2011年2月24に発売されたセガのPSP用ソフト「
ファンタシースターポータブル2 インフィニティ」のファンイベント
「ファンタシースターポータブル2インフィニティ 全国ファン感謝祭2011 supported byカロリーメイト」が,4月24日に秋葉原のAKIBA SQUAREにて開催された。
今回のイベントのメインとなるのは,これまで全国3都市と2つのメディアにて開催された,2人チームで特定ミッションのクリア時間を競う
「インフィニティグランプリ」予選大会の上位入賞者が集い,その頂点を決める決勝大会である。
関連記事:「ファンタシースターオンライン2」の画面写真が初公開に!PVで紹介された気になるキーワードとともに紹介
会場には1000人近くのファンが来場。物販コーナーは10:30にオープンしたが,人気商品は早々に売り切れしまうという状態に。原画の展示コーナーや,記念撮影コーナーなども設けられていた
|
|
イベントのオープニングは,Annette Marie Cotrillさんが本作の主題歌「Ignite Infinity」のスペシャルアレンジバージョンを,本作のサウンドディレクター小林秀聡氏が率いるバンドの演奏をバックに熱唱。
続いて今回のイベントでスペシャルサポーターとして全国を回った能登有沙さんと小倉 唯さんが,今回の決勝大会出場チームを紹介した。一癖も二癖もありそうな8チームが登場したのち,本作プロデューサー酒井智史氏による「ファンタシースターポータブル2インフィニティ!」のかけ声とともに,決勝大会の開幕となった。なお大会別出場チーム名とプレイヤー名,予選記録は以下のとおり。
熱いボーカルを聞かせてくれたAnnetteさん。小林氏はなぜかスパンコールのド派手な衣装と蝶ネクタイ姿でキーボードを演奏した
|
|
酒井氏とゲスト陣,そして出場チームと来場者のかけ声でイベントが開幕となった
|
大会ルール写真のとおり。キャラクターは事前に選択,アクションパレットの設定やフォトンアーツのリンクなどは,開始直前の60秒間で自由に行える。この設定が勝負のカギとなったようだ
|
決勝大会は所定のルールのもと,抽選で決定した5ブロックに分かれて3チームずつの1回戦を行い,その勝者5チームと,残り10チームの中からクリアタイム上位の4チームが準決勝へと進出。再び抽選によって決定した3ブロックの上位3チームでの決勝が行われる。
1回戦はDLミッションの「インフィニティグランプリ1stステージ」,準決勝は「インフィニティグランプリ2ndステージ」,そして決勝はこの大会で初公開となるスペシャルミッションに挑むこととなる。
解説席に着いた酒井氏は「T隊長(シニアディレクターの寺田貴治氏)が今朝入院してしまいました」とファンに驚きの報告。公式ブログによると体調を気にしながらも,当大会への参加を楽しみにしていたご本人だが,残念ながら不参加となった |
解説にはライトニング菅沼こと菅沼 裕ディレクターも参加。「T隊長のぶんも我々開発陣で盛り上げていきます!」とメッセージを贈った |
抽選で決定した1回戦の組み合わせ。Aブロックで名古屋大会出場のチームがかぶった以外は,ほぼ順当な組み合わせとなった。なお出場辞退のチームがあったため,Eブロックは2チームで行われる
|
1回戦は「インフィニティグランプリ1stステージ」のミッションでクリアタイムを競うというルールで展開。非常に短い海岸エリアに,ゼルーモン,ゴルリリー,ココ・メロッダ,そしてボスのギール・ゾーグが登場する。全チームの全員がニューマン女性フォースで挑んでいた。
1回戦Bブロック:
鳥取遠征組(大阪大会3位)
ゼルベすたら(9)go(ファミ通CUP1位)
いぬじる(東京大会1位)
決勝1位の2チームがぶつかるBブロック。全チームが均衡した展開を見せ,ほぼ同タイムでギール・ゾーグと遭遇したが,効率よくギール・ゾーグの甲殻を破壊した「いぬじる」がトップでミッションをクリア。クリア後に2人がガッチリ握手をかわしていたのが印象的だった
|
1回戦Cブロック:
ジ(ファミ通CUP3位)
チーム生主(大阪大会1位)
チームニコ生奈々音ネコ(東京大会3位)
昨年のリトルウィンググランプリの決勝大会で優勝した「チーム生主」が,今回も決勝大会へと進出。カスタマイズ後のゲームスタートに出遅れるというハプニングに見舞われるも,みるみると遅れを挽回する戦いに会場からどよめきが上がる。3チームがほぼ同時にギール・ゾーグに遭遇するまで追い上げ,その勢いでトップでクリアし,拍手喝采を浴びた
|
1回戦Dブロック:
スノーがウボァってファイアーツインズになりまして候(ファミ通CUP2位)
新・マジャーラ(ニコニコ動画1位)
ぬちゃぁ(大阪大会2位)
