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World of Tanks公式サイトへ
  • Wargaming.net
  • 発売日:2011/04/12
  • 価格:基本プレイ無料+アイテム課金
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World of Tanks
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印刷2011/01/24 13:33

連載

海外ゲーム四天王 / 第74回:「World of Tanks」(前編)

海外ゲーム四天王 〜戦うおじさん〜
第74回:今週の粘着榴弾:「World of Tanks」(前編)
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 ベラルーシの首都,ミンスクに開発拠点を置くゲームメーカー,Wargaming.netが開発した「World of Tanks」は,陸戦の王者である「戦車」を大胆にフィーチャーしたアクションMMOG(大人数参加型オンラインゲーム)だ。正式サービスが行われたロシアとロシア語圏諸国では戦車ファンが大挙して登録し,なかなか盛況なご様子。我々日本の戦車好きも遅れてはいけないと,βテストに挑戦してみたのだ。
 戦うだけでなく,戦車を育成するという要素も濃厚な本作だけに,このところアイドル育成で腕を磨き,育成に関してはもはや並ぶ者がいないと思っているのは自分だけと言われている4Gamer編集部の松本が,鋼鉄と鋼鉄のぶつかり合いに挑む。いや,痛戦車とか作らないから。

Wargaming.netが,我々のためにやってくれました 世界の戦車ファンが泣いて喜ぶ戦車ファンのためのゲーム登場

 

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 時代は,戦車! 日本全国に戦車ブーム到来! ゴールデンタイムには,戦車の特別番組がお茶の間を賑わせ,通学途中の女子高生は定期入れにT-34 1941年型やパンターD型の写真を忍ばせ,奥様達は「聖地巡礼」とばかりにクビンカ戦車博物館(ロシア)や,ソミュール戦車博物館(フランス)へ押しかける……という夢を見て起きた筆者がここで紹介するのが,戦車を大胆にフィーチャーしたMMOG(大人数参加型オンラインゲーム)「World of Tanks」だ。いきなり夢オチ。

 

「World of Tanks」公式サイト

 

 ちなみに,本作の開発/サービスを行うWargaming.netだが,ヘッドクォーターはロンドンにあるので公式にはイギリスのメーカーということになるかもしれないが,彼らの開発拠点はベラルーシの首都ミンスクに置かれている。150人規模というから,東欧/ロシアのゲームメーカーとしてはかなり大きな会社だ。これまでに,いくつかのタイトルを開発しており,その一つ「Order of War」はスクウェア・エニックスからリリースされたので,プレイした人もいるかもしれない。Order of WarはRTSだが,資源の収集や管理といった面倒な要素を完全にオミットし,戦車や航空機,歩兵を使った迫力ある戦闘に集中できるゲームになっており,その思い切りの良さはWorld of Tanksにも一脈通じるものがあるようだ。

 

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 World of Tanksを簡単に説明すると,(今のところ)最大30名のプレイヤーがネット上にある戦場に集合して2つのチームに分かれ,戦車に乗って戦うというMMOG(大人数参加型オンラインゲーム)だ。正式サービスが始まったロシアでは,Free-to-Playスタイルのビジネスモデルが採用されており,誰でも無料で参加が可能になっている。言うまでもなく,収益は戦車やアップグレードパーツなどのアイテムを買ってもらうことによって挙げるわけだ。
 戦車に対するこだわりは深く,そのグラフィックスは精密かつ緻密であり,車種に関しても相当マニアックなものまで用意されている。主砲の性能や移動能力なども実車をかなり忠実に再現している印象が強い。しかし,リアルなのはそこまで。ゲームには,近代の戦場では欠かせない歩兵や航空機の姿はなく,自走砲による遠距離砲撃はあるものの,あくまで戦車vs.戦車の戦いに主眼が置かれている。

 

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 さらに戦場となるマップも,なんとなくそれらしい名称はついているものの,実際の歴史的戦場を再現したものではない。このあたりは大変ゲームっぽく,つまり純粋に戦車を愛する戦車マニアが,オレの育てた戦車に乗って戦車戦を繰り広たいという願望を叶えるものになっているのだ。そんな奇特な人がどれくらいいるのか,つい心配になってしまうが,これが奥さん,ちょっと聞いてくださいよ,けっこう多いらしく,2011年1月7日に掲載したニュースでもお伝えしたように,登録アカウント数は100万オーバーで,ロシア語圏での正式サービス初日の同時接続者数が,約7万5000人というスコアを記録しているという。まだまだ捨てたもんじゃないよね,戦車。

 

