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印刷2011/07/16 23:56

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台湾プロゲーマーが来日したTt eSPORTSの秋葉原イベントで,Thermaltakeの本気を見た

会場の様子。対戦イベント目当てで集まった人が多く,“いつものリナカフェ系PCイベント”とは明らかに客層が異なっていた
画像集#002のサムネイル/台湾プロゲーマーが来日したTt eSPORTSの秋葉原イベントで,Thermaltakeの本気を見た
 Thermaltake Technology(以下,Thermaltake)の日本法人である日本サーマルティクは2011年7月16日,秋葉原のカフェソラーレ リナックスカフェ秋葉原店においてゲーマー向け製品の販促イベント「Gaming Field 1st STAGE By Tt eSPORTS」を開催した。
 Thermaltakeが展開するブランドのうち,Tt eSPORTSのみにフォーカスしたイベントということもあり,内容はほぼ100%,PCゲームに特化したもの。同社が台湾で運営するプロゲームチーム「Tt APOLLOS」「SPECIAL FORCE」プレイヤーが来日し,NHN Japanがスポンサードする日本人プロゲーマー2名とエキシビションマッチを行ったり,来場者と対戦したりしていたが,本稿では,そんな同イベントの模様をまとめてみたい。


意外!? 若い一般参加者に

プロゲーマーが苦戦


正午のイベント開始に合わせて黙祷が捧げられた
画像集#003のサムネイル/台湾プロゲーマーが来日したTt eSPORTSの秋葉原イベントで,Thermaltakeの本気を見た
 さて,東日本大震災の被災者に対する黙祷とともに幕を開けた本イベント。目玉は,Tt APOLLOSのコーチであるZeus氏と,台湾初の女性プロゲーマーというAthena氏,そして日本人プロゲーマーであるTakahashi“SpyGea”Kei氏Araki“Yuti”Yusuke氏らと,来場者が戦える対戦会だ。用意されたPCは4台で,世界大会用に使われる特別版クライアントを使っての対戦となる。

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Tt APOLLOSのコーチを務めるZeus氏(左)と,台湾初の女性プロゲーマー,Athena氏(右)。マイクを口元に寄せてしゃべるのは台湾式だろうか
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NHN Japanと契約したSPECIAL FORCEのプロゲーマー,SpyGea氏(左)とYuti氏(右)

デスマッチの様子
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 主催側の準備不足もあってか――もっとも,初開催ということを考えると日本サーマルティクはがんばっていたとも思うが――試合形式は5kill先取→10kill先取→15kill先取といった具合に二転三転していたが,それにしても参加者の若いこと。筆者と担当編集が見る限り,参加者は半数以上が中学生かそれ以下といった具合で,若い世代にFree-to-Play型FPSが確実に浸透しているのが見て取れた。

シングルバトルとは別に,Tt APOLLOS対一般参加者2名の2on2も行われたが,さすがに普段から5on5のチーム戦に慣れているプロゲーマー,こちらではTt APOLLOS側が順当に勝利を収めていた
画像集#009のサムネイル/台湾プロゲーマーが来日したTt eSPORTSの秋葉原イベントで,Thermaltakeの本気を見た
 ただ,若さ以上に驚かされたのは,そのプレイの巧さだ。正直,始まる前はプロゲーマーが圧勝して終了なのではないかと高をくくっていたのだが,一般参加者はいずれもSPECIAL FORCEをプレイし慣れており,プロゲーマーがスコアトップを取り逃し,一般参加者が勝利賞のTt eSPORTS製品をゲットするという大番狂わせが何度も起こっていた。
 もっとも,“一般”参加者のなかに,2008年のSPECIAL FORCE日本代表メンバーがいたりしたので,その点,プロゲーマー側からすると誤算だったかもしれないが。

2on2にあたって作戦を練っている(と思われる)Zeus氏とAthena氏
画像集#010のサムネイル/台湾プロゲーマーが来日したTt eSPORTSの秋葉原イベントで,Thermaltakeの本気を見た
 冒頭で紹介したとおり,イベントでは,Tt APOLLOS対日本人プロゲーマー2名のエキシビションマッチも行われている。マップは「NERVE GAS」で,5ラウンド勝負を攻守交代で2回行い,都合6ラウンド先取したほうが勝利となる。
 そもそも通常版のSPECIAL FORCEにない設定で,かつ,世界大会のレギュレーションにもない2on2という対戦形式のため,4名ともやや戸惑い気味だったが,試合は常に日本側が優勢。SpyGea氏のみスナイパー装備で,残る3名はアサルトライフルの「M4A1」装備だったが,武器を分けたコンビネーションがうまくいったのか,前半戦で4−1。後半もそのまま日本側が連取して試合を決めた。Athena氏は現役バリバリだが,Zeus氏はコーチなので,連携面が勝敗を分けた格好といえるかもしれない。

両チームによるガチ対戦中の様子。Tt APOLLOS側も勝敗が決した後のラウンドを2本取るなど健闘していたが,エンジンのかかるのがちょっと遅かったようにも見えた
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 対戦後,4名はTシャツを交換し合って健闘を称えていたが,とくにZeus氏,Athena氏がともに日本側のスナイピング精度やチームワークを褒めていたのは印象的だった。「台湾のプロ相手に通用するかも」という発言まであったので,8月に行われるSPECIAL FORCEの世界大会日本代表決定戦と,その先の世界大会の結果にも期待したいところだ。


