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「THE LAST STORY」が標榜する“新たなRPG”とは? 「THE LAST STORY プレゼンテーション 〜新たなRPGを求めて〜」レポートを掲載
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印刷2010/12/28 12:31

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「THE LAST STORY」が標榜する“新たなRPG”とは? 「THE LAST STORY プレゼンテーション 〜新たなRPGを求めて〜」レポートを掲載

画像集#001のサムネイル/「THE LAST STORY」が標榜する“新たなRPG”とは? 「THE LAST STORY プレゼンテーション 〜新たなRPGを求めて〜」レポートを掲載
 12月27日,任天堂は,「THE LAST STORY プレゼンテーション 〜新たなRPGを求めて〜」を,東京都内で開催した。この催しは,2011年1月27日発売予定のWii用RPG「THE LAST STORY(ラストストーリー)」がいかなる内容なのか,ディレクターを務めるミストウォーカーの坂口博信氏がプレゼンするというもの。全90分のプレゼンテーションのうち,実に60分近くにわたり,坂口氏が直々に同タイトルのデモプレイをじっくりと披露した。本稿では,その模様をまとめてレポートしよう。

ミストウォーカー 代表取締役社長 坂口博信氏
画像集#002のサムネイル/「THE LAST STORY」が標榜する“新たなRPG”とは? 「THE LAST STORY プレゼンテーション 〜新たなRPGを求めて〜」レポートを掲載
 プレゼンの冒頭,坂口氏は,自身が,「ファイナルファンタジーV」以来,約18年振りにゲームのディレクションを手がけたことに触れ,「ディレクターは体力を使うので,なかなか大変だったが,楽しく仕事ができた」と感想を述べた。
 続けて,「THE LAST STORY」と名付けたことについて「自分達が120%の力を出して,それで受け入れられないのであれば,最後の作品でもいいのかな,という決意の表明」と説明する。とはいえ,そう考えたことで肩の力が抜け,制作に没頭できたと坂口氏は述べる。続けて,「何より同タイトルを実際に手に取って遊んだ人がどう感じるかが一番大事であり,そこに純粋に集中して制作できたのではないか」と述べた。


画像集#003のサムネイル/「THE LAST STORY」が標榜する“新たなRPG”とは? 「THE LAST STORY プレゼンテーション 〜新たなRPGを求めて〜」レポートを掲載
 坂口氏が最初にプレイして見せたのは,ゲームの序盤。プレイのポイントとなる部分には逐一チュートリアルが挟み込まれ,動画による説明がなされる。
 移動または戦闘中は,TPSにおけるカバーアクションのように,Aボタンで障害物の陰に隠れて敵の注意をそらすことができる。坂本氏によると,こうした地形へのインタラクションはこだわりの部分で,「地形を舐めまわすような移動を実現したかった」とのこと。

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 戦闘は,目の前にいる敵をオート攻撃するというもの。したがってアナログスティックを使って敵に近づくだけ攻撃できるわけだ。もちろん,Aボタンで攻撃,Bボタンでガードとマニュアル攻撃に切り替えることも可能だ。坂口氏はこういった仕様にした意図を,「ゲームの後半で技や魔法が増えると,アクション要素が強くなってしまいがちなので,RPG寄りの楽しみ方ができるようにした」と説明する。

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 画面左下に“Z”の表示が出た場合には,周辺に何かあるサインだ。Zボタンを押しながら辺りを見回すと,戦闘を有利に進めたり,ストーリーを進展させたりする何かを発見できる。坂口氏は,マップ中央にある柱を破壊することで部屋の中にいる敵を一掃して見せた。なお,柱の倒壊にパーティメンバーが巻き込まれると,ダメージを負ってやられてしまうそうだ。
 本作では,魔法を撃つと着弾点に「魔法サークル」ができる。その中に入ったパーティメンバーの武器には属性効果が付与されたり,体力が回復したりといった恩恵を得られることが紹介された。

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ボウガンによる遠距離攻撃の紹介では,物陰から敵のヒーラーを狙い撃ちするといったデモが行われた
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 続いて,戦闘の大きなポイントとなる主人公エルザの能力「ギャザリング」について説明がなされた。
 このゲームでは,敵がパーティメンバーの誰を狙っているか,白い線(ポインター)で表示されるのだが,Cボタンでギャザリングを発動させれば,その注目を一気にエルザに向けることができる。ギャザリングを使うことによって敵の注目をパーティメンバーからそらし,その間にパーティメンバーが魔法の詠唱を行うなどの時間を稼げるというわけだ。

