企画記事
コアゲーマーが満足できるソーシャルゲームはコレだ! 年末年始の休暇どころか,その先もどっぷりハマれるお勧めタイトルを紹介
テレビを観る人なら,その名前を聞かない日はないと思われる「GREE」 |
流行っているだけに,発表されサービスされるソーシャルゲームの数は非常に多い。そのうえ,似たようなゲームが氾濫しているというのが実情だが,なかにはしっかりとした作品も存在する。「ソーシャルゲーム=携帯電話でボタンを押すだけのアプリ」という見解は,現実をのそれを反映してはいない。
というわけで今回は,「ヘビーゲーマーもガッツリ楽しめるソーシャルゲーム」をピックアップして紹介する。まだソーシャルゲームに触れたことがない人は,この長めの休みを利用してぜひ体験してもらいたい。ソーシャルゲームが「食わず嫌い」になる前に。
そもそもソーシャルゲームとはなにか
ニコニコ動画は,ユーザーが交流する機能(ニコニコミュニティ)を持っている。つまり,SNSとしての機能もあるのだ |
ここでそうも言っていられないので,「俺が本当のソーシャルゲームを見せてやる(凄腕料理人風)」なんてわけではないが,まずは本稿限定の定義をしてしまうことにしよう。
・その1 SNS(ソーシャルネットワーク)内でプレイできるもの
どこまでがSNSかという問題があるものの,SNS的なサービスと連携していない作品は本稿では,ソーシャルゲームの範疇に含めない
・その2 専用クライアントを使用しないもの
世の中にはMMORPGのように専用クライアントを使うソーシャルゲームも存在するが,今回はブラウザ(最新のFlashが動くもの)だけでプレイできるゲームに限定する。
また,これはソーシャルゲームとは何かという問題とは関係ないが,今回の記事では「PCでプレイできる作品」を多くピックアップした(本誌読者は基本的にPCでガリガリとゲームを遊ぶ人が多いと想定したため)。
以上が本稿におけるソーシャルゲームの定義だ。まあ,ひどく曖昧ではるが,「それくらいソーシャルゲームは多様化している」と理解していただければ幸いだ。
さて,難しい話はさておき,実際にソーシャルゲームにはどんなものがあるのだろう? 正確な分類よりも,コアゲーマーとしての利便性を重視してジャンル分けをしつつ紹介しよう。
カジュアルゲーム型
今でも安定した人気を有するカジュアルゲームを,そのままSNS上で遊べるようにしたり,あるいは多少のアレンジを加えてソーシャルゲームとして提供したりするパターンのもの。ちなみに2006年に書かれた記事で奥谷氏が,「カジュアルゲームの定義を明確にするのは難しい」と書かれているのが実に感慨深い。もちろん,ソーシャルゲームとして提供されることを前提として構築されたカジュアルゲームも存在する。
・ビジュエルド・ブリッツ(mixi,Facebookでプレイ可能)
ビジュエルド・ブリッツ(個人名およびアイコンが表示される範囲にはモザイクをかけている)。中毒性の高さは驚異的だ |
「ビジュエルド・ブリッツ」は,ハイスコアの管理方法が面白い。スコアはSNSのフレンド間だけでの競争となり,「このゲームを遊んでいる世界中のユーザー」との競争ではない。また,ハイスコアは一週間ごとにクリアされてしまう。
スコアが消えると書くとなんだかマイナスポイントのような印象を受けるかもしれないが,ここがミソ。「先週はあのフレンドに負けたが,今週は勝った」という時限型の競争が発生するのだ。運の要素に左右される部分もあるゲームだが,たまたま叩き出された驚異的ハイスコアが,不抜の壁として立ちはだかるといった展開にはならない(技術の差によって数十万点レベルの点差がつくゲームでもあるが)。
また,初心者でもハイスコアを記録することがあるし,上級者だからといって常に高得点を叩き出せるわけではない。このあたりの運とスキルのバランスが絶妙で,それがまたなんともいえない中毒性の高さにつながっている。
自分のスコアは点数帯域(2万5000点,5万0000点,7万5000点といった感じ)で分類され,どの帯域の点数を何回とったかの記録が残っていく。このため「実績解除」を集めていくというタイプの楽しみもあるが,どちらかというと「こんなにプレイしているのか!」と恐れおののく記録になることのほうが多いような気がする。
ハマる人はとことんハマるゲームだと思われるので,「年末年始は新しいMMORPGをじっくり遊ぼう」といった計画を立てているのであれば,まあ避けたほうがいいだろう。
・対戦ZooKeeper(Yahoo!モバゲーでプレイ可能)
対戦ZOOKEEPER。二人同時にプレイするが,対戦相手のプレイの過程は表示されず,結果のみが比較される |
1ゲームは短時間で終わるが,レーティングシステムによってかなり「ガチ」な対戦が楽しめる。むしろガチすぎて,気軽にプレイという気分になれないかもしれない。だが,ガチな対戦なだけに,勝ったときの「してやったり感」はかなり大きい。もっとも,負け続けるとそれなりにストレスが溜まってしまうが。まあ,勝てばいいのさ,勝てば!
