連載
マフィア梶田の二次元が来い! / 第27回:「ティエリアをペロペロするポケットヤンキーのトラウマ」
みなさん「機動戦士ガンダム00」の劇場版は見ましたか? 衝撃の展開でしたねぇ。ネタバレになっちゃうので詳しくは書きませんが……なんかこう,ハリウッド映画みたいなスケールのデカいストーリーで。今までにないガンダムの新しい形が見られて,俺は満足です。あと,やっぱりティエリアかわいい。ペロペロしたい。
ガンダム気分が盛り上がったところで,話題のガンダムカフェにも行ってみました。「ジャブローコーヒー」と「ティエリア×リボンズ」を注文したのですが,最初はジャブローコーヒーってどこらへんがジャブローなのか分からなかったです。店内で流れているCMを聞くと,アレなんですね。ジャブローで採れたコーヒー豆ってことだったんですね。俺はジャブローといえばズゴッグに腹をブチ抜かれるジムしか思い浮かばなくて,てっきり胃に穴が開くレベルのカフェインでも入っているのかと。とんだ想像をしていました。ゴメンなさい。
一方,ティエリア×リボンズは,まず名前からツッコミどころ満載ですよね。名前の並び順からするとティエリアがリボンズにツッコ……おっと危うく余計なことを言うところでした。まぁ味は非常に良かったのですが,食った後に「刹那×グラハム」のほうを注文して,中村悠一さん(グラハム役)に写メを送りつけてやれば良かったと後悔しました。本文に「グラにゃんペロペロ」とか書いて,中村さんに渋い顔させたかったですね。鎖骨折られそうですけど。
RADIO 4Gamerの第27回では,コンシューマでもオンラインゲームでもなく,今話題のiPhone / iPod touchで遊べるゲームを特集。ゲストにスクウェア・エニックスの安藤武博さんをお招きし,「ケイオスリングス」「聖剣伝説II」「ファイナルファンタジータクティクス 獅子戦争」についてお話を聞きました。
ちなみに安藤さんは,過去に「疾走、ヤンキー魂。」というオンラインゲームを手がけているのですが,実は俺,同作のレビューを担当していたんですよ。だから何気に初対面じゃないんですよね。ヤン魂。,(いい意味で)すっげぇイカレたゲームだったので非常に印象深いです。
まぁそんなゲームを作っていたわけですから,安藤さんも当然まともな人じゃありません。かなりエキセントリックな方です。おまけ動画を見てもらえれば分かると思いますが,「ポケットモンスター」の話題から「ポケットヤンキー」の企画が持ち上がったりもして,安藤さんノリノリです。
でも,これわりと本気でイケるんじゃないかと思うんですよ俺。「リーゼント」とか「バンチョー」とか「スケバン」とか集めて対戦させるの。期待してますよ安藤さん!
ここ最近,みっちりとしたゲーム特集をしていないので,今回は欲求不満解消にガチンコのレビューをお届けします。
取り上げるのは,PSP用ソフト「コープスパーティー ブラッドカバー リピーティッドフィアー」。本作は非常に前評判が高く,発売直後には全国で品薄状態になっていました。
しかし今では普通に買えるようになっているので,購入するタイミングを逃してまだプレイしていない人は,ぜひ今回のレビューを読んでみてくださいな。それでは,久しぶりにマフィア梶田の真面目な仕事をどうぞ。
8月12日に5pb.から発売されたPSP用ソフト「コープスパーティー ブラッドカバー リピーティッドフィアー」は,1996年に「第2回 アスキーエンタテインメント ソフトウェア コンテスト」のゲームツクール部門で最優秀賞を受賞したPC-9801用ソフト,「コープスパーティー」のリメイク作だ。
基本的には,Windows PC版「コープスパーティー ブラッドカバー」をベースにした作品なのだが,OP・EDテーマの追加や,キャラクターデザインのリファイン,そしてPSP版だけのお楽しみである“エクストラシナリオ”の導入など,さまざまな面でパワーアップしている。
そのショッキングな内容から,長年“コンシューマゲーム化は不可能”とまで言われていた「コープスパーティー」。CEROレーティング「D」(17歳以上対象)のPSP用ソフトとして生まれ変わった本作が,果たしてどんな作品に仕上がっているのか。ゲームの性質上,ストーリーや謎解き要素について,あまり詳しいことは書けないのだが……可能な範囲でその魅力と恐怖をお伝えしていこう。
なお,本作の導入ストーリーや登場キャラクターについては,以前掲載した「こちら」の体験版インプレッションで紹介しているので,予備知識のない人は本稿とあわせてチェックしてほしい。
インプレッションでもお伝えしたが,本作はホラーアドベンチャーゲームとは言っても,見下ろし型の2D RPGのようにキャラクターを操作して謎解きを行うという,ちょっと変わったシステムが搭載されている。プレイヤーは,チャプターごとに切り替わるキャラクターを操作して廃校内を探索しつつ,脱出に関する手がかりを探っていくのだ。
床が崩れて通れない場所に板切れを置いて橋を作ったり,貼り紙に書かれたメッセージを元に隠されたアイテムを見つけ出したりといった謎解きが満載だが,基本的には総当りで調べていけば必ず解決法が見つかる仕組みになっているので,謎解きそのものの難度はそう高くない。問題は,その間ずっとプレイヤーに付きまとう“不安感”のほうである。
昨今のホラーアドベンチャーゲームとしては珍しく,手描きのドット絵をメインとしたグラフィックスが非常に懐かしい雰囲気をかもしだしている本作。正直,移動画面などを一見しただけで「怖そう! おしっこもれひゃう!」と思う人は少ないだろう。
しかし,実際にプレイしてみれば嫌というほど分かるのだが……情報量を制限されたドット絵は,むしろプレイヤーの想像力をかき立て,「何が起こるか分からない」という不安や恐怖心をやたらと煽るのだ。
さらに本作には,バッドエンド直行のトラップが多くしかけられており,初見のプレイヤーは必ずといっていいほど何回もひっかかる。その度に「怪しい置物があるけど,トラップのスイッチだったらどうしよう」「仲間の様子がおかしい。本当に信用していいのか……?」などと,疑心暗鬼が深まっていくのである。
“恐怖”という感情は想像力と密接に関係しているだけに,場合によってはドット絵やイベントCGのほうが,3Dグラフィックスよりも大きな効果を発揮するものだなぁと,本作をプレイしていて強く思った。
なお,基本的に本作では,敵(悪霊や殺人鬼)に対抗する手段がほとんどなく,それらに出会ったら“逃げ”の一手しかない。ドット絵のゲームで,こういった不死の敵に延々と追いかけられる緊迫感と恐怖を味わったのは,個人的には「クロックタワー」以来だ。
それに加え,ホラーには欠かせない音響効果の数々も,実にいい仕事をしている。廃校の不気味な雰囲気も手伝って,ドアの開閉音や床が軋む音など,普段なら何でもないような音が,プレイヤーのハートを「これでもか!」と虐めにくるのである。アイテムを獲得したときに鳴るメロディまで不気味なのは,非常に意地が悪い。
一部の収録には「3Dダミーヘッドマイク」も使用されており,ヘッドフォンやイヤフォンを着けてプレイすることで臨場感が大幅に増す。ゲームへの没入感がより高まるので,ぜひとも体験してみてほしい。
しかしそれだけに,稀に音が遅れて聞こえてくるなど,SEの読み込みに若干の問題があるのが少々残念ではある。
また,曲数は決して多いとは言えないのだが,初代「コープスパーティー」から受け継がれてきたBGMのアレンジ版も,非常に完成度が高い。個人的には,とくにストーリー終盤で流れるバージョンが高評価だ。あの疾走感のあるサウンドは,恐怖に打ち勝つ勇気をプレイヤーに与えてくれるだろう。
本作では,Windows版「コープスパーティー ブラッドカバー」には存在しなかったイベントCGも多数追加されており,物語を効果的に盛り上げてくれる。キャラクターの可愛さを全面に押し出したシーンがあったかと思えば,次の瞬間には容赦のない残虐な光景がドカンと映しだされたりして,まったく油断できない。
ドット絵だけでも,盛大に血肉が飛び散っていたり,死後の弛緩によって糞尿が垂れ流されていたりと,驚くほどゴア表現がキツイのに,より情報量の多い一枚絵でも,プレイヤーを追い詰めてくれるのだ。
なお,本作はマルチエンディング方式となっており,チャプターごとにいくつかのエンディングが用意されている。その9割が悲惨なバッドエンドになっているという外道仕様で,トゥルーエンドに辿り着けた場合のみ,次のチャプターへと進める仕組みなのだ。
このトゥルーエンドに至る条件がなかなかシビアで,道中ひとつでもフラグを立て損ねると,バッドエンドが確定してしまう。まぁ,バッドエンドはバッドエンドで専用のイベントCGが用意されていたりするため,実はしっかり“攻略”の内なのだが。
とはいえノーヒントで分岐点を探らなければいけない場面も多く,そのあたりの難しさ(理不尽さ)は実に“昔のゲーム”っぽい。シナリオが面白いので繰り返しプレイは苦にならないのだが,欲をいえば,イベントシーンのスキップ機能くらいはほしかった。さすがに,バッドエンドを迎えるたびに同じイベントを見せられるのは,複数の意味でストレスを感じざるを得ない。
そこでアドバイスをしておくと,チャプターごとにセーブスロットが5枠用意されているので,必ずこまめに分けてセーブすること。チャプターによってはセーブした場所から戻れなくなり,詰むこともあるので要注意だ。
最後に,コンシューマ版の目玉とも言えるEXチャプターについても紹介しておこう。EXチャプターは,本編を進めたりバッドエンドを見たりすることで出現するショートシナリオだ。それぞれのボリュームは微々たるものだが,キャラクター達の意外な一面や関係性を知ることができる。主人公達がまだ平和な日常を送っていた頃の思い出や,過去の犠牲者達の辿った道など,本編をなぞるだけでは知ることのできない事実も隠されているので,真のクリアを目指すのならばぜひとも頑張ってコンプリートしてほしい。
前述のように,作りの粗い部分はチラホラあるし,グラフィックスやシステムがとくに優れているわけでもない。まるで低予算ホラー映画のような趣きで,良くも悪くもインディーズ色の強い作品だが,プレイヤーに「こまけぇことはいいんだよ!」と最後まで遊ばせてしまう魅力を持っているのも確かだ。懐古的な言い方をすれば,まだ怪作と名作の境界が曖昧だった頃の“古き良きゲーム”という印象だ。決してリッチな作りではないが,プレイヤーが想像力をフル回転させることで,ゲームの面白さは何倍にも高まる。
エログロ満載で絶望を煮詰めたような,容赦ないシナリオや演出は人を選ぶと思うが,ホラーゲームファンならば一度はプレイしておくべき傑作。とくに昔「スウィートホーム」などにハマった世代は,懐かしさも手伝って本作を十二分に楽しめるはずだ。
夏も終わり,季節は秋。しかしそんなことは関係ねぇ。天神小学校は春夏秋冬年中無休で,いつでも生贄を求めているのだから。忘れられぬ血肉色のトラウマがほしい人は,天神小学校へいつでもおいでませ。
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