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 ギャザリングはそのほかにも使い道があり,坂口氏はデモプレイで,中ボス戦を例に紹介を行ったのだが,ネタバレも含まれるので,ここではあえて割愛しておこう。
 そのほか,メンバー各自に直接攻撃対象を指示する様子や,スティックの方向+Aボタンによる回避行動,そしてアイテムで上記の魔法のようにサークルを作って敵にダメージを与えたり,パーティメンバーを回復したりできるといった要素も紹介された。

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 エルザの能力のもう一つの特徴が「風魔法」である。これはパーティメンバーが残した攻撃魔法や回復魔法のサークルの効果を“拡散”するというもの。魔法サークル同士が重なり合うように発動させると,元々の魔法サークルの効果に,追加で別の効果を付与できるのだ。
 たとえば,エルザの風魔法で氷雪系の魔法サークルを拡散させると,地面が凍る効果が付与され,魔法サークル内にいる敵が滑って転ぶようになる。また,風魔法は敵が作った魔法サークルの効果を打ち消すことができるそうだ。

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 そのほか,敵となる「ウルグ族」の船に乗り込むシーンでは,見張りをおびき寄せて孤立状態(アローン)にして,増援を呼ばない状態にしてから倒すといったプレイも紹介された。
 なお,敵のドロップアイテムや宝箱の中身はランダムとのことで,そのおかげで坂口氏は自身が1000回近く行ったテストプレイでも,モチベーションを保ち続けられたと語っていた。

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 エルザたちの拠点となるのは,「ルリ城」の城下町だ。ここでは酒場のNPCとの会話シーンや,パーティメンバーとの過去を回想するイベントなどが紹介された。
 また城下町は,坂口氏が「作りこみたかった」と述べる通り,広場や市場,職人通りなどが存在し,非常に広く,また緻密に仕上げられている。
 城下町の中には多数のNPCが行き交っており,屋台をのぞくと生活感の垣間見られる挙動をしていたり,エルザがNPCにぶつかると「どこ見てるんだ!」と言われたり,日常感の演出も細やか。
 また,画面に“Z”が表示されたときに周囲の何かに注目すると,イベントが発生することもある。街中ではバナナを発射するボウガンのような武器を使え,バナナを街のNPCに撃ち込むと転ばせることが可能。撃ったバナナをエルザが踏むと,自身も転んでしまうといった様子も紹介された。

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 次に紹介されたのが,防具の着せ替えである。防具は上下2種類を組み合わせるだけというシンプルなものだが,色の変更はもちろん,見栄えをカスタマイズできる。たとえば,トップスのマフラー,ボトムスの装甲といった衣装に付随するパーツについては,あり/なしを選べるようになっている。

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 もう一つ,坂口氏が熱望した要素が,防具の透明化──すなわち裸(パンツは付けているが)にしてしまうことだ。上半身/下半身/全身を選べ,イベントシーンも裸のままで進行することがデモで紹介された。なお防具の見た目をカスタマイズしても,能力自体に影響はないそうである。

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ゲームに登場する防具は多岐にわたり,ほかのキャラクターの衣装を着させることもできる。またゲーム中のイベントは,衣装が反映された状態で進行する
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 デモプレイの最後には,坂口氏がマニュアル操作によるボス戦を披露。これまでのプレゼンで紹介されたポイントや,さまざまな技を駆使した派手な戦闘を繰り広げ,プレゼンを締めくくった。
 なお,プレゼン終了後,筆者も「THE LAST STORY」試遊の機会を得たのだが,短い時間では紹介されたポイントをなぞるのが精一杯。坂口氏のようなプレイができるようになるまでには,結構やり込む必要がありそうだ。

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任天堂の岩田社長がサプライズゲストに! 開発秘話も披露された登壇者のトーク


 続くステージでは,坂口氏に加え,「THE LAST STORY」のサウンドを手がけた植松伸夫氏,コンセプトアートを手がけた藤坂公彦氏,制作の松本卓也氏が登壇してのトークセッションの時間となった。

写真左から坂口博信氏,植松伸夫氏,藤坂公彦氏,松本卓也氏
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 トークの冒頭では,何作ものタイトルでともに作業をしてきた坂口氏と植松氏だが,今回は「破局しそうになった」ことを披露。植松氏が最初にメインテーマとバトルの曲,そして街の曲を提出したところ,坂口氏に「全然違う」といわれてしまったそうだ。植松氏は,坂口氏が書いた長文の指摘から意図を汲み取り,1か月近い“断絶状態”の中,自らが作ってきたゲームミュージックよりも映画音楽寄りの曲調を目指したとのこと。なお,植松氏のお気に入りは,新たに作ったメインテーマだそうだ。