・ニコッと釣り(ニコッとタウンでプレイ可能)
激しく動きまわる青い魚影が,ピンクのサークルの内側に入ったらクリック。ヘッドショットを狙う必要まではない |
釣りの道具やエサを用意して,「センターに魚影をおさめてクリック」で獲物を釣りあげる。簡単に説明するとこれだけで済んでしまうことから,「クリックする/ボタンを押すことしかできないゲーム」の代名詞として扱われることが多い。だが,ここはあえて声を大にして異を唱えたい。じつは,ゲームの構造としては「FPSでひたすら待つスナイパー」とほぼ同じなのだ。また,いわゆる“大物”を釣り上げたときは,FPSのスナイプとは違った快感を得られるのも魅力。というわけで,FPSでスナイピングに快感を覚える人にはぜひプレイしてもらいたい。一度遊んでみれば,きっと同じような興奮を味わえるはずだ。魚だけど。
トラビアン型
「OGame」に始まり「トラビアン」で日本でも広く認知されたスタイルのゲームを,SNS上でプレイできるようにしたもの。一般にはブラウザゲームと呼ばれるジャンルだが,ここではそのなかでも最も人気のあるトラビアンスタイルのゲームに限定する。
RTSのようにリアルタイムで資源が産出されていくので,それを使って資源産出量を増やす施設を建てたり,軍隊を作ったりしていき,ほかのプレイヤーと戦っていく。資源の生産速度や,建物や軍隊を用意する速度が遅い(1時間以上かかることもある)ので,手すきの時間にログインして,各種指示を出す必要がある。
OGame。無料でもプレイ可能だが,基本的にはがっつりと課金して暴れまわって楽しむゲームと認識したほうがいい |
トラビアン。ブラウザゲームが日本で流行するきっかけを作った作品だが,数は力&油断は禁物のシビアなゲームでもある |
とはいえ,ほかのプレイヤーの根拠地に軍隊を差し向け,そこでの戦闘に勝利すればそのプレイヤーの資源を奪えたり,プレイヤーの生産設備などを破壊できたりもする。このため敵対的なプレイヤーの軍隊がこちらに向かっているかどうかを知ることは大変重要で,結果的に長時間ログインしているプレイヤーのほうが有利にはなる。詳しくは「こちら」)。
・ブラウザ三国志(mixi,Yahoo!モバゲーなどでプレイ可能)
トラビアンほど厳しくはないが,コアゲーマーでも満足できる仕組みがある |
一番の特徴は武将がカード化されていることで,戦闘で得た経験値によって成長させられる。三国志の有名武将が数多く収録されているので,人物に思い入れのあるプレイヤーにも楽しめるし,スキルや能力値の組み合わせという面でゲーム的な攻略を詰めていくこともできる。なお,カードはランダムで供給されるので,射幸心が煽られるのもポイントだろう。とはいえ,あまり強くないカードを引いてしまっても,合成といった使い道があるのが嬉しい。
三国志の有名武将が数多く収録されているのも魅力の一つ |
また,ゲームのサイクルが短いのも特徴で,現状では4か月でサーバーがリセットされる。ランキング上位の人はそのまま居座り続けたいと思うかもしれないが,それでは相手がいなくなってしまう。この程度でゲームに区切りがつくのはむしろありがたい。
なお,トラビアン系タイトル全般にいえることだが,本気で勝ちたかったらPCに張り付き,それなりのお金を投じる必要があるのは事実だ。「やるからには勝たなければ!」というスタンスの人は,それなりの覚悟がいるかもしれないのでご注意を。
・Kingdoms of Camelot(Facebookでプレイ可能)
Kingdoms of Camelot。基本的なゲーム構造はトラビアンだが,ほかのプレイヤーから襲撃を受けてもダメージは小さい |
ソーシャルゲーム型
非常に乱暴ながら,上記2つの型に当てはまらない作品を指す。このジャンルがソーシャルゲームのいわば本丸であり,新しいスタイルの作品が日々生まれている。とはいえゲーマーにとってはいささか物足りない作品と映るものも少なくない。というわけで,ここではヘビーゲーマーが歯ごたえを感じる作品を中心に紹介する。
・Mafia Wars(Facebookでプレイ可能。英語のみ)
