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ASUS,Sandy Bridgeに対応したP67&H67マザーの情報を公開。次世代R.O.G.モデルの予告も
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印刷2010/11/15 00:00

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ASUS,Sandy Bridgeに対応したP67&H67マザーの情報を公開。次世代R.O.G.モデルの予告も

P8P67 Deluxeの動作デモ
画像集#002のサムネイル/ASUS,Sandy Bridgeに対応したP67&H67マザーの情報を公開。次世代R.O.G.モデルの予告も
 2010年11月15日0:00,ASUSTeK Computer(以下,ASUS)は,Intelの次世代CPU「Sandy Bridge」(サンディブリッジ,開発コードネーム)対応マザーボードで,「Intel P67 Express」(以下,P67)もしくは「Intel H67 Express」(以下,H67)チップセットを搭載する,

  • SABERTOOTH P67
  • P8P67 Deluxe
  • P8P67
  • P8P67-M EVO
  • P8H67-M EVO
  • P8H67-I Deluxe

計6製品の存在を公表。併せて,新製品におけるASUS独自機能の説明と,「R.O.G.」ブランドを冠する製品の予告を行った。
 4Gamerではさらに,そのなかからP8P67 Deluxeを細かくチェックする機会も得られたので,要点をまとめてお届けしたいと思う。

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SABERTOOTH P67。極めてユニークな外観だが,詳細はのちほど
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P8P67 Deluxe。P67マザーボードの上位モデルだ。こちらも詳細は後述
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P8P67。P67を搭載するATXフォームファクタのスタンダードモデルとなる
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P8P67-M EVO。microATXフォームファクタのP67マザーボードだ
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P8H67-M EVO。CPUに統合されたグラフィックス機能に対応するH67モデル
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P8H67-I Deluxe。Mini-ITXフォームファクタのH67採用製品である

 なお今回,ASUSはSandy Bridgeやチップセットといった,Intel製品の仕様に言及することは慎重に避けており,それらは一切明らかになっていない。その点は注意しておいてほしい。


ASUS新世代マザーのキモは

「DIGI+ VRM」と「EFI BIOS」か


 さて,結論めいたことからいうと,Intel 6シリーズにおけるキモとなる要素は,おそらく,以下の2点だ。

  • DIGI+ VRM
  • EFI BIOS

DIP2の概要
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 DIGI+ VRM(ディジプラスVRM)は,「Dual Intelligent Processors 2」(デュアルインテリジェントプロセッサ2,以下,DIP2)の一要素として提供されるものだ。
 ASUS製マザーボードの中上位モデルでは,かねてより,「Dual Intelligent Processors」(DIP)として,

  • CPUやチップセット,GPUの動作電圧を負荷に応じて制御し省電力化を図るという「EPU」
  • オーバークロックの設定にあたり,CPUを介さずにクロックジェネレータの設定を行うマイクロプロセッサ「TPU」

が提供されてきた。そしてDIP2では「デジタルVRMとしてのDIGI+ VRMがEPU側に追加された」のがトピックになる。

DIGI+ VRMの解説を行ったPayton Lin氏(Senior Engineer, Project Dept., Motherboard Div.1, Motherboard Business Unit, ASUSTeK Computer)。ASUSのエンジニアが公式の場で報道関係者の前に姿を見せることは極めて珍しい
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 アナログVRMで,電源部のきめ細かな制御を行うためには,回路上の工夫が必要になる。そのため,(そこまでのコストをかけられない)アナログVRMでは,多段フェーズのマザーボードであっても,「4/8/16」といった,数段階刻みの制御方式を採用することが多かった。これに対してデジタルVRMなら,アナログ的な労力をかけることなく,プログラムを書くだけでフェーズ数の制御が可能だ。

 ASUSのエンジニアであるPayton Lin(ペイトン・リン)氏は,DIP2において,1フェーズ刻みの制御ができるようになっており,電源効率は従来と比べて格段に向上したとアピールする。
 なお,DIGI+ VRMを搭載するのは,「後から登場する廉価版を除く,ATXフォームファクタを採用したP67搭載モデルのすべて」(ASUS)とのことだった。

DIGI+ VRMの“効能”いろいろ。「Spread Spectrum」の制御方法を変更し,電磁波の影響を抑えて,システムの安定性向上に寄与するとか,スイッチング周波数を,必要に応じて細かく制御できるようになったとか,アナログVRMではコストの問題で実装できなかったような部分を制御できるようになったとかいったあたりが見所だろうか。BIOSアップデートで,挙動の調整や,より高い動作クロックのCPUに対応しやすくなるというメリットを生むかもしれない
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EFI BIOSの概要。BIOSに代わるものがEFIなので,EFI BIOSという表記はどうなのとも思うが,BIOS的な機能を搭載するものとして,分かりやすさを重視したということなのだろう
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Mark Chen氏(Product Manager, Product Marketing Dept.1, Motherboard Business Unit, ASUSTeK Computer)
 次にEFI BIOSだが,これは要するに,長らく「次世代BIOS」と呼ばれてきた「EFI」(Extensible Firmware Interface)のことだ。16bit時代の仕様を踏襲するため,機能面やメモリ容量面の制約を受ける従来的なBIOS。これに代わってハードウェアとアプリケーションの間に立つファームウェアとして,2004年に立ち上がったのが,EFIである。