 藤坂氏は,開発の初期に,かなりコンセプトアートを描いてから,大きな方向転換が行われたため,「この野郎」と思ったこともあったが,結果として,まとまったいいものとなったと述べる。
 お気に入りは,タイトルロゴとメインビジュアルに使われたエルザとヒロインのカナン。なおタイトルロゴに関しては,締め切り間近の作業中にホロ酔いの坂口氏が現れて,急な変更を申し出たこともあったという。
 ちなみに,「THE LAST STORY」のパッケージは特製スリーブになっている。藤坂氏は「面白いと思ってもらえたら」と語っていたが,ある仕掛けが施されているようなので,購入予定の人は,パッケージが手元に届いたら,ぜひスリーブ部分をチェックしてみてほしい。

 松本氏は,先述の坂口氏と植松氏のやり取りを見て「大変なことになっている」と思った半面,本気を感じたという。ハードな現場だったが,細かなやり取りの積み重ねが結果として「THE LAST STORY」を形成したと述べる。

 ほかにも坂口氏が「実験段階が1年も続くとは思わなかった」と,プロトタイプで試行錯誤する期間が非常に長かったことに触れると,松本氏は,たしかに長かったがなかなかできない経験ができたと当時を振り返った。
 なお,「THE LAST STORY」の開発期間は実質3年半,構想期間も含めると4年を超えているそうである。

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 続いて,登壇者4人による「THE LAST STORY」のマルチプレイ機能を紹介。
 マルチプレイはオンラインで最大6人による対戦/協力プレイが可能。またマッチングは,フレンド限定とランダムなどいくつかのパターンが用意されていた。使用キャラクターは各自が自由に選べるが,ステージは参加プレイヤーの投票制で,意見が割れた場合は候補の中からランダムで選択となるそうだ。
 今回登壇者達がプレイしたのは乱闘モードで,5分間の制限時間に一番多くのポイントを獲得したプレイヤーが勝利というルールだ。なお,最後の1分間はポイント2倍で逆転のチャンスもある。対戦前はやり込んでいる坂口氏と松本氏が有利という話だったが,5分間の激戦ののち,勝利したのは植松氏という結果となった。

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 トークセッションの最後には,サプライズゲストとして任天堂の代表取締役社長である岩田 聡氏が登壇。岩田氏は本当に突然会場を訪れたそうで,坂口氏をはじめとした登壇者達は,かなり驚いていた。
 岩田氏は,「“(RPGの)新しい方程式”を作るという,坂口さんのチャレンジが確信に変わっていく様子を見させてもらいました」と述べ,デバッグを担当した任天堂のマリオクラブでのテストプレイがこれまでの最長記録に近い9か月にも及んだことなどを明かし,「THE LAST STORY」がとことん作りこまれた,密度の高いタイトルであることをアピールした。

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 岩田氏は「ゴールが決まっていない長いマラソンを走り抜けるのは大変です。いろんな意味で一人ではなく,チームだから“新しい方程式”へのチャレンジを達成できたのではないでしょうか」と,登壇者をはじめ「THE LAST STORY」に関わった人達を賞賛。「そうやってできた新しいものを,いかにしてたくさんの人に楽しんでいただくか。坂口さん達の本気を受け止めて,僕ら(任天堂)はきちんとやらなければならない」とまとめた。

 最後に,登壇者4人のメッセージを掲載しておこう。

『THE LAST STORY』は素晴らしい作品として完成しましたが,音楽もやり切りました。ぜひ発売日を楽しみにしていてください」(植松氏)

新規タイトルに参加できたことは幸運でした。多くの人に喜んでもらえるように作りました」(藤坂氏)

走りきることができたのは,皆さんのおかげです。いろんなゲームの中で光り輝くものになるんじゃないでしょうか。ぜひプレイしてください」(松本氏)

岩田さんのビックリが,『THE LAST STORY』を象徴しています。いろんなビックリや,いい偶然が重なって,今回,ここまで来れました。多くの人に楽しんでもらうべく,今回は丁寧に作りました。誰も見ないような壁の模様一つにもこだわっていますので,意気込みやエネルギーを感じとってください」(坂口氏)

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発表会は,ゲーム中にも使われている鼻歌の「歌詞付きバージョン」を,歌手のカノンさんがしっとりと歌い上げてフィナーレを迎えた
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