Mafia Wars。これは最新拡張部分の「Italy」。いよいよマフィアの本場(?)に踏み込んでいくことになる |
トラビアン系ブラウザゲームは,有料アイテムに頼らない限り,1日アクセスしなければゲームからほぼ脱落,3日アクセスしなければ完全に除外されてしまうのが当然といった風情がある。それはそれで独特の面白さはあるものの,「自分の時間にあわせて楽しめる」「1日10分で楽しめる」といった売り文句からはあまりに遠いところに位置することになる。そういった点をうまく解消したのがMafia Warsだ。
詳しいシステムは以前掲載した記事を見てほしいが,多人数で同時にプレイしているオンラインゲームでありながら,「本当に遊びたいときにだけ遊べる」というシステムは,従来のブラウザゲームを根本から揺るがしたと言っていいだろう。ちなみに筆者は,半年近くみっちりと遊んでいた。
アイテムなどを購入するための資金源を構築していく部分は,「自分の村」を作っていく感覚に近い |
バンコクやモスクワ,キューバなどの舞台もある |
また,遊びたい/遊べる時間に集中的にプレイできるのも魅力で,従来のブラウザゲームにありがちだった「1コマンドを入力したら,次は1時間後」といった形でプレイを制限されないことも強みだ。
コンテンツの量はかなり多く,ジャンル創成期を作っただけあって,ちょっとやそっとでは遊びきれない。いわゆるやり込み要素の多さは同系統のゲームのなかでは群を抜いている。一時期はよりハイレベルの人がプレイすることを前提とした拡張コンテンツが増え続けていたが,最近では低レベルのうちから楽しめる(そして高レベルにも対応している)コンテンツが追加されているので,これから始める人も十分に楽しめるだろう。英語ということで若干ハードルが高いかもしれないが,ぜひ一度はプレイしてほしいソーシャルゲームの一つだ。
・FIFA Superstars(Facebookでプレイ可能。英語)
FIFA Superstars。さすがはEAという完成度の高さ。ただしちゃんと遊ぶためには結構な資金投下が必要になる |
・サカつくG (GREEでプレイ可能。携帯電話専用)
GREEでプレイできる「サカつく」のソーシャルゲーム版。サッカーファンの心をつかむ仕掛けが多い |
ソーシャルゲームのこれから
「QUAKE LIVE」。こういったFPSもブラウザでプレイできる |
一方,ブラウザができる領域も広がっている。最近ではブラウザ上で動くMMORPGもいくつか登場しているし,「QUAKE LIVE」のようにオンラインFPSをプレイすることだってできる。ブラウザがゲームのプラットフォームとなり,また同じブラウザの上でSNSのようなコミュニティ機能が動くのだから,今後これらが融合していく可能性は高いだろう。そもそもMMORPGはソーシャルなゲームなのだし,オンラインFPSにしてもクランといった形でソーシャルな性質を持っている。もともと親和性は高いのだ。
今回紹介した作品では,「ビジュエルド・ブリッツ」がこの短時間化の類型もしくは発展系といえる。そして多くのソーシャルゲームは,現状においてもっとも短時間でプレイできるゲームでもあるのだ。
ソーシャルゲームは,その名前を得て数年という新興のジャンルだ。これがどのように育つのか,どのように変化するのかは,まだまだ未知数といえる。「ソーシャルゲームはゲームではない」あるいは「ソーシャルゲームはこうでなくてはならない」と決めつけるのではなく,その変化や発展にあわせて楽しんでいくのがいいだろう。まあ,ソーシャルゲームは基本的に無料で始められるので,そんな小難しいことは考えず,まずは気軽にプレイして,自分の好みに合うものを見つけ出してほしい。きっとソーシャルゲームならではの楽しさに出会えるはずだ。
- 関連タイトル:
Yahoo! Mobage
- 関連タイトル:
Mafia Wars
- 関連タイトル:
ブラウザ三国志
- 関連タイトル:
mixiアプリ
- 関連タイトル:
Nicotto Town -ニコッとタウン-
- 関連タイトル:
Facebook向けアプリ
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