりづらいことだけは確かである。

 もっとも,それを放置しておくわけにもいかないので,本稿では以後,AMD Dual Graphics構成について,「モデルナンバー(APU名)」といった形で書き分けることにしたいと思う。

AMD Dual Graphicsによるモデルナンバー引き上げの一覧。HD 6670およびHD 6450を組み合わせたときのモデルナンバーは,A8-3850とA6-3650で変わっていない
画像集#008のサムネイル/Radeon Core 320基の「A6-3650」APUレビュー。Dual Graphicsの伸び率は上位モデルを上回ることも

テストに用いたマザーボードはMSIの「A75MA-G55」。スコアを流用する関係で,今回はβ版BIOSをそのまま用いているが,製品版BIOSでは,β版にあった「単体GPUの利用時に,APU側の統合型GPUコアを無効化できない」という問題が解決している
画像集#009のサムネイル/Radeon Core 320基の「A6-3650」APUレビュー。Dual Graphicsの伸び率は上位モデルを上回ることも
 なお,今回のテストにあたっては,A8-3850のレビュー記事からスコアを全面的に流用しつつ,そこに,A6-3650のスコアを加えることにした。A8-3850のレビュー時がそうであったように,AMD Dual Graphicsは,HD 6670とHD 6450とを組み合わせたときのスコアを取得する。

 「A6-3650と単体グラフィックスカードを組み合わせたスコアは取り直さないのか」という意見もあると思う。だが今回,A6-3650を利用しつつ,GPUはHD 6670のみ用いることにしてスコアを取得してみたところ,A8-3850利用時との間に大きな差は出なかった。CPUとして比較する限り,A6-3650とA8-3850の間には300MHzという動作クロックの違いしか存在しないので,当然といえば当然の結果なのだが,この事実を踏まえ,単体GPUのスコアは,A8-3850と組み合わせたときのものを流用しても問題ないと判断した次第だ(※参考として,A6-3650とHD 6670を組み合わせて,HD 6670のみをGPUとして用いたスコアも掲載する)。

 というわけで,A6-3650を追加した以外,テスト環境は6月30日に掲載したレビュー時から変わっていないが,念のため表2にまとめたので,参考にしてほしい。

画像集#015のサムネイル/Radeon Core 320基の「A6-3650」APUレビュー。Dual Graphicsの伸び率は上位モデルを上回ることも

 テスト方法は4Gamerのベンチマークレギュレーション11.0準拠。テスト解像度を1280×720&1600×900ドットとし,「標準設定」(もしくは「低負荷設定」)のテストのみを実施するのも,A8-3850のレビュー時と同じだ。

画像集#010のサムネイル/Radeon Core 320基の「A6-3650」APUレビュー。Dual Graphicsの伸び率は上位モデルを上回ることも
F3-14900CL9D-8GBSR DDR3-1866 8GB
1.5V動作のゲーマー向けOCモジュール
メーカー:G.Skill International Enterprise
問い合わせ先:パソコンショップ アーク
パソコンショップ アーク通販価格:9891円(税込,2011年7月9日現在)
画像集#011のサムネイル/Radeon Core 320基の「A6-3650」APUレビュー。Dual Graphicsの伸び率は上位モデルを上回ることも
SST-ST1200-G
+12V 1系統の定格1200W電源ユニット
メーカー:SilverStone Technology
問い合わせ先:マスタードシード(販売代理店)
実勢価格:2万3000〜3万1000円程度(※2011年7月9日現在)


A8-3850比70%強の3D性能

Dual GraphicsはA6-3650がA8-3850を上回る場面も


 以上を踏まえつつ,テスト結果の考察に入りたいが,その前にグラフについて簡単に述べておくと,グラフのバーは,A8-3850とA6-3650,そして両APUをベースとしたAMD Dual Graphics構成時を上に並べ,その下は基本的にモデルナンバー順としてある。
 ただ,今回はグラフの本数があまりにも多いため,主役となるA6-3650については,少しでも分かりやすくなるよう,バー内のスコアラベルを赤色に変更した。また,グラフ画像をクリックすると,より負荷が高いほうのテスト条件におけるスコア順に並び替えたものを別ウインドウで表示するようにもしてあるので,見やすいほうをチェックしてもらえればと思う。

 では,順に見ていこう。
 グラフ1は,「3DMark 11」(Version 1.0.2)の「Entry」および「Performance」プリセットの結果である。HD 6530DのスコアはHD 6550D比で約71%と,コア数が20%少なく,動作クロックで26%低いことを考えると順当な結果に落ち着いている。また「HD 6540より若干高いスコア」というのは,A8-3500M(HD 6620G)と似た傾向ともいえそうである。