 今回,製品の概要を紹介したASUSのプロダクトマネージャー・Mark Chen氏は「Intelのガイドラインに従った」と,Intel 6シリーズチップセット搭載マザーボードでBIOSに代わってEFIを採用した理由を述べていたが,エンドユーザーに直接影響する最大の特徴は,いわゆるBIOSメニューのUIがグラフィカルになり,マウス操作も可能になったことだろう。
 EFI BIOSでは,「最もよく使われる機能や設定をまとめた」(Chen氏)という「EZ Mode」と,従来のBIOSと同等の設定を行える「Advanced Mode」が用意され,両者は簡単に切り替え可能。なお,EFI BIOSは,ASUSのIntel 6シリーズマザーボード全製品で採用されるとのことだ。

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EZ Mode。大きく分けて3段構造になっており,上段に各種情報,中段にシステム状況,下段にいわゆる「Boot Priority」が並ぶ。マウスのドラッグアンドドロップでストレージデバイスの起動優先順を変更できるのは便利かも。なお,言語は日本語も選択できた
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こちらがAdvanced Mode。見栄えがよくなったほかは,旧来的なBIOSと同じ選択項目が並んでいる印象だ。ちなみにこのデモはP8P67 Deluxeで行われたが,動作しているEFIはAmerican Megatrends製だった

 このほかChen氏は,P8P67 DeluxeとP8P67でサポートされる「BT GO!」,Intelのガイドラインに沿って設計したとされ,P8P67 Deluxeに付属する「USB 3.0 Box」,そして,従来からあるASUS独自機能を1つのソフトウェアから一括制御できる「AI SUITE II」も紹介している。

Bluetooth接続のスマートフォンと連動できるBT GO!。PCとBluetoothデバイス間のファイル共有をを行ったり,BluetoothデバイスでPCを操作したり,PCをBluetoothデバイスのルータ代わりに使ったり,スケジュールを同期したりといったことが行える。日本におけるBluetoothの利用率を考えると,少々微妙か
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新しいユーザーインタフェースを採用した統合管理ソフトに,従来からあるASUS独自機能の制御機構を統合したというAI SUITE II。詳細は明らかになっていないが,そのコンセプトはアリだろう
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マザーボード全体をカバーが覆うSABERTOOTH P67

次期R.O.G.はサウンド&ネットワークに注力!?


 さて,冒頭で示した写真のなかで異彩を放っているのがSABERTOOTH P67であることに異を唱える人はいないと思うが,これは,軍用基準を満たしたチョークやコンデンサ,MOSFETを搭載し,サーバー製品と同等の信頼性を獲得したと謳われる「TUF」(The Ultimate Force)ブランドの新製品だ。

TUFブランドの概要とターゲットユーザー。基本的にはコンテンツ制作系やオシゴト系が対象とされるが,オーバークロックに興味がなく,とにかく安定したゲーム環境を求めるゲーマーにとっても選択肢となるだろう
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 基板を覆うカバーは,「兵士の身体を守り,かつ必要なものが詰まっている軍用ベストをイメージした」(Chen氏)ことから,「Tactical Vest」と名付けられているが,これは基本的に,CPUクーラーや,別途取り付け可能なTactical Vest用ファンからのエアフローを誘導するためのものだそうだ。とくに,右の写真でCPUの下部,ファンを取り付けられる部分には熱を持つチップもあるので,そこに風が流れるよう,配慮しているとか。
 また,2スロット仕様のグラフィックスカードが発する熱がマザーボードの基板に伝わるのを防ぐ役割もしており,結果,マザーボード基板上の温度は一般的なマザーボードと比べて3〜5℃低くなっているという。

トップフロー型クーラーからのエアフローを整え,冷却能力を効率化するというTactical Vest。サイドフロー型クーラーの利用時や,さらなる冷却能力を求める場合には,追加のファンも取り付けられる。同時に,Tactical Vest自体が,グラフィックスカードの熱からマザーボード基板を保護する機構としても働くという
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Tactical Vestでは,“空気穴”の空いているところとそうでないところが用意されている。一方,背面は意外に普通だった
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一般的なマザーボードと比べて2倍近い数の温度センサーを搭載し,集中管理できる「TUF Thermal Rader」も紹介された。これも,長時間の安定動作を目指すための機能として訴求されるようだ
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 さて,4Gamer読者的に最も気になるであろうR.O.G.だが,冒頭でも軽く触れたとおり,今回は情報が開示されたのみ。ただ,

  • P67搭載モデルとして「Maximus IV Extreme」が用意され,本製品ではオーバークロック向けの機能として「GPU TweakIt」「ROG BIOS Print」が採用されること
  • 「P67の次」(Chen氏)のFormula製品で,ヘッドフォンアンプと「NPU」(Network Processing Unit)なるLANコントローラをともに実装したカード「ROG Thunderbolt」(開発コードネーム)の採用を目指していること