全チーム最長のチーム名「スノーがウボァってファイアーツインズになりまして候」を解説の酒井氏がいじる中,全チーム順調に進行。ボス戦には「新・マジャーラ」がほんのわずかに早くたどり着き,そのまま最速でミッションクリアとなった
|
1回戦Eブロック:
怪物兵団(ニコニコ動画3位)
死双月(名古屋大会3位)
2チームでの対戦となったEブロック。終始黄金のマスクをかぶってプレイしていた「死双月」がコンビネーションのよさを見せつつ手際よく敵を倒し,ギール・ゾーグ戦へと突入。そのまま倒し,準決勝へと駒を進めた
|
準決勝進出9チームの成績はこちら。「特にいぬじるは予選の記録は2:57だったので,かなり練習したのではないか」と菅沼氏は解説。また,東京や大阪からの遠征組も参加した名古屋大会からの全チームが残っていた点にも触れた
|
1回戦の全試合終了後,約20分の休憩を挟んだのち,準決勝進出のチームが発表となった。遅れながらも圧倒的なスピードで他チームを凌駕した「チーム生主」が,1:48という驚異的なクリアタイムをマークして準決勝へと進出。予選1位のタイム2:06を上回る記録が3チーム出るという,決勝大会らしい結果となった。菅沼氏いわく「1分台は絶対ないだろうと思っていたけど,こうも軽々と出されてしまうと,“凄いね”としか言いようがない(笑)」とのこと。この9チームが,抽選によって再び3ブロックに分かれ,3チームずつタイムアタックを行う。
準決勝のミッション「インフィニティグランプリ2ndステージ」は,シノワビート,ギャランゾ,カオスブリンガーと戦った後,2形態のオルガ・フロウと戦うラグオルステージで,予選ファイナルでも使われたステージである。各チームは,一方がニューマン女性フォースで,もう一方がビーストやキャストのハンターという組み合わせで挑んでいた。
準決勝Aブロック:
鳥取遠征組(1回戦残り10チーム中3位)
ジ(1回戦残り10チーム中1位)
チーム生主(1回戦Cブロック1位)
準決勝に残ったチームの中で,2ndステージの予選最速記録を持つ「ジ」が,ディフェンディングチャンピオンの「チーム生主」にどれだけ迫れるかという酒井氏の予想どおり,「鳥取遠征組」をややリードする形で進行。「ジ」が先行してオルガ・フロウの第2形態戦へと突入するも,「チーム生主」が第1形態を速攻で倒し,まったく同時に撃破ムービーがスクリーンに流れるという盛り上がる展開となった。その差なんと1秒。2:47というタイムを出した「チーム生主」が決勝進出を手にした
|
準決勝Bブロック:
新・マジャーラ(1回戦Dブロック1位)
怪物兵団(1回戦残り10チーム4位)
チーム魚花(1回戦残り10チーム2位)
大会の常連である「怪物兵団」がわずかにリードしてオルガ・フロウ戦へと到達。そのまま第2形態も危なげなく倒し,2:47というAブロック決勝と同じタイムをたたき出して準決勝へと進出。彼らは1回戦でトップから40秒以上の差をつけられていたが,ここで名誉を挽回した
|
準決勝Cブロック:
死双月(1回戦Eブロック1位)
魔法熟女マジカル☆ミツコ(1回戦Aブロック1位)
いぬじる(1回戦Bブロック1位)
「死双月」と「いぬじる」がわずかにリードするも,「魔法熟女マジカル☆ミツコ」がオルガ・フロウ戦でみるみる追い上げていくという,1回戦1位同士らしい激戦が繰り広げられた。Aブロック同様,ほぼ同時にクリアとなった前者2チームだが,タイム的に3秒の差で3:02の「いぬじる」が決勝進出をはたした。この3チームは最後に互いの健闘をたたえ合い,抱擁して喜ぶシーンも見られた
|
休憩時間には,ファンと開発陣がコミュニケーションするシーンも。酒井氏はファンのサインに応じ,菅沼氏は来場者が持参したセガサターンマスクをかぶって記念撮影に応じていた
|
|
準決勝が終了し,2回目の休憩時間を挟んで,「インフィニティグランプリFinalステージ」ミッションが初公開となった。ちなみにここからのミッションの紹介は,かなりのネタバレを含むので,現在本作を遊んでいる人は注意してほしい。
決勝進出チームが控え室で作戦を練る間,檀上では用意したプレゼントが来場者に当たるキズナ大抽選会を開催。シリーズに関連するグッズやポスターなどの詰め合わせセットが抽選で10名に贈られた
|
イヴァーラス2体,ナーゲヴァール,ブリガンティアという強力なスタティリア達が待ち受け,最後にはダークファルス・ディオスが登場するという,非常に過酷なミッションだ。決勝進出チームはこのミッションに初見で臨まなければならない。
会場ではまずこのミッションを菅沼氏と,オープニングに登場したサウンドディレクターの小林氏が,出場者達と同じ条件でミッションをプレイ。それを酒井氏が解説するというデモンストレーションを行った。酒井氏は「ザコ3:ボス7という感じで,ボス戦が長期戦になると思われるミッションです。ただこのザコの配置は完全に殺しにきていますね(笑)。この2人のプレイによる参考クリアタイムは8分30秒前後でした」と解説する。ちなみにボスのダークファルス・ディオスは,体力が1万6000程度に設定されているらしい。
