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[CES 2015]MSI,PCIe 3.0 x16接続となる外付けグラフィックスボックス付きのゲーマー向け13インチノートPCを初公開
MSIの外付けグラフィックスボックスは
PCIe 3.0 x16でノートPCと接続
外付けグラフィックスボックス付きのゲーマー向けノートPCには,「GS30 Shadow with Gaming Dock」という名が与えられている。その名のとおり,「GS30 Shadow」という名のノートPCに,専用の外付けグラフィックスボックス「Gaming Dock」がセットになったものだ。
実のところ,その存在が明らかになったのは「ALIENWARE Graphics Amplifier」より早かったのだが(関連記事),製品版が披露されたのは,CES 2015のタイミングが初となる。
GS30 Shadow自体は,単体GPUを搭載しない,13.3インチワイド液晶パネル搭載のノートPCで,グラフィックス機能は,4コア8スレッド対応の「Core i7-4870HQ」に統合された「Iris Pro Graphics 5200」に頼る仕様となっている。つまり,ゲーマー向けノートPCというよりは,モバイルノートPC的な製品といえるだろう。
それだけに注目が集まるのは,専用インタフェースでつながるGaming Dockのほうだが,CES 2015では,その接続仕様が明らかになった。結論から先に書くと,PCI Express 3.0 x16(以下,PCIe 3.0 x16)だ。
Gaming Dockには,デスクトップPC用マザーボードでお馴染みのPCIe 3.0 x16スロットが1基用意されており,2スロット仕様のグラフィックスカードを接続できるだけの空間が用意されている。最終製品では,「GeForce GTX 980」もしくは「GeForce GTX 970」搭載グラフィックスカードをあらかじめ差してある状態のGaming Dockと,グラフィックスカードを含まないGaming Dockの3モデル展開になる予定だそうだ。
気になる挙動面だが,GS30 ShadowとGaming Dockを接続した状態では,Gaming Dock側に差さっているグラフィックスカードの出力のみが利用されるとのこと。おそらくは,グラフィックスカード側でレンダリングした映像を,PCI Express 3.0経由でノートPC側へ戻すための手段がなかったのだろう。
ところで,2014年9月の発表時点では使い道が分からず,「右側面上部には,何かレバーのようなものも見えるが,何に使うものだろうか」と書いていたレバーだが,何のことはない,GS30 ShadowをGaming Dockから取り外すときに使うためのものだった。
ただ,GS30 ShadowとGaming Dockの付け外しにあたっては,PCの電源をいったん落とす必要があるので,この点は注意が必要だろう。MSIの許可を得て,試しに「デモ機が動作したままの状態」で取り外してみたところ,ノートPC側がフリーズしてしまったので,くれぐれも真似しないよう気を付けてほしい。
ちなみにこの「外付けグラフィックスボックスを使うときには再起動要」という点は,ALIENWARE Graphics Amplifierとほぼ同じ仕様である。
気になる発売時期はまだ未決定。米国市場における市場価格は,グラフィックスカードが付属しない状態のGS30 Shadow with Gaming Dockで2000ドル(税別,単純計算で23万8000前後)になるという見通しをMSIは示していた。さすがに安価とはいえないが,PCIe 3.0 x16という点はたいへん興味深く,ALIENWARE Graphics Amplifierと比較してみたい製品の登場とまとめられそうだ。
未発表GPU「GeForce GTX 965M」搭載モデルに
話題のメカニカルキーボード搭載モデルも
15.6インチワイド,解像度1920×1080ドットで,タッチ操作対応の液晶パネルを搭載したゲーマー向けノートPC「GE62 APACHE-002」は,NVIDIA未発表のGPU「NVIDIA Geforce GTX965M 2G GDDR5 Graphics card」(※MSIが飾っていた説明パネルの表記ママ)を搭載するのが特徴だ。
もちろん,GPUの詳細は教えてもらえなかったが,その表記からして,第2世代MaxwellアーキテクチャベースのノートPC向けGPU新製品という可能性はかなり高いといっていいのではなかろうか。
なお,組み合わせられるCPUは第4世代Core i7プロセッサで,メインメモリは8GB+4GB(※4GB×2のみデュアルチャネル接続),内蔵ストレージは容量1TBのHDDというのが基本構成となる。もっとも,MSIのノートPCは,展開される市場ごとに内部構成が変わるのが常なので,日本で登場する暁には,少なからずカスタマイズが入ることになるだろう。
もう1つ,2014年11月に台湾のゲームイベントで展示されて話題を集めた,「『Cherry MX』メカニカルキースイッチ搭載のSteelSeries製キーボード」採用のゲーマー向け大型ノートPC「GT80 Titan SLI-009」に関する新情報もまとめておきたい。
本製品の第一報は,当時のイベントレポートでお伝え済みだが,今回は説明員から話を聞くことができたが,GPU構成はGeForce GTX 980Mの2-way SLI。ハイエンドクラスのGPUを2基と,背の高いメカニカルキースイッチを採用しつつ,できる限りサイズを小型化することを目指した結果,キーボードとタッチパッドが本体手前側に集中するという,非常にユニークな外観は,第一報の時点から変わっていない。
ロールオーバーなど,細かな仕様は明らかになっていないが,わざわざメカニカルキーボードを採用しておいて,そのあたりに手当てしていないというのは,ちょっと考えにくい。SteelSeries製のメカニカルキーボードと同等の基本仕様を期待しておいていいのではなかろうか。
とにもかくにも,GS30 Shadow with Gaming DockとGT80 Titan SLI-009は,ゲーマーなら見逃せない製品とまとめていいように思う。最近のMSI製ゲーマー向けノートPCは,多くが国内発売されているので,両製品の登場にも大いに期待したいところだ。
MSI公式Webサイト(英語)
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