が明らかになったのはニュースと言えそうだ。

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R,O.G.マザーボードと接続した別のPCから,オーバークロック設定を行える「RC TweakIt」に,GPUのオーバークロック機能たるGPU TweakItが追加される予定とのこと
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BIOS(EFIだが)のスクリーンショットを撮って,USBフラッシュメモリに保存できるROG BIOS Print。BIOSをこまごまと設定するにあたって,これは相当に便利かもしれない
「ゲーマーの多くはヘッドセットやヘッドフォンでゲームサウンドを聴く」「オンラインでゲームをプレイするにあたってはネットワークの遅延がゲーム体験を大きく左右する」というデータから,ROG Thunderboltを準備中だとChen氏。ただ,過去の経験からすると,NPUについては不安がないでもない
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ちなみにこれがR.O.G.マザーボードの位置づけ。紆余曲折あったが,現在,Extremeはオーバークロッカー向け,Formulaはゲーマー向け,Geneはそれらの入門用的な立ち位置になっている
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Maximus IV Extremeが予告されるスライド。R.O.G.製品は方向性によって付属品が異なるため,Extremeモデル=全部入りではないと,Chen氏は注意を促していた


P8P67 Deluxeを写真で見る


製品ボックスも用意されていた
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 ここからは,じっくり撮影する時間が取れたP8P67 Deluxeの写真をお届けしたい。
 こうやって情報が開示された以上,限りなく製品版に近いレベルの個体とは思われるが,あくまでも未発表のマザーボードなので,最終的に仕様変更される可能性がある点はご注意を。
 また,チップセットの撮影は許可されなかったため,そのあたりの写真がない点も,あらかじめお断りしておきたいと思う。

P8P67 Deluxe。今回の説明会では,一般的な自作PCユーザー向けハイエンドモデルとして紹介された,メモリスロットはDDR3-2400/2133/1866のほかPC3-12800〜8500に対応する
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拡張スロットはPCI Express(以下,PCIe)2.0 x16 ×3,PCIe 2.0 x1 ×2,PCI×2で,青と白のPCIe 2.0 x16スロットは16+0+もしくは8+8レーン動作し,NVIDIA SLIおよびCrossFireX両対応。黒いPCIe 2.0 x16スロットは4レーン動作となる
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電源部は16+2フェーズ仕様。写真左,ヒートシンク部にDIP2搭載を示すアルミプレートが貼られていることからも分かるように,EPU&DIGI+ VRMとTPUを搭載。負荷に応じ,自動的に1刻みで動作するフェーズ数が切り替えられる
面白いのは,EPUとTPUの有効/無効をそれぞれ単独で切り替えるハードウェアスイッチが搭載されていること。従来,EPUやTPUは自動的に有効化されているが,「制御用ソフトをインストールしないと有効にならない,ソフトウェア的な機能」と誤解するユーザーが多かったため,手動でオン/オフできるようにしたとのことだ。もちろん,AI SUITE IIに統合された制御機能から,挙動は細かく設定できる
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オンボードの各種コントローラ群。ルネサス エレクトロニクスのUSB 3.0コントローラ「μPD720200」(D720200F1),Intel製の1000BASE-T LANコントローラ物理層「Intel 82579」,Realtek Semiconductor製の1000BASE-T LANコントローラ「RTL8111E」,VIA Technologies製のIEEE 1394aコントローラ「VT6315N」,Realtek Semiconductor製のHD Audio CODEC「ALC889」が見える
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I/Oインタフェース部。Intel製の物理層を利用する端子はデコレーションされている。左から3列めに見える青い突起はBT GO!用のBluetoothコントローラ(Version 2.1+EDR)だ。eSATAはボード上に搭載されるJMicron Technology製コントローラ「JMB362」で実現
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Serial ATAポートは3色に色分けされているが,グレー(×2)はSerial ATA 6Gbps,水色(×4)はSerial ATA 3Gbps,青(×2)はSerial ATA 6Gbpsとされる。また,青はMarvell製コントローラ「88SE9128」によるものだそうなので,ということは……
Intelのガイドラインに沿って設計されたというUSB 3.0ヘッダピンと,ルネサス エレクトロニクス製コントローラ(左)。右が付属の,PCケース前面引き出し用インタフェースボックスだ
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このほかでは,ASMedia製のPCI Express−PCIブリッジ,Nuvoton製のSuper I/Oコントローラ,PLX Technology製ブリッジ「PEX 8608」(型番:PEX8608-BA50BC G)が目立ったオンボードチップと言えるだろうか。PEX 8608は,ASUS製Intel 5シリーズチップセットマザーボードの一部で搭載され,「PCIe 2.0 5GT/sの帯域幅でUSB 3.0やSerial ATA 6Gbpsコントローラを利用できる」と謳われていたものだ
画像集#056のサムネイル/ASUS,Sandy Bridgeに対応したP67&H67マザーの情報を公開。次世代R.O.G.モデルの予告も 画像集#057のサムネイル/ASUS,Sandy Bridgeに対応したP67&H67マザーの情報を公開。次世代R.O.G.モデルの予告も
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