 AMD Dual Graphicsに着目すると,HD 6550D2(A8-3850)とHD 6550D2(A6-3650)では,同じモデルナンバーであるにも関わらず,スコアに約20%という,大きな違いが生じている。これはHD 6690D2でも同じで,HD 6690D2(A6-3650)はHD 6690D2(A8-3850)に対して85%程度のスコアしか示せていない。
 3DMark 11においては,HD 6550DとHD 6530Dの性能差が,AMD Dual Graphics構成時にもそのまま反映されていると見ていいだろう。

 なお,これはA8-3850のレビュー時と同じだが,DirectX 11世代のテストは,「Core i7-2600K/3.40GHz」(以下,i7-2600K)だと実行できないため,同CPUのスコアはN/Aとなる。

画像集#016のサムネイル/Radeon Core 320基の「A6-3650」APUレビュー。Dual Graphicsの伸び率は上位モデルを上回ることも

 続いてグラフ2,3は「S.T.A.L.K.E.R.: Call of Pripyat」(以下,STALKER CoP)の結果となる。
 STALKER CoPのテストシークエンス中,最も描画負荷の低い「Day」シークエンスのテスト結果をまとめたものがグラフ2だが,ここでもHD 6530DはHD 6550Dに対して72〜74%のスコアに留まっており,両者の違いははっきりとしている。HD 6530DとHD 6450も,3DMark 11と同様だ。

 一方のAMD Dual Graphicsだと,HD 6550D2(A6-3650)とHD 6550D2(A8-3850)のスコア差は7〜13%で,3DMark 11のときほどは離されていない。APU単体動作時からの伸び率だと,HD 6550D2(A8-3850)が23〜25%のところ,HD 6550D2(A6-3650)は51〜58%で,むしろ良好である。
 ただ,HD 6690D2(A6-3650)とHD 6690D2(A8-3850)では10〜16%と,むしろ差が開く傾向にあることも押さえておきたいところだ。

画像集#017のサムネイル/Radeon Core 320基の「A6-3650」APUレビュー。Dual Graphicsの伸び率は上位モデルを上回ることも

 テストシークエンス中,最も負荷の高い「SunShafts」だと,そもそもエントリークラスのGPUやAPUには荷が重すぎるため,スコアは低めに揃うが,傾向自体はDayシークエンスと変わっていない印象である(グラフ3)。

画像集#018のサムネイル/Radeon Core 320基の「A6-3650」APUレビュー。Dual Graphicsの伸び率は上位モデルを上回ることも

 非常に興味深いスコアとなったのが,DirectX 10モードで実行した「Battlefield: Bad Company 2」(以下,BFBC2)のテスト結果である。
 グラフ4で注目してほしいのはHD 6550D2(A6-3650)とHD 6550D2(A8-3850)のスコアで,なんと前者のほうが若干高いスコアになっているのだ。
 STALKER CoPのスコアも含めて考えるに,HD 6550D2(A8-3850)はHD 6670,HD 6550D2(A6-3650)はHD 6450と組んだときのほうが良好なスコアを示しているわけで,よりスペックの近いGPU同士でAMD Dual Graphics動作させたほうが,効率よく協調動作するということなのだろう。

画像集#019のサムネイル/Radeon Core 320基の「A6-3650」APUレビュー。Dual Graphicsの伸び率は上位モデルを上回ることも

 A8-3850のレビュー時にAMD Dual Graphicsのメリットが見えなかった「Call of Duty 4: Modern Warfare」(以下,Call of Duty 4)だが,同じグラフィックスドライバを用いていることもあって,A6-3650をテストした今回でも結果は変わらず(グラフ5)。
 ただし,HD 6530D(A6-3650)が解像度1280×720ドット設定時に平均60fpsを超えてきたのは要注目といえそうだ。“3Dオンラインゲーム用GPU”としてのA6-3650には,まずまずの期待が持てるといえ,少し解像度を抑えれば,A6-3650でもたいていの3Dオンラインゲームは苦もなくプレイできるはずである。

画像集#020のサムネイル/Radeon Core 320基の「A6-3650」APUレビュー。Dual Graphicsの伸び率は上位モデルを上回ることも

 グラフ6の「Just Cause 2」では,HD 6650D2(A6-3650)とHD 6650D2(A8-3850)の関係がBFBC2と似たものになった。言い換えると,HD 6650D2(A6-3650)のほうがHD 6550D2(A8-3850)より高いスコアだ。
 一方,HD 6692D2のスコアは,A8-3850とA6-3650ともに振るわない。このあたりはやはりドライバのアップデート待ちではなかろうか。