菅沼氏と小林氏がザコと戦う様子を見て,会場からは「これ,きっついわ!」という声があがる。ダークファルス・ディオスはファンには周知のとおり,各所にある赤いコアを狙って攻撃することで効率よくダメージを与えられる。なおこちらのミッションも後日配信予定とのことだ
|
|
強いだけでなく,倒す手間のかかるダークファルス・ディオスのコアを,上下に移動しながら攻撃して勝利を勝ち取った「いぬじる」。仲のよい2人の握手がこの決勝のステージでも見られた
|
そして迎えた決勝戦。菅沼氏は「チーム生主」の勢いを推し,酒井氏はここまで勝ち上がってきた臨機応変なプレイスタイルを見せた「いぬじる」に期待をかけ,最後の戦いは始まった。
決勝進出チームとはいえ,容赦のない敵を相手に苦戦し,「怪物兵団」はニューマンが戦闘不能になる(スケープドールですぐに復活)という,来場者も手に汗握るシーンが展開。そんな中,真っ先にボスの第2形態を披露したのは,酒井氏がプッシュする「いぬじる」の2人だ。的確にコア(中でも大ダメージを与える人型の影が映るコア)を攻撃し,ついにダークファルス・ディオスを倒し,目標タイム8:30の半分以下の3:47という好タイムで優勝を勝ち取った。以下,4:35の「怪物兵団」が2位,4:40で「チーム生主」が3位という結果となっている。
準優勝の「怪物兵団」,3位の「チーム生主」には,ファイナリストの楯とチームからのサイン色紙が,また優勝の「いぬじる」にはクリスタルトロフィーと,2人が希望するオリジナルの配信武器を作る権利の目録が酒井氏より贈られた
|
「いぬじる」にはさらに,今回のイベントのスポンサーである大塚製薬から,カロリーメイト1年分をプレゼント。酒井氏は「賞味期限は11月です」と話していたが,それって1年分じゃないのでは!?
|
今回の勝利に対して「いぬじる」のしるしる氏は,「正直,ステージを見た瞬間に勝てると思いました。ディオスがラストにくるとある程度予想していたので,練習もしていたんです」と自信ありげに返答。
一方相方のしろー氏は,「僕は正直勝てると思っていませんでした(笑)」と対照的なコメントを残した。さらに続けて「今回の優勝において,3つのお礼を言いたいんです。1つは,今日応援をしてくれた名古屋や仙台から来ている友達,本当にありがとう。それと2月の東京大会の翌日が僕の誕生日で,人生最高の誕生日を迎えられまして,それに対してのありがとうです。最後に今回この決勝に送り出してくれた嫁と娘へのありがとうですね。父ちゃん勝ったよ!」と,心温まる言葉で会場を和やかな雰囲気に包んだ。
イベントのラストには酒井氏の紹介のもと,最新作「ファンタシースターオンライン2」の最新ムービーがここで初めて流されるはこびとなった(
関連記事)。酒井氏は「RPGに失われつつある“冒険”を多くのユーザーに感じてもらうために,これまでゲームをしなかったプレイヤーが自分のPCを買い換えることなくプレイしたくなるようなゲームを目指します」と宣言。近日中に開催予定のαテストは5月20日まで募集中なので,まずは
実施概要ページをチェックしてみよう。
速報にてお送りしたいくつかのキーワードを含むムービー。シーンごとに大きなざわめきと歓声が会場から巻き起こっていた。ファンも納得できる濃い要素と,誰もが参加できるようなライトな仕様に期待したい
|
|
|
|
最後に,登壇した開発陣からのメッセージをお伝えして,今回のイベントレポートを締めよう。菅沼氏は「こんな熱い戦いがくり広げられる作品をディレクターとして手掛けることができて,本当によかったです。今後もDLCやイベントなど,さまざまな形で盛り上げて行いきたいと思っています。PSO2ではまた新しい目標ができたかと思いますが,ファンタシースターシリーズはみなさんとともに歩んでいくソフトだと思っていますので,これからも応援お願いします!」と挨拶。
続けて酒井氏は「今日ここにT隊長がいないのは残念でしたが,僕らが思っていた以上に熱い戦いが展開されたことと,出場者のみなさんの絆を感じることができ,本作のキャッチコピーである“キズナが無限の力になる”がそのまま再現された大会になりました。そしてPSO2も,シリーズの次の10年の幕開けになるようなソフトにしていきたいと思っています。これからもファンタシースターシリーズをよろしくお願いします!」と,PSOとともに10年をともに歩んできたファンに対する感謝の気持ちを言葉にしてくれた。シリーズの今後の新たな一歩に期待しよう。
「キズナが無限のチカラになる! 新価を超えたインフィニティ級RPG! それは……ファンタシースターポータブル2! インフィニティ!」のかけ声とともに、会場全員で決めポーズ
|