 さて,World of Tanksの現在のステータスはといえば,上にも書いたようにロシアおよびロシア語圏で正式サービスが始まっており,西ヨーロッパ諸国と北米ではβテスト中という感じだ。ロシア国内でのローンチが2010年10月で,ロシア語圏のそれが2011年1月だが,西欧および北米でのサービス開始は「2011年内」としか発表されていない。
 筆者は2010年8月,ケルンで開催されたGamescom取材の折,Wargaming.netのCEOであるVictor Kislyi氏から本作のレクチャーを受けた経験があるが,そのときには,今にも欧米での正式サービスが始まりそうな雰囲気だった。しかし上記のように,βテストに非常に長い時間をかけており,そのとき話に出た,日本を含めたアジア圏でのサービスについても,新情報はない。まあそのへん,ロシア/東欧のゲームメーカーでは珍しいことではなく,あわてんぼうな日本や西欧,北米のゲーム企業とはちょっと違った時間軸を使用している印象を受ける。さながら,母なるロシアの悠久の大地,といったところだろう。
 無料の登録をすれば,国籍を問わず誰でもβテストに参加できるのだが,公式サイトで登録を済ませて,認証の手続きが終わり,向こうからメールが来るまで非常に時間がかかるようで,気長に待つしかないらしい。このあたりもまたロシアの母なる悠久の……って,もういいですか。いいですね。

 

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 さあ,だいたい分かってもらえたところで,ゲームを始めよう。プレイヤーが最初に立っているのは車庫(Garage)だ。今だけなのかどうなのか分からないが,ちらほらと雪が降り,クリスマスデコレーションが戦場らしく,慎ましげに飾られている。
 この車庫がプレイヤーの本拠地となり,ここで補給をしたり戦車をリサーチしたり,戦車兵を交代させたり,メールを読んだりいろいろなことができるのだが,最初は「Gold」と呼ばれる資金も少なく経験値もないのでできることは少ない。このGoldは,毎日アクセスするたびに150程度支給される。もっとも,武器の補給や戦車の購入に使うのは「Credit」で,これはGoldを日々のレートで交換することで得られるほか,戦場で活躍したりしても手に入るようだ。ここで「ようだ」と書いたのは,実をいうと筆者はちっとも活躍できないので,なんとなくそうなんだろうなあと思うしかないわけだ。てへへ。

 

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 さらに,戦いを重ねることで得られる「Experience」,すなわち経験値もパラメータとして用意されており,これは戦車のリサーチに使える。リサーチすることで,戦車の能力が向上していくという仕掛けなのだが,どうです? こんがらかってきましたか? このほか,戦車兵の能力とか,いろいろと細目があり,自慢じゃないが,筆者は最初,かなりこんがらがった。これを「アイドルマスター」に強引に例えると,天海春香のボイスイメージを高めようと思って衣装「トラディショナルレッド」を着せたところ,ダンスイメージとビジュアルイメージが下がってしまったので,あわててアクセサリーの「セピアサングラス」を装着させたら,今度はボイスイメージが下がって,もうわけが分からないという状況によく似ているが,よく考えたら似ていないかもしれない。すいません。
 ともあれ,こうなったら一刻も早く戦場に出ることにしよう。昔から,習うより慣れろというではないか。

 

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 勢力は,ソ連,ドイツ,そしてアメリカの3つ。最初に使える戦車は,ソ連が「MS-1」,ドイツが「Leichttraktor」,そしてアメリカが「T1 Cunningham」の3両で,いずれも第一次世界大戦終了前後の戦車黎明期に試験的に作られたオモチャのような戦車で,戦車と呼べるのかどうかも怪しいシロモノだ。とはいえ,いきなりティーガーとかJS-3とかは無理なので,まずはこれで始めなくてはならない。
 車庫画面の上方の赤い「Battle!」ボタンをクリックして待つことしばし,筆者は戦場に立っていた。砲声と土煙をあげて走る戦車。さあ,バルティ,やつらを教育してやろう……というところで,来週の海外ゲーム四天王に続きたい。白熱の次回を待て。無理にとは言わないが。

 

コラム:戦車の歴史
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 「戦車」と呼ばれる兵器が初めて戦場に登場したのは,第一次世界大戦も2年目に入った1916年9月15日,フランス北部を流れるソンム川周辺で行われた「ソンムの戦い」でのこと。この,大戦中最大の会戦に投入されたのが,49両のMk.1戦車だ。見たこともない兵器の出現にドイツ兵があわてふためいたこともあって,ある程度の効果はあったものの,10両が撃破され,また整備不良で満足に動けない車両も多かったという冴えないデビューで,筆者を含めた多くの戦車ファンが心配した。
 だが,その後改良が続けられ,第二次世界大戦ではまるでカンブリア紀の生命爆発のような多種多様な戦車が出現し,戦場を席巻し,陸戦の王者として君臨したため,筆者を含めた多くの戦車ファンがホッと胸をなでおろしたといわれている。

 

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■■松本隆一(4Gamer編集部)■■
 4Gamerの戦車担当編集者。もっとも,最近は勉強不足らしく,「World of Tanks」に登場する戦車の型式を判別できないなど,口ほどではないようだ。得意分野は現用ロシア戦車だったが,東西冷戦構造が崩壊して旧ソ連の戦車に関する情報が豊富に入ってくるにつれて,それに付いていけず,あまり詳しくなくなってしまったという過去を持つ。オブイェークト!
  • 関連タイトル:

    World of Tanks

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