画像集#021のサムネイル/Radeon Core 320基の「A6-3650」APUレビュー。Dual Graphicsの伸び率は上位モデルを上回ることも

 DirectX 10モードで実行した「Sid Meier's Civilization V」(以下,Civ 5)の結果がグラフ7となる。
 Civ 5の全体的なスコア傾向はどちらかというと3DMark 11似だが,HD 6550D2(A6-3650)がHD 6550D2(A8-3850)とスコアが並ぶあたりは,STALKER CoPやBFBC2の傾向を踏襲するとも言えそうだ。

画像集#022のサムネイル/Radeon Core 320基の「A6-3650」APUレビュー。Dual Graphicsの伸び率は上位モデルを上回ることも

 3D性能検証では最後となるのがグラフ8の「DiRT 3」である。AMDのサポートを受けて開発されたタイトルということから,ここでのスコアはベストケースの1つと考えていいのではないかと筆者はA8-3850のレビュー時に述べたが,その割にHD 6550D(A6-3650)のスコアが伸びきらないのは少々気になった。
 AMD Dual Graphicsにはやはり,最適化の余地がまだかなりあるということなのだろう。

画像集#023のサムネイル/Radeon Core 320基の「A6-3650」APUレビュー。Dual Graphicsの伸び率は上位モデルを上回ることも


A8-3850よりさらに低い消費電力

AMD Dual Graphics利用時の消費電力も低め


 さて,A8-3850の下位モデルとして,CPUクロックもGPUクロックも低く,GPUコア数も少ないA6-3650だが,消費電力にはどの程度の違いがあるのか。ログの取得が可能なワットチェッカー「Watts up? PRO」を利用して,システム全体の消費電力を計測してみたい。
 テストにあたっては,OSの起動後30分放置した時点を「アイドル時」,各アプリケーションベンチマークを実行したときに,最も高い消費電力値を記録した時点を,それぞれの実行時としている。
 A8-3850のレビュー時と同様,CPU側の省電力機能は有効のままテストを行った結果がグラフ9だ。

 HD 6530D(A6-3650)は,HD 6550D(A8-3850)と比べて,アイドル時で5W,各アプリケーション実行時で13〜38W低い値を示している。動作クロックとGPUコア数の違いが相応にあるだけに,けっこう大きな開きといえそうである。
 それはAMD Dual Graphics構成時も変わらず,HD 6550D2(A6-3650)やHD 6690D2(A8-3850)は,HD 6550D2(A8-3850)とHD 6690D2(A8-3850)から,それぞれ8〜21W低いスコアとなった。

※グラフ画像をクリックすると,数値を含めた完全版を別ウインドウで表示します
画像集#024のサムネイル/Radeon Core 320基の「A6-3650」APUレビュー。Dual Graphicsの伸び率は上位モデルを上回ることも

 なお,GPU温度比較は割愛するが,これはA8-3850のレビュー記事と同様に,A-SeriesのGPUコア温度だけを計測する術がいまのところ見当たらないためである。


価格差を考えると「A8-3850一択」

超小型PCでならA6-3650にも活路はあるか


画像集#012のサムネイル/Radeon Core 320基の「A6-3650」APUレビュー。Dual Graphicsの伸び率は上位モデルを上回ることも
 以上,A6-3650の3D性能は,A8-3850比でおおむね7割程度とまとめられそうだ。AMD Dual Graphics構成では,HD 6450を組み合わせたときに,一部のゲームタイトルでA8-3850を上回った点も興味深い。理由は前述のとおりなのだが,協調動作まで考えると,A8-3850にはHD 6670が,A6-3650にはHD 6450がそれぞれ適しているといえそうである。

 もちろん,HD 6450との性能差がわずかという現実や,A8-3850とA6-3650の実勢価格差が2000円程度しかない(※2011年7月9日現在)ことを踏まえるに,3D性能を重視したとき,A6-3650を選ぶ理由はあまりない。普通に考えたら「A8-3850一択」である。
 ただ,A6-3650で,消費電力が確実に下がっている点は,それだけで十分なメリットであるともいえる。“チャット用”などのセカンダリ3Dオンラインゲームをひとまず起動しておくような小型PC用として考えるなら,A6-3650は相応に魅力的な製品だ。

日本AMDのVISION A6公式Webページ

  • 関連タイトル:

    AMD A-Series(Llano)

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