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[COMPUTEX]MSIからもアスペクト比32:9の超横長ゲーマー向け液晶ディスプレイが登場
アスペクト比32:9のゲーマー向け液晶ディスプレイがMSIからも
MSIのディスプレイ関連で,最も注目を集めていたのが「Optix MAG491C」だ。
Optix MAG491Cは,解像度3840×1080ドット,アスペクト比にして32:9という超横長仕様の湾曲型液晶パネル採用のゲーマー向けディスプレイである。結論から言ってしまうと,この製品,筆者の連載記事で紹介したことがある,Samsung Electronics(以下,Samsung)製ディスプレイ「C49HG90」の姉妹機的な存在であるようだ。
画面サイズ49インチで,曲率1800R(=半径1800mmの円を描くカーブ)の液晶パネルは,当然ながらSamsung製のVA型液晶パネルを採用。3840×1080ドットは,いわば4K解像度(3840×2160ドット)の液晶パネルを半分にカットしたようなもので,サイズが49インチということは,三角比で計算すると約27インチ(※49÷2の24.5ではない)でフルHD解像度のディスプレイを2台並べた状態にほぼ等しい。
垂直リフレッシュレートは最大144Hz対応で,VESAのHDR規格である「DisplayHDR 400」や,AMDのディスプレイ同期技術FreeSyncやFreeSync 2にも対応しており,スピーカーは搭載しないといったところまでC49HG90と同じ仕様だ。
ただ,MSIのスペック表には,液晶パネルの応答速度が4msとなっていた。C49HG90は応答速度1msを謳っていたので,完全に同じパネルではないのかもしれない。
液晶パネルのサイズや曲率が同じなので,全体的な見栄えがC49HG90と似ているのは当然なのだが,スタンド部分のデザインはだいぶ異なる。
C49HG90は,真正面にクリアランスを設ける意図なのか,台座部分が大きく開いたV字型をしていたのに対して,Optix MAG491Cの台座部分は,T字型スタンドになっているのだ。ただ,T字の上辺にあたる部分がディスプレイ前方にせり出しているので,率直に言って使い勝手はよくない印象だ。デザインを変更してもらいたい。
発売時期と価格は未定とのこと。C49HG90の北米における実勢価格が約1000ドルなので,このあたりが目安になりそうだ。
業界最速レベルの応答速度0.5ms「Oculux NXG251」
MSIは既存のOptixシリーズに加えて,新たに「Oculux」というシリーズを立ち上げた。その第一弾製品が「Oculux NXG251」となる。発売時期や価格は未定で,国内販売は検討中とのこと。
Oculux NXG251の最大のウリは,業界最速を謳う0.5msの応答速度だ。液晶パネルはTN型で,こちらもSamsung製。画面サイズは25インチで,解像度はフルHDであった。
0.5msの応答速度を活かし,業界最速のリフレッシュレート240Hzに対応する点もOculux NXG251の特徴だ。240Hzが業界最速と聞いて,「そんなのもう売ってるでしょう?」と思う人もいるだろうが,MSIの言い分には理由がある。240Hz対応を謳う既存のゲーマー向けディスプレイには,実際のリフレッシュレートは120Hzであり,バックライトブリンキング(明滅)による黒挿入を240Hzで行うことにより,リフレッシュレート240Hzを謳う製品が結構あるのだ。それに対して,Oculux NXG251は実際に240Hzで映像を書き換えられるので,既存製品に対する差別化のポイントとなっている。
Optix MAG271CR
「Optix MAG271CR」は,アスペクト比16:9の湾曲型液晶パネルを採用したゲーマー向けディスプレイ新製品だ。搭載する液晶パネルは27インチサイズで,フルHD解像度のSamsung製VA型。曲率は1800Rとのことだった。
応答速度は1msで,垂直最大リフレッシュレートは144Hz。VA型液晶パネルということもあり,公称ネイティブコントラストは高めの3000:1を誇る。公称最大輝度も,PC向けディスプレイとしてはやや高めの300nit(=300cd/m2)だ。そのほかに,FreeSyncにも対応する。
スペック的には,国内でも販売中の「Optix MAG27C」と似通っているが,最大輝度が向上しているので,新しいバックライトを強化した改良版というところだろうか。
発売時期や価格は未定で,国内販売も検討中とのことだった。
ホログラフィックスディスプレイ付きのヘッドセットスタンドが登場
さまざまな製品が並ぶMSIブースの一角に,ヘッドセットを載せた筒のようなオブジェが置かれていた。これは何かと近寄ってみたところ,半透明をした筒の中で,MSIのゲーマー向け製品ブランドでイメージキャラクターとなっている「Lucky Dragon」(国内ではラッキー君)が,透明な筒の中で踊っているではないか!
実はこれ,「Gaming Premium Stacker」というヘッドセットスタンドとのこと。まだ試作段階で発売時期も価格も決まっていないそうだ。
MSIは,筒状のディスプレイを「ホログラフィックディスプレイである」と説明していたが,本物の立体映像表示装置であるわけはなく,円筒の中に備えた平面の透過型映像パネルに映像を表示しているだけである。当然ながら3D立体視には対応しておらず,横から覗き込んでもラッキー君の側面が見えるわけではない。
このディスプレイ,一見すると円筒形の透過型ディスプレイのように見えるが,実は違う。円筒形の前面側は半透明になっているが,後ろ半分は黒く塗りつぶされていており,ここにごく普通の液晶パネルが組み込まれているだけなのだ。
この液晶パネル表面が光沢加工されているので,筒内の様子がパネル上に映り込んで見える。筒内の様子と液晶パネル上の映像が連続しているかのように見えるため,あたかも透過型ディスプレイを使っているのように見えてしまうわけだ。なかなかうまいフェイクである。
ちなみに,液晶パネルの対角サイズは5.5インチ程度で,解像度は800×480ドット。PCとUSBで接続して,任意のビデオ映像を再生させられるそうだ。
Gaming Premium Stackerは単に液晶パネルを内蔵しているだけではない。スタンド部分にはワイヤレス充電規格「Qi」(チー)に準拠した充電機能を内蔵しており,ここに置いたQi対応のスマートフォンなどを充電できるのだ。
機能自体は大したものではないが,Gaming Premium Stackerは,技術と遊び心が融合しているところに好感を持った。日本のゲームファンは,愛着あるキャラクターを手元に置いて愛でる文化があるので,以外にそういう人には,響く製品となるかもしれない。国内発売に期待したいところである。
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