アイドル的な人気を誇る台湾プロゲーマー

Thermaltakeの本気度もアピールされる


Tt APOLLOSの紹介。スライドによれば15名が所属していることになるが,Zeus氏は16名と述べていた。コーチである氏を入れて16名なのかもしれない
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 イベントではTt APOLLOSのチーム紹介も行われた。
 Tt APOLLOSは,台湾のプロゲームリーグで,毎週,試合のテレビ中継も行われているというTeSL(Taiwan eSPORTS League)で,5番めに加入したチームとのこと。ゲーム会社以外の企業がフルサポートするチームとしては台湾初だそうだ。

 現在はAthena氏がプレイするSPECIAL FORCEのほか,「StarCraft II: Wings of Liberty」,そして台湾では高い人気があるという「Kart Rider」のゲーマーが所属しており,メンバー数は合計16名。平均年齢は19歳だそうだから,フレッシュなメンバーが揃っていると述べていいだろう(※コーチのZeus氏のみ例外的に27歳)。
 プロゲーマーという職業は台湾でアイドル的な人気があるそうで,Tt eSPORTS製品の専門店兼(ゲームメインの)ネットカフェとして台北市にオープンした直営店「DRAGON STORE」では,選手のブロマイドが販売されているとのこと。また,選手のファンクラブまでもが存在しているというから,その人気はかなりのものだと言っていいのではなかろうか。

DRAGON STOREと,オープン初日の様子を示したスライド。現地におけるTt APOLLOSの人気の高さは相当なもののようだ。Tt eSPORTSは,Tt APOLLOSをブランドとして育てていく意向を示しているので,今後,チームが大きくなって,日本でもチームが誕生したりすると,日本でもショップがオープンする可能性も!?
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Tt APPOLOSの日常と戦績。衣食住が保証され,給料も出るという点にあこがれる人も多そうだ
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 なお,Tt APOLLOSのメンバーは,女性であるAthena氏を除いて,全員が寮で共同生活し,チームワークの強化に取り組んでいるという。生活に必要なものはすべてThermaltakeから提供されているとのことだ。

 練習はなかなかハードで,バスケットボールなどの運動で体力作りをしつつ,例えばSPECIAL FORCEチームの場合,午前中のノルマとして「一般サーバーのデスマッチで30回連続して1位を取る」というものが課せられており,ノルマをこなせなければ午後の練習には参加させてもらえないほどの厳しさになっているという。1日あたりの総練習時間は10〜12時間に及ぶそうで,その要求水準の高さには驚くほかない。TeSLのチャンピオンを目指すためには,それくらい大変な練習をこなす必要があるのだろう。

「Own Product」「Own Team」「Own Event」の「3Os」がTt eSPORTSのキーワード
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 このほか,イベントではThermaltakeがTt eSPORTSブランドをアピールしていたが,それによると,そのキーワードは「3Os」(スリーオーズ)。これは,「Own Product」「Own Team」「Own Event」を意味しており,言い換えるなら,「自前のプロゲームチームたるTt APOLLOSや,世界各地で主催するゲームイベントからフィードバックを得て,それらを反映させた自社製品を展開できる」といったところだろうか。
 WCG(World Cyber Games)をはじめ,大小さまざまな大会をスポンサードし,そこからもフィードバックは得ているという。

 「それだけフィードバックがあるならマウスの錘(おもり)はなんとかしてくれ」という気はしなくもないが,それは今後に期待といったところか。少なくとも,Thermaltakeが,Tt eSPORTSというブランドに本気なことは十分に伝わるイベントであったように思う。

MMO&RTS向けとして7月に発売されたワイヤードマウス「Tt eSPORTS BLACK Element」。触って試せるようになっていた
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トラッキング解像度最大1600DPIの光学センサーを搭載する左右対称型のシンプルなワイヤードマウス「Tt eSPORTS AZURUES」も試用可能だった
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びっくりするほど横長のワイヤードキーボード「Tt eSPORTS MEKA G Unit」。メカニカルキーボードで,メインキーボードの左側に拡張キーを搭載した多機能仕様になっているのは珍しい。[W/A/S/D]キーなどいくつかのキーだけバックライトが光る状態で展示されていた
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6月下旬に発売となったアナログ接続型ヘッドセット「Tt eSPORTS SHOCK Spin」(左,中央)。マイクはクリップ式だ。右は「DTS 7.1ch対応」が謳われるバリエーションモデルで,国内未発売の「Tt eSPORTS SHOCK Spin HD」。7.1chはバーチャルサラウンドサウンドで実現される
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単体販売もされる予定という5インチベイ×2対応のDIY液冷ユニット「BigWater 760 Plus」(左)。LGA1366・LGA1155・LGA1156やFM1・AM3+・AM2といった主要CPUパッケージに対応する。Thermaltakeは,ゲーマー向けPCケース「Level 10 GT」に標準搭載した「Level 10 GT LCS」も準備中だ(中,右)
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液冷クーラーといえば,メンテナンスフリーの一体型となる「BigWater A80」も搭載されていた(左,中)。太いパイプで,流量を確保し,冷却能力を引き上げているという。右はLevel 10 GTのホワイトモデル「Level 10 GT Snow Edition」
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Tt eSPORTS日本語公式